2023年6月の日記30本
2023.6.30(金) 水洗い
随分と以前から、玄関の扉の上にはツバメの巣がある。ツバメは毎年やってくる。そして卵を産み、子を育て、やがて巣立っていく。ツバメは縁起物だと聞く。子がそろって黄色いクチバシを開き、賑やかに餌を求める姿は愛らしい。しかしその巣から落とされる糞には往生する。糞の落ちるところには段ボールを敷き、風で飛ばないよう石を載せている。その段ボールと石に積もった糞がそろそろ厚くなってきた。
玄関の扉はほぼ1日中、閉じられているものの、ツバメが巣を補強するために運んできた草などは、その扉の隙間から内側に紛れ込む。その汚れ様は、来客の際などには特に恥ずかしい。
当該の巣は、ツバメが来て子育てをしていつの間にか静かになり、ふたたび賑やかになってまた静かになる。ツバメは春から夏にかけて、複数回の繁殖を繰り返すのだ。
今朝はこの巣が静かになっていた。出入りする親ツバメの姿も見えない。そういう次第にて8時45分より掃除に取りかかる。玄関の内外はホースで水を流し、デッキブラシとタワシで洗った。ここにふたたびツバメが戻ってきたら、それこそゲンナリである。
昼は遠方より来客があり、共に隠居で昼食を摂る。夜は家内が北海道で求めたチーズにより、いささかワインを飲みすぎる。
朝飯 トマトとレタスのサラダ、納豆、大根のなますの梅肉和え、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布とズッキーニと揚げ玉の味噌汁
昼飯 「汁飯香の店 隠居うわさわ」の特別膳、土鍋炊きごはん、揚げ湯波とズッキーニの味噌汁、紫陽花饅頭
晩飯 鶏肉と茄子とズッキーニのソテー、2種のパン、生ハムのムース、「共働学舎新得農場」のラクレット、Chablis Billaud Simon 2018
2023.6.29(木) 可動性
ウォークマンが世に出たのは1979年。即、飛びついた同級生もいたけれど、いつも音楽に触れていたいという欲求の無かった僕は、何世代目になってから手に入れた。そしてヘッドフォンからの音を聞いて「うるさいことを言えば際限がないけれど、これで充分じゃねぇか」と感じた。オルトフォンもマッキントッシュもタンノイも関係しない究極の気楽さと可動性。「すべての革命は」と言うつもりはないけれど、可動性、英語で言えば”mobility”が世界を一気に変えることは確かだ。
20世紀のウォークマンが、今はiPhoneとイヤフォンに代わっている。暗いうちはバド・パウェルの”Jackie My Little Cat”をyoutubeで聴く。「バド・パウェルの」とはいえこの曲はテナーサックスを吹くドン・バイアスの独擅場で、ピアノはミスタッチが目立つ。
空の美しくなる直前を見計らって屋上に上がる。朝の空はひとときもじっとしていないから、うかうかとはしていられないのだ。とここまで書いて「じっと」と「うかうかと」のふたつのことばに引っかかる。まるでオノマトペではないか。しかし品詞としては副詞である。日本語の副詞にはこの手のものが多くて、それらをキーボードへ打ち込むときにはいつも、水が高きから低きに、という感じにはなれない。
ここ数日は家内が不在にて、午前中は、普段は家内が担当している買い出しをする。10時30分に会社に戻ると、既にして空腹を覚えている。僕の消化の能力が優れているのか、はたまた僕の作る朝食が腹保ちに優れていないのか。その空腹は、水を飲むことによって昼食の13時30分まで抑え込んだ。禁欲的なのではない。太らない人間には、太りようのない習慣が身についているだけのことである。
朝飯 生のトマト、缶詰の鮭とピーマンのマヨネーズかけ、納豆、もやしのナムル風、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と大根の味噌汁
昼飯 オレンジマーマレードのトースト、牛乳
晩飯 「食堂ニジコ」のお通しの冷や奴、ピリ辛胡瓜、皮蛋、あんかけ焼きそば、麦焼酎「二階堂」(ソーダ割り)
2023.6.28(水) あさみどり
あさみどり
澄みわたりたる大空の
広きをおのが
心ともなが
この明治天皇の御製を、僕は高校時代にいちど目にしただけで覚えた。この歌が詠まれたのは明治37年の初冬だという。朝の空が晴れていれば、それだけで気分が良い。それが夏の朝となれば、夏が好きな僕としては更に気分が良い。
御製と並べるのはいかがなものかと思うけれど、三島由紀夫の辞世2首は、テレビのニュースで耳にしただけで覚えた。これは中学2年生のときのことだ。とにかく生まれてから10代までの記憶力は素晴らしい。そのころに英語の単語や言いまわしをたくさん覚えていれば、現在の不便は無かったに違いない。
先日、顔は日本人に似ていても、話す言葉は日本語ではない、というお客様がご来店になった。お客様はらっきょうのたまり漬の試食をされ、複数の商品をお選びになり、お買い上げくださった。僕はそのお客様に「こちらは要冷蔵、こちらは常温での持ち運びが可能」ということをお伝えし、お客様は納得してくださった。しかしそのときの僕の英語はメチャクチャである。
僕の趣味のひとつに「日本語の通じないところでの独居」というものがある。店での英語が不自由にもかかわらず、海外でそれを感じることはない。多分、僕の話せる英語は旅行用のそれに限られているのだ。
