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大空に月と日が姿を現してこのかた  紅の美酒にまさるものは無かった
腑に落ちないのは酒を売る人々のこと このよきものを売って何に替えようとか
Omar Khayyam

 2001.0930(日) 3番ナガシマの引退

朝5時前に起床する。オンラインショップ からの受注をこなし、数通のeメイルを書き、昨日の日記を作成する。

朝飯は、ナスの塩水漬け、らっきょうのたまり漬、めんたいこ、ジャコ、塩鮭、海苔。これをお茶漬けにする。

8時30分から、市民による用水路の清掃が始まる。1世帯につき1名の協力が義務づけられている。我が家からは当然、春日町1丁目役員の僕が参加をする。

側溝や用水路は洪水を防ぐほか、火災に際して消防車が取水をする役目も担っている。その清掃は大切な仕事だ。

幅30Cmほどの側溝の掃除は、そう苦労でもない。外したコンクリートのフタに手や足を挟まれないように注意をしながら、スコップでゴミを取り除けばよい。問題は、大きな用水路を詰まらせている粗大なゴミだ。

星野産婦人科からウチの玄関前にかけて、太い用水路がクランク状に進路を変えている。この部分にて、詰まって動かなくなっている長大な木や板を見つける

「枕木なんて流すバカ、あんめぇよ」 などと苦笑いをしながら見下ろした太い木は、なんと解体した家の梁だった。そのままでは長すぎてマンホールから取り出すことは不可能だ。山の丹精を趣味にしているカトウサダオさんが、チェインソウでこれを切断する

10時すこし前、市役所の手配によるトラックにさらったゴミを載せたところで、用水路の清掃は無事に終了した。

今朝、新聞のテレビ欄を見たときから、anne@家内と午後6時からの日本テレビ

「ザ独占サンデー ありがとうミスター! 一茂から父へ...万感の実況に徳光涙...巨人VS.横浜生中継」

を見ようと決め、晩飯は既製品による手抜きを予定していた。

ジャスコにて 焼き鳥海苔巻きポテトフライ を購入する。

しかしながら、客足の多さに店を閉められず買い物に出る時間が遅くなったことと、湯豆腐がいつのまにか手のかかる 豆腐キノコ豚ミズナ鍋 に変更されたため、「ありがとうミスター!」 は、ほとんど見ずじまいだった。

飲み物は、きのう飲み残した Chablis Premier Cru Les Vaillons BILLAUD-SIMON 1998。これが空になって以降は、紅乙女のオンザロックス

入浴後に居間のテレビで、ムラタ、サイトウ、マキハラの最後の試合にもかかわらず、ズルズルと負けに傾斜していく巨人の野球を眺める。

8時30分に寝室の次男が僕を呼ぶ。3番ナガシマと3人の選手の引退セレモニーを待たずに就寝する。


 2001.0929(土) 麻布十番鳥居坂下のトンカツ屋

朝6時に起床する。オンラインショップ からの受注をこなし、eメイルのチェックをし、昨日の日記を作成する。

秋晴れの空に、盛んに花火が打ち上げられている。聞けば今日は、今市小学校の運動会の日だという。運動会を心待ちにした子供のころのことを思い出す。

朝飯は、ハクサイキムチ、ホウレンソウの油炒め、納豆、シシャモ、めんたいこ、メシ、豆腐とシイタケの味噌汁

今月は最終土曜日の本日に集金日を設定したため、町なかと日光の取引先が、朝から集金に訪れる。

9時すぎに来社した取引先が 「早い時間から申し訳ありません」 と言う。いまも麻布十番鳥居坂下にあるトンカツ屋へ昼前に集金へ行き、いつも嫌がられていた20数年前のことを思い出す。

集金など、いくら早く来られても構わない。仕事は早々に終えるべきだ。

晩飯は、キャベツとタマネギとコンビーフのソテーサンマのオリーブオイル焼きバルサミコソーストマトとエリンギとマッシュルームのスパゲティ

飲み物は、Chablis Premier Cru Les Vaillons BILLAUD-SIMON 1998。この上出来のワインも、これを飲みきれば残り3本になってしまう。

食後に チョコレイトを1個、食べる。

テレビで "You got a mail" を見ながら、9時30分に就寝する。


 2001.0928(金) "Shales Boyle" のブルスケッタ

朝6時に起床する。eメイルとpatioをチェックし、昨日の日記を作成する。

9時すぎに甘木庵を出る。丸の内線にて、本郷三丁目から御茶ノ水へ至る。

聖橋を左手に見ながら御茶ノ水橋を渡る明治大学裏の男坂を下る上出来の蕎麦屋 「松翁」 を過ぎ路地を抜ける

白山通りを横断する。わざと裏道を歩く。「鶴八」 のある路地に分け入って矢野ビルComputer Lib へ到着する。

クワサワミカコさんが ThinkPadS30の梱包を解いて、試験起動をしてくれる 。メモリはすでに、イノウエタケシさんの手によって192MBに増強されている。10月からは、これが僕のマシンになる。

神保町のComputer Libを出て、秋葉原へ移動する。

我が社には、新入社員のコンピュータ購入を支援する制度がある。そのためのマシンを何にするか、今年は決めかねていた。

あちらこちらと歩きまわる。平地を歩く限り、僕の脚はかなり強い。

ThinkPad1124は、既に市場から払底している。"ThinkPad" の新しいモデルでは、価格が高すぎる。"Libretto" と "BIBLO LOOX" を、一応の候補として選ぶ。

ドトールコーヒー にて 双方のカタログを見ながら、あれこれと考えを巡らせる。

夕刻、ふたたび神保町へ戻り、"Shales Boyle" にて カシスビール を飲む。僕はバーでビールを飲むことをあまりしないが、今日は午後から晴れ上がり、のども渇いた。

ブルスケッタ を注文し、チリビール を飲む。チリビールのトウガラシの香りと、ノドに感じる刺激が快い。

"Shales Boyle" から30秒ほど歩いて、矢野ビル の前に立つ。4階の大テイブルにて、eメイルのチェックをする。

6時30分から、自由学園 の卒業生が参加するメイリングリスト  PDN(Primary Dougakunotomo Network)のオフが始まる。僕は社員との会食をひかえているため、7時を過ぎたところで中座する。

神保町、三越前と移動をして、7時30分に浅草へ至る。

駅ちかくの 「天道門」 にて空席待ちをしているところに、やはり浅草へ着いたばかりの女子社員3名が現れる。彼女たちは、今週末の湘南MGに参加をする。

晩飯の画像を撮ろうとするが、若く健康な食欲は、テイブルに届く皿をことごとく、ごく短い時間で空にしていく。なかなか撮影のチャンスに恵まれない。辛うじて、ホタテ貝のクリーム煮、高菜豆腐、焼き餃子 のみを、スマートメディアに焼き付ける。

8時55分、甘木庵へ向かう彼女たちと別れ、下り特急スペーシアの最終に乗る。

どこかで降りた隣席の乗客が、1枚の新聞を置いていった。開いてみると、長嶋勇退の号外 だった。

11時前に帰宅する。さすがに飲酒はせず、0時前に就寝する。


 2001.0927(木) 湯島で3軒

朝4時に起床する。オンラインショップ からの受注をこなし、数通のeメイルを書き、昨日の日記を作成する。

朝飯は、ハクサイキムチ、湯波の炊きもの、塩鮭、納豆、シシャモ、ミズナの胡麻よごし、メシ、天ぷらとオクラの味噌汁

8時から加藤床屋へ行く。加藤床屋のオヤジの仕事は、植木屋のそれに似ている。髪を切るというよりも、剪定をしている感じだ。10時前に、ようやく剪定作業を終える。いつものように、パーコレイターで入れたコーフィーをご馳走になり、店を出る。

「今市タウンマップ」 をバインダーに挟み、日光街道を下る。我が町では日光方面へ向かうことを 「あがる」 と言い、東京方面へ向かうことを 「さがる」 と言う。

マップから消すべきお店、無くなってはいないけれど、名前を変えるべきお店、新しく掲載すべきお店をチェックしながら、500メートルほどの区間を往復する。

タウンマップに掲載されている全地域のお店に対して、徒歩による確認を完了するまでには、いったいどれくらいの時間がかかるだろうか。

下今市駅16:01発の特急スペーシアに乗って南下し、北千住から湯島へ至る。

5時50分、湯島天神下の 「シンスケ」 にて飲酒を始める

「われらの時代・男だけの世界」  ヘミングウェイ  新潮文庫  \705

を読む。「インディアンの村」 という短編の終盤の雰囲気が、スタインベックの 「朝食」 の持つ空気感に、とてもよく似ている。

両関の本醸造酒を正1合空け、純米酒を5勺ほど飲んだところで、自由学園 から慶應義塾大学応援指導部へ進んだ コモトリケイ君が来る

コモトリケイ君の家は横浜にある。会社は新橋にある。あえて家から遠ざかってまで湯島へ酒を飲みに来る根性は、見上げたものだ。

8時ころにシンスケを出る。代金はコモトリケイ君が支払ってくれた。コモトリケイ君の友人ナカムラマサミさんも交え、同じく湯島の "pen" へ行く

ナカムラマサミさんはドライマーティニ、コモトリケイ君はウォッカを倍量入れたブラッディマリー、僕はレッドアイ。各々が2杯ずつ飲み、支払いは僕がする。

春日通りへ出て "noa" の階段を上がる。僕はドライマーティニコモトリケイ君はバレッツのオンザロックスナカムラマサミさんはギムレット

僕以外のふたりはおかわりをしたが、僕は1杯に留める。

「あした二日酔いになると、まずいからな」 と言うと、ナカムラマサミさんが 「明日は明日でしょ」 と2杯目を促すが、こういうときの僕は、割合に意志が固い。

外へ出ると、時刻は11時30分になっていた。僕は湯島の切り通し坂を目指して西へ進み、彼らは御徒町の駅を目指して東へ進む。

11時40分に甘木庵へ帰着する。niftermに自動巡回をかけ、0時前に就寝する。


 2001.0926(水) 地図の更新

朝4時に起床する。オンラインショップ からの受注をこなし、数通のeメイルを書き、昨日の日記を作成する。

昨晩の 本酒会 の会報を作成する。テキストを同報メイルにて会員へ送付し、ウェブペイジ版 をサーヴァーに転送する。

「本酒会報」 について最も面倒な仕事は、これを作成することではなく、紙による会報を全会員に送付する作業だ。印刷、コピー、ホッチキス留め、折り、封筒詰め、タックシール印刷、タックシール添付、投函と、アナログな作業が延々と続く。

