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お買い物かご

清閑 PERSONAL DIARY

2021年7月の日記31本

2021.7.31(土) 味の違い

夜の明ける何時間も前からヒグラシが鳴いている。「やだなー、もう秋かよ」と、残念な気持ちが心に広がる。稲畑汀子の「季寄せ」はヒグラシを秋8月の季語としている。「秋はいまだ、はるか先にある」ということを確かめたくて、検索エンジンに「ヒグラシ」と入れてみる。

行き当たったウィキペディアのページには「晩夏に鳴くセミのイメージがあるが、実際には(地域にもよるが)成虫は梅雨の最中の6月下旬頃から7月にかけて発生し、ニイニイゼミと同じく、他のセミより早く鳴き始める」とあったから、大いに胸をなでおろす。

空気はまことに爽やかではあるけれど、秋は好きでない。夏の気温や湿気は大いに不快だ。不快ではあるけれど、夏はもっとも好きな季節だ。野菜はトマト、茄子、ピーマンなど夏のものが、自分にとっては最高だ。いつかは常夏の国で暮らしたい。

理科の授業として、小学校の裏の浄水場にイナゴを獲りに行ったのは、何年生の夏だっただろう。獲ったイナゴを家で佃煮にした記憶は無い。社員の誰かに譲ったか、家の庭に放したかの、どちらかだったかも知れない。

日本では舌ざわりが良くないと、イナゴは調理前に後ろ足を除く。しかし南の国では、そのような細かいことはしない。調理法は「煮る」ではなく「揚げる」だから、コオロギの棘の生えた後肢さえ、まったく気にならないのだ。

あるときチェンライの夜市でコオロギの素揚げを食べていたら、そこにセミも混じっていた。構わず口に入れたものの、なにしろ調理法が”deep fried”であれば、味の違いはまったく分からなかった。


朝飯 納豆、生玉子、めかぶ、生のトマト、らっきょうのたまり漬、メシ、トマトとブロッコリーと「鶴一家」のチャーシューの味噌汁
昼飯 ごぼうのたまり漬、揚げ玉、梅干、すぐきのお茶漬け
晩飯 ポテトと隠元豆のサラダ、豚のしょうが焼き、胡瓜と茄子と人参のぬか漬け、豆腐と若布と大根の味噌汁キンミヤ焼酎(ソーダ割り)ところてんとスモモの甘味

2021.7.30(金) 無為のとき

今月27日の日記に書いた粗相を昨夜もやらかして、二度寝をしたのは1時半のころだった。目を覚ますと外は既にして明るい。枕の下から取り出したiPhoneには4:54の数字。即、飛び起きて、床の籠に用意済みの服を着る。顔を洗って食堂に出ると、食器棚の電波時計は4時47分。5時台からの行動開始は僕に著しい「損した感」をもたらす。それゆえの、今朝は大急ぎの起床だった。

それだけ急いで起きて何をするかといえば、仏壇に花と水とお茶と線香を供える以外は、ほとんど何もしない。僕の時間管理は、無為のときを作り出すためにあるような気がする。

きのうの夕刻には強い雨が降った。テレビのニュースは、日光に出された洪水注意報を伝えていた。雨は明け方に上がった。そしてまた降り始めた。

豪雨に際して心配なのは、蔵の大屋根の雨水を集める直径30センチの排水管だ。これがどこかで割れたり外れたりすれば、屋内は水浸しになるだろう。そろそろ本職に点検を頼もうと思う。


朝飯 納豆、油揚げと小松菜の炊き合わせ、枝豆のスクランブルドエッグ、ゴーヤの醤油炒め、鰻の佃煮、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、菠薐草の味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 ブロッコリーとツナのサラダ春雨サラダ水餃子、「紅星」の「二鍋頭酒」(生)

2021.7.29(木) ほとんど誰も追随しない

目を覚ましたのは2時台。起きて食堂に来たのは3時35分。必要な道具を調えて、4時より仕事にかかる。

直近の高島屋での出張販売は、8月18日から24日まで日本橋で1週間、9月15日から27日まで新宿で2週間。その案内ハガキのお送り先を顧客名簿から抽出するのが今朝の仕事である。精密さの求められる作業であれば、人が来たり、電話が鳴る日中の事務室ではできない。

ちなみに6月に出張した新宿高島屋では、ハガキのリピート率は30.2パーセントを記録した。上澤梅太郎商店は、お得意様に恵まれている。とても有り難い。

またコンピュータに目を転じれば、リピート率3割は、既製のソフトでは絶対に達成できない数字だと思う。僕の練り上げた方法は秘技ではなく、仲間うちには公開をしている。しかしその技術を習得するにはそれまでの自分を捨て、データベースの常識に自らを沿わせる必要がある。人口に膾炙する可能性は、これからも皆無だろう。

作業は5時22分に完了した。朝食までのあいだに、既に書けていたおとといの日記に画像を加えて「公開」ボタンをクリックする。


朝飯 菠薐草のおひたし、油揚げと小松菜の炊き合わせ、オクラと長葱を薬味にした納豆、ナスのソテー、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、大根と若布の味噌汁
昼飯 うどん
晩飯 春雨サラダ、キムチのせ冷や奴、ごぼうのたまり漬、めかぶの酢の物、ゴーヤの醤油炒め「鶴一家」のチャーシュー、胡麻焼酎「紅乙女」(生)

2021.7.28(水) モーバイル

朝、検索エンジンに”my favorite things jone coltrane”と入れ、youtubeでそれを聴く。聴きながら「いま、オーディオファンって、どれくらいいるのかな」と考える。1969年からしばらくのあいだ、僕はそのオーディオファンだった。雑誌”Stereo Sound”は毎月、読んでいた。「ステレオサウンド、まだあるのだろうか」とamazonに検索をかけると、季刊として続いていた。

現在、音楽を聴く道具としてもっとも多く使われているのはiPhoneだろう。源流は明らかに「ウォークマン」だ。「コンピュータはモーバイルであるべし」と日本でもっとも強く主張したのは西順一郎だと思う。西のこの考えには、かつてその中枢で働いたソニーの「ウォークマン」が大きく影響している気がする。

“mobile”が可能になった途端、その分野の歴史がひっくり返ってしまった例は枚挙にいとまがない。というか、人は元々”mobile”が好きなのだ。なぜならそれは人に自由をもたらすからだ。

ヨハネによる福音書8章32節の「真理は汝に自由を得さすべし」をそのまま当てはめれば、”mobile”もまた真理ということになる、かどうかについては分からない。そういう難しいことは、偉い人に訊いてください。


朝飯 刻みオクラ、納豆、油揚げと小松菜の炊き合わせ、大根おろしを添えた油揚げの網焼き、胡瓜のぬか漬け、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ湯波とブロッコリーの味噌汁
昼飯 「栃木軒」の中華そば
晩飯 「珍来軒」の呉冷麺、うずら豆、胡麻焼酎「紅乙女」(生)

2021.7.27(火) 睡眠

寝ることに失敗をすると、翌朝がつまらなくなる。寝ることに失敗をするとは、夕食後に食堂の椅子で寝てしまうとか、風呂に入る前に「ちょっと一瞬のつもり」で着の身着のまま寝台に横になり、そのまま寝てしまうなどの粗相を指す。

きのうの夜もその「ちょっと一瞬のつもり」で横になり、暗闇に目を覚ました。胸のあたりを触ると、感触はユナイテッドアスレのポロシャツのそれだったから「あー、また」と悔やんだ。時刻は0時21分だった。