午後も後半に入ったところでいきなり雷を伴った雨が降ってくる。のれんはいつの間にか事務室の中に格納されていた。しばらくしてスマートフォンを開くと、日光市今市には1時間に64ミリ以上の雨と表示されていた。製造現場へ行き、異常の有無を確かめる。蔵の屋根に降った雨を地中に逃す直径30センチの管は大きな音を立てて、揺れることを繰り返している。
その雨の中を、検品のため道の駅「日光街道ニコニコ本陣」へ出かける。17時が近づくころ、先ほどのスマートフォンの情報のとおり、強雨はピタリと止んだ。
夜はみずから酒肴を用意して白ワインを飲む。
朝飯 油揚げの網焼き、生のトマト、納豆、大根のなますの梅肉和え、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、獅子唐の天ぷらと若布の味噌汁
昼飯 カレーライス、大根のなますの梅肉和え、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」
晩飯 トマトとレタスのサラダ、オイルサーディン、ゴルゴンゾーラチーズ、パン、Chablis Billaud Simon 2018
2023.6.27(火) 腑に落ちないのは
大空に月と日が姿を現わしてこのかた
紅の美酒にまさるものはなかった。
腑に落ちないのは酒を売る人々のこと。
このよきものを売って何に替えようとか。
オマル・ハイヤームは、酒を売る人が腑に落ちないと詠んだ。僕は、メシが食えるにもかかわらず仕事をしている人が腑に落ちない。小学生のころから引退したかった。「いくらあったら利息で食べられるかな」とおばあちゃんに訊いて「そんな人生、つまらないよ」と諭されていた。
65歳から年金を受け始めた。市民税は年間で数千円にまで下がった。それでもなお自分は働いている。つまり自分で自分が腑に落ちない、という存在に、僕はなっている。仕事のできない水準まで肉体や知能が衰えない限り仕事から離れることができないとすれば、ちと辛い。
少々まじめな話をするため、終業後しばらくしてから外へ出る。「朱に交われば赤くなる」とはよくいったもので、周囲が真面目な人ばかりであれば、僕も、酒を飲んでもまともでいられるらしい。
ふと気づくと、新券と並券を交互に重ねた千円札が目の前にあった。帰宅して入浴し、明日の釣銭を作りながら寝落ちをしていたのだ。その千円札は食卓の脇へ重ね、即、寝室へ向かう。
朝飯 カレー、生玉子、大根のなますの梅肉和え、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、小松菜の味噌汁
昼飯 オレンジマーマレードのトースト、牛乳
晩飯 「やまだ宴楽」のあれや、これや、それや、他あれこれ、「渡邊佐平商店」の「清開自然醸純米」(燗)
2023.6.26(月) 机上の整理
どうも気分が優れない。風邪や肩こりなど肉体の不調によるものではない。何かモヤモヤとしたものだ。
「もやもや 品詞」と検索エンジンに入れてみると、最上段に以下が現れた。
1.靄や煙が立ち込めるさま。
2.実体などがはっきりしないさま。
3.心にわだかまりがあるさま。
今朝のモヤモヤは明らかに、この2.に当たる。これを解決する方法は、既にして分かっている。事務机の整理である。現在、その上には様々な書類が重なり合って、いかにも見苦しい。勿論、効率的でない。そして遂に、その整理に取りかかる。
事務机を整理するとき、もっとも強力な武器になるのは、資源ゴミの専用箱だ。ここに、捨てるべき紙類を片端から積み重ねていく。それらを列挙すれば以下になる。
あちらこちらの団体の総会資料、あちらこちらから届く広報誌や寄付のお願い、マイナンバーカードの取得を促す行政からの郵便物、返事を送っていないままの年賀状、そのうち役に立つだろうと考えて取り置いた広告物、「口座だけでも」と頼まれて20年ちかくが経つ証券会社からの残高ゼロの報告書などなど。
一念発起といえば大げさだが、いざ始めてみれば10分ほどで、机の上は随分と綺麗になった。目立っているのはもはや、昨年末に買った手帳のみ。これはいわゆる5年手帳だから2027年まで書き込むことができるものの、ほとんど使っていない。しかし昨年末に買ったということは、そのころになれば、なにかの必要性が出てくるのかも知れない。よって今年の年末まで置いて、それでも使わないようであれば、捨てることにしよう。
さてこれからの務めは、夾雑物の一掃された机を維持することだ。できるだけ長く、現在の状態を保ちたいものと思う。
朝飯 油揚げの網焼き、納豆、冷や奴、昆布の佃煮、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と万能葱の味噌汁
昼飯 青梅ととキャラメルのジャムのサンドイッチ、牛乳
晩飯 生のトマト、具だくさんのスープ、味噌とヨーグルトに漬けたゆで玉子、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ゴルゴンゾーラチーズ、クロワッサン、ウォッカマーティニ、Chablis Billaud Simon 2018
2023.6.25(日) 想像力と創造性
国が滅びるとき、そのもっとも大きな要因は少子高齢化つまり人口減だという。稀代のデータベースソフトであるマイツールが直面している最大の問題は、使う人の少なさだと思う。
マイツールは主としてマネジメントゲームを学ぶ中で紹介をされる。マネジメントゲームとは、参加者各自が会社を持ち、2日間で5期分の経営を盤上に展開する研修だ。これを20回、つまり100期まで努める人は100人にひとり。マイツールを使いこなせるまでになるのは、その100人のうちの更にひとりと言われている。