朝飯は、湯波の炊きもの、刻みオクラ、納豆、卵焼きとホウレンソウの油炒め、ハクサイキムチ、メシ、お麩とミツバの味噌汁

市外からのお客様が町なかで飲食や買い物をされる際の利便性を考え、一昨年、今市タウンマップ というものを作った。商工会議所も欲しがるほどのスグレモノだが、更新すべき個所も増えてきた。

昨夜、本酒会にてメンバーにこれを配布し、バグつぶしをした。すでに無いお店、新しくできたお店を特定し、また他の変更すべき部分についても、多くの意見を聴いた。

一刻も早く新版を起こしたいところだが、それよりも先ず、自分が実際に街を歩いて自分の目で検分をする必要がある。そう思いつつ、机の前に座るばかりで腰が上がらない。

昼時、糸屋蕎麦屋にて 「盛りの大盛り」 を食べていると、お店の女の人が 「いつもお客様をご紹介くださって、ありがとうございます」 と、かなりの量の生ウドンとつゆと揚げ玉を下さる。恐縮しつつ受け取る。

夜7時すぎ、湯波と水菜の炊きものと 「ヌキ」 にて、紅乙女のオンザロックスを飲み始める。天ぷらは、シイタケとホタテ貝、芝エビとタマネギとミツバ

糸屋蕎麦屋のウドンを釜揚げにする

入浴後、冷蔵庫からビールの350cc缶を取り出すが、プルトップを引き抜く前に眠くなる。ビールを冷蔵庫へ戻し、9時30分に就寝する。


 2001.0925(火) 訃報とお酒

朝4時に起床する。

オンラインショップ からの受注をこなし、数通のeメイルに返信を書き、昨日の日記を作成する。

朝飯は、3種のオニギリ

好天はいまだ維持されている。日中は店舗も混み合う。2度の連休が過ぎて、9月も終わろうとしている。

夕刻、anne@家内が叔父の葬儀から戻る。共同通信に勤めるいとこの小川兄による、"International Herald Tribune" への訃報のコピーを持ち帰ってくる。

海軍軍医大尉だった叔父が1943年4月18日、ブーゲンヴィルで撃墜された山本五十六の検視をしたエピソードが、訃報の三分の一のスペイスを使って紹介されている。

"The Japan Times" の訃報は、より出稿時のものに近く、文末近くに

Yamamoto's death was seen as a turning point in Japan's campaign in world war II.

という一節を読むことができた。

夜7時30分に 「やぶ定」 へ行く。本酒会第100回目の集まりに出席をする。1ヶ月に1度の例会を持つ本酒会は、発足してから今日で8年と4ヶ月を数えることになる。

モリアキコ会員の "I Have a Dream" のあんパンイチモトケンイチ会長のヤンロン茶オリジナル栓抜き僕のらっきょうのたまり漬、ヤギサワマサミ会員の焼き鳥、コバヤシハルオ会員とワタナベマモル講師のお酒など、多くの寄付が卓上に並ぶ。

本日誕生日を迎えたカメダマサトモ会員を祝って、ケイキも準備される

本日の白眉はなんといっても、アダチコウジ会員の 「つたや呉服店」 によって完成した、イチモトケンイチ会長デザインのオリジナル風呂敷 だろう。風呂敷の作成を提案した僕は行きがかり上、5枚もの購入を余儀なくされる。

そして本日のナゾは、新潟県柏崎市の原酒造と愛媛県川之江市の梅錦山川という遠く離れた酒蔵が、なぜ 同じビンと酷似したレッテルの商品を持ち合わせているのか? ということにつきる。

会場には 「ひょっとしてOEM?」 という声も聞かれた。

10時に帰宅し、11時30分に就寝する。


 2001.0924(月) 秋のトンボ

昨夜は食事の後にそのまま寝入り、3時前に気がついて入浴をした。もう眠れないかと思い、起き出そうとしたが、静かにしていると二度寝に成功して、朝6時に起床する。明らかに眠りすぎだ。

オンラインショップ からの受注をこなし、eメイルをダウンロードする。そのうちの2通のみに返信を送る。

朝飯は、塩鮭、ジャコと大根おろし、めんたいこ、納豆、ホウレンソウの油炒め、ハクサイキムチ、メシ、ダイコンとミツバの味噌汁

連休の2日目も、首尾良く空は晴れる。秋の社員旅行が終わると、大晦日まで休みは無い。これまでの普通の看板を、年内無休の看板 に取り替える。

旧日光街道の杉並木まで散歩に出る。地面に落ちているトンボも多いが、いまだ元気なトンボもまた、少なくはない

地方発送の注文に、初めて クロネコ@ペイメント経由のクレジットカード決済 を用いる必要が生じた。ヤマトコレクトサービスの営業係に電話で手順を訊ねると 「私もわからないんですよ」 とのことで、らちがあかない。

ブラウザから加盟店コードとパスワードを打ち込む。フォームに顧客のカード情報を入力し、与信を行う。10秒後にカード会社からの確認を受け取る。商品を送る荷札の番号を入力する。最後に登録ボタンをクリックする。

手探りで進めた作業は、思ったよりも簡単だった。

営業係が 「私もわからないんですよ」 と言ったことについてではなく、登録後に届く 「クレジットカードお支払い手続きの完了」 というeメイルの説明不足や不合理さについて、サポートセンターに意見を送る。

晩飯は、湯波とオクラの炊き合わせ、蟹とワカメの酢の物、寺泊から帰った知人に戴いた材料にて、イカのワタ和え焼きサンマの塩焼き

紅乙女のオンザロックスとキリン一番絞りの135cc缶を1本飲み、9時に就寝する。


 2001.0923(日) 梅津酒造の旅行

朝6時に起床する。オンラインショップ からの受注は、始業後の仕事とする。eメイルをダウンロードする。anne@家内と墓参りに行く。

朝飯は、塩鮭、キュウリとダイコンのぬか漬け、めんたいこ、じゃこ、ゴボウとハスと昆布の佃煮、メシ。これをお茶漬けにする。

店を開ける。連休の1日目は幸いにも晴れた。どのような祭日のために連休になったのか、カレンダーを見る。秋分の日だった。

店舗、店舗まわり、製造現場、包装部門を渡り歩く。明日の店舗での売れ具合と地方発送に必要な商品数量を予想し、今日しておくべき準備をする。

夕刻5時に、自由学園 で僕よりも3年後輩にあたる 梅津酒造 のウメツマサノリ君から 「いま東照宮を出たところです」 と、電話が入る。

梅津酒造社長のウメツマサノリ君と社員さんたちは、東京の取引先を訪問する営業旅行のついでに、日光まで足を伸ばした。今朝からの1日、彼らの日光見物の足となったワゴンタクシーは、僕があらかじめ手配をしておいたものだ。

5時20分に、一行がご来店になる。客足が途絶えないため、閉店時間になっても店は開いたままだ。遠方からのお客様にとっては、ゆっくりと買い物ができて好都合だ。看板前にて記念撮影をする

彼らは下今市駅発18時01分発の特急スペーシアにて、東京のホテルへ戻った。梅津酒造の今後のますますの発展を、祈るばかりだ。

僕はなにごともなければ、1日に3食とも、家の中で食事を済ます。そういう生活のゆえか、外食をすることが好きだ。今夜も外で何かを食べようとanne@家内に提案をしたが、キャッシュの不足を理由に断られる。

「オレが払うんだから、いいじゃねぇか」 とも言えない。僕のサイフにも、あるいは僕の4つの銀行口座にも、現金は無い。どうしてこうも金が無いのかと、感心をする。

エノキダケ、厚揚げ豆腐、キムチ入りの豚シャブで、紅乙女のオンザロックスを飲む

そのままカウチの上で眠ってしまう。就寝時間は分からない。


 2001.0922(土) 「戒厳令下チリ潜入記」

朝4時に起床する。

顧客からのeメイルに返信をし、他にも数通のeメイルを書く。昨日の日記を作成する。

7時前に外へ出ると一瞬、冷涼と感じられる風が吹いている。しばらく後に、それが 「冷涼な風」 なのではなく 「冷たい風」 だったことに気づく。

雨模様の昨日をはさんで、季節は夏から秋へと一気に移行した。

下今市駅9時36分発の上り特急スペーシアに乗る。切符に示された僕が座るべき席のとなりに、40年前、聖ヨゼフ幼稚園で同じクラスだったコヤナギヒロシ君が座っている。

僕の頭の中には、書かなくてはいけないeメイルのリストがズラリと並んでいる。コヤナギヒロシ君と一緒に座れば、北千住までの80分が 「お話タイム」 になることは明白だ。逡巡した後、指定されたとおりの座席に着く。