それから入浴をし、寝室に戻って二度寝をする。最初の中途半端な睡眠によるものか、この二度寝からはなかなか覚めない。結果として1日の中で自分がもっとも好きな、夜と朝のあいだを楽しめなくなる、という寸法である。

きのうの夜もそれをやらかした。そして二度寝の最中に夢を見た。熱海で夜、空を見上げている。星がやたらに出ている。「熱海ってのは星の綺麗なところだな」と感嘆するも、気づけばそれらは星ではなく、無数のドローンだった。

今朝、起きて洗面所に行くと、時計は4時18分を指していた。前夜、寝ることに失敗をした割には早く目を覚ますことができた。空は薄く曇り、雨がすこし降っている。台風は今、どのあたりにいるのだろう。


朝飯 茄子とピーマンの素揚げ、納豆、隠元豆とオクラの天ぷら、菠薐草の胡麻和え、ひじきとパプリカの炒り煮、蕪と胡瓜のぬか漬け、ごぼうのたまり漬、メシ、豆腐と缶詰の鯖とトマトの味噌汁
昼飯 胡瓜のぬか漬け、ごぼうのたまり漬、塩鰹のふりかけ、鰻の佃煮のお茶漬け
晩飯 めかぶの酢の物、冷やしトマト、マカロニサラダ枝豆ふかした玉蜀黍串揚げあれこれ、芋焼酎「志比田工場原酒」(水割り)、バナナの杏仁豆腐

2021.7.26(月) 在庫

「おとといの日記が白紙の状態にあると焦燥する」と書いたことがある。先週、日記はもっとも多い日で6日分の在庫があった。それでも更に書こうとする性癖は、貧乏性とでも呼ぶべきだろうか。むかしJR西日暮里駅駅の自動販売機に見かけた「お金がなくても平気なフランス人 お金があっても不安な日本人」という本を思い出す。

総資本回転率という言葉がある。自己資本利益率という言葉もある。そのような「率」を上げるより銀行の残高を増やして安心したい、という人は少なくないだろう。

「借金してまで商売なんて、するもんじゃないって、女房に言われたよ。まったくその通りだ」と先日、ある人が言っていた。ちなみにその人の奥さんは元銀行員である。

会社の固定費はヒト、モノ、カネから成る。固定費を下げれば経常利益が上がるかといえば、それほど単純なものではない。「メシの量を減らして金を貯めようとしたら、腹が減って仕事ができず、家計は却って苦しくなりました」ということもあるのだ。税理士だって自分の事務所を開くときには借金くらいするだろう。

と、今朝もよしなしごとを連ねるうち500文字が書けてしまった。日記の現在在庫は4日分。先週の最大数より2日分が減っている。またまた増やさなければ、安心はできない。


朝飯 生のトマト、納豆、干し海老と擂り胡麻を薬味にした冷や奴、玉子焼き、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、缶詰の鯖と長葱の味噌汁
昼飯 「麺屋ききょう」のネギ塩ラーメン
晩飯 トマトとレタスのサラダ、缶詰のツナとピーマンのソテーカレーライスらっきょうのたまり漬「浅太郎」、Old Parr(ソーダ割り)

2021.7.25(日) 長葱

目玉焼きもハムのソテーも嫌いではないが、ハムエッグは苦手、という人がいる。どうにも理解に苦しむ人だ。しかし考えてみれば、自分にもおなじようなところはある。

子供のころ、味噌汁の長葱は幅1センチほどの筒切りにされていた。これが僕はイヤだった。半世紀以上を経た今でも苦手だ。長葱は小口切り、白髪葱、縦切り、また筒切りでも長さがあれば、楽に食べられる。よくある太い部分の斜め切りは、なぜかそれほど美味く感じない。

こうして並べてみると、冒頭の「ハムエッグの人」よりよほど「理解に苦しむ」嗜好かも知れない。嬉しいのは上出来の蕎麦屋で出てくる薬味の葱だ。信じられないほど薄い小口切りは、練達の人が、よほど切れる包丁で刻んでいるのだろう。

今朝の味噌汁の長葱は、青い部分を5センチほどの細い縦切りにした。やたらに具が多ければ、味噌汁というよりは鍋と呼んだ方がふさわしいかも知れない。そのお椀を含む一汁三菜の朝食を腹に詰め込んで、四連休4日目の仕事へと向かう。


朝飯 大根おろしを薬味にした納豆、トマトとポテトのサラダ、山葵漬けを添えた蒲鉾、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、豆腐とトウモロコシの天ぷらと長葱の味噌汁
昼飯 冷やし中華
晩飯 トマトとポテトのサラダ、TIO PEPE、コーンポタージュスープブロッコリーのソテーと人参のなますを添えたハンバーグステーキChateau Lalande Borie 1985

2021.7.24(土) ウクレレ

このところ、孫のリコが僕のウクレレをいじくり回して仕方がなかった。果物を食べ、その汁に汚れた手を洗わずに触ったりするから始末が悪かった。どうにかして彼女を僕のウクレレから遠ざけなくてはならない。しかしウクレレを隠すなどはしたくない。

何が目的だったかは思い出せない。あるとき浅草の外れを歩いていて、ウクレレを並べた飾り窓の前を通りかかった。「へー、浅草にウクレレ屋かぁ」と、何となくもの珍しい気持ちになって、それは記憶の底に残った。

検索エンジンに「浅草 ウクレレ」と入れると、果たしてその店はキワヤ商会と知れた。ウェブショップもある。子供用のウクレレも売っている。それほど高いものでもない。即、注文をした。

キワヤ商会ではまた、ウクレレの教室もしていた。講師はキヨシ小林。僕には未知の人だ。これまた検索エンジンに頼るとCDも複数、出していた。amazonの中を行ったり来たりしながら、もっともレビューの多い”ukulele swing”を注文した。そして届いたそれを、今朝は夜明けの気配さえ訪れない時間からBOSEのプレイヤーに入れた。

1曲目は、聴けばほとんどの人が知っている”Love”。これが出だしからまるでジャンゴ・ラインハルトで、思わず目を見張る。途中に”Salt Peanuts”から遊びで2小節を引用。「へー、いいじゃんか」と気分が上がる。

「秋になったら教室、行くかなぁ」などと考える。楽器の習得は外国語の習得と同じく、陰々滅々とした無限の反復練習を必要とする。しかしその楽器もウクレレならば、気の滅入ることもないのではないか。

ところで孫は小さなウクレレが届いた日から、僕のウクレレには見向きもしなくなった。「助かった-」である。


朝飯 トマト、納豆、ポテトサラダ、昆布の佃煮、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ湯波と菠薐草の味噌汁
昼飯 「食堂ニジコ」の冷やし中華
晩飯 トマト、南瓜の煮付け、胡瓜と人参のぬか漬け、カジキマグロのソテー「日光味噌のたまり浅漬けの素・朝露」かけ豚汁、芋焼酎「志比田工場原酒」(生)

2021.7.23(金) 忙中の閑

起床は2時41分。

「最も好きな時間って、どんなときですか」と訊かれて「尻のポケットに文庫本を突っ込んで『さぁ、今日はどこへ飲みに行こうか』と街を歩いているときですね」と答えたことがある。1988年7月23日の会話と覚えているのは、自衛隊の潜水艦「なだしお」と遊漁船「第一富士丸」の事故を、赤坂から西麻布へ向かうタクシーのラジオが伝えていたからだ。

いま「もっとも好きな時間は」と訊かれれば、それが日常のことなら「夜と朝のあいだに自宅の食堂で日記を書くか本を読むかしているとき」であり、非日常のことなら「南の国のプールサイドで本を読んでいるとき」となるだろう。

