トップへ戻る

MENU

お買い物かご

清閑 PERSONAL DIARY

< 古い日記へ  

2024.3.17(日) 陰影

「汁飯香の店 隠居うわさわ」には本日、開店直後の忙しさが落ち着くころに8名様のご予約をいただいている。このお客様のための室礼は、3日前の14日に整えた。僕はお茶を習ったことが無い。だから室礼も自己流である。型を知らないからどこからどこまでが「崩し」なのかも分からず、型破りでもない。

果たして自分には「型」と呼べる何ものかがあるだろうかと考える。ひとつだけあるとすればピアノを弾くときの手と指の形で、これだけは子供のころの訓練が身についている。他には何も無いだろう、多分。

床の間に軸、床脇は何とも形容しがたい室礼をいまいちど確かめるため、朝のうちに隠居へ行く。庭にちかい床の間には光が届いている。その右手の床脇には陰影が満ちている。それらのある座敷の飾り戸棚に置かれたものは、しばらく前から変えていない。こちらにも時々は、手を加える必要があるだろうか。どこかに面白いものが落ちていれば、僕はすかさず拾うに違いない。


朝飯 揚げ湯波の淡味炊き、納豆、煮奴、紅白なます、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、長葱とのげのりの味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 厚揚げ豆腐と小松菜の炊き合わせチキンカツのカツ煮、なめこのたまり炊、らっきょうのたまり漬、「黒龍酒造」の「九頭龍燗たのし」(燗)


美味しいおうちごはんのウェブログ集はこちら。

2024.3.16(土) 国内移動

日光に住む人が島根に住む勉強仲間を訪ねたことをSNSで知って「フットワークの軽さに驚きました」と感想を上げたところ「ウワサワさんこそ年に何度もタイへ行くではないですか」と返された。羽田からタイとラオスの国境までは、2回ないし3回の乗り換えで済む。国内の移動こそ、僕の苦手とするところだ。

今月末に甲府へ行く。同所は未踏の地にて、Yahoo!の「乗り換え案内」に頼る。いくつかを検討した結果、以下の経路を選んだ。4回の乗り換えで、所要時間は4時間と出た。

09:05 下今市発 特急リバティけごん14号
10:11 春日部着
10:14 春日部発 東武スカイツリー準急
10:33 越谷着
10:48 南越谷発 JR武蔵野線
10:28 西国分寺着
11:36 西国分寺発 JR中央線
11:41 立川着
11:53 立川発 JR特急かいじ19号
13:04 甲府着

乗車券と特急券は、JR今市駅まで行って、自動発券機の「乗り換え案内」にふたたび頼って手に入れた。帰社してまたまた「乗り換え案内」を開き、上記の経路を紙に印刷する。下今市と春日部以外の駅はすべて初見にて、しくじるわけにはいかない。立川駅での12分間に、弁当は買えるだろうか。


朝飯 ベーコンのソテーとスクランブルドエッグ、納豆、紅白なます、梅の実ひじき、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、大根とのげのりの味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 チーズ、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ウォッカマーティニ、ベビーリーフのサラダ、ズッキーニと赤ピーマンとキャベツのスープ、クロワッサン、飲みさしの赤ワインと白ワイン


美味しいおうちごはんのウェブログ集はこちら。

2024.3.15(金) 黒い細引き

先週金曜日の続きの仕事をすべく、下今市07:02発のリバティきぬ108号に乗る。新型コロナウイルスが世に蔓延して以降、この便はそれまでの6両から3両に編成を減らして運行されていた。それが明日からは本来の6両に戻す旨のアナウンスが走行中の車内に流れる。実際、2020年から2022年あたりまでは、東武線の特急は1両に数名の乗客だった。それが今朝はほぼ満席である。めでたい限りだ。

先週はGoogleマップを頼りに辿り着いた兜町の仕事場だったが、今日は記憶を頼りにすぐに着いた。ふたりのデザイナーと僕が集まった室内と日光の長男とはzoomでやり取りを共有した。僕はほとんど口を挟まず、要点のみに発言をした。部屋にはドリップ式のコーヒーが備えられていて、僕は2杯を飲んだ。