コヤナギヒロシ君と話をしながら、ThinkPad240Xを起動させる。会話とeメイルの作成を同時進行させる。

あっという間に45分が経ち、利根川の鉄橋を渡る。コヤナギヒロシ君との会話は、それなりに楽しい。春日部を過ぎ、北千住到着まで5分のアナウンスが流れる。

ThinkPad240Xの電源を落とし、ザックにしまう。

コヤナギヒロシ君は、そのまま浅草へ向かうようだ。僕は北千住、西日暮里と移動し、11時30分に池袋へ達する。大テイブルをそなえる喫茶店にて、ふたたびeメイルを書く。

12時ちょうどにanne@家内と落ち合う。昼食をとり、西武池袋線に乗る。

1時30分すぎに 自由学園 へ着く。2時から 男子部 の父母会が始まる。子供を1日24時間、学校へ預けている親にとって、父母会への出席は当然の義務だ。

今日の父母会は、夜8時をすぎても続いている。ここで中座をしないと、JR宇都宮駅22時36分発の日光行き最終に乗れなくなる。正門を出て、ひばりヶ丘の駅へ向かう。

上野駅構内のイタリア料理屋にてスプマンテを飲みながら、ガルシア・マルケスの 「戒厳令下チリ潜入記」 を読み終える。

ヘミングウェイの 「日はまた昇る」 を読み終えたとき、夕刻に酒が飲みたくなるのと同じ気分で、ラテンアメリカの本が読みたくなった。そのとき本棚で目についたのが 「戒厳令下チリ潜入記」 だった。

僕はこの本を、12年間も本棚に眠らせていた。この本を読むことができて良かった。

11時20分に帰宅し、0時をすぎて就寝する。


 2001.0921(金) 想念と雑念

朝2時に起床する。オンラインショップ からの受注をこなし、数通のeメイルを書き、昨日の日記を作成する。

朝飯は、めんたいこ、すきやき、キュウリとダイコンのぬか漬け、納豆、ホウレンソウのおひたし、塩鮭、メシ、豆腐と油揚げとネギの味噌汁。めんたいこと塩鮭は、少しだけ取り分けて食べる。

1日2日会社を留守にすると、机の上に処理すべき仕事が紙の形で溜まっている。ひとつずつ処理していく。事務室でとなりに座っているsavon君が休みを取ったため、彼女のルーティンワークもこなす。

自分の仕事量を増やして喜んでいる人がいる。やむなく仕事量を増やさざるを得ない人がいる。減らす工夫をせず、仕事量の多さに悲鳴を上げている人もいる。

普段、仕事量の少ない僕のような人間は、今日くらいの忙しさをたまには味わった方が良いのかも知れない。

1970年代の前半、自由学園 へ通っているとき、池袋パルコにあった本屋で

「異説数学者列伝」  森毅著  蒼樹書房  \1,600

という本を買った。この中に、ニューヨークの地下鉄に乗りながら瞑想をする数学者が紹介されていた。数学も高等になると、紙の上ではなく、想念の中で為されるようになることを知った。

僕が地下鉄に乗ると、想念ではなく雑念が湧く。想念も雑念も、他人から見れば等しく仕事には見えない。

午後3時前から、9月17日に行われた入社選考試験の結果報告書を作成する。

採用については、時間をかけて慎重に協議することも大切だが、不合格になる生徒がいち早く他社の入社試験を受けられるよう配慮することも必要だ。生徒への面接は夏の会社訪問のときに、既に済ませている。

4時前に、就職担当教師と生徒に宛てて、間違いの許されない計8通の書類を速達書留にて投函する。

以降は仕事も楽になった。いつもの雑念ペイスに戻る。

終業後、小雨に傘をさして街を歩いていると、加藤床屋のオヤジが僕の名前を呼びながら飛び出して来て、1枚の写真を手渡してくれた。8月23日の二十三夜祭の晩、追分地蔵尊 にて未知の人が撮ってくれた、僕と次男@5歳の写真だった。

手提げ袋の中で折れないよう、写真を 「戒厳令下チリ潜入記」 のペイジにはさむ。未知の人の名前と家の場所を訊き、礼を言って別れる。

水たまりが行く手をはばむ砂利の裏道を歩き、「和光」 へ行く。

冬瓜の塩胡椒スープ煮 は、僕がこの店の「頼まなくても出てくるもの」 の中で、最も好きな一品だ。吉四六を、オンザロックスにて飲む。

鮭トバの干物とミツバのおひたし を注文する。追加で レヴァ焼き も取る。

「ひとくちカツ、お願いします」 と言い出しそうになる自分を抑え、イカ納豆 にする。血の中の脂分を、これ以上、増やすわけにはいかない。

最後に、鹿沼コンニャクとゆで卵の煮たの が出てくる。僕の煮玉子好きを、オカミが忘れないでいてくれたのだろう。

帰宅し、8時に就寝する。


 2001.0920(木) ディズニーシーへ行く

6時に起床する。15階の部屋から外を見ると、霧のような雨が降っている。台風は、伊豆沖から北東に進路を変えたようだ。

オンラインショップ からの受注をこなし、昨日の日記を作成する。eメイルを書く時間の余裕はない。

7時50分に荷物を持って部屋を出る。ヴァイキング形式の朝飯を食べる。ふだんならこの手のメシは何度もおかわりをするが、8時15分にロビーへ集まることになっているため、それもままならない。

1階の公衆電話から注文客に向けて 「ご注文御礼」 を送付し、日記をサーヴァーに転送する。約束の時間に8分遅れてバスに乗り込む。

錦糸町から20分ほど走り、あっけなく2週間前に開業した ディズニーシー へ到着する。添乗員のトバヤシヒロシさんが、予約券を入場券に交換する。

入場門で待つ人の数はそれほど多くも感じなかったが、いざ中へ入ってみると、やはり人は多い

ひとりの旅なら詳細な下調べもするが、団体旅行においては、僕は何の準備もしない。なにもわからないまま、人の流れに沿って歩いていく。1870年代の火山島という設定の "Mysterious Island" へたどり着く。

そのまま、係の女の人が 「ここが最後尾です。70分待ちです」 と言っている列に並ぶ。「海底二万マイル」 というアトラクションだった。30分ほども経つと、曲がりくねった列はようやく、それらしき場所に近づいてくる

近くの火山からは、ひっきりなしに、腹に響く爆発音が発せられている。

やがて列は螺旋状のスロープに誘導されて海面下へ至るネモ船長の部屋などを横目に見ながら歩く。薄闇の中をクネクネと進む。遂に調査用潜水艇の内部に案内される

6人乗りの潜水艇は、実際には水に潜らない。水と気泡を仕込んだ二重窓から海底の様子を乗客に見せつつ進む。潜水艇が巨大なイカに襲われて沈み、しかし不思議な力によって海上に浮上したところで乗り場へ戻る。

引き続き、"Center of The Earth" というアトラクションの列に並ぶ。乗り物が火山の8合目あたりから外へ飛び出し、乗客の叫び声と共に落下する様子が、下からでもよく見える。この手のものには、どうも乗らずにはいられない。

列を仕切る通路に入ったところで、別れ別れになった社員の一団と遭遇する。70分の待ち時間は、それほど気にならなかった。

社員と共に、おどろおどろしい音にあわせて明滅するマグマを眺めつつ歩くエレヴェイターが不気味に揺れながら、観客を地下深くに案内する

6人乗りのトロッコ に乗り込む。トロッコは割合にゆっくりした速度で、輝く鉱石の森や、不気味に発光する生物のうごめく地底を進む。

突然、トロッコが噴火のために身震いをする。高速で急勾配を駆け上がる。上方にポッカリと口を開けた白い空間が見える。トロッコはそのまま悲鳴に包まれながら外へ飛び出し、ふたたび闇の中へ急降下した。

出口からは社員と別れ、中世の南欧を模した街を歩く運河に架かる橋を渡り目に付いたキャンティーンに入る

ディズニーシーではあまりの混雑のため、食事もまともにとれないという事前の情報もあったが、それほどの待ち時間もなくカウンターに並ぶことができた。ニース風のサラダと、イカとエビのスパゲティを注文する。

「こういうメシを食いつつ酒が飲めないのは片腹痛い」 と思いながら自分のお盆を持って進むと、氷の上の酒瓶が目に入る。180cc強の白ワインを1本、お盆に載せてもらう。

外のテラスに、それを運ぶ。ワインが1合強しかないため、加減をしながら飲む。「戒厳令下チリ潜入記」 を読み、時間をかけてメシを食う。

台風が近いにもかかわらず、幸いにもディズニーシーの上空に、雨は降らない。

食事後、先ほどの火山島から更に奥へ進もうと歩いていくと、巨大な餃子の形をした肉まんを売る店が目に入る。レストランやキャンティーンに並ぶ人の数は、せいぜい30人ほどだった。この肉まん屋には、なんと300人ほどが列をなしている