マイツールの将来はどうなるだろう。非常に優れたものではあるものの、ヲタクだけの道具になっていくのではないか。その疑問を講師のフクダマサミチさんに質してみた。フクダさんによれば、意外やたとえば電子商取引をする人などがその強力さに気づいて習得する例がこのところは目立つという。それが真実であれば嬉しい。しかし「その人も、いつまで続くだろうか」という心配もまた、僕にはある。
「マイツールを使う人の欠点は、何から何までマイツールで処理しようとするところ」と言う人がいる。確かにそのような傾向は僕も感じる。しかし2日目の講義と実技を経験してみれば、想像力と創造性さえあれば、マイツールはかなりのところまで使い手の希望を実現してくれる道具と認識を新たにした。
帰宅は21時すぎ。入浴をして即、就寝する。
朝飯 「ガスト」の目玉焼き&ベーコンソーセージセット(パンをごはん大盛りに変更)
昼飯 「京香」の焼き鯖弁当、日光味噌のフリーズドライ味噌汁”with love”
晩飯 「つみき」のあれや、これや、それや、チューハイとそれを濃くするためのナカ
2023.6.24(土) 少なくとも時間に追われることはない
救急病院の医師や看護師、あるいは政治家なみに、とまでは言わないけれど、今週は何かと忙しかった。いまだ土日の2日を残しながら「忙しかった」と完了形なのは、週末は普段の仕事を離れ、少なくとも時間に追われることはないだろう研修に参加をするからだ。
研修は神田で10時より始まる。下今市07:45発の特急でも間に合うものの、開始直前の会場入りは避けたい。そういう次第にて1本前の07:05発に乗り、9時すぎに神田に着く。何となく気持ちの悪いセミナー名は「となり道さんのマイツール作法講座」。パソコン通信時代のハンドルネームが、仲間うちにはいまだ流通しているのだ。
初日の内容は、先ずコンピュータの環境整備。無駄なもの、使っていないものは捨て、デスクトップやタスクバーに並ぶアイコンも整理整頓する。また、午後の課題に備えてマイツールの丸ごとのバックアップを取る。次は参加者各人の状況に合わせて、まっさらなマイツールをインストールする。更には明日に使うためのファイルの追加やドライブの登録を行う。以降にしたことも書こうと思えば書けるものの、読む人は急減していくだろうから、このあたりで止めておく。
講義が完了する時間は知らされていなかったが、多分、予定より1時間以上は延びたのではなかったか。そして講師、事務局も含めて全員が、近所の居酒屋に移動をして、交流会という名の飲酒活動に従う。
朝飯 「小諸蕎麦」のたぬき蕎麦、ライス
昼飯 「日本橋大増」の幕の内弁当、「上澤梅太郎商店」のフリーズドライ味噌汁”with LOVE”
晩飯 「清龍」のあれや、これや、それや、芋焼酎「黒霧島」(お湯割り)、日本酒(冷や)
2023.6.23(金) 商売の先生
普通の会社は週休2日でも、上澤梅太郎商店は2022年までは「ほぼ年中無休」、今年に入っても休業日は月に1日きりだから、お客様は「ほぼいつでも営業中」と考えていらっしゃる。しかし今月は一昨日きのうと2日間のお休みをいただいた。よって今朝は「電話が通じない」というお問い合わせが2件、ファクシミリの受け皿にあった。その2名のお客様には8時30分になるのを待って、僕が連絡をさせていただいた。これからは、休みの直前にはあれこれの対策を、より考えていこうと思う。
昼前に銀行へ行き、すこしまとまった現金を払い戻す。その現金を、今度は別の銀行に入金する。こちらの窓口では更に、スマートフォンの操作により他行へ送金できる額を、最大まで増やす手続きを教えてもらう。
今日は、家からほどちかい鰻の名店「魚登久」の新築落成と開業110周年のお祝いに呼ばれていた。よって店には定時の17時30分までいて、以降はふたりの社員に閉店作業を任せる。
夏至の直後の夕方はとても明るい。「魚登久」の門の前では社長のアイガテルジさんとお嬢さんが出迎えてくれた。お祝いは、ピアノの演奏家とソプラノ歌手が花を添える豪華なものだった。料理はもちろん上出来である。
アイガさんは、僕が勝手に商売の先生と認めている人ではあるけれど、彼の才能は属人的なものだから、そのまま僕が真似をできる、というものではない。20人ほどが招待された宴会場には最後の数人になるまでいて、21時前に帰宅する。
朝飯 トマトとブロッコリーのサラダ、目玉焼き、納豆、もやしのナムル風、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と三つ葉の味噌汁
昼飯 オレンジマーマレードのトースト、牛乳
晩飯 「魚登久」の宴会膳其の一、其の二、其の三、其の四、其の五、「渡邊佐平商店」の「清開」(冷や)、お土産の鰻重
2023.6.22(木) 第3木曜日
今日は例外的に、きのうに引き続いて休みとした。きのうは店は休みでも、会社の中ではすべての部署が動いていた。今日もほぼすべての社員が出社をした。しかし今日は遊びと勉強を兼ねた研修の1日である。
段取りは数ヶ月前より長男が行ってきた。バスは8時30分に来た。出発は9時5分。
日光の二社一寺の中で特に有名なのは東照宮で、ここだけを観て帰ってしまう人も多いことと思う。一方、我々はお客様より種々のご質問をお受けすることがあり、地元についての知識を涵養することは必須である。そういう次第にて今日の見学は輪王寺より始めることとした。案内をしてくれるのは江戸時代からの歴史を誇る公式ガイド組合「殿堂案内組合」通称堂者引きのナカヤマさん。