午前、それまで会話をしていた電話の受話器を置いて「金谷ホテルさんがいつもの品を、どうにか急ぎで間に合わせられないか、とのことです」と、事務係のカワタユキさんが僕の方を振り向いて言った。

20年ちかく前に、日光金谷ホテルさんの蔵の中から大正時代のカレーのレシピが発見された。それが再現をされて、今は「百年ライスカレー」として同ホテルの名物になっている。それに付け合わされるのは上澤梅太郎商店のらっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」と、たまり漬「ホロホロふりかけ」だ。今年限りの変則的な四連休に、想定外の数のお客様が訪れているのだろう。

即、包装の部署に走る。そして夕刻までにはご用意できる旨を確かめて事務室に戻る。と、そこに今度は中禅寺金谷ホテルさんから電話が入り、こちらにも取り急ぎ欲しいと、ご注文をいただく。またまた現場へ走り、またまた事務室に戻る。そして折り返し担当者様に、承れる旨をご連絡する。緊急の仕事を意気に感じてくれる社員は有り難い。

毎年、梅雨の前と梅雨の明けたころを見計らって、店の4台のショーケースからすべての商品を取りだし、底板の更に下まで掃除をする。今年は今日が「梅雨の明けたころ」の掃除日に当たっていた。17時30分の閉店時間より、先ずは販売係、そこに製造係と隠居係も加わって、黙々と作業をこなす。約50分を経てすべてのショーケースは拭き上げられ、商品も元に戻された。他の部署の仕事を当然のこととして手伝ってくれる社員は有り難い。

今日は時宜を逸して昼食を抜いた。夕食を済ませて20時10分より入浴。20時30分に寝室に入って即、就寝する。夜の朝のあいだに起きるための、早寝である。


朝飯 大根おろしを薬味にした納豆、茄子とピーマンの味噌炒り、鰹節を薬味にした冷や奴、ひじきとパプリカの炒り煮、揚げ湯波の甘辛煮、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布とオクラの味噌汁
晩飯 チーズ、TIO PEPE、ポテトサラダ茹でたブロッコリーを添えた豚肉のソテートマトソースChablis Billaud Simon 2015スモモ

2021.7.22(木) 風鈴

毎年、梅雨が明けるなり、店の犬走りに風鈴を提げる。ところが隠居のことは、うっかり忘れていた。9時を回ったところで風鈴と3段の脚立を手に隠居へ向かう。

3段の脚立に乗って届くのは、玄関の軒先までだ。その垂木を下から観察し、もっとも良さそうな場所を探す。そしてそこに先ずは紐で輪を作ろうと考えて「待てよ」と手を止める。脚立から降りて、ポケットからiPhoneを取り出す。そしてgoogleに「玄関 風鈴 位置」と入れてみる。

「汁飯香の店 隠居うわさわ」は、昨年の3月28日に開業をした。ごはんを炊いたり味噌汁を作ったりおかずを整えたりについては、数十年の蓄積が家内にはある。しかし室礼となると、我々はいまだ素人の域を出ない。その教養の不足に対し、お客様からご指摘を承ることもある。「この場所に風鈴とはいかがなものか」などと、お客様の不興を買ってもいけない。

最初に目に留まったページには「光や音は気を乱します。風鈴のように常に音を発するものは、玄関には置かないようにしましょう」とあった。玄関がダメとなれば、風鈴の行き先は屋根の軒先しかない。しかしそこは隨分と高い。

隠居から百数十メートルを戻り、事務室の裏手に立てかけた、6段1.92メートルの脚立を隠居に運ぶ。そして屋根の軒先のうち、南東に面した角の垂木に紐を結ぶ。その輪から提げた風鈴は折からの風を受けて、涼しげな音を立て始めた。

3段の脚立を元に戻し、6段の脚立も元に戻し、つまり隠居と店のあいだを何度も往復する。そうして事務机に着いて、念のためもう一度、今度はコンピュータで「玄関、風鈴、位置」と検索してみる。

「玄関に出入りをするたび美しい音色に接すると、気分は自然と爽やかになり、悪い運気を中和させます」の太文字が、ページの最上部に現れる。

「冗談じゃねぇよ」と思う。「もう、誰の言うことも信じねぇぞ」と心に決める。滝のような汗は、いつまでも引かない。


朝飯 鯖鮨、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、トマトと若布と揚げ湯波の味噌汁
昼飯 カレーライス、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」
晩飯 冷やしトマト、めかぶの酢の物、蒲鉾、ごぼうのたまり漬、焼き餃子冷やし中華、芋焼酎「志比田工場原酒」(生)、

2021.7.21(水) そればかりを使うわけ

朝のお膳に上げる漬物は、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」とごぼうのたまり漬で、ほぼ決まっている。味については言うまでもない。それ以外では、食べやすさと扱いの容易さに拠るところが大きい。

「らっきょうのたまり漬は、あればドンブリ1杯、食べてしまう」という熱狂者では、僕はない。一食にひと粒、それも小さなもので充分だ。ごぼうのたまり漬には細いものと太いものが混在している。袋を開けたら、先ずは細いものから使い始める。細いものは数本を一度に、太いものばかりが残ってきたら、それは1本のみを器に取る。

器といえば、食器棚には様々な意匠の数々があるものの、好みのものしか使わない。すると時に「またこの皿か」とか「この小鉢しかねぇのか」という感想が自分の中にわき起こる。そろそろ新しいものが欲しくなってきた。

食器はむかしは一度に5客を買った。オフクロなどは、買うなら10客を買えと言った。しかしそれをすると、やたらにモノが増える。モノが増えれば死蔵されるものも、また増える。今、僕は食器は1客ずつしか買わない。買う店は決めてある。来月の下旬にも、その北青山の店に行ければ幸いと考えている。


朝飯 オムレツ、ひじきとパプリカの炒り煮、茄子とピーマンの味噌炒り、納豆、揚げ湯波の甘辛煮、胡瓜のぬか漬け、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、ブロッコリーの味噌汁
昼飯 冷やし中華
晩飯 「やぶ定」の酒肴あれこれ、盛り蕎麦、4種の日本酒(冷や)

2021.7.20(火) 臥煙

むかし臥煙と呼ばれる人たちがいた。その中に、抜きん出てどうしようもないひとりがいた。その者は、特に夏などは一糸もまとわず江戸の街を歩いた。そして奉行所にさしかかると、素っ裸でないことをあらわすため、肩に手拭いをかけた。無法者にもすこしの遠慮はあったらしい。

9時を回ったところで銀行へ行く。その駐車場で、いまだホンダフィットを降りる前に、マスクの紐の片方が外れた。マスクは不織布製で、紐は元に戻らない。新型コロナウイルスのワクチンを2回とも打ち終えてひと月以上が経っている。だからといって、マスクをせずに銀行へは入りづらい。

切ったばかりのエンジンをかける。そして会社に戻り、新たなマスクを着けて、ふたたび銀行へと向かう。グローブボックスには2枚のマスクを予備として収めた。

このところ、公共の屋内でマスクを着けない高齢者を見かける。ワクチンを2回とも打ち終えて「もう大丈夫」と、安心しているのかも知れない。そのような高齢者を若い人たちは、まるで素っ裸の臥煙を見るような目つきで見ている。