380円の肉まんにて昼食代を節約するためではなく、みなこの肉まんが食べたいゆえに、行列をしているのだろう。大当たりの企画だ。

「リトルマーメイド」 のキャラクターを集めた "Mermaid Lagoon" を抜け「アラジン」 の魔人ジーニーを狂言まわしに使った "Arabian Coast" を横に見て歩く

やがて、ディズニーシーの最深奥部にある、"Lost River Delta" へ入る。ここは、1930年代の中米、カリブ海沿岸の密林を想定した場所だ。

不気味な猿が跋扈するピラミッドの下から、「インディ・ジョーンズ・アドベンチャー クリスタルスカルの魔宮」 の100分待ちの列に並ぶ。100分もボンヤリしていられないので、立ったまま本を読む。

留守番のanne@家内から、仕事のことで頻繁に電話が入る。ディズニーランドの行列は、戸外と建物を縫って観客を誘導する設計が多い。しばしば電波が途切れる。

ようやく行列はピラミッドの中へ入り、木のスロープを上がる

通路の両側には、客を飽きさせないディスプレイが工夫されているが、いくらこのアトラクションが松下電器のスポンサードとはいえ、1930年代の中米にナショナルの電球は、シャレとしてもそぐわない

12人乗りのジープへは、並び始めてから90分ほどで到達した

座席について安全ベルトを締めると、ジープはいきなり荒い波形の道を疾走しはじめる。耳に慣れたインディ・ジョーンズの音が鳴り響く。冒険心がかき立てられる。良くできた途中の仕掛けに、僕と隣の白人男は声を立てて笑う。あっという間の3分間が過ぎる。

出口では、もちろん1050円を出して写真を買う

i-modeの時計を見ると、すでに2時45分になっている。"Hotel Miracosta" まで蒸気船で戻りたかったが、集合時間を考え、諦める。

徒歩にて "Mediterranean Harbor" まで来ると、水上には船が溢れ、地上では仮面の人たちが踊っていた。地面から電動でせり上がる大きなスピーカーからは、感動的な音楽が大音声で流れている。

買い物をしながら、大きな地球儀のある入場門まで戻る。ミッキーとミニーがお客との写真撮影に応じる場所には、長い列があった。聞くところによれば、ミッキーよりもミニーの中に入る人の方が、高い演技力を要求されるらしい。

全員が、定刻の3時30分までにバスへ戻る。高速道路はおおむね空いていた。途中に夕食を挟み、7時前に会社へ帰着する。最後の社員が駐車場を出るまで見送る。

この秋の社員旅行については、3つの心配があった。

1.東京ドームでは、野球に興味のない社員が退屈するのではないか?
2.ディズニーシーで過ごす6.5時間に、果たしてオヤヂ年代が耐えられるか?
3.台風に直撃されて、ディズニーシーの企画が散々なものになるのではないか?

3つの心配は、杞憂に終わって良かった。入浴し、紅乙女のオンザロックスを1杯飲み、9時に就寝する。


 2001.0919(水) 本屋と野球

昨夜、晩飯の直後から眠り、起きてみれば朝6時を過ぎている。社員旅行の集合は会社前に7時40分かと思い、anne@家内に訊くと6時40分だと言う。

なにも用意をしていない。ザックに1泊分の着替えを入れ、事務室に降りる。

eメイルをダウンロードする。こういうときに限って、オンラインショップ からたくさんの注文が入ってくる。受注作業はできない。

学習研究社 に依頼されていた、写真撮りのための漬物を荷造りし、店舗の冷蔵庫へ入れる。

ザックには更に、傘やサイフ、デジタルカメラやコンピュータ一式を詰め込む。

社員旅行への参加者は、定刻よりもかなり前に全員が集合した。飲み物や食べ物をバスへ積み、7時前に東京へ向けて出発する。

車内で昨日の日記を作成する

「戒厳令下チリ潜入記」  G・ガルシア・マルケス  岩波新書  \480

を読む。

高速道路は渋滞もなく、予定よりも早くお台場に着いた。いまだ、ショッピングモールなどは開いていない時間だ。スケデュールを二転三転、組み換える。

いつもは 「ゆりかもめ」 の中で本を読んでいるため知らなかったが、芝浦ふ頭駅ちかくに、なにやら景色の良いところがある。そこでしばらく散策をし、ふたたびバスにて日の出桟橋へ向かう。

東京湾内を周遊する船に、ほとんど貸し切りの状態で乗る。レインボウブリッジをくぐり抜けて少し進み、引き返して築地の近くまで隅田川を遡上し、ふたたび日の出桟橋へ戻る。日差しは強く、かなり暑い。

インターコンチネンタルホテルにて、ヴァイキングスタイルの昼食をとる。ピッチャーのビールを飲みながら、1皿2皿3皿4皿 と食べ進む。

日の出駅から青海駅まで、モノレイルにて移動をする。ビーナスフォート へ行く。

1階の雑貨屋の奥に、本屋を見つける。僕にとってはとても興味深い品揃えの店だが、場所柄を考えれば、損益分岐比率を100%以下にするのは至難と思われる。

午後2時30分にビーナスフォートを出て、錦糸町のマリオットホテルへ向かう。

バスの中で、先ほど買ったクーロン黒沢の本をパラパラめくる。既に読んでいる本だった。よくあることだ。添乗員のトバヤシヒロシさんに呈上する。

錦糸町は僕にとって遠い街だが、東京の中心部からはしごく近い。3時にホテルへ着く

15階の部屋へ上がり、今朝ダウンロードした オンラインショップ からの注文を次々と処理し、「ご注文御礼」 を送る。

社員旅行中に出荷しなければ間に合わない納期の指定や、売り切れの表記がなされている商品の注文がある。テンプレイトの文章以外に、質問やお詫びの一文を挿入する。通常の作業よりも時間がかかる。

携帯電話を経由して、顧客に 「ご注文御礼」 や 「ご確認」 のeメイルを送る。集合時間の4時に8分ほど遅れる。

バスにて 両国橋を渡ると、岩本町は目の前だ。須田町、連雀町、小川町と靖国通りを西へ進み、神保町の交差点を右折する。

東京ドームへは4時30分に着く。6時に巨人阪神戦が始まる

巨人のタカハシ、阪神のイガワとも調子が良いため、息詰まる投手戦が続く。6回の裏にマツイの犠牲フライによって巨人が先取点を上げる。阪神のカツノリのパスボールで点差が開く。

試合は4対0のまま進み、タカハシの完封にて9時前に終了する。タカハシがお立ち台へ上がり、ヒーローインターヴューを受ける

ほぼ満員の東京ドームから押し出される9時に球場を出られるとは、幸運なナイトゲイム見物だった。

ホテルへは、9時30分に帰着する

本日の昼間に オンラインショップ から入った注文を受ける。シャワーを浴び、本を読み、0時すぎに就寝する。


 2001.0918(火) 柚木沙弥郎、中村曙生

朝2時前に起床する。

オンラインショップ からの受注をこなし、個人メイル、メイリングリスト、自分の運営するpatioに、合計で15通ほどのeメイルを書く。昨日の日記を作成する。

息抜きに外へ出る。朝の湿った空気の中で、巨大な蛾が、ひっそりと羽を休めている

朝飯は、冷やしトマト、湯波の刺身、納豆、ウインナーソーセージの油炒め、マグロそぼろ、メシ、豆腐とミョウガの味噌汁

所用にて、宇都宮へ行く

むかし、知り合いに男児が生まれると、日本民藝館 にて 柚木沙弥郎 による 紅型の鯉のぼり を購入し、端午の節句にプレゼントしていた。

ところが現在、日本民藝館で柚木沙弥郎の作品は取り扱っていない。

「たまき」 へ寄り、中村曙生による藍染めの 「鯉のぼり」 があることを確認する。

今後、知り合いの男児出生のお祝いには、これを使うかも知れない。

宇都宮パルコへ行く。どの店も景気が悪いため、商品を見ているととたんに、店員が近づいてきて、あれやこれや説明を始める。

当方は 「良いな」 と思って、商品に近づく。誰も来なければ、商品をゆっくりと見ることができる。そしてますます欲しくなる。ところが店員が近づいてくると、僕は本能として、これから逃げようとする。

放っておいてくれさえすれば買うものを、2点ほど買わずにパルコを出る。もとより、金も無いのだ。

午後は、「年末ギフトのご案内」 DMの原稿を持ち、成文社印刷へ最終校正におもむく。帰途、今市警察署に寄り、免許証を 旧のもの から 新のもの に切り替える。

晩飯は、トマト、グリーンアスパラガス、キュウリ、タマネギ、イタリアンパセリのサラダステーキふかしたジャガイモ

ジャスコでは、10日ほど前に千葉県で起きた狂牛病さわぎのためか、とても美味い茨城県産の黒毛和牛の肉が、とても安い値段で売られていた。

食事の30分前に抜栓し、入念にデカンタージュした "Castillo de Molina Cabernet Sauvignon Reserva SAN-PEDRO 1999" を飲むたびに、いつもしつこく、第三世界のワインを馬鹿にする俗物に目隠しをして、これを飲ませてみたいという誘惑に駆られる。