そのナカヤマさんから発せられた一言一句を逐一ここに書いていけば日記はいつまでも終わらない。第一、そのすべてを覚えていられるわけもない。とにかく輪王寺の本堂は東日本最大の木造建築であり、そこに収められている右から千手観音、阿弥陀如来、馬頭観音の、金箔に覆われた巨大さには驚きを禁じ得ない。回廊から見る金谷ホテルの山には雲がかかっていた。
社員は地元に育った者ではあっても東照宮の、眠り猫の彫刻の下をくぐって200段を超える石段の先、奥社宝塔を見た者は少ない。今回は全員がそこまで登ることができて良かった。なお東照宮に用いられている石の多くが現在の日光市長畑で採集されたものとは、今日、ナカヤマさんに教えられて初めて知ったことだ。
東照宮から二荒山神社へ至る上新道には、1965年、東照宮三百五十年祭の際に上澤梅太郎が寄進した灯籠がある。僕でさえ目にするのは数十年ぶりになるこれを社員たちと確認してバスに戻る。
バスは雲の中のいろは坂をゆっくりと上っていく。その終点の左手には2020年夏に開業したザ・リッツ・カールトン日光がある。昼食は、その和食レストランでいただいた。窓の外には中善寺湖畔の緑。雨もまた良し、である。
食後は標高にして800メートルを一気に下って会社には16時着。解散後は製造の男子社員のみ蔵に入って明日の準備。今日の経験を、より良いもの作り、会社作りに生かしていきたい。
朝飯 ズッキーニのソテー、紅白なます、納豆、ミズの甘辛煮、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ湯波と茗荷の味噌汁
昼飯 「ザ・リッツ・カールトン日光」の昼食膳其の一、其の二、甘味、「小林酒造」の「鳳凰美田NIKKO純米吟醸」(燗)
晩飯 ブロッコリーとポテトのサラダ、茗荷の酢漬け、生のトマト、大根おろしを添えたハンバーグステーキ、「大納川」の「天花純米大吟醸」(燗)
2023.6.21(水) 第3水曜日
2000年5月22日より続けてきた「ほぼ年中無休」にひと区切りをつけ、今年の1月からは月に1度の休みを持つことにした。定休日は原則として第3水曜日と定めた。6月のその日つまり今日は店舗の、数十年ほども使い続けた空気調整器の交換が行われる。
店は休みでも社員はほぼ全員が出社をする。全社員が出てきて何をするかといえば、それは月により様々に変わる。今日は、販売係は午前は店の品物の棚卸し、午後は今後に向けた話し合い。事務係、製造係、包装係は通常の業務に当たる。
店が休みのに日には道の駅「日光街道ニコニコ本陣」の売場の商品が通常よりも多く売れる。そのため僕は朝のうちに、その売場と奥の冷蔵庫の在庫を充実させる。包装係は更に、普段より多くの商品を準備する。
開店前の道の駅から日光街道を遡上して春日町の交差点まで来ると、空気調整器にかかわる車両や人たちが駐車場に集まり始めていた。
あれこれの仕事により昼の自由時間は10分間しかなく、僕としては非常に珍しいことながら、昼食を抜く。「100が満たされなければゼロの方がマシ」という考えが僕にはある。そのような考えや行動は慎んだ方が良いことも、僕は知っている。「分かっちゃいるけど」である。
午後に試運転を始めた空気調整器は、恐ろしいほどの効き方をした。販売係と店にいた僕は、試運転が終わると同時に、工事の人に電源を落としてもらった。新しい機械は他の多くの家電製品と同じくむかしのものより性能は良く、手入れはしやすく、そして作りは華奢になっていた。
6月は例外的に、明日の第3木曜日も店は休む。天気の気になるところだが、こればかりは明日になってみなければ分からない。
朝飯 牛肉のすき焼き風、ほぐし塩鮭、納豆、ミズの甘辛煮、大根のなますの梅肉和え、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、若布とレタスの味噌汁
晩飯 「食堂ニジコ」の酒肴あれや、これや、他あれこれ、4種の日本酒(冷や)
2023.6.20(火) 人間ドック経験記
おなじ日光市でも、ちかごろ鬼怒川温泉の手前から森友地区に移転した獨協医科大学日光医療センターには、今月の6日に人間ドックの申込みをした。通常の日帰りコースの、バリウムによる胃部X線検査を胃内視鏡検査に変更し、そこに血液腫瘍マーカー検査を加えた料金は、基本のそれに12,900円を増した58,900円と知らされていた。
2018年秋に受けた白内障の手術は、花鳥風月をできるだけ長く肉眼で愛でるため。半年ごとの歯科検診は、美味いものをできるだけ長く自分の歯で味わうため。現在は月に1度の頻度で伊豆に通う膝の治療は、できるだけ長く健脚を維持するため。そして今回の人間ドックは、もしも自分に重病があった場合には、残された月日のあいだにできるだけ多く遊ぶため。つまり僕の努める健康維持はすべて、遊びのため、である。
健診部の扉は9時ちょうどに開いた。そこではじめて、その手前に置かれ、自由に取ることのできる番号札が検査の順番になることを知る。僕の番号札は11番。それは今日の受検者の最後尾でもあった。
共に検査を受けた11名のうち、胃内視鏡検査の場所へ進むべきは2名のみ。順番待ちには小一時間を要したものの、僕は日の差す真新しい待合室に新聞と本を持ち込んでいたから、どうということもない。この、いわゆる胃カメラの検査を終えて手渡された「経鼻内視鏡検査を受けた患者様へ」と題された紙には「貴方の飲水・食事開始時間は13時00分です」とあった。この紙と、ひとつひとつの検査を経るたび紙片の増えたバインダーを手に健診部の受付に戻る。