日中、積乱雲が北北西の空に高く立ちのぼる。現在気温は33度。夏ができるだけ長く続くことを、僕は望んでいる。


朝飯 ひじきとパプリカの炒り煮、大根おろしを薬味にした納豆、茄子とパプリカのソテー、揚げ湯波の甘辛煮、胡瓜のぬか漬け、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、オクラの天ぷらの味噌汁
昼飯 納豆、揚げ湯波の甘辛煮、昆布の佃煮、梅干、ごぼうのたまり漬のお茶漬け
晩飯 チーズ、TIO PEPE、トマトとレタスのサラダ玉蜀黍とブロッコリーのソテー細切りじゃがいもと細切り人参のソテーたまり漬「青森県田子町産のにんにくです」ビーフステーキ其の一ビーフステーキ其の二Chateau Leoville Las Cases 1984メロン

2021.7.19(月) 代行予約

「新型コロナウイルス感染症ワクチン接種のご案内」の封筒が、先週土曜日に日光市より家内に届いた。翌朝、家内とおなじ年に生まれた製造顧問のフクダナオブミさんが出勤するなり、封筒は届いたかと訊いた。フクダさんは何と「持ってきました」と、それを見せた。

聞くところによれば、奥さんがスマートフォンであれこれしてくれたものの、埒が明かなかったという。それはそうだろう、受け付けは今日からなのだ。「オレが登録しようか」と提案すると「そうしてもらえれば」と、フクダさんは封筒を差し出した。

家内とフクダナオブミさんの、各々の接種券番号、生年月日、電話番号は、きのうのうちにエディタに記録をしておいた。それを以て今朝は、当該のウェブページを開いた。

自分のときには簡単に済んだ作業だったが、家内のそれについては「接種券番号と生年月日のどちらかが違います」と、撥ねられてしまう。幾度となく試しても、関門を抜けられない。よって今度はフクダナオブミさんの情報を入力する。こちらは問題なく進んで8月3日と同24日の接種が予約できた。

念のため「汁飯香の店 隠居うわさわ」の厨房に電話を入れて確かめる。果たして僕の認識していた家内の誕生日は誤りだった。正しい数字を入力すると、今度はただちに7月27日と8月17日の接種が予約できた。

誕生日や記念日には、とんと興味のない性格である。


朝飯 生のトマト、菠薐草のおひたし、茄子とピーマンとパプリカの味噌炒り、納豆、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、菠薐草の味噌汁
昼飯 カレー南蛮うどん
晩飯 トマトとレタスのサラダカレーライスらっきょうのたまり漬「浅太郎」ABSOLUTE VODKA(ソーダ割り)

2021.7.18(日) 運、あるいは当たり前

新型コロナウイルスなど知りもしなかった2019年には、東京オリンピックが2020年に開かれることを、誰もが疑わなかった。その2019年に「オリンピックの開催期間中は、開催地以外の経済は思わしくなくなる」と言った人がいる。その人には1964年の、第1回東京オリンピックの記憶が残っていたのだろう。

日光東照宮の三百五十年式年大祭は1965年。「オリンピックの翌年で景気が落ち込んで…」とは、そのとき寄付集めに奔走した人の思い出話だ。

「だったら2年続きでダメじゃんか」と感じると同時に「今回は、そのときとはまた別だわな」とも思う。そもそも開催地の東京が、オリンピックの期間を丸々のみ込んで緊急事態宣言の最中にあるのだ。

多くの人が起死回生の一発を望んでいる。しかしそういうものは、望んでいるときには得てして出ない。

「人間、運だね」と、きのう閉店の間際にいらっしゃったお客様は、椅子に腰を下ろすなりおっしゃった。そして得られた利益について、話してくださった。それをうかがった僕は「ちゃーんと準備をされていたからこそ、そこで運が降りてきたんです」と申し上げた。

もうひとつ。「自分は運が良い」と思っている人のところにのみ運は降りてくるような気がする。まぁ、当たり前といえば、当たり前かも知れない。


朝飯 昆布の佃煮、刻みオクラの鰹節かけ、コロッケ、めかぶの酢の物、生のトマト、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と長葱の味噌汁
昼飯 塩鰹のふりかけ、昆布の佃煮、焼き鮭、ごぼうのたまり漬のお茶漬け
晩飯 こんにゃくの甘辛煮、生のトマトと刻みキャベツを添えた鶏の唐揚げ、胡瓜と人参のぬか漬け、らっきょうのたまり漬「浅太郎」、大根の味噌汁、霧島酒造の芋焼酎「志比田工場原酒」(生)

2021.7.17(土) 夏休み

早朝の仕事をいつもより1時間早く始めるよう、先週は包装係のヤマダカオリさんに頼まれていた。出勤するなり仕事をロケットスタートさせたいための、それは要請だったのだろう。今週からはその時間も元に戻ったから、僕もいくらかは楽になった。

関東甲信地方と東北地方の梅雨が明けたらしいことを、きのうの天気予報は伝えていた。例年にくらべて短い梅雨だったという。夏休みを目前に控えての梅雨明けは、子供や学生にとってはこの上なく嬉しいものに違いない。しかし今は平時ではない。調べてみると、スイミングプールは通常と変わらず運営される例が多いようだ。みな水遊びくらいはしたいだろう。

昼すぎ、食事を摂りに出たついでに道の駅「日光街道ニコニコ本陣」に寄る。駐車場の入口には、空きを待つクルマの列ができていた。商業棟の中を回遊する人の数は、先週にくらべてとても多い。小中高の各学校の夏休みは、北海道を除けば今月21日から始まる。観光客は、更に増えるに違いない。もっともこちらもまた平時とは異なって「めでたさも中くらい」のところで落ち着くものと思われる。

午後も半ばを過ぎたころに「なんだか蒸し暑いな」と感じて事務室に冷房を入れる。


朝飯 胡瓜のサラダ、焼き鮭、茄子とピーマンとパプリカの味噌炒り、めかぶの酢の物、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布とオクラの味噌汁
昼飯 「食堂ニジコ」の冷やし中華
晩飯 トマトサラダ、TIO PEPE(ソーダ割り)、トマトとレタスのサラダトマトと夏野菜のスープパン鰤のバター焼き、TIO PEPE、マンゴー

2021.7.16(金) 梅雨明け

四囲の山々の、どこもかしこもが綺麗だ。夏の朝にはよくあるように、今朝も、西から風が吹いている。幾種類もの鳥が鳴き交わしている。湿り気を帯びた空気は暖かくもあり、また涼しくもある。

きのう九州から届くはずが届かなかった「しおり」のことは、仲立ちしたデザイン会社に知らせてあった。電子会議室に画像で返信された荷札の番号によれば、荷物は夜のうちに埼玉県まで来ていた。今日は朝一番で、配達される時間を確かめることにしよう。デザイン会社が九州などという遠いところの会社に印刷を頼むのは、良い仕事を安価で提供するからだろう。

日本のハガキの切手代は63円。タイから日本へ絵はがきを送る切手代は15バーツ。15バーツは63円よりも安い。九州はおろか、今後は海外に印刷の仕事を出す世の中になるかも知れない。また今朝は「台湾半導体世界最大手TSMC、日本に製造拠点設置を検討」というニュースも目にした。地方が賑やかになるのは、悪いことではない。

「しおり」は午後になってようやく届いた。その報告を受けて現場に急行する。そして即、そのうちのひと梱包を店に運ぶ。増刷ではなく改版を選んだため、納期が遅れて社内の「しおり」は数日前より払底していたのだ。これでひと安心、である。


朝飯 揚げ湯波の甘辛煮、茹でたブロッコリー、納豆、スクランブルドエッグ、虎豆の甘煮、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、大根と若布の味噌汁
昼飯 弁当
晩飯 「汁飯香の店 隠居うわさわ」の8月の弁当の試作したおかず、茗荷の酢漬け、トマトとキウィのサラダ、ざるうどん、胡麻焼酎「紅乙女」(生)