打ち合わせが完了して以降は日本橋、御徒町、上野、北千住と移動をして調べごとをする。途中、御徒町のアートスポーツ本店にて直径2ミリメートルのザイル、まぁ、それほど細いものをザイルと呼ぶかどうかは不明ながら、1メートルのみ買う。

先月21日にメルカリで中古のスーツケースを手に入れた。そのプロテックスFP-32Nはダイヤル錠ではなく鍵を用いて開け閉めをする。黒い細引きは、この鍵をボディバッグやバックパックの目立たないところに結びつけるためのものだ。

夜には会食が控えている。そのため早めの下り特急に乗り、18時前に帰社する。


朝飯 揚げ湯波の淡味炊き、「なめこのたまり炊」のフワトロ玉子、紅白なます、梅の実ひじき、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、けんちん汁
昼飯 「ドトールコーヒー」のトースト、コーヒー
晩飯 「魚登久」の胆焼き鰻重、香の物、肝吸い、「片山酒造」の「粕華」(生)アイスクリーム


美味しいおうちごはんのウェブログ集はこちら。

2024.3.14(木) 次の候補

今月の8日には、東京でも雪の降る可能性を予報が伝えていた。そのため、ユニクロの超極暖ヒートテックにパタゴニアのR1エアクルーを重ねる現在の仕事着の上に、マムートのセオンインカーディガンを着た。日光と東京を行き来する服装は、真夏以外には常に悩む。

先週とは打って変わって、明日の東京の最高気温は17℃だという。それに対して日光市の最低気温は0℃なのだから、これまた大いに困る。結局のところ、イタリアでは下着だけれど日本ではシャツとして通用する襟の高いセーターとNERDYのトラックトップ、予備としてモンベルのダウンベストをタンスから出す。

東京に行くということは、電車に乗るということだ。電車に乗るということは、活字が必須ということだ。そういう次第にて本棚にめぼしいものを物色する。本は、買われてすぐに読まれるものもあれば、何十年も読まれる時を待っているものもある。こちらが求める本は、みずから手に取ってくれることを訴えてくるようなところがある。

司馬遼太郎の「余話として」が目につく。これは何十年も棚にあって、しかしいまだ読んでいないものではなかったか。最初のページに目を通していくと、これは面白そうだ。こんなものをオレは何十年ものあいだ死蔵し続けたのかと自分の迂闊さを羞じつつ裏の見返しを確かめると、そこには「1999 summer」の覚え書きがあった。もういちど、今度は真ん中あたりのページを開く。活字の大きさは、今の僕には小さすぎる。即、この「余話として」を棚に戻し、半歩ずつ横に動きながら、次の候補を探す。


朝飯 茹でたブロッコリーとオムレツ、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、細切り人参の炒り煮、大根と香り野菜の醤油漬け、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、長葱とのげのりの味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 トマトとモッツァレラチーズとベビーリーフのサラダスパゲティミートソースチーズCLOS DU MAROUIS 1986


美味しいおうちごはんのウェブログ集はこちら。

2024.3.13(水) 靴下とピカソ

このところ毎日のように、靴下に穴が開く。日中、たとえば右の靴下から親指が顔を出していれば、左右を履き替えて夜まで凌ぐ。穴の開いた靴下は入浴の前に捨てる。するともう片方が残る。箪笥の引き出しには同じようにして残った片方があるから、それと組み合わせればふたたび左右が揃う。そうして減り続けた靴下が、今日は遂に残り一足になった。

靴下はユニクロの、3足1,000円の黒い色ばかりを一度にふた組、つまり6足を買う。一足のみになった現在のそれはいつから使っているものか。小遣い帳のファイルを検索すると、それは2022年7月14日に買っていた。つまりユニクロの靴下は、僕の使い方では1年と8ヶ月は保つ、ということだ。次の6足は今月の1日に既にして買ってある。つまり在庫は充分である。