先ほどの待合室に弁当が届けられたのは13時ちょうどだった。そこにいる受検者はなぜか僕ひとり。弁当のフタを取りながら「いいねぇ」と、思わず声が漏れる。食べ始めると、ヤケに美味い。弁当の出来が良いことに加えて朝食を抜いていることが、その理由だろう。
弁当は13時25分に食べ終えた。健診部のオネーサンに確かめると、弁当は1階のレストランからの仕出しだという。そうして支払いを済ませて13時50分に帰社する。
昼飯 「獨協医科大学日光医療センター」の弁当
晩飯 カレーライス、刻みゆで玉子、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、Smilnoff Vodoca No.21(ソーダ割り)、パイナップル
2023.6.19(月) それが分かっていながら
平日より店の忙しくなることを理由として、週末の朝は、より張り切る気持ちが強くなると、きのうの日記に書いた。ところが今朝になってみれば、今朝は今朝で、何となく嬉しい。その嬉しさは、この1週間の売上金を自社の銀行口座に入れること、また釣銭のための千円札を種銭から両替することのふたつから発生している。
釣銭を作ることが、なぜ嬉しさの元になるかといえば、釣銭は売上金を得るための道具のひとつと、無意識のうちに認識しているからかも知れない。
午前に僕宛の荷物が届く。孫のシンとカコのための汁椀が、箱には丁寧に収められていた。初孫のリコに買ってやった朱塗りとおなじユニバーサルデザインだが、今回は吹き漆のものを選んだ。
さて明日は人間ドックにて、夜は酒を抜き、まるで朝食のような夕食を摂った。酒を断った人の経験を聞いたり読んだりするにつけ「よくできたものだ」と驚き、感心をする。しかし今夜の食事は酒を抜いても違和感は一向に無かった。豚の生姜焼きなどは確かに、酒より米飯に合う。それが分かっていながらそうしないのが、酒飲みというものなのである。
朝飯 紅白なます、ミズの甘辛煮、炒り豆腐、納豆、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん}、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布とズッキーニの味噌汁
昼飯 オレンジマーマレードのトースト、牛乳
晩飯 茄子とパプリカの素揚げ、豚の生姜焼き、菠薐草の胡麻和え、ミズの甘辛煮、胡瓜と蕪のぬか漬け、大根のなますの梅肉和え、メシ、揚げ湯波とズッキーニの味噌汁、サクランボ
2023.6.18(日) 忘備は必須
起きて食堂に来て南に面した窓を開ける。涼しく乾いた風が部屋の中を通り抜けていく。「気持ちいいなー、正に、夏の朝だ」と、思わず嘆声が漏れる。いくら蒸し暑くて不快でも、夏は好きだ。その夏にありながら冷涼さの感じられる朝は、なおのこと好きだ。そしてその爽快さを味わっているうち、緑のいよいよ濃くなってきた山の景色は撮り逃した。
週末の朝は、平日よりも張り切る気持ちが強い。それは、店がより忙しくなるからだ。もっとも今朝は、一連の仕事をこなすと流石に疲れて、4階の食堂で小休止をする。天気が良いこと、気温が高いこと、空気が乾いていることにより、氷水を何杯も飲む。
販売係のタカハシカナエさんには、11時30分から13時までは店にいて欲しいと頼まれた。人手の薄くなる昼時はまた、1日の中でお客様のもっとも多くなる時間帯でもある。そして結局は13時30分まで販売に当たる。
家にいる限り、昼食は、日本経済新聞の文化面を読みつつ摂る。その紙面に毎日載る「文化」と題されたコラムの、今日の文章はなぜか、自分には入って来づらかった。言葉の重複や句点で区切られる文の長さが、僕の持つリズムのようなものに同期しないのだ。逆に、数週間前の女の人のそれには「オレと同じじゃねぇか」と感じさせるものがあった。そしてその女の人の名は、残念ながら忘れた。
朝飯 ミズの甘辛煮、生玉子、牛肉のすき焼き風、炒り豆腐、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ湯波と菠薐草の味噌汁
昼飯 オレンジマーマレードのトースト、牛乳
晩飯 ゴルゴンゾーラチーズ、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ウォッカマーティニ、パン、スパゲティミートソース、Chablis Billaud Simon 2018
2023.6.17(土) 遅寝遅起き
目を覚ましたのは4時20分。週末であれば、釣銭を整える必要がある。なぜきのうまでにそれをしていなかったかといえば、このところの、1,000円札の異常な費消ぶりによる。
釣銭として出て行く紙幣や硬貨には、不思議なことに、時期により片寄りがある。昨年の秋ごろから、5円硬貨と50円硬貨はまったく出ていかず、溜まるばかりになった。5百円硬貨もそれほどは使わない。現在もっとも必要なのは1,000円札だ。
現在、銀行で両替できる1,000円札は新券のみだ。新券は、誤って複数枚をお手渡ししてしまう恐れがあるから、並券と交互に重ねておく必要がある。並券は、毎日、お客様がくださる中からきれいなものを確保する。その、並券と新券を交互に重ねたものの出て行く速度が現在は異常に高いため、準備が自転車操業状態になるのだ。