2021.7.15(木) 先ずはメシだけでも

毎年、7月15日と12月15日は賞与の支給日で、同時に社員との面談日も兼ねる。とはいえ昨年の両日は面談のみで、賞与は出せなかった。今年に入っても経営は依然として楽ではない。しかしいつまで出さずにいるのも、という気持ちもあった。そしてあれこれ考えて、今回は一昨年12月の賞与の半分を基準として支給することとした。

会社は「ほぼ年中無休」の体制を執っている。よって面談も、本日出勤した社員とのみ行うことになる。更には、以前より面談の時間が長くなっている。出勤はしていても、自分まで順番の回ってこない社員も出てくる。全員が完了するまでには、これから数日はかかるだろう。

夕刻、今期の決算の予想を長男がはじく。勿論、確定した数字ではない。首都圏および各都市では新型コロナウイルスの新規感染者がうなぎ登りだ。今月12日からの緊急事態宣言は、お盆休みを丸々のみ込んで来月22日まで続く。

コロナ以前、年間を通じて1日の売上げがもっとも多くなるのは、ほぼ、お盆だった。さて今年はどうなるか。「希望的観測」などはしない方が良い。お盆休みの日本列島を台風が直撃、という泣きっ面に蜂の事態もありうるのだ。先ずはメシだけでも、しっかり食べようではないか。


朝飯 「なめこのたまり炊」のなめこおろし、菠薐草の胡麻和え、納豆、温泉玉子、生のトマト、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、ブロッコリーと若布の味噌汁
昼飯 「大貫屋」のオムライス(ケチャップはかけないでね特注)
晩飯 マカロニサラダグリーンアスパラガスのソテーと刻みキャベツを添えたコロッケTIO PEEP虎豆の甘煮

2021.7.14(水) このところ

花森安治の「一戔五厘の旗」を読み始めて2日後の先月12日、この本に収められた29の文章について「日にひとつずつ読めば、ひと月で読み終える」と日記に書いた。実際には35日をかけて、本日ようやく読み終えた。

花森の文章は、非常にくどい。同じことを何度も書く。何度でも言う。石油ストーブによる火事を減らすための実験では家まで燃やす、その偏執的な性格が文章に現れている。もっとも、その性格だからこそ、あれだけの仕事をし遂げることができたのだ。

「一戔五厘の旗」には、煎じ詰めれば以下が書いてある。

戦争は二度とゴメンだ。
労働は尊い。
生活は快適で美しくあるべきだ。
女は偉い。

特に印象に残ったのは「重田なを」、「千葉のおばさん」、「8分間の空白」。佳品は「漢文と天ぷらとピアノと」。

その「漢文と天ぷらとピアノと」に出てくる「サカナはイカてんだけ。お酌をするわけでなしお愛想をいうわけでもないが、それがかえってよいと、決まった客がある」店へは行ってみたい。しかし文章には昭和38年つまり58年前の日付がある。今は望むべくもないだろう。

このところ、たとえ短い時間でも、ひとりで飲みたい気分がある。今日もまた、夕食の始まる前に、ひとりで肴を整えて、ひとり静かに飲もうとしたところに孫が乱入してくる。一瞬にして、賑やか、である。


朝飯 菠薐草のおひたし、納豆、ひじきとパプリカの炒り煮、豆腐の玉子とじ、揚げ湯波の甘辛煮、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ湯波と長葱の味噌汁
昼飯 「ふじや」の冷やし味噌ラーメン
晩飯 蛸と蒲鉾の山葵和えレモンがけ、らっきょうの塩漬け、TIO PEPE、ブロッコリーとベビーリーフのサラダトマトと茄子のスパゲティ、Chablis Billaud Simon 2015、甘味

2021.7.13(火) いまだ果たせず

今日は14歳で病没した妹の祥月命日だ。9時になりかかろうとするころ家内と会社を出て、先ずは道の駅「日光街道ニコニコ本陣」で花を買う。そこから如来寺へ回り、墓参りをする。昼前に出先から戻ると荷物が届いていた。それは妹の、南半球に住む同級生からの贈りものだった。その、梅雨明けのちかい今ごろにふさわしい、可憐ながら鮮やかな花籠は即、仏壇に飾った。この同級生には食事くらい差し上げたいと考えながら、いまだ果たせていない。

何十年も付き合いのあった販売促進用品の会社が昨年の夏に廃業した。よってそれまで納めてもらっていたカレンダーは、これまた旧知の成文社印刷に頼むこととした。昨年は注文が遅れたため納品も遅れた。今年は本日、手書きによる図案を持参した。カレンダーは、11月の上旬には配達されるだろう。

今般のコロナ禍によって、東京へ行く機会がめっきり減った。感染者の多い地域へ赴くことを怖がっているわけではない。関係者をインターネットで繋ぐ会議が一般になり、出張の機会が激減したのだ。

このことにより、東武鉄道から株主に届く回数券を余らせ、これを捨てるという事象が昨年より発生している。今年6月30日まで使えるそれも余らせ、それは長男の、今月「汁飯香の店 隠居うわさわ」を訪ねてくれた下級生にすべて進呈した。今日は次男に宅急便を送るついでに、明日まで有効な東京メトロの回数券を荷物に含めた。

東京では4回目になる緊急事態宣言が、来月22日まで続く。東京へは多く、仕事で行く。酒を飲むために行くわけではない。それでも酒の飲めない東京へは、どうにも足が向きづらい。行きつけの店は、いま、どうなっているだろう。


朝飯 揚げ湯波の甘辛煮、菠薐草の胡麻和え、ひじきとパプリカの炒り煮、胡瓜と水菜のぬか漬け、納豆、メシ、トマトと小松菜の味噌汁
昼飯 「大貫屋」の冷やし中華
晩飯 キムチのせ冷や奴、菠薐草のおひたし、冷やしトマト、蛸ぶつ焼売木須肉、胡麻焼酎「紅乙女」(生)、甘味

2021.7.12(月) ツァンパー

新型コロナウイルスの新規感染者が3,000人を超えたことにより、バンコクは今日から当座2週間の、戒厳令なみのロックダウンに入るという。バンコクの3,000人を東京の人口に移し替えれば6,000人。タイのコロナ対策は、日本のそれよりよほど丁寧かつ強力だった。それだけに、今般のこの数字には驚きを禁じ得ない。

昨年の3月はじめにタイへ行った。ラオスとの国境にちかいウドンタニーの人たちは、のんびりしたものだった。しかし5日後にバンコクまで南下をすると、雰囲気は一変していた。当時の日本の感染者は500人、対するタイのそれは50人。よってバンコクの人たちは僕が「日本人らしい」と気づいた途端、警戒の姿勢を顕わにした。

トンローのモツ汁屋で小さなテーブルのふたりに会釈をしながら相席をした。彼らにおいては「警戒警報発令」である。ふたりのうちのひとりに「どちらから」と声をかけられた。「日本から」などと言える雰囲気ではない。「ウドンタニーから来ました」と僕は答えた。ふたりは怪訝な顔をしたものの、それ以上は話しかけてこなかった。

首都の新規感染者が3,000人とは気の毒なことだ。もっとも次にタイへ行くときには「日本人らしい」と思われても、少なくともバイキン扱いされることはないのではないか。タイへ行ける状況になったときには再び、先ずはウドンタニーから入りたい。

プルメリアはタイ語でリラワディー。しかしウドンタニーの人たちは、ラオス語のツァンパーを用いてこの花を呼ぶ。ウドンタニーではツァンパーの木の下で、ひねもす本を読むのだ。