書き溜めた日記も在庫なら、預金の残高も在庫と僕は考える。在庫は心に余裕を持たせてくれる。もっとも適正在庫という言葉もあって、どうやら多すぎてもいけないらしい。

今朝の日本経済新聞第40面の「画家の自画像十選」は「青の時代」のピカソのものだった。記事によれば、ピカソは20代の若さで成功し、死ぬまでお金には苦労をしなかった。したがって気に入った作品は売らず手元に残し、その在庫は膨大な数に上った。遺族はそれらを相続税の代わりに物納した。「国立ピカソ美術館」は、それを以て設立をされたという。パリはいささか遠いけれど、ちと観てみたい気はする。


朝飯 「つじむら農園」の長葱「一翠太」の網焼き、納豆、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、牛蒡と人参のきんぴら、蕪と胡瓜のぬか漬け、大根と香り野菜の醤油漬け、なめこのたまり炊、メシ、けんちん汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 紅白なます、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、煮奴のそぼろ餡かけ、大根と香り野菜の醤油漬け、「つじむら農園」の長葱「一翠太」と牛肉のすき焼き風、「黒龍酒造」の「九頭龍燗たのし」(燗)


美味しいおうちごはんのウェブログ集はこちら。

2024.3.12(火) 赤ペンで

月末にしなければならいことを、昨月はし忘れた。以前にもおなじことがあって、そのときは関係する方面に問い合わせた。「すぐに処理をすれば問題なし」と言われて、その通りにした。過ちを繰り返してはいけない。事務机の左手に提げたカレンダーには、今月から12月までの月末部分に赤ペンで注意書きをしよう。

納税専用の預金通帳を開く。残高は数ヶ月は保つものだった。ということは、数ヶ月後には枯渇をする、ということだ。こちらについては今月の下旬にも、他の口座からお金を移しておくことにしよう。

おとといの日記に書いた、宋胡録の窯跡群から北に1.5キロメートルのモーテルについては、バンコクに住む同級生のコモトリケー君に電話で問い合わせてもらった。クルマで来てクルマで帰る素泊まり客の専用で、食堂は備えず、ちかくにも食堂は無いとのことだった。その返事を受けて即、シーサッチャナーライの宿は、窯跡群から南に7キロメートルのコテージに決める。コテージと窯跡のあいだは自転車で往復をするつもりである。

問題は、スコータイの空港からそのコテージまでの、30キロメートルほどの移動の手段だ。往きは昼の行動だから、心配は少ない。帰りは空港に朝の8時には着いていたい。とすれば7時には宿を出たいところではあるけれど、足は確保できるだろうか。まぁ、何とかなるだろう。というか、何とかしなくてはならない。居残りは御免である。


朝飯 菜の花のおひたし、牛蒡と人参のきんぴら、納豆、トマトのソテーを添えた目玉焼き、大根と香り野菜の醤油漬け、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、けんちん汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 3種のパン生のトマトと茹でたブロッコリーとベビーリーフのサラダを添えたマカロニグラタンとキッシュChablis Billaud Simon 2018


美味しいおうちごはんのウェブログ集はこちら。

2024.3.11(月) 梅と桜

起きて服を着て、寝室から洗面所に移動する。うがい薬などを載せた棚の時計は2時42分を指していた。食堂に来てお湯を沸かしつつコンピュータを起動する。「ぐるなび」を経由して「汁飯香の店 隠居うわさわ」に予約が入っている。

「汁飯香の店 隠居うわさわ」の予約は「ぐるなび」をはじめ、隠居への電話、上澤梅太郎商店への電話、更には家族個人への口頭やメッセンジャーを通じてもいただく。それらが集約されているのは事務室の壁に貼られた予約表だ。「ぐるなび」に空席があったとしても、油断はならない。

今朝はそれほど寒くないから上着は着ないまま1階の事務室へ降りる。壁の予約表を外して4階の食堂に戻る。そしてそれを確かめた上で即、お客様には予約を承った旨のご返事をお送りする。