1,000円札を整え終えたら、次は「汁飯香の店 隠居うわさわ」への予約をインターネット経由でくださったお客様に返信をお送りする。席のみ確保されたお客様からの、追って料理をご指定くださったメールにも返信をお送りする。
これらの仕事をこなしてから、既に完成させてあった一昨日の日記を公開する。きのうの日記はきのうのうちに文章のみを書き上げていた。それに画像を加えて保存し、次いで今日の日記のここまでを書く。そして改めて、自分の生活は遅寝遅起きでは成り立たないことを知る。
朝飯 紅白なます、ミズの甘辛煮、納豆、豆もやしのナムル風、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ湯波とズッキーニの味噌汁
昼飯 オレンジマーマレードのトースト、牛乳
晩飯 ゴルゴンゾーラチーズ、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、ウォッカマーティニ、トマトとポテトとアボカドのサラダ、パン、ブロッコリーのソテーを添えたハムエッグ、Chablis Billaud Simon 2018
2023.6.16(金) はやりやまい
子供のころは、風邪の発熱から脱した朝にはいつも、光輝燦然とした爽快さを感じた。今朝、ちょっとした夢と共に目を覚ますと、それを思い出させるような感覚があった。新型コロナワクチンの副反応から抜け出したのだ。時刻は3時ちょうどだった。それほど間を置かないまま起床して食堂に出る。3時台の起床は久しぶりのような気がする。
副反応の強い新型コロナウイルスのワクチン接種については、今や「こりごり」という気分になっている。よって「コロナ ワクチン いつまで」と検索エンジンに入れてみる。するとどうやら、65歳以上の人、基礎疾患のある人、医療従事者、高齢者施設や障害者施設で働く人は、今年度中にもう一度その機会つまり7回目があって、以降は有料になるらしいことが分かった。副反応により寝込むようなことのないインフルエンザのワクチンはともかくとして、新型コロナウイルス感染症のそれについては、8回目以降は、僕は打たないような気がする。
それにしても、緊急事態宣言の最中でさえ大混雑の日比谷線や千代田線にたびたび乗りながら、あるいはマスクをすることなく国際線の飛行機に乗りながら、僕は「コロナ」にはかからない。一方、いかにも人のまばらな農村部に住む人が罹ったりする。どうにもわけの分からない流行病である。
朝飯 紅白なます、玉子焼き、筑前煮、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、豆腐と若布と三つ葉の味噌汁
昼飯 オレンジマーマレードのトースト、牛乳
晩飯 マカロニサラダと茹でたブロッコリー、たまり漬によるソースを添えた豆腐ステーキ、Chablis Billaud Simon 2018
2023.6.15(木) 6回目の副反応
目を覚ますと発熱による気分の悪さがあった。体温は37.4℃だった。この程度では、いまだ解熱剤を飲むほどのことではない。時刻は2時29分。眠れたのか眠れなかったのか判然としない状態で朝を迎える。
6時30分の体温は38.0℃。子供のころは、熱があると食欲が極端に落ちた。食欲の無さは、食べない方が無難という身体からの信号、という説を、後に聞いたことがある。しかしどうやら僕は、食べなければ余計に体力が落ちると、発熱の際にも食べる訓練を、中学生の頃よりしはじめた気がする。今朝のお粥は2杯を食べた。
食後にカロナール500mgを1錠だけ服用して寝室に戻る。体温は解熱剤により37/4℃まで落ちた。しかし平熱には決して戻らない。午後は、枕元に携帯用の読書灯を点けて本を読む。
18時の体温は38.1℃。iPhoneでカロナール500mgについて調べると、1回の最大摂取量は2錠と出た。処方箋には1回に1錠とあったが、いっそのこと2錠を飲んでしまおうかとも考えた。しかし残りは1錠だから、それは叶わない。
夕食の席から長男の家族の去ったことを家内が知らせに来る。そこでようよう起き出して食堂へ行く。おかずは僕ごのみのものではあったけれど、到底、ワインを飲む気にはならない。そうしてふたたび寝室へと戻る。
朝飯 白粥、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、菠薐草のおひたし、鯛の塩焼きのほぐし
昼飯 ホットドッグ、コーヒー
晩飯 生のトマトと茹でたブロッコリーとグリーンアスパラガスを添えたシェパードパイ、クロワッサン
2023.6.14(水) お食いぞめ
新型コロナウイルスのワクチンは、初回から5回目までは、かかりつけのセキネクリニックで受けてきた。先月25日に6回目を予約するためコンピュータに向かうと、セキネクリニックの接種日は僕の予定と合わなかった。このところ何やら忙しく、6月の予定は混み合っている。よって今回は、はじめてモリ病院で接種を受けることとした。
モリ病院は会社からもっとも近い接種場所にて、14時20分に自転車に乗り、2、3分でその玄関前に着く。14時30分に予約を入れていた人は、僕の他にはひとりきりだった。接種後15分を待つ部屋には演歌が流れていた。八代亜紀の「舟歌」、森進一の「冬のリヴィエラ」、その他は何だっただろう。
新型コロナワクチンの副反応は、僕の場合、接種して半日やそこらでは現れない。そのため孫のカコのお食い初めには平時の状態で臨むことができた。