朝飯 昆布の佃煮、鶏肉と大葉のつくね、菠薐草の胡麻和え、玉子焼き、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、玉蜀黍の天ぷらと若布の味噌汁
昼飯 「やぶ定」の「おおもり」
晩飯 冷やしトマト、板わさ、めかぶの酢の物、胡麻焼酎「紅乙女」(生)レタスのサラダモッツァレラチーズと桃とルッコラのサラダカレーライス

2021.7.11(日) ナホライ

日曜日は平日よりも張り合いがある。お客様の数が多いからだ。

道の駅「日光街道ニコニコ本陣」の売り場の掃除と検品を済ませて8時20分に、会社の目と鼻の先まで戻ってくる。お客様らしい方が、外の掃除をしている事務係のカワタユキさんに何やら訊ねている様子が、ホンダフィットの運転席から見える。カワタさんが隠居の方を指す。お客様はそちらの駐車場にクルマをお回しになった。

カワタさんに確認をすると案の定、そのお二人組は「汁飯香の店 隠居うわさわ」での食事をお望みとのことだった。即、厨房の家内に電話を入れる。ところが隠居は予約のお客様により既にして満卓。席に余裕ができるのは昼ごろだという。それをお伝えするため、8時30分の開店をお待ちの、先ほどのお客様のクルマに近づく。お客様は納得をされて、今日のところは買い物のみでお帰りになった。

ところで今日は八坂祭の日だ。東京オリンピックと同じく「無観客」の開催ではあるけれど、会所には瀧尾神社の宮司をはじめ当番町の自治会長や神社総代、神社世話人などが来てくれる。よって9時すこし前に町内の公民館へ行く。

宮司が祝詞を奏上し終えたのは9時25分。隣の住吉町へ向かう一行を見送ってから、お祭の飾りつけを外し、押入や倉庫に片付ける。と同時に蕎麦の「やぶ定」に電話を入れて、直会の席を11時30分から確保する。

朝に晴れていた空は、しかし午前のうちに曇り、午後の中ごろからは雨になった。夕刻には雷も鳴ったものの、派手さにはまったく欠ける。梅雨明けは、いましばらく後になるだろう。


朝飯 焼きおむすび、水茄子のぬか漬け、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、トマトと胡瓜の味噌汁
昼飯 「やぶ定」の冷やしたぬき蕎麦(大盛り)
晩飯 “Parrot”のチキンカントリー、Henry Fessy Beaujolais 2017

2021.7.10(土) 行きつけ

「行きつけの店」という随筆集が山口瞳にある。とても美しい装丁の本だ。奥付の「一九九三年七月八日初版第四刷」からして、手に入れたのもそのころだろう。当時はamazonなど無かったから、僕はこれを定価の2,500円で買ったはずだ。本屋は小倉町の玉藻文庫だった可能性が高い。今、その場所は道の駅「日光街道ニコニコ本陣」の駐車場になっている。

それはさておき今朝はこれを食堂の机に持ち来て何気なく開いてみた。鉢巻岡田の女将の接客についてのことが、そこには書かれていた。一読して「なるほどねー」と思わず声を漏らす。

行きつけの店には入りやすい。初見の店には入りづらい。初見で入りづらい随一は床屋ではないかと思う。

1982年から行きつけだった、住吉町の加藤理容所は2019年にオヤジさんが引退をして店を閉めた。以降は出張の折りなどに、学生のころにかかっていた本郷の床屋、あるいは新橋の大衆床屋で髪を刈った。また「コロナ以前」はタイへ行くたび床屋にかかった。しかし地元にも「行きつけ」を作らなければ、何かと便が悪い。

初見の店には入りづらいからいろいろと頭を巡らせるうち、オフクロが晩年に通っていた春日町2丁目のスティングが浮かんだ。初めてかかったのは今年の1月20日。今日で4回目になるだろうか。そして髪も髭も3ミリのバリカンによりさっぱりとして、10時13分に会社に戻る。


朝飯 めかぶの酢の物、納豆、豚薄切り肉とマッシュルームのクリーム煮、キャベツとベーコンの蒸し物、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、キャベツの味噌汁
昼飯 焼き鮭、昆布の佃煮、梅干、ごぼうのたまり漬のお茶漬け
晩飯 トマトとマッシュルームのスパゲティ2種のパンと生ハムのムースChablis Billaud Simon 2015チーズ、Old Parr(生)

2021.7.9(金) 在庫

今月1日の「ひと手間」、5日の「ロンさん」、6日の「勝負」、7日の「七夕」、そして8日の「読書灯」は、日記とはいえ別段、その日にあったことはほとんど、あるいはまったく書いていない。つまり使おうとすれば、いつの日の日記としても使える。このようなものを在庫していると、書くことのない日にも困ることがない。

他には先月の中ごろに書いたひとつが公開されないままになっている。とはいえ特に先月28日の「カタツムリ」以降、日記は書けて書けて仕方がない。この7月9日の日記も実は、前日の8日に書いたものだ。よって上記の在庫がいつ必要になるかは分からない。

ところで仕事中は帽子をかぶり、更にマスクも付けているから目立たないものの、髪と髭が伸びている。僕のような坊主頭は、ひと月に1度は散髪の必要がある。しかし床屋には、ふた月ちかくも無沙汰をしてしまっているのではないか。そういう次第にて行きつけの「スティング」に電話を入れ、明日9時30分の予約を確定する。


朝飯 納豆、「なめこのたまり炊」のフワトロ玉子、蓮根の梅肉和え、生のトマト、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と長葱の味噌汁
昼飯 「汁飯香の店 隠居うわさわ」のトマトのすり流し「汁飯香」甘味
晩飯 茹でたブロッコリーと隠元豆2種のパン豚薄切り肉とマッシュルームのクリーム煮Chablis Billaud Simon 2015メロン

2021.7.8(木) 読書灯

活字中毒ではあるけれど、本は家ではほとんど読まない。それはなぜかと、今朝は考えてみた。

海外へでも行かない限り、僕に休日は、ほとんど無い。昼には仕事がある。夕食を摂ればすぐに入浴をしてすぐに寝る。自由になる時間といえば、深夜あるいは早朝に目覚めて朝食までのあいだが唯一だ。2013年の秋から冬にかけて自宅を大規模に改装した。その結果、もっとも居心地の良い空間は食堂になった。起きて洗面をして服を着れば、間違いなく食堂に直行する。

食堂の天井には照明器具が埋め込んである。明るさは、設計士のコバラマモルさんが公式に従って決めたものだろう。会社の研修のためホテルの部屋を借りる場合、それが会議室ではなく宴会場だったりすると、照度の不足により文字の読み書きに苦労をする。それがウチの食堂でも発生する。よって夜と朝のあいだから朝にかけてはいきおい、本ではなくコンピュータを開くことになる。それが、僕が家で本を読まない一番の理由と、今朝は分かった。

「だったら読書灯があれば、家でも本が読めるではないか」と思いついた。しかし電線を引き回す式の明かりは扱いが厄介だ。ある程度の大きさがあるだろうから、部屋の簡素さを損なう怖れもある。そこで検索エンジンに「充電式 読書灯」と入れてみた。するとどうだろう、良さそうなものがいくらでも出てくるではないか。中には折りたためばワインの瓶より小さくなるものや、煉瓦ひとつ分より小さくなるものもある。

ウェブ上を徘徊して数々の説明を読み、使用者による評価を読み「なるほどな」などと腹の中でつぶやきつつ、しかし今朝のところは購入を保留する。更に調べてみることにしよう。