居間でそのまま寝入り、夜11時に目を覚ます。今日の睡眠はこれにて終了かと思ったが、入浴後、ふたたび眠ることに成功する。


 2001.0917(月) 入社選考試験

朝4時に起床する。

オンラインショップ からの受注をこなし、自分の運営するpatioに数通のレスポンスを書き、昨日の日記を作成する。

「馬鹿の三杯汁」 のように、Jos Van Beest Trio の "Because of you" を聴く。

今日は、2002年春の入社を希望する高校生のための選考試験がある。8時以降のスケデュールはタイトだ。 7時前に事務室を出て、会社まわりの掃除を済ませる。

朝飯は、卵焼き、シシャモ、 納豆、ナスの油炒め、ジャコと大根おろし、メシ、お麩とホウレンソウの味噌汁

9時より試験を始める。昨年は社内3部署から求人を出したため、受験者は10名に及んだ。今年はひとつの部署のみ新規採用を受け付けるため、受験者は4名に留まった。

試験はスピーチ、計算問題、一般常識、小論文などによるもので、内容はすべて僕とanne@家内の作ったものだ。市販の問題は使わない。

多分、いままで受験生たちが見たこともなかっただろう利益感度分析の計算問題は、1度回収した答案を彼らに戻し、僕がホワイトボードに正答を導き出しながら説明をする。

12時すぎ、試験は無事に終了した。

午後、商品のレッテル制作を頼んでいる業者に、醤油と味噌の容器に関するリサイクル表示の決定稿を渡す。

日記のインデックスを 今までのもの から これからのもの に更新する。

僕の実力では表示が乱れるのではないかと懸念をしたが、別の場所に用いた ミスター・カトーノ 作成のテイブルを改造して移植し、事なきを得る。

晩飯は、白和えとヒラメの刺身ヤリイカの豆板醤焼き牛スジの和風シチュー豚ロースの薄切り肉とニンニクの芽炒め

飲み物は、紅乙女のオンザロックス

9時前に就寝する。


 2001.0916(日) カマキリと獅子舞

前夜9時30分に就寝して朝5時30分に起床とは、いかにも眠りすぎだ。

オンラインショップ からの受注をこなし、数通のeメイルを書き、昨日の日記を完成させる。日記のファイルをサーヴァーに転送する。

朝飯は、シシャモ、ホウレンソウの胡麻よごし、温泉玉子、マグロそぼろ、納豆、メシ、ダイコンの味噌汁

薬味のない味噌汁を 「坊主汁」 と呼んで馬鹿にする文化があるらしい。それに当てはめれば、今朝の味噌汁は、その典型だろう。

このところ、日中、カマキリをよく目にする。僕は 「季寄せ」 をあらためないと、季節についてはなにも分からない人間だ。

「ホトトギス季寄せ」  稲畑汀子編  三省堂  \1,600

を調べると、果たして蟷螂(カマキリ)は、秋9月の季語だった。

終業後、ちかくの市縁ひろばへ行く。今夜はここで 「文挟流沢又獅子舞」 が披露される。我が町の無形民族文化財だが、見るのは初めてだ。

軍鶏の羽で飾られた獅子頭 に残る 「延享四年丁卯 碓氷傳七」 という作者の署名は、今市市沢又地区に、この獅子舞が250年ほど前から伝わることを証している。

先ず、白い紗の花笠をかぶった4人の男のあいだに、3頭の獅子が挟まれて入場する

獅子が舞う前に、清めの剣舞が奉納される

獅子舞は、「花笠」 が四隅を決める3間四方の中で演技される

獅子は 「黒ツノのオス」 「赤ツノのオス」 「ツノ無しのメス」 の3頭にて構成され、単独で、また3頭でと、30分のあいだ舞い続ける。

音は、ひとりの横笛 を除いては、3頭の獅子がそれぞれ1個ずつ太鼓から、ひなびて発せられるのみだ。

やがて獅子舞は、静かに終わった。次男@5歳に乞われ、市縁ひろばの出店にて ラムネを1本、購入する

晩飯は、トマト、レタス、ラッキョウとツナのサラダ玉子のピラフ昨日の変形ロールキャベツをトマトソースで煮直したもの

飲み物は、"Joseph et Christian Binner Riesling 1993"

9時30分に就寝する。


 2001.0915(土) "Jos Van Beest Trio"

遅く起床していた最近には珍しく、今朝は1時30分に起床する。

事務室へ降り、澤野工房

"Because of you"  Jos Van Beest Trio  AS006  \2,500

を聴く。僕は多くの料理屋を、次から次へと食べ歩くことをしない。車検ごとにクルマを乗り換えることもしない。CDも、ごく少ない 「本当に好きなもの」 を繰り返し聴くのみだ。

オランダのピアニスト Jos Van Beest によるこの "Because of you" を、僕は長く愛して聴くだろう。

午前2時前から7時までに、このCDを5回聴く。数通のeメイルを書く。

朝飯は、ホウレンソウの油炒め、ジャコ、マグロそぼろ、めんたいこ、納豆、マグロのヅケ、メシ、アサリと万能ネギの味噌汁

連休初日のため、普段の土曜日よりも客足は伸びる。

包装部門の施設を一部、9月19日、20日の両日を使って整備する。新しく必要になったコンピュータ用の机を郊外のホームセンターにて求め、組み立てる。

夕刻、閉店間際になって、激しい夕立が降る。「夕立」 は夏7月の季語だが、秋に降っても夕立というのだろうか。

僕も社員も複数の傘を持ってお客様のクルマに歩み寄り、お客様を傘の下にお入れして店舗まで誘導する

閉店後、ふたたび Jos Van Beest Trio の "Because of you" を聴きながら、今日の日記を半分だけ書く。

晩飯は、サンマのオリーヴオイル焼きバルサミコソース変形ロールキャベツトマトとアンチョビとイタリアンパセリのスパゲティ

飲み物は、"Joseph et Christian Binner Riesling 1993"

9時30分に就寝する。


 2001.0914(金) 海路

本当にどうしてしまったのか、ちかごろ早起きが出来ない。朝6時に起床する。

ダウンロードしたeメイルを読み、数ヶ所に返信を送る。OLYMPUS C-700 Ultra Zoom のスマートメディアから ThinkPad240X へ、日記の画像を転送する。

朝飯は、温泉玉子、筑前煮、納豆、キュウリの大葉巻き、アナゴの佃煮、トマトとブロッコリーとレタスのサラダ、メシ、お麩と長ネギの味噌汁

午前中、長いあいだ 「これは、こうなったらよいだろう」 「これは、こうあるべきだ」 と思い続けてきたことが、ホンの数分で解決する。「待てば海路の日よりあり」 という言葉もあるが、「海路の日」 を自分で創り出さないところが、僕のダメなところだ。

午後、"computerlib" のクワサワミカコさんに、ThinkPad S30の動作試験、納期、納品方法、請求書を送ってもらう日にちについて、eメイルを送付する。

夕刻、コジマ電気にて、ThinkPad1124の在庫を確認する。我が社の社員のコンピュータ購入支援制度には、このマシンを充てていた。コジマでは現在、ThinkPad1124の在庫は払底しているという。少し困る。

晩飯は、サンマの塩焼き、マグロの刺身、冷や奴、筑前煮、紅乙女のオンザロックス

9時に就寝する。


 2001.0913(木) 秋眠不覚暁

秋眠不覚暁、朝6時に起床する。

朝飯は、焼き厚揚げ豆腐、キュウリの大葉巻き、ジャコ、納豆、ナスの豆板醤スープ煮、茹でブロッコリー、メシ、豆腐と万能ネギの味噌汁

"computerlib" のクワサワミカコさんに、ThinkPad S30の見積もりを要請する。モデルは内蔵ワイヤレスLANを持つ "2639-4WJ" だ。RAMメモリは128MB増設して、最大の256MBに引き上げることにする。

夕刻に届いた見積もりを見て、即、購入を決める。128MBのRAMメモリは、昨年の夏にくらべて、四分の一ほどの価格になっている。

夕刻、「市之蔵」 へ行く。

本日の 「頼まなくても出てくるもの」 は、ムール貝のオーブン焼き鶏手羽と栗の柔らか煮。栗を配しただけで、ただの鶏手羽が、洒落た秋の一品になる。

注文したものは

1.普段は見ることのできない安っぽい富士山が何とも味わい深いマグロの刺身

2.厨房のナガモリさんに 「焼きナス」 と頼んだら 「乳茸も入れる?」 と訊かれたので 「うん」 と答えたら、チタケナスネギ炒めになってしまった品物

3.山かけ茶蕎麦

7時すぎに帰宅し、入浴して7時30分に就寝する。0時過ぎに目を覚ましたが、1時間後、再び眠ることに成功する。


 2001.0912(水) 人の顔

朝6時に起床する。どうも頭がスッキリしない。同じ6時間の睡眠でも、0時に寝て6時に起きるよりは、21時に寝て3時に起きる方が、はるかに気分は良い。

大事件のあった翌朝らしく、オンラインショップ からの注文は無い。eメイルをダウンロードし、OLYMPUS C-700 Ultra Zoom のスマートメディアから ThinkPad240X へ画像を転送する。