カコは、お食い初めの直前まで食卓の脇のベッドで眠っていて、抱き起こされ、口に箸を当てらるとニコニコと笑い、ベッドに戻されると、すぐにまた眠ってしまった。この赤ん坊が、来春には歩けるようになるのだ。驚くほかはない。
朝飯 菠薐草の胡麻和え、炒り豆腐、茄子とパプリカの揚げびたし、納豆、胡瓜と蕪のぬか漬け、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、揚げ湯波とズッキーニの味噌汁
昼飯 カレーライス、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」
晩飯 紅白なます、菠薐草のおひたし、豆腐とお麩と三つ葉の吸い物、鯛の塩焼き、筑前煮、赤飯、「仁井田本家」の「しぜんしゅ生酛なつゆき生」(冷や)、「みしまや」の人形焼き、Old Parr(生)
2023.6.13(火) 気がつくのはいつも翌日
きのうの黒霧島は馬鹿に美味く感じた。酒を普段以上に美味く感じたり、干天の砂地が慈雨を吸い込むように、いくらでも飲めるときは要注意だ。もっとも飲んでいる最中にその「要注意」を思い出すことはない。気がつくのはいつも、翌日になってから。つまり今朝は二日酔い、である。
所用にて羽田空港の第一ターミナルへ行く。僕は、国内線の飛行機には、ほぼ乗らない。昨年の6月は例外的に石垣島へ行った。国内線についてはほとんど何も知らないため、そのときは家内の後を着いていった。
本日、2階の出発ロビーに上がってみれば、昨年の記憶はまったく無く、初めて来た場所のように思われた。そこに「あさごはん」というノレンを提げた店を見つけ、二日酔いでも食べられるだろうかとしばし逡巡してからそこに入る。お粥にたくさんのおかずを添えた定食は、案ずるより産むがやすしで、すんなり腹に収まった。それから所用を済ませて、ふたたびモノレールに乗る。
残す用事は神田の皮膚科での治療で、こちらは先生に患部を見てもらい、軟膏の塗り方を指導されただけで終わった。次は2週間後に来るよう言われたものの、そのあたりは日程が混んでいる。次は来られたとしても7月になるだろう。
神田から日本橋へ地下鉄で移動し、あちらこちらであれこれしてからアーティゾン美術館まで歩く。曇りと雨の予報は見事に外れ、頭上には青空。気温も湿度も高い。そうして同美術館で開催中の”ABSTRACTION”を観る。中学生のころ、家庭教師だったニダイラユキオ先生に連れてきていただいたのは、この美術館の前身ブリジストン美術館だっただろうか、それとも出光美術館だっただろうか。
下りの特急を下今市で降りると、こちらには傘を差さなくても済むくらいの雨が降っていた。晴れていた東京よりも、湿度は感じなかった。
朝飯 “Hitoshinaya”のだし、白粥膳
昼飯 “DEAN & DELUCA”のサーモンメルトパイ、コーヒー
2023.6.12(月) 若い人こそ
先月25日の朝、目を覚まして洗面所に行くと、東の空の赤く染まっているのがカーテンの隙間から見えた。小物棚の上に置いたデジタル時計は3時56分を表示している。その瞬間、信じがたい思いに囚われながら、しかし事実は事実だから「いよいよ3時台から明るい季節が来た!」と、感嘆符付きで表したいほど嬉しさを感じた。
「早朝の空気はいまだ冷たいだろう」と考えて、半袖ポロシャツに長袖のTシャツを重ね、部屋を出た。そして廊下の端に置いた防湿庫からニコンのD610をつかみだし、階段室の扉の鍵を開け、階段を昇り、屋上に出た。
東の空は、地上の黒とその上の紺色の隙間に赤みが差していた数分前とは姿を変えて、明るい水色になっていた。身につけているものにポケットは無いから、外したレンズキャップはエレベータの機械室へ出入りする階段に置いた。そしてカメラの電源を入れると”Card”という警告が点滅した。
この警告はSDカードが正しく差し込まれていないときに出るものだから、カードスロットのフタを開け、2枚のカードをそれぞれ奥に押して緩め、また奥に押し込む。そしてふたたび電源を入れると、今度は「メモリーカードが書き込み禁止になっています」の警告が出た。
空は明るみを増しつつあるとはいえ手元は暗い。その中でカードを完全に外し、小さなロックボタンを手探りで押し上げる。これをスロットに戻そうとすると、今度は入らない。何が起きているのかは分からない。空の写真を撮ることは遂に諦めて、今しがた昇ったばかりの階段を降りた。
明るいところでカードを良く見ると、それほど乱暴に扱ったつもりはなかったものの、ロックボタンが2枚合わせのカードの中にめり込んで、カードが厚く膨らんでいた。そのためカードがスロットに入らなかったのだ。それにしてもSDカードとは、それほど壊れやすいものだっただろうか。
と、ここまでが先月25日の早朝に起きたことだ。
その後、新しいSDカードを買い、これをD610に差し込んで電源を入れる。するとここに至ってもまだ”Card”の警告が出た。ということは、異常はカードではなくカメラ本体にあった、ということだろうか。
東京にニコンプラザは、銀座のそれが2020年夏に業務を終えて、今や新宿にしかない。新宿まで足を延ばす気はしない。とすれば頼れるのは代理店のサトーカメラのみか。というわけで今日はD610を、宇都宮に用事のある長男に托した。