月曜日には、直近1週間の売上金を銀行に入れる。その額が徐々に上がってきた。気温も同時に上がっていってくれれば有り難い。

「桜伐る馬鹿、梅伐らぬ馬鹿」と言われるものの、隠居の庭では桜も梅も、しばらく前に剪定を受けた。梅の枝の一部はいま、店の大壺に投げ込まれている。その白梅が空気調整器からの温風のせいか、随分と開いてきた。

「這えば立て、立てば歩めの親心」とおなじく、次は桜に期待をしてしまう。桜はやはり、昨年より早く咲くだろうか。


朝飯 蓮根のきんぴら、ブロッコリーのソテーとスクランブルドエッグ、納豆、細切り人参の炒り煮、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、菠薐草と長葱の味噌汁
昼飯 「やぶ定」のカレー南蛮蕎麦
晩飯 2種のパン生ハムのムースブロッコリーと「つじむら農園」の長葱「一翠太」と豚肉のソテーChablis Billaud Simon 2018


美味しいおうちごはんのウェブログ集はこちら。

2024.3.10(日) 出かけるまでが

ハワイの高層ホテルのベランダから海を望む画像と共に「計画の半分もこなせていない」と、SNSで嘆いた人がいる。知らない仲ではないから「旅の計画は、3分の1が達成できれば上出来らしいですよ」と、僕はコメントを寄せた。人はなぜ旅にあれこれを詰め込むのだろう。日常を離れながら、なぜ、なお忙しさを求めるのだろう。

1週間の家族旅行でかならず2ヶ国を回る人がいる。理由を質したところ「できるだけあちらこちらに行きたいから」とのことだった。国をまたぐだけで丸一日が消える。その1日を勿体ないとは考えないのだろうか。

6月3日から6日まではスコータイのシーサッチャナーライにいる。目的は宋胡録の窯跡群の散策。前回は2019年3月の訪問で、このときはサワンカロークに住む勉強仲間キモトタカヨシさんに改造三輪車サムローの運転手レームさんを紹介してもらった。今回は諸般の事情によりサムローは頼めない。だったら目的地のできるだけ近くに滞在し、できるだけ微視的に行動したい。

問題は、窯跡群の座標を前回は特定しなかったことで、ここ数日は、その場所を探し続けていた。そして本日ようよう、Googleマップの衛星写真を拡大しながら見つけることができた。ここまでくれば、宿も決められる。候補はふたつ。1軒は窯跡群の7キロメートル南にあって、食堂も供え、貸し自転車もあるらしい。インターネットでも予約ができる。もうひつとつは窯跡群の北1.5メートルと近いものの、Googleの画像によればモーテルのような建物で、予約の方法もおぼつかない。

とにかく旅は、出かけるまでが一番、とは言わないものの、楽しい。それがこれから3ヶ月も続くのだ。前回はトリッペンの革靴を泥だらけにした。今回は、捨てても惜しくない靴を持つことにしよう。


朝飯 蓮根のきんぴら、納豆、生玉子、ブロッコリーのソテー、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、沢庵、メシ、若布と長葱の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 大根と香り野菜の醤油漬け、菠薐草の胡麻和え、細切り人参の炒り煮、和風ハンバーグステーキ、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、なめこのたまり炊、「黒龍」の「垂れ口純米吟醸」(冷や)


美味しいおうちごはんのウェブログ集はこちら。

2024.3.9(土) 虫が知らせて

朝、起きて寝室から洗面所を経由して食堂に来る。そのときの寒暖により、現在の外気温を推し量ることができる。それは誰にも共通することなのだろうか。今朝ほどの室温であれば、暖房は足元に温風を送る小さな器具だけで済む。頭寒足熱とは良く言ったものだと思う。

7時40分に事務室のシャッターを上げる。8時の朝礼までは、店の灯りを点けて冷蔵ショーケースの覆いを外すなどのことをしている。今日は7時45分に電話が鳴った。8時30分までは留守番電話による対応になるものの、今朝ばかりは虫が知らせて即座に受話器を取る。相手は果たして今日の「汁飯香の店 隠居うわさわ」での朝食を希望される方だった。

