伝統と革新の融合:梅干しと発酵文化の新たな可能性

梅と星料理写真

梅干しの新たな魅力: 伝統と革新の味の共存

竹内さん:梅干しも、新しい革新的な味がいっぱい出てきてるんで。それはそれで、僕はいいと思ってるんですよ。時代に合わせて。

上澤:今日、じつは対談させていただく前に、下のお店で朝ごはんをいただいてきました。いつもは伝統的な、すごくしょっぱくてすっぱいやつをいただくんですけど、今日はオリーブオイルに漬けた梅干しをいただきました。これがめちゃくちゃ美味しくて。

竹内さん:嬉しいです。

上澤:ハーブの香りが鮮烈で。でも、梅干しってもともとシソを入れるんだから、ハーブと相性が良いに決まってるよなとか思ったりして。そしてなぜかごはんにも合う笑

おともみくじ定食の「弁財天セット」だったんですけど、ハーブの香る梅干しをさらにバターと合わせたり。もうメシ三杯は必須ですね。

竹内さん:嬉しいです本当に。だから、酸っぱい昔ながらの梅干しと、そういう革新的なものとかも、一緒にずっと続いていけばいいかなと思うんですけどね。

上澤:よく言われる話かもしれないですけど、「裾野が広がると頂点が上がる」とか。反対に「頂点を上げるためには裾野が広がらないといけない」とか。味が甘いやつとか、キムチの味とか、洋風の味とか、いろんな梅干しが出てくると、またかえって伝統的な塩だけのやつが「これはやっぱりすごいものなんだな」っていうふうに改めて伝わったりする、という。

(司会):これまで3年ぐらいお取引をされてると思うんですが、その中でちょっとなんかこう気になった所があれば教えていただけますか?

竹内さん:改善点ですよね。ないみたいなんです。スタッフに事前に聞いておいたんですけど。

上澤:ありがとうございます。

竹内さん:このまま変わらず。ところで「発酵デパートメント」さんとかの方はどうなんですか。すごいんじゃないですか。
上澤:発酵デパートメントさんのほうも、開店時からずっとお付き合いをいただいていまして。

金沢21世紀美術館での発酵文化展

※イベントは終了しています。

竹内さん:この前、金沢のあれ、行かれてましたね。
上澤:金沢21世紀美術館での展示ですね。
竹内さん:あれ21世紀美術館だったんですか。すごい。めちゃくちゃでかい会場ですよね

上澤:そうなんです。で、21世紀美術館のサテライト会場みたいな、ちょっと隣のところにまず展示がありまして、そこは何ていうんですかね。RPGでいうと最初の導入の「博士の家」みたいな感じで。そこで日本にはこういう発酵食品の文化があります、とりわけ金沢や能登にはこういうものがありますと。では皆さん街へどうぞみたいな感じで、「発酵展」のガイドブックをもらって、街場の発酵食品の蔵とかお店を1個1個クエストしていくような感じなんですね。そうすると街中の路地に、ああこんな麹屋さんがあったんだ!っていうと、そこに作品がちょっと展示してあったりとかして。そこでQRを読み込むと作家さんとの蔵とがコラボしたNFTがもらえる、みたいな感じでですね。

竹内さん:それは能登の地震の後に企画したんですかね。

上澤:ぼくが聞いていた範囲でのお話になってしまうので不正確だったらすみません。
当初は金沢21世紀美術館に日本全国の発酵食品を集めてお祭りだ!みたいイメージで聞いてたんですが、会期がいよいよ近づいてきた2024年のお正月にとんでもない大地震が起きてしまって。その時点で全国の云々っていうのは一回ストップして、北陸とか金沢とか能登とかに焦点を当てた展示にしようと。それで、その会場で展示をするというよりは、むしろ現場を見て回るような入り口に21世紀美術館がなればいいということで、むしろ「発酵展は、この街全体が展示です」というようなコンセプトに切り替わっていったっていうことだと思うんですね。

竹内さん:それはむしろ素晴らしい取り組みですね。
上澤:ほんとうにそう思いました。だから最初は、ウチの品物も21世紀美術館に展示させていただくお話とかがうっすらあったりしたんです。が、お正月の震災の時点で「ちょっとすいません、今回は北陸に焦点をあてたいんです」みたいなお話を伺って。当然、それはもちろん、そういうふうにしてください!ということで。

竹内さん:すげえなあ。

上澤:街の歴史とか、いろんな災害とか戦争とか、でもそこからの復興とかいったようなことがテーマになっていて、そこに「発酵」っていう、人の手と時間とが作りあげていくもの、そして目には見えない「菌」のような他力の存在があるっていう感じで、すごくよかったですね。
竹内さん:行きたかったなあ。