台風一過の空は晴れ渡る

朝飯は、今市市沢又地区のアサイさんによるキュウリの大葉巻き、豆乳から作る豆腐、納豆、ナスの油炒め、オクラの胡麻和え、メシ、ジャガイモと長ネギとバターの味噌汁

アメリカは今般のテロ事件の首謀者を、イスラム原理主義者のウサマ・ビンラディンと目しているらしい。

写真やテレビで見る限り、彼は良い顔をしている。僕は、ポル・ポトもまた、良い顔をしていたことを思い出す。

人の内面は、顔に表れるという。

自らの信じるところを澄んだ心で行なえば、たとえそれが悪魔も目を背けるような非道な行為だとしても、人は卑しい顔を持たずにいられることを、このふたりは証明している。

晩飯は、ダイコンと豚肉の煮物、ほうれん草の胡麻よごしトマト、冷や奴湯波の煮物、ナスの豆板醤スープ煮

「こういう地味なメシを食っていさえすれば、人は長生きするんだよな」 と思いつつ、紅乙女のオンザロックスを、普段よりも多く飲んでしまう。

そのままカウチの上で寝入り、夜11時30分に目を覚ます。入浴をして、1時間後に就寝する。


 2001.0911(火) 「日はまた昇る」

首尾よく朝3時に起床する。

昨日の昼間にできなかった顧客名簿の更新を、4時30分から1時間かけて行う。精密な作業には、やはり邪魔の入らない環境が必要だ。

5時30分からは オンラインショップ からの受注をこなし、ThinkPad240X に吸い込まれたeメイルを読む。

朝飯は、ホウレンソウと豚肉の胡麻和え、タイのかぶと煮、ナスの漬物、ムラサキイモの煮物、豆乳から作る豆腐、納豆、メシ、厚揚げ豆腐とナメコとネギの味噌汁

午前中に、台風11号が東京の上空へ達する。テレビカメラが俯瞰する渋谷の交差点には、人ひとり見当たらない。

昼過ぎ、ヘミングウェイの 「日はまた昇る」 を読み終える。かっこいい小説だった。

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女を、ある男といっしょに旅に行かせる。女にまた別の男を紹介し、そいつと駆落ちさせる。今度は、こっちが出かけていって女をつれもどす。電報には 「愛をこめて」 などと書く。こういうものなんだ。僕は昼食に行った。

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理解と虚無と諦観と光輝が入り交じるこの小説の白眉ともいうべき部分を読んでいる僕の横で、次男@5歳は、ガーガーピーピーと音の出るオモチャで遊んでいる。家で本を読むということは、そういうことだ。しかしまた、僕はこういうことが嫌いではない。

夕刻になって、雨と風はようやく収まった。南東の空に虹が出る

晩飯は、タコ、イカ、トマト、マッシュルーム、エリンギ、マイタケ、ブロッコリー、グリーンアスパラガス、レタスのサラダジャガイモとバターベイコンの巻きパン

骨付き豚のポトフ には、アルザス産のワインがよく似合う。"Joseph et Christian Binner Riesling 1993" を飲む

10時ちかくまで眠らずにいたら、ニューヨークの貿易センタービルの2棟に飛行機がそれぞれ1機ずつ突入したニュースを、テレビが流し始めた。

ベッドで 「日はまた昇る」 の解説を読み、居間へ戻ってテレビを見ることを繰り返す。0時に至って、ようやく就寝をする。


 2001.0910(月) 速読・遅読

朝5時に起床する。どうも最近、早い起床時間を確保できない。

オンラインショップ に、普段よりも大きな注文が入っている。これを処理し、顧客ほかに数通のeメイルを書き、昨日の日記を作成する。

朝飯は、ホウレンソウの油炒め、ジャコ、アナゴの佃煮、シシャモ、納豆、メシ、ナスとネギの味噌汁

8時に開店をする。横殴りの雨と風で、犬走りはおろかガラス戸までが濡れている

台風のため、来店客数は極端に少ない。動かしようのない旅行日程に従って遊びにいらしたお客様にて、午前中の一時のみ、店舗はにぎわう。

顧客名簿の更新は、1年に3回、行うことにしている。9月1日をその作業日にあてていたが、朝早くに起きられないこともあって、手つかずのまま残っていた。かかってくる電話も少ないため、午後1時30分から、この仕事にかかる。

90分間、休みなくキーボードを叩き、ディスプレイを睨みつづけたあげく、「この作業はやはり、深夜から早朝にかけて行わなくてはダメだ」 という結論を得る。

途中で来客や呼び出しがあると、どうしても仕事に齟齬が出る。ミスがあれば最初に戻って作業を再開する。いつまでたっても先に進まない。

顧客名簿の更新は、またまた後日まわしになった。

ウチから日光宇都宮道路の今市インターチェンジまでは、クルマで2分の距離だ。店舗前の電光掲示板は、今市インターから6Km先の通行止めを報せている

入浴後、明朝は是非にでも早起きをしなければいけないと考えつつ、「日はまた昇る」 を読む。500ペイジの本を、数時間のうちに読む人を知っている。僕はときに、1ヶ月ほどもかかって300ペイジの本を読む。

9時30分に就寝する。


 2001.0909(日) 山伏茸

朝5時30分に起床する。僕としては充分に遅い起床だ。

自室から事務室へ降り、オンラインショップ からの受注をこなし、数通のeメイルを書く。昨日の日記用画像を OLYMPUS C-700 Ultra Zoom から ThinkPad240X へ転送する。

朝飯は、ナスの漬物、ジャコ、アナゴの佃煮、納豆、ホウレンソウの胡麻よごし、シシャモ、メシ、ナメコとコマツナと豆腐の味噌汁

大きな台風が真南から近づいているため、雨が強くなったり弱くなったりしながら、降り続いている。扇風機を片づけたばかりなのに、強い蒸し暑さを覚える。

「アットとちぎ」 のワタナベマスミさんから、オンラインショップ に使う 「特定商取引に関する法律に基づく通販の表記」 の検討と手直しを要請されていた。これをようやく完成させ、eメイルにて送る。

年末年始ギフトのDMに使う文章を完成させ、印刷屋に渡せるようプリントアウトする。

終業後も仕事が続き、夕食の時間が遅れる。ヨシハラさんの店 "Casa Lingo" へ行く。

「ワインフェア」 の最中で、グラスとカラフの酒が安くなっている。カラフで赤をもらう

マグロのカルパッツィオまぜまぜサラダアサリとトマトのスパゲティ

ズッキーニのピッツァ羊のあばら焼き

羊のあばら焼きの付け合わせのジャガイモの陰に、見慣れないものがある。ニンニクの香りを強烈に含んで、とても美味い。ヨシハラさんに訊くと、白い小動物のような山伏茸というキノコを取りだして見せてくれる

栗のワインシロップ煮ルバーブのタルト

郊外型の大型書店を経由して8時30分に帰宅し、10時に就寝する。


 2001.0908(土) 6杯のアラ汁

朝5時に起床する。

オンラインショップ からの受注をこなし、メイリングリストに2、3の返信をし、諸方に数通のeメイルを書く。昨日、下り特急スペーシアの車内にて仕上げた6日の日記を、サーヴァーに転送する。

朝飯は、スクランブルドエッグとレタスのサラダ、ジャコと大根おろし、ナスの油炒め、コールスロー、マグロとタケノコの角煮、メシ、ワカメとタマネギの味噌汁

社内各部署の社員が用紙に記録してきた在庫を マイツール のフォーマットに入れ、マクロを走らせる。決算用の資料を、徐々に整える。

処理すべきことはたくさんあるが、取引先の多くは週末に休んでいるため、来週の頭に繰り延べざるを得ない作業もある。できることから仕上げていく。

夕刻、外へ出る用事があったため、晩飯は先に食べているよう、家に電話をする。

8時ちかくに帰宅する。豚の薄切り肉と水菜をダシの中で軽く茹で、豆板醤にて食べる。飲み物は、紅乙女のオンザロックス

6日の夜 「シンスケ」 にて、僕の斜め後ろに座った人の会話を思い出す。鮨屋にて鮨を食べず、アラの味噌汁に鶏卵を1個投入したものを3杯、玉子無しのものを3杯、計6杯の汁を飲み干して満足する男の話だった。

おかしみと不気味さがないまぜになって、幻想的に昇華された話だった。

僕もシャブシャブの鍋の中に鶏卵を1個、投入してみるほどよく固まったところでそれを飯に乗せ、ダシをかけ回す

鮨屋にて鮨は食べず、6杯のアラ汁を腹に入れるという男のことを思い出しながら、このぶっかけ飯を食べる。

10時に就寝する。


 2001.0907(金) 本郷、神保町、浅草

瞼の裏に明るさを感じる。「もう朝か」 と思って目を開ける。部屋の灯りを点けたまま寝ていたことを知る。二日酔いだ。

キッチンにて時計を見ると、3時30分になっている。昨日の朝、テイブルにアスピリンと胃薬とビタミンを用意したにもかかわらず、それを飲まずに寝ている。

アスピリンと胃薬とビタミンを飲む。風呂場へ行くと、湯沸かしの種火がついたままになっている。種々の始末をする前に、眠ってしまったことを知る。

昨夜の酒量は、「シンスケ」 にて両関の本醸造を2合、"PEN" にてダイキリを3杯、これのみだ。僕が二日酔いになる量ではない。

ことによると 「シンスケ」 で、酒を3合飲んだのだろうか? しかしそれは僕のスタイルではない。"PEN" で、ダイキリを4杯飲んだのだろうか? 僕はそれほど無謀な人間でもない。何が何だか分からないまま、二度寝をする。

7時に再び目を覚ます。オンラインショップ からの受注を処理する。昨日の日記を書く気力は無い。とりあえず OLYMPUS C-700 Ultra Zoom からスマートメディアを取りだし、ThinkPad240X に画像を転送する。

8時45分ころに、昨日一昨日と集めた資料や、衣服の荷造りをする。ザックを背負い、段ボール箱の荷物を持って、甘木庵を出る。近くのコンビニエンスストアから、その荷物を家に送る。