早朝の仕事から上がって一服した現在は5時30分。雨は降っているものの、外は明るくなってきた。それに気づいて先ずは、きのう読み逃した日本経済新聞の第40面を開く。「私の履歴書」の、ブンヤシット・チョクワタナーの文章が良い。


朝飯 納豆、ジーマミー豆腐、茄子のソテー、キャベツと茗荷の浅漬け、生のトマト、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、キャベツと揚げ湯波の味噌汁
昼飯 弁当
晩飯 「コスモス」のトマトとモッツァレラチーズのサラダスパゲティナポリタンドライマーティニ、TIO PEPE

2021.7.7(水) 七夕

「これほど涼しい7月は初めて」と、ベランダの鉢植えの画像と共にSNSに上げた人がいる。昨年も一昨年も長梅雨だった。よって昨年も一昨年も、7月のはじめは涼しかったのではないか。あるいは昨年は、気温だけは高かったのかも知れない。

早朝、というか夜と朝のあいだに目を覚ます。そして暗闇の中で、寝台の下に用意したポロシャツを着る。今朝は、その1枚だけではいかにも涼しすぎる。「木綿のセーターを重ねようか」と考え、しかし瞬時に打ち消す。そして「なるほど、オレにとって重ね着は、仕方なく、やむを得ずすることだったんだな」と気づく。薄着で育てられた人間は、たとえ寒くても、身につける服の数はできるだけ減らそうとするらしい。

身のまわりを整頓するため、Tシャツのほとんどを数年前に捨てた。すると今度は、また別のTシャツが欲しくなる。昨月は、僕としては倹約に励んだ。その結果、使った小遣いは予算の4割弱に収まった。「だったら新しいTシャツ、買うか」と勃興する気持ちを一方では抑え込む。Tシャツはいまだ、計7枚があったと思う。

きのうの夜に孫のリコが描いたらしい彦星と織り姫の絵が、食堂の柱に貼ってある。それを目にしてようやく、今日が七夕だったことを知る。


朝飯 納豆、干し海老を薬味にした菠薐草のおひたし、スペイン風目玉焼き、ジーマミー豆腐、蓮根の梅肉和え、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と長葱の味噌汁
昼飯 焼き鮭、なめこのたまり炊、昆布の佃煮、梅干のお茶漬け
晩飯 孫が保育園から持ち帰ったピーマン、ガスパチョ、TIO PEPE、キャベツと人参のなますとたまり漬「鬼おろしにんにく」と同「刻みザクザクしょうが」によるソースを添えたビーフステーキ菠薐草のグラタンChateau Leoville Las Cases 1984

2021.7.6(火) 勝負

知識と経験を以て老人が尊敬される時代は終わったという。知識、そして経験に裏打ちされた知見は、検索エンジンに答えを求めればすぐに知ることができるから、というのがその理由らしい。

線香は毎朝2本を仏壇に上げる。きのうは1本だけが線香立てに残った。よって今朝は例外的に、その1本のみを上げた。「きのうのうちに足しておけば良かったではないか」と問われれば、今朝までの線香は通常の倍ほども長い特殊なもので、次に控えているのは正方形の断面を持つ短いものだ、木に竹を接ぐわけにはいかない。

ところで今朝までの、まるで竹ひごのような長さの線香は、一体全体、どれくらいのあいだ使い続けたものだろうかと考えて、この日記に検索をかけてみた。使った語句は「線香 長さ」だ。すると果たしてその使い初めは昨年の5月7日と知れた。日に2本を使いながら1年と1ヶ月が保ったということは、1箱に800本ちかくが納められたいたことになる。

それではこの長い線香は、ひと箱に何把が納められていたか、それを知るために「線香 一把 本数」と検索エンジンに入れてみた。答えは「80~120本」と出た。

検索エンジンとはなるほど、何でも教えてくれる。これからの老人は知識や知見ではなく、人柄あるいは身についた技術で勝負をするしかないだろう。まさに、僕に欠けた部分である。


朝飯 菠薐草のおひたし、揚げ湯波の甘辛煮、ひじきの炒り煮、納豆、蓮根の梅肉和え、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、玉蜀黍の天ぷらと小松菜の味噌汁
昼飯 「十文字食堂」の地獄メン
晩飯 刺身湯波、胡瓜と茗荷の浅漬け、水茄子のぬか漬け、菠薐草のソテーを添えた鯛と帆立貝のバター焼き、茄子とパプリカの味噌炒り、「菊姫」の「山廃仕込吟醸」(冷や)

2021.7.5(月) ロンさん

僕にモノを売ろうとする人は、僕にそれを売ることはできない。何やら禅問答めくけれど、美空ひばりの「柔」の歌詞を引用すれば分かりやすい。「売ると思うな、思えば負けよ」である。

僕を訪ねてきて、あれこれ勧めるでもなく、しかしそのおっとりした風情により「この人からは、何か買ってあげなくては」と強く感じさせたのは、香港出身のワイン商ロンさんだった。結局のところ僕は、1996年の”Les Forts De Latour”半ダースをロンさんから買った。21年前のことだ。

ふたり目も名前はロンさん。こちらはカンボジア人の観光ガイド。

2010年6月、栃木県味噌工業協同組合の親睦旅行でアンコールワットを訪ねた。超弩級の遺跡を2日間で見てまわるという、いかにも日本人の旅行にふさわしい無茶な日程の最終日に、僕は行きたいところがあった。インドシナが発展するにつれ消えつつある「カフェー」だ。カフェーとは、地元の歌手が舞台で歌い、客はそれを眺めつつ食事をする、ひとつの飲食形態である。

ロンさんは「カフェー」という未知の言葉をようやく理解して、それをシエムリアップでは「ビアガーデン」と呼ぶことを教えてくれた。同行を募るとふたりが手を挙げた。夜の案内は、ロンさんの仕事には含まれない。心付けはいくら払うべきかと訊く僕に「それは、これから行くところで使ってください」と答えたロンさんに、僕を含む3人は計30米ドルを手渡した。

「柔」の2番には「人は人なり、望みもあるが、捨てて立つ瀬を越えもする」の文句がある。「仕事に恵まれるのは週に半分」と語っていたロンさんは、欲を捨てて30米ドルを得た。更に、ロンさんの人柄に惚れた僕は彼の電話番号を手帳に走り書きした。その携帯電話を2013年の初夏に日本から鳴らして、今度は個人旅行の案内を頼んだ。そして5日と数時間の働きに対して630米ドルを支払った。

いかにしてモノを売るか、という本が書店には満ち、インターネット上には動画があふれている。しかしふたりのロンさんのような売り方は、習得しようとしてできるものではない。

1996年の”Les Forts De Latour”には、いまだ手を付けていない。アンコールワットやバライはピラミッドに匹敵する遺跡ではあるけれど、あまりに巨大、あまりに濃すぎるから「3回は、どうかな」と感じている。もっとも昼はプールサイドで本を読み、夜はロンさんとビアガーデンに行く、そういう手はあるかも知れない。


朝飯 生のトマト、生玉子、刻みキャベツと肉団子、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、蓮根の梅肉和え、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、小松菜の味噌汁
昼飯 「ふじや」のタンメンバター
晩飯 トマトとコールスローのサラダカレーライスらっきょうのたまり漬「浅太郎」、Old Parr(お湯割り)

2021.7.4(日) 会所つくり

iPhoneにはきのうのうちから、今日の9時50分に警告音を設定をしておいた。その音に促されて事務机を離れ、町内の公民館へ向かう。役員は8人ほどが集まっていた。先日、酒屋に頼んでおいた御神酒は既に届いて、祭壇に並べてあった。外へ置く一双の提灯台は、3人がかりでまたたく間に組み立てた。竹と榊はこれから届くらしい。その飾りは他の役員に任せて会社に戻る。