たまり漬と味噌:顧客を魅了する味わいと、その舞台裏

豚汁

(司会):ずっとね、味噌となめこと大根でそういったものを使っていただくっていう中で、なんかお客様の方からフィードバックがあったりはされますか?
竹内さん:豚汁は本当に褒めてもらいます。
上澤:めちゃくちゃ美味しいですよね、豚汁 笑
竹内さん:喜ばれるんで、もうそれは味噌のおかげだと言っても過言ではないと思っておりますし、大根のたまり漬はなんで物販で売ってくれないんだと。
上澤:要冷蔵ということで……申し訳ありません。
竹内さん:ウチも浅草という立地で、みなさんが炎天下に歩かれるなかで冷蔵のものを渡すのがなかなか大変で。でもそれ言われるぐらいやっぱみんな感動されますし。「なめこのたまり炊」はものすごい人気ありますし。
上澤:ありがたいことです。
竹内さん:こっちもやっぱり人間なんで、こういっぱい美味しいごはんのお供たちを置いてますけど、こっちの熱量が出ちゃうわけですよ笑。本当に心から「これマジおいしいんですよ」って言えるものにしていただいてるっていうのは、本当に嬉しいことだなと。何もこっちが苦労しないというか。
上澤:恐縮です。
「梅と星」さんで食べて美味しかったからって言って、ウチの本店まで来てくださるお客さまが結構いらっしゃるんですよ。めちゃくちゃ嬉しいですね。
竹内さん:浅草から日光は、電車もちょうどいいし。
上澤:東武線の特急で乗り換えなしの2時間です。
竹内さん:そうですか。

上澤:やっぱり「梅と星」さんの羽釜ごはんが美味しくて、そういうおいしいごはんを、ごはんのお供で食べるっていうコンセプトによって、うちの品物もより輝かせていただいているというか。そういう環境を作っていただいてることがありがたいことです。

去年の6月、じつはウチの社員旅行で「梅と星」さんにお邪魔させていただきまして。ウチのスタッフ全員、言ってみれば「漬物屋」なので、漬物は毎日毎日見てるわけですよ。

社員旅行の様子

上澤:でも、ここでごはんを食べさせてもらったら、うわぁうまい!みたいな感じで。で、お店を出る時にみんな「この梅干しをお土産で買いたい」って言って、めちゃくちゃ行列してしまって。「梅と星」さんが旅行の日程のなかでの最初の立ち寄り先だったんですけど、一日の最初にそんなに梅干し買ってどうするんだよ?ぐらいの買い方で笑
しかも繰り返しますが、ウチは漬物屋なんですよ?笑 やっぱり「ここでみんなで食べる」っていう体験が、すごく特別なものになるっていうことだと思うんですよね。

竹内さん:それはうれしいです。僕らも上澤さんのお店に行かせていただきたいですね。必ず年内には。

上澤:ぜひぜひ。

竹内さん:絶対行きます。

人と人との繋がり:たまり漬と味噌が紡ぐ物語の終わりに

竹内さんにカタログを渡す上澤

お客様の笑顔が、私たちの原動力

(司会):上澤さんと取引をされてる中で何かちょっと特徴といいますか、何か感じられたメリットとかそういったものがもしもあれば言っていただければ。

竹内さん:そうですね。BtoBだけの概念で言えばその業務用パッケージみたいなもうすごい簡易的なパッケージにして値を下げてもらうっていうのはやっぱあるんで、それぐらいじゃないですか。
でもそれをせねばいかんのかどうかということなんです。どっちかというと、じっくり味わってもらうような、よきものだと思うので。なんかあんまりこう業務用でどさどさっていう感じでもないのかなと思いますけど。

上澤:ありがとうございます。大根のたまり漬とかお味噌とかは業務用パッケージの対応がしやすいんですが、なめこのたまり炊はちょっと製法上の課題があって、現状のパッケージになってるんです。申し訳ありません。

竹内さん:いえいえ、今無理やり言っただけなので。

上澤:技術的にはできるとは思うのですが、、、。

竹内さん:ただすごいたまり漬 食べたくなってきちゃった。
上澤:そのありがたい一言が出たところで、今日はお土産を。
竹内さん:ありがとうございます。

これからも、美味しいもので笑顔を

上澤:漬物が一式入っております。どうぞ。あとこれは即席のお味噌汁なんですが、スタッフの皆さんで召し上がっていただければ。

竹内さん:頂戴します。やった。こんなにたくさんすみません。
上澤:それからですね。
もともと知り合わせていただくきっかけになった写真家の公文健太郎さんにブランドブックの写真を撮影していただきまして。これもどうぞ。
ブランドブック
竹内さん:クレジット入ってるんですか。こっちが表紙ですね。
いいですね、これ。
上澤:ぜひご覧いただければと思います。
竹内さん:いやあ、これ、いいっすね。
上澤:いやこれ本当に写真がすごく良くて。
何気なく「ちょっと朝早く起きたから山を撮ってきたわ」みたいなカットが、これめちゃくちゃいい写真じゃないですか!みたいなのがすごく多くて。
竹内さん:そう。
上澤:そして、なんかすごいお仕事が早いんですよね。バシャバシャッと撮って「ああもういいよ!OK!」みたいな感じで。
竹内さん:フィルムですか?
上澤:これはデジタルなんです。今、フィルムが全然ないのと現像所がもう全然ないっていうことで。なかなか予算の都合もありまして。。。
竹内さん:でも食品はね、デジタルの方が美味しそうに見えるかもしれないですよ。
上澤:ああそうですか!それはよかった笑それでは、外のお店の前で記念写真を撮らせていただいてもよろしいですか。本日はお時間いただきまして、誠にありがとうございました。

梅と星店頭で上澤、竹内の近影