本郷三丁目駅前のドトールコーヒーにて、トースト1枚とアイスコーフィーの最小サイズを腹に入れる。地下鉄丸の内線にひと駅乗って、御茶ノ水へ移動する。駿河台から神保町まで歩く。 矢野ビル4階の "Computer Lib" へ行く。

"Computer Lib" へは、自分が習得したいこと、覚えかけでそのままになっていること、アプリケイションのバグなのか、どうしてもうまく設定できないことなどを箇条書きにしたeメイルを、お盆前に送付しておいた。

今日はそれらを解決するための、僕がカリキュラムを組んだコンピュータ教室を行う。講師は社長のマヒマヒ氏だ

お盆以降、新たに発生した疑問点なども含め、僕の "Digital Note" に並べられた課題を、片端から処理していく。勉強や作業の調子が上がり始めると、できるだけ続けてやっつけてしまいたくなる。午後1時30分になって、ようやく昼食のために外出をする。

マヒマヒ氏と、神保町交差点ちかくの "Beer Italiano" へ行く。僕は 「アサリとトマトのスープスパゲティ」 を注文する。

マヒマヒ氏 「ウワサワさん、ワイン飲むでしょ? 赤? 白? 赤にしようか」
○○○. 「えぇっと、オレ、二日酔いだから」

マヒマヒ氏 「すいませーん、こっち、赤ワイン。グラスでふたつね」
○○○. 「うーん、じゃぁ飲むかぁ」

トマトのスープが二日酔いの胃に染みる。赤ワインが二日酔いのノドに染みる。

専大前交差点ちかくのコーフィー屋でエスプレッソを飲み、ふたたび "Computer Lib" へ戻って勉強と作業を続ける。

夕刻、ほぼ満足のいく結果を得て、矢野ビルの4階から階段を降りる。数十秒の距離を歩いて、神保町の駅へ入る。地下鉄半蔵門線にて、三越前へ移動する。

地下鉄銀座線に乗り換え、浅草までのあいだに、「どこで何を食べるか」 ということについて頭を絞る。

二日酔いがまだ軽く尾をひいているため、なにも食べたいものがない。なにも食べたいものは無いが、更に頭を絞ると、なんとなく、レヴァ刺しを食べたいような気がしてくる。しかし、二日酔いで焼肉屋へ入る気はしない。

ふと思いついて、モツ焼の 「がってん」 へ行こうと考える。6時少し前に、浅草の駅に着く。7時の下り特急スペーシアの切符を買い、駅の外へ出る。

「がってん」 に入ると、黒板のメニュが増えている。予期しなかった 「鳥レヴァの刺身」 もある。とりあえず焼酎のオンザロックスと、鳥レヴァの刺身と冷やしトマトを注文する

鳥レヴァの刺身には、ワサビ醤油が添えられていた。ごま油と塩があればもっと嬉しいのにと思いながら、醤油にてそれを食べる。

シロを2本ナンコツを2本、追加で注文する。焼酎は3杯飲んだ。30分間で、「日はまた昇る」 の242ペイジから256ペイジまでを読む。

東武日光線浅草駅前の 「はせ川」 にて、とても古典的な、あるいはとても清新なラーメンを食べる。ここのラーメンには、コショウすら振りかける気がしない。いつもデフォールトにて食べたいラーメンだ。

6時50分に 「はせ川」 を出て、東武日光線のプラットフォームに上がる。浅草19:00発の下り特急スペーシアの車内にて、昨日の日記をほぼ完成させる。

9時前に帰宅し、10時に就寝する。


 2001.0906(木) 本郷、お台場、湯島

朝5時30分に起床する。オンラインショップ からの受注をこなし、諸方にeメイルを書き、昨日の日記を作成する。

7時ころになって空腹を覚えたため、本郷三丁目交差点まで歩き、吉野家にて並盛りと生卵と味噌汁を注文する

吉野家の50円の味噌汁はとても不味いが、あの吉野家が細密な市場調査の結果、この品質が最大の粗利総額を稼ぐものと判断して、そのままにしてあるのだろう。僕が文句を言う筋合いのことではない。嫌ならば、頼まなければ良いだけのことだ。

本郷三丁目から甘木庵へ戻り、荷物を整える。上野広小路まで歩き、地下鉄銀座線にて新橋に至る。ゆりかもめに乗り10時少しすぎに、東京ビッグサイトへ到着する

届いたギフトショウへの招待券を受付のおねえさんに渡すと、そのバーコードを読んで瞬時に、僕の名札がレイザープリンターから排出される

このギフトショウへは、通信販売における高額注文顧客への、新しいノヴェルティを探しに来た。本日、僕が採るべき行動を、次の3つに絞る。

1.自分の好みに固執しない。
2.人だかりの出来ているブースに注目する。
3.テレフォンカードに代わる疑似金券を探す。

人だかりが出来ているのは、圧倒的に若い人向きの雑貨を扱うブースだった。セッケンのような清潔グッズを売る問屋には、お金のかかったディスプレイが目立った。香りを扱う老舗が、新しい形態で勝負をかける例も多く見受けられた。

これはと思われる会社を見つけるたびに、営業課員に当方の名刺を渡す。後日のパンフレット送付を頼む。

本日のギフトショウは、東京ビッグサイトの東館と西館のすべてを使う、大規模なものだ。それにしては、会場のいたるところに表示されている 撮影禁止のメッセイジ が腑に落ちない。

ビジネスショウや "COMDEX" には、この種の立て札は決して出されることはない。一体どこの誰が 「写真を撮られては困る」 と、言っているのだろう?

新橋から4時すぎに、内回りの山手線に乗る。夕刻には少し早すぎる時間のため、神田にて中央線へ乗り換え、御茶ノ水に至る。聖橋口の改札口を出て、左手に御茶ノ水橋を見ながら聖橋を渡る

アスファルトやコンクリートに覆われた鞍部や渓谷を踏破し、湯島天神に突き当たる。境内右手から女坂を下り、湯島天神下の 「シンスケ」 へ至る。

きぬかつぎやサンマの酢じめにて、両関の本醸造酒を冷やで2合飲む。「日はまた昇る」 の201ペイジから223ペイジまでを読む。

オヤジさんに、夏前、同級生のコモトリ君がこの店へ飲みに来て、閉店後、オヤジさんにバー "NOA" へ案内してもらった話をする。ついでに、バー "NOA" の場所を確認する。

"NOA" へは後日、コモトリ君と行けば良いだろう。

バー "PEN" を訪なう。ダイキリを3杯飲む。ヒッチコックの 「裏窓」 のような眼下の風景ばかりを眺め、読書ははかどらない

7時すぎに、湯島の切り通し坂を上がる湯島プラザホテルのネオンが届く路地を歩き、甘木庵に帰着する。

eメイルをダウンロードし、急用のないことを確かめる。8時すぎに就寝する。


 2001.0905(水) 秋葉原、虎ノ門、銀座

朝2時30分に起床する。

オンラインショップ からの受注をこなし、数通のeメイルを書く。2002年度の入社を希望している高校生と就職担当教師への、入社試験のお知らせを作成する。昨日の日記を書く。

朝飯は、トマトとレタスのサラダ、玉子焼き、ナスの漬物、納豆、じゃこ、ナスとオクラの煮びたし、メシ、豚とモヤシと三つ葉の味噌汁

下今市7:46発の上り特急スペーシアに乗る。地下鉄日比谷線にて、北千住から秋葉原へ移動する。

神田松永町 の三和パッケージにて、我が社が発注している包装資材の新しい表示について、2時間ちかい打ち合わせを持つ。

空き地の多い、発展途上国の空港付近のような風景を眺めながら歩き、秋葉原の中心部に至る。

"T ZONE" にて、いま使っている ThinkPad240X の後継機の下検分をする。やはり ThinkPadS30 だろうか。ThinkPad のデザインは 535X を最後に、僕の好みから徐々に遠ざかりつつある。

山手線にて新橋へ移動し、地下鉄銀座線に乗り換えて虎ノ門にて降りる。

虎ノ門1丁目14番地日本容器包装リサイクル協会 を訪ねる。三和パッケージにて不明だった容器表示の詳細について、更に突っ込んだ質疑をやりとりする。

夕刻、銀座2丁目の "Nelson' Bar" にてブルドッグを飲みながら、「日はまた昇る」 の162ペイジから166ペイジまでを読む。

5丁目の "Good Time" にてダイキリを1杯とバンブーを1杯飲みながら、「日はまた昇る」 の167ペイジから179ペイジまでを読む。

7丁目の 「まんまる鮨」 にて、カツオやイワシの握りを食べながら、冷酒300ccを飲む。

8時に甘木庵へ帰着し、オンラインショップ からの受注をこなし、自分の運営するpatioに数通のレスポンスを書く。

9時30分に就寝する。


 2001.0904(火) 荷風本2冊

朝4時30分に起床する。オンラインショップ からの受注をこなし、諸方にeメイルを書き、昨日の日記を作成する。

朝飯は、目玉焼き、グリーンアスパラガスの油炒め、ナスの煮びたし、ナスの漬物、刻みオクラのカツオブシかけ、ジャコ、納豆、メシ、ダイコンとミツバの味噌汁

"amazon" に発注しておいた 3冊の本が届く

僕はふだん、尻のポケットに入る本しか買わない。500ペイジ、600ペイジを超える本を2冊も買うというのは、僕にとっては異例のことだ。

分厚い本は、長く乗り物に乗るとき、ことに楽しめる。列車が目的地へ着いたら、そのまま折り返しの車輌に乗って帰ってくるような、本を読むだけの旅に出たいと思う。

昼飯には、糸屋の 盛りの大盛り を食べる。

午後、カトーノさん が来社する。

僕はおかしければおかしいなりに、委細かまわず無神経にコンピュータを使い回す。しかしカトーノさんは先日来、僕のThinkPad240Xの挙動がすこぶる安定しないと言う。