「2021年 関東 梅雨明け」と検索エンジンに入れてみるも、予報はどこにも見あたらない。きのうは熱海の市街地で大きな土砂崩れが起きて、信じがたい数の行方不明者が出ている。世界最速のコンピュータ「富岳」を使っても、梅雨がいつ明けるかの予想はできないのだろうか。

この日記に「梅雨明け」で検索をかけてみる。

2018年は「2度目の梅雨明け」が7月9日、2019年は「これで梅雨明け」が7月29日、2020年は「本当の梅雨明け」が8月11日。つまり直近は2年つづきの長梅雨だった。

今年の梅雨は、いつ終わるのか。充分に降ったのだから、早く明ければいいと思う。


朝飯 厚揚げ豆腐と白菜漬けと水菜の味噌鍋、メシ、蓮根の梅肉和え、ごぼうのたまり漬、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」
昼飯 弁当
晩飯 トマトとレタスとアボカドのサラダグリーンアスパラガスの玉子とじ鮭のグラタンChablis Billaud Simon 2015ジンジャーケーキ、Old Parr(生)

2021.7.3(土) コルカタでもダッカでも

忘れてならないことは、事務机左手のカレンダーに記入し、更にポストイットにも書いて、目に付きやすいところに貼る。今日の「19:00 公民館」も、そのひとつだ。

18時に店を閉め、明後日の釣り銭を準備する。それを終えても自宅へは戻らず、そのまま事務室にいる。そして18時55分がちかくなるころ通用口を出る。集まったのは町内の役員が15名ほど。報告や連絡や相談、そこに雑談を交えながら、帳面には以下を記した。

—–
7/04(日) 10:00 会所つくり
7/11(日) 9:00 渡御留守居役2名
7/11(日) 9:00~10:00 会所片づけ
7/12(月) 公民館フローリング工事
7/21(水) 小学校終業式
7/25(日)~7/31(土) 6:30 ラジオ体操(コンセント確認)
納涼祭は中止。
旅行は今秋または来春。
—–

「会所つくり」とは、八坂祭のための飾りつけを公民館の内外に施すこと。
「渡御留守居役」とは、八坂祭の当日、公民館の祭壇に祝詞を奏上する宮司を迎える役。
「公民館フローリング工事」は、先月22日の日記に書いた通り
「コンセント確認」の「コンセント」とは、夏休みの朝の体操の際にラジオを繋ぐための、上澤梅太郎商店の駐車場に設けた電源。
「納涼祭」は、毎年8月上旬に行ってきた、子供を集めてのお楽しみ会。
「旅行」は、「コロナ」により昨春、今春と中止された役員の親睦旅行のこと。

旅行は2度も中止をされて、毎月ごとの積立金は、貯まりに貯まっている。コルカタでもダッカでも行けるだろうけれど、まぁ、いつものバス旅行になるだろう。


朝飯 蓮根の梅肉和え、めかぶの酢の物、冷や奴、牛肉と舞茸のすき焼き風、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、つまみ菜と揚げ玉の味噌汁
昼飯 「ニジコ」の冷やし中華
晩飯 蛸と胡瓜と若布の酢の物、南瓜の煮付け、生のトマト、揚げ春巻き、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、胡麻焼酎「紅乙女」(お湯割り)

2021.7.2(金) 柱

子供のころのある年、誕生日のプレゼントとして長男はあるゲームソフトを所望した。それを聞いて早速、僕は中古屋へ向かおうとした。しかし「誕生日に中古品を贈る者がどこにいるか」と家内に反対をされて、その足を止めざるを得なかった。「機能が同じなら、安い方が良いじゃねぇか」という考えが、僕には抜きがたくある。

個人で所有したクルマはのべ8台。そのうちの6台は中古で買った。この場合は「安いから」ではなく「それを新車で売っていたのは20年も30年も前」だから中古で買わざるを得なかった。

本はほとんど古書で買う。理由は「機能が同じなら安い方が良い」場合もあれば「いまや新品では買えない」場合もある。本日、孫のリコのためにメルカリで注文したマンガは「機能が同じなら安い方が良い」という理由によるもので、あまり威張れたことではない。

その孫が今日は保育園から帰るなり「隠居の柱に昇る」と言ってきかない。「泣く子と地頭には勝てない」とは、孫のためにあるような言葉だ。よってその小さな手を引き、雨に緑の洗われた隠居へ行く。孫は廊下の柱に5度、6度と昇ってようやく満足をした。マンガはいつ届くだろう。


朝飯 納豆、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、「なめこのたまり炊」のフワトロ玉子、生のトマト、蓮根の梅肉和え、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と長葱の味噌汁
昼飯 「栃木軒」の中華そば
晩飯 レタスのサラダ3種のパンブロッコリーとマッシュルームと鶏のソテートマトソースチーズTIO PEPEChablis Billaud Simon 2015

2021.7.1(木) ひと手間

朝のお膳の納豆には、家内は不要と言うから自分の器にだけ自分で刻んだ長葱を添える。農業協同組合の直売所や道の駅では、長葱は束で売っている。しかし家でそれだけの量は消費できない。だから長葱は大抵、スーパーマーケットで1本だけ買う。

目黒の権之助坂を下り、目黒川に沿うようにして左手に折れると「仁平」という鮨屋がある。ここで秋刀魚を食べれば当然のことながら「目黒の秋刀魚」を思い出す。「目黒の秋刀魚」は、伯楽と名を改める前の金原亭桂太のそれが良かった。今ならもっと良いかも知れない。

いつか北千住の成城石井で買った長葱は良かった。それは「後生大事」というような感じで1本ずつ袋に収められていた。「ああいう長葱が、家のちかくでも買いたいよな」と思うけれど、地元ではとんと、そのようなものは見かけない。やはり葱は千住に限るのだろうか。

妊娠をすると、食べものに特殊な好みの出てくることがあると聞く。しかし男にも、そのようなことはある。

子供のころは、オフクロの実家に長く逗留することが楽しかった。ある年、僕がいた2週間か20日のあいだ、オフクロの父親は毎夜、湯豆腐を肴にした。オヤジの父親は、オフクロによれば半年ほども、毎日、蕎麦を食べ続けたことがあったという。

よそからいただいたときくらいしか口にしなかった蒲鉾を、このところは自分で買って、自分ひとりで食べることがたびたびある。何がどう関係して蒲鉾を欲しがるようになったかは自分でも分からない。蒲鉾には生山葵を添える。山葵は道の駅に置いてあり、その道の駅は目と鼻の先にあるから、ことは簡単だ。

長葱を添えた納豆や、生山葵を添えた蒲鉾を口にするたび、薬味の偉大さに思いを致さないわけにはいかない。「たったのひと手間」である。その「ひと手間」が、フェラーリのエンジンに取り付けられたIHI製の過給機のように効くのだ。使わない手は無いではないか。


朝飯 牛肉と舞茸のすき焼き風、ひじきとパプリカの炒り煮、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、生の胡瓜、蓮根の梅肉和え、ごぼうのたまり漬、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、ブロッコリーとグリーンアスパラガスの味噌汁、桜桃
昼飯 「やぶ定」のカレー南蛮蕎麦、ライス
晩飯 トマトのすり流し、めかぶの酢の物、胡瓜のぬか漬け、蒲鉾生のトマトと刻みキャベツとマカロニサラダ薄切り肉の豚カツ、「菊姫」の「山廃仕込吟醸」(冷や)、マンゴー

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上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

蔵見学