"Jean Gros"のリシュブール

細長いブルゴーニュの葡萄畑を、ほぼ南北につらぬいているのは国道74号線でしょうか。ニュイサンジョルジュの町からこの道を北へ、つまりディジョンめざして進むと、ほどなくヴォーヌロマネの村に入る。と同時に、左手には多くの綺羅星のような特級の畑が見えてくる、、、らしいです。

ヴォーヌロマネ、ロマネサンヴィヴァン、ラターシュ。ロマネコンティの畑の近くにはリシュブール。このリシュブールのうち0.6ヘクタール、木にして約2000本分の葡萄の実が"Jean Gros"の蔵に持ち込まれ、そしてルビー色のワインになりました。ヴィンテイジは1985年。ブルゴーニュ大当たりの年です。

その数年後、このリシュブールはフランス内陸部からはるばる旅を続けて、僕の冷蔵庫に収まりました。

1998年の今、冷蔵庫の天井から下がる白熱灯にこのリシュブールのマグナム瓶をかざすと、静置されたとき下側にくる部分には、既にオリがたまっています。

"Jean Gros"は優秀な醸造家ですし、何しろ葡萄も特別なら、ヴィンテイジも最高です。

残念ながら僕の冷蔵庫には1本しかないこのリシュブールは、いつ開栓されるのでしょう? 2005年でしょうね。1985年生まれの僕の子供が、この年20歳になりますから。

それまでは、普段飲みの赤や白を、ゆるゆるとやっていることにしましょう。

「普段飲みは何か?」って? ブルゴーニュなら、ルフレーヴのブラニー'85とか、あるいは同じくルフレーヴのブルゴーニュブラン'87あたりでしょう。ブラニーの'85は、ついに残量が半ダースを割ってしまいました。そろそろまた仕入れなくてはいけません。

"Jean Gros"のリシュブール
1998.1012