数時間をかけて、対症療法ながら、いくつかの問題を改善する。

夕刻からなにかと忙しく、食事の用意もできないまま8時ちかくになってしまう。外食をすることにして、anne@家内と次男@5歳と連れだってヨシハラさんの店 "Casa Lingo" へ行くと、定休日だった。はす向かいの 「大昌園」 へ入る。

モヤシナムル×1レヴァ刺し×1カルビ×2ホルモン×1、コブクロ×1タン塩×1 をやっつける。

締めはいつも通りの テグタンラーメン

9時近くに帰宅し、入浴して9時30分に就寝する。


 2001.0903(月) ヨウコさんのナス

朝4時に起床する。オンラインショップ からの受注をこなし、資料請求の顧客にeメイルを書き、昨日の日記を作成する。

朝飯は、ナスとシシトウの油炒め、ジャコ、納豆、糸こんにゃくの甘辛煮、あぶった厚揚げ豆腐、メシ、雪菜の味噌汁

いろいろな書類が次々に届き、気が急く。いつものように机に積んで後回しにせず、片端から処理していく。

午後、日光わんわんの森 へ、外注SEのカトーノさんを訪ねる

森の中にのどかに響く犬の声を聴きながら、いつの間にかおかしくなったパスワードファイルや、取引先から送られた、なんとしても読めない "Word" に考察を加える。

ヴァージョンアップした秀丸の設定を旧来のものに直し、本日の作業を終える。

晩飯は、キハダマグロの刺身マイタケとタコの天ぷら

今市市小林地区に住むヨウコさんが作ったナスを用いた煮びたし同じくヨウコさんが自ら漬けたナスの漬物

飲み物は、紅乙女のオンザロックス

キリン一番絞りを135cc飲み、9時に就寝する。


 2001.0902(日) 根津の蕎麦

目を覚ます。竹のシェイドにさえぎられて、外の明るさは分からない。自室に時計はない。キッチンに出て、5時30分という現在時刻を知る。まだ誰も起きてはいない

かまわずに明かりをつけ、オンラインショップからのからの受注をこなし、昨日の日記を作成する。

6時を過ぎると、眠っていた会員も徐々に起き出す。僕はシャワーを浴びる。

7時になったので、二度寝をしていたシバザキ会員 を起こす。根津の蕎麦屋 「鷹匠」 へ電話をし、本日の営業を確かめる。

6名で涼しい朝の切り通し坂を下り、湯島から地下鉄千代田線にて根津へ移動する。不忍通りと言問通りの交差点を谷中1丁目方向へ向かい、4本目の辻を左へ折れる。

イチモト会長が頻繁に 「後ろからクルマ来ないよ」 と言う。いたずらと分かっていても、つい振り向いてしまう。

左側に丁子屋右側に元下宿屋のような建物 が見えたら、半径10メートル以内を慎重に観察する必要がある。鷹匠の入り口は、しごく目立たない

ひとりだけ先客のいる店内に入る。既にして、6名分の席が用意してあった。

先ずは鷹勇を冷やで飲む湯波マグロの酒盗酒肴盛り合わせ塩で食べる冷や奴野菜の炊きあわせ

四季桜の冷やも飲み干し、調子に乗って 焼酎の蕎麦湯割り を頼む。

ヤギサワ会員は 大根蕎麦 を注文する。ここの辛み大根は、ハツカネズミのように丸くて小さい。

コバヤシ会員は、深山蕎麦をつゆ無しにて食べ、続いて せいろ蕎麦をつゆ無しにて食べる。昨夜、"TORIYA" にて店員に 「同じ酒でも、既に開いている瓶と、新規に開けた瓶の酒は混ぜて注ぐな」 と注文をつけた厳しさが、蕎麦の食べ方にも現れている。

あなご蕎麦とはアナゴの天ざるかと思い、お運びの女の人に訊ねる。盛り蕎麦の上に、アナゴの白焼きを載せたものだという。「どうせワリカンだ、食わなきゃソンソン」 とばかりに、品書きにて最も高いその あなご蕎麦 を食べる。

あぶられたアナゴは皮の爽やかさと肉の脂が良く調和して、とても美味い。夏を見送る気持ちで、これを噛みしめる。

利き酒会の会長にして、1ヶ月に1合の酒しか飲まないイチモト本酒会長には、蕎麦ぜんざい を食べてもらう。僕はそのぜんざいに付属の 大豆の醤油煮 を受け取り、最後の酒肴とする。

ふたたび地下鉄千代田線に乗り、10時に甘木庵へ戻る。誰かが部屋を片づけ、誰かが風呂を掃除する。11時ころ、本酒会員は三々五々、外へ出る。この後の行き先は、各自の勝手だ。

朝酒や昼酒は、その後の食欲を減退させる。僕はひとり昼前に浅草へ達し、昼食はとらずに12:00発の下り特急スペーシアに乗る。

2時前に帰社する。

終業後、所用にて今市病院の5階にいると、ウチから徒歩で100歩も離れていない住吉町付近に、大きな火事が見える。高く炎が上がり、大量の黒煙が空を流れていく。爆発音も聞こえる。

本酒会場の 「やぶ定」 の近くだ。本酒会長の家に電話を入れる。

今市病院の階段を降り、日光街道へ出て住吉町に近づいていく。火元は 荒物の山城屋さん だった。既に鎮火はした模様だが、道路には大量のホースが横たわって、あたり一面が水浸しになっている。

住吉町の顔見知りや友人の家の前を通りながら、火事見舞いをする。「やぶ定」 の奥さんは、店から20メートルほどのところで起きた派手な火事に、鳥肌を立てていた。

山城屋さんには気の毒なことだが、被害が倉庫のみで済んだこと、大きな火事の割に類焼のなかったことが、せめてもの救いだろう。

いまだ霧のようにただよう煙の中を、目に入ろうとする灰を払いながら帰宅する。

「山城屋さんは、メシどころではないだろうなぁ」 と思いながら、スキヤキを食べる。飲み物は、"Joseph et Christian Binner Riesling 1993"

9時前に就寝する。


 2001.0901(土) 谷中の焼き鳥

昨日の夕食後から今朝の5時すぎまで、ほとんどの時間を眠り続けた。僕としては異常に長い睡眠だ。事務室へ降り、数通のeメイルを書き、昨日の日記を整える。

毎月1日に更新する文章の9月分 を見直し、日記と共に更新する。

6時45分に外へ出て、相之道近辺を散歩する。「相之道」 とは、日光街道と会津西街道との分岐点というところから、名付けられたものだろうか

加藤床屋前のアーケードを見上げたところに、「海抜400M地点」 という看板を見つける。このようなものにも気づかないとは、普段、街をいいかげんに歩いている証拠だ。

午後3時35分に下今市駅へ行く。程なくしてイチモト本酒会長と、オオハシ会員、コバヤシ会員、ヤギサワ会員が来る。今日は 本酒会 の東京ツアーだ。

下今市発16:03発の、上り特急スペーシアに乗る

泊まりは甘木庵のため、タオルと歯ブラシとシーツは各自の持参となる。イチモト会長の荷物は、スーパーマーケットの袋ひとつだ。果たしてここに、シーツが入るものだろうか。

北千住から常磐線にて日暮里へ移動する。北側改札口から西口を出て御殿坂を上がる。谷中銀座を見おろす高台の "TORIYA" へ、計5名にて入る。

僕は初っぱなに、広島の 「美穂」 を頼む。今日も突きだしに、好きな 「ダイコンの荒おろし」 と 「刻みオクラのかつおぶしかけ」 が出る。

地鶏ポン酢 は、素晴らしい一皿だ。肉、ナンコツ、砂肝、心臓 まで進んだところで、シバザキ会員が遅れて参加する

シバザキ会員がくつろいでアロハを脱ぐと、早くも ヤギサワ会員とオオハシ会員による二人羽織が始まる。

皿にまで凝るここの冷やしトマト は、味ももちろん最高だ。

せせりぼんちり野菜プティトマト厚焼き玉子薩摩揚げ漬け物

入店と同時に注文をしたイチモト会長の焼き鳥丼 が、2時間30分を経て、ようやくサーヴされる。

上質の鶏料理とお酒と、なによりも初秋の夜を楽しむ。

Marilyn MonroeMiles DavisEric ClaptonHiram Bullock に囲まれた手洗いにて顔を洗い、店を出る。

夕焼けだんだん坂 を降りて、谷中銀座から千駄木へ至る。本来ならば根津あたりまでは歩くところを、今日は素直に地下鉄千代田線を使い、湯島にて下車する。

湯島天神下の 「大喜」 にてラーメンを食べ 、切り通し坂を上がる。10時に甘木庵へ帰着する。

僕はシャワーも浴びず、自室のベッドにて寝入ってしまった。イチモト会長がクーラーを消し、タオルケットをかけてくれたようだ。

夜半にふと目を覚ますと、遊びのために単独で上野方面へ散っていた会員たちが、徐々に戻ってきている。彼らの話し声を遠く聞きながら、僕は再び眠りに落ちた。