壁の予約票を外して事務机に戻る。9時からの席には幸い空きがあった。それをお伝えすると「良かったー」と、お客様は安堵の声を洩らした。僕は即、そのお客様のお名前と電話番号、来店時刻、人数を記した紙を手に隠居へ急ぐ。そして勝手口から中に入り、厨房の家内にそれを手渡す。電話を使わないのは、準備の手を止めさせないための配慮である。

9時25分に鳴った電話は隠居からのもので、食後のいちごが足りなくなったという。そういう次第にて10時を回ったところで道の駅「日光街道ニコニコ本陣」へ行き、指定された品種のそれを買ってすぐに戻る。

「汁飯香の店 隠居うわさわ」の予約表を、あらためて確かめる。来週の日曜日は満席をいただいている。当日の室礼は考えてある。床脇には小さく地味なものを置こうと思う。


朝飯 蓮根のきんぴら、日光味噌「ひしお」の肉味噌、ブロッコリーのソテー、鮭の焼きほぐし、沢庵、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、トマトと菠薐草の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 チーズ、沢庵、SMIRNOFF VODKAトマトとグリーンアスパラガスとマッシュルームのスパゲティChablis Billaud Simon 2018


美味しいおうちごはんのウェブログ集はこちら。

2024.3.8(金) 浅い地下鉄

前日の終業後に自宅へ持ち帰ったコンピュータは、翌早朝にはバッテリーで動かす。しかし今朝ばかりはACコードをコンセントに繋いだ。今日は東京でコンピュータを使うため、バッテリーの容量は温存したいのだ。窓の外には深夜に降ったらしい雪が薄く積もっている。「止んで良かった」と胸をなでおろしたところにふたたび白いものがちらついてくる。

スマートフォンの天気予報は、東京でも雪の降る可能性を伝えている。朝食の後、それまで履いていた靴下を厚いものに替える。靴は何十年も前に買って、しかし手入れは欠かしていないレッドウイングのアイリッシュセッターを下駄箱から出す。まったく厄介なことである。

デザイナーから指定された場所は兜町。時間は11時だった。東武日光線のダイヤの都合上、1時間ほど前に茅場町に着く。コーヒーでも飲んで時間を調整しようと考えて、昭和通りまで出る。すると緑青を吹いた馴染みのある屋根が道の向こうに見えたから「なんだ、目と鼻の先は高島屋だったか」と意外に感じた。

話し合いは2時間と少々にて完了した。のんびりしていられない仕事にて、僕は来週も、この場所まで来ることとなった。

朝食を多めに摂っていたお陰で、午後になっても空腹は覚えない。日本橋から銀座線を外苑前まで乗る。2008年に買ったトリッペンのかかとは一度、修理をしている。その直したところが残り1ミリメートルほどのところまで減ったため、ふたたび修理に出す。原宿店とはいえワタリウム美術館の先を左に入ったところだから、原宿という感じはしない。

ふたたび銀座線にて今度は新橋を目指す。車内で時間を確かめると14時36分だった。新橋では散髪、神田では皮膚科と、今日の用事はすべて銀座線の沿線で済んで、移動はとても楽だ。末広町に会社を持つ人が「他の地下鉄は深くていけねぇ」と言ったけれど、おっしゃる通りである。

皮膚科を出ると夕刻がちかかったため、飲酒活動に移る。そして浅草18:19発の下り特急に乗る。


朝飯 日光味噌「ひしお」の肉味噌、鮭の漬け焼き、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、納豆、沢庵、なめこのたまり炊、ごぼうのたまり漬、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、豆腐と菠薐草の味噌汁
晩飯 「のんき神田店」のお通しのキャベツ、冷やしトマトもつ焼きあれやこれやそれや、他あれこれ、のんきボール、それを濃くするための「ナカ」


美味しいおうちごはんのウェブログ集はこちら。

< 古い日記へ  

上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

2024

2023

2022

2021

2020

2019

2018

2017

2016

2015

2014

2013

2012

2011

2010

2009

2008

2007

2006

2005

2004

2003

2002

2001

2000

蔵見学