一方、僕は西の会あらため東京シーガルクラブの集まりに出るため、下今市15時51分発の上り特急に乗った。会場のある神田に着いたのは18時すこし前。今日の題目はヤナギダマサトシさん、タナカノブコさん、ヤノマサヒロさんによる「MGとECの過去現在未来」。前回に引き続き、僕が聞くのは勿体ないような内容。というのは、僕はもう引退に片足を突っ込んでいるような人間だからだ。若い人こそ来るべし、と強く思う。
朝飯 炒り豆腐、焼き餃子、納豆、生のトマト、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、独活の芽の天ぷらと若布の味噌汁
昼飯 オレンジマーマレードのトースト、牛乳
晩飯 「清龍」のあれや、これや、他あれこれ、「霧島酒造」の芋焼酎「黒霧島」(お湯割り)
2023.6.11(日) 体重の増加は問題としながら
今月6日の日記に書いた、獨協医科大学日光医療センターでの人間ドックの案内は既に届いている。しかし先のこととして、その封筒はいまだ開けていない。
「余裕、気合い、一瞬」という悪癖が僕にはある。しなければいけないことを放置したままにし、それがいよいよ目前に迫ったところで気合いを入れ、一瞬で解決しようとするものだ。勿論、解決できない場合もある。それを思い出して、午後にその封を切る。
問診票はA4の紙に3枚があった。すぐにボールペンを握ることはせず、先ずは質問を上から下まで読んでいく。既往症はほとんど無く、自分はいかにも健康体に思われる。それにしても、この手の質問が常に、体重の増加は問題としながら減少についてはひと言も触れていないのはなぜだろう。僕が気にしているのは、この12年間に体重が10キログラム減ったことなのだ。
夕刻、この封筒を事務室から4階へ運んで食器棚の目立つところに置く。記入は2、3日のうちに済ませようと思う。
朝飯 3種のサラダ、きのうの夜のグラタンの残り、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布とブロッコリーと味噌汁
昼飯 ハムのホットドッグ、牛乳
晩飯 炒り豆腐、ブロッコリーとマカロニのサラダ、ジーマミー豆腐、胡瓜のナムル、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、焼き餃子、麦焼酎「こいむぎやわらか」(お湯割り)
2023.6.10(土) I will always cherish it!
JR通りの古民家再生旅館「熱海館」に泊まった古河OA大会の面々は「汁飯香の店 隠居うわさわ」に9時の予約を入れてくれていた。本来であれば、僕は門の前で待ち受けて、彼らを出迎えるべきだ。しかしその時間は本店も開店して間もなくであり、僕はこちらにいる必要がある。
食後の甘味をお出ししたと、10時30分がちかくなるころ家内から電話が入る。即、半纏を着て蔵見学用の写真帳を持ち、事務室を出る。
「汁飯香の店 隠居うわさわ」の一番のご馳走は、ゆっくりとした時間だと思う。古河のご一行の歓談が止むまでは、帳場も兼ねた6畳間に控えている。そして頃合いを見計らって玄関前に移動をする。
隠居のお客様を蔵見学にご案内するときには、写真帳を繰りながらの事前説明は、雨が降っていない限り庭で行う。その説明を終えるころ、一行のひとりが門の方へ視線を移して僕の注意を促した。振り向くと、若い白人の3人組が所在なさげに立っていた。
今日の隠居は予約で満席だった。やはり外国のお客様2名様のキャンセルが今朝になって入ったものの、いずれにしても忙しいため、外の看板は満席のままにしてあった。しかしその表記は日本語によるため、3人様にそれは伝わらない。彼らにはすこしお待ちいただくよう伝えて玄関に戻る。そして厨房にいた家内にどうにかならないかと声をかける。
ふたたび3人様の立つ石の橋のたもとまで駆け戻って、個室でよろしければお入りいただける旨をお伝えする。異存は無いと、彼らのうちもっとも年長らしい男性は快諾をしてくださった。有り難し。
彼らを玄関まで先導し、3足の靴を揃えて庭へ戻る。そしてようよう、古河のご一行を蔵にご案内する。
明日のための仕込みを終えた家内が隠居から事務室へ戻ったのは18時過ぎ。家内が持ち帰った、テキサスからの3人様が”NIKKO BREAKFAST INKYO UWASAWA”へお寄せくださったご感想は以下。
Thank you so much for this amazing experience! I will always cherish it!
美味しい! Delicious.Enjoyed very much.ありがとう! 🙂
Every Part was Perfect!
お入りいただけて、本当に良かった。一方、古河の方達とは、またどこかでお目にかかる機会があるだろう。ちなみに明日の「汁飯香の店 隠居うわさわ」は、8時30分の開店から10時30分まで満席をいただいている。
朝飯 もやしナムル、茄子の味噌炒り、納豆、クーブイリチー、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ湯波と茗荷の味噌汁
昼飯 「カルフールキッチン」のおむすび弁当
晩飯 クロワッサン、ベビーリーフとポテトサラダを添えた鶏とトマトのグラタン、Chablis Billaud Simon 2018
2023.6.9(金) 古河OA大会 in 日光
6月9日に日光でOA大会をしたいと、古河でマネジメントゲームを学ぶナガツカマモルさんからメッセージが届いたのは先月22日のことだった。先方の希望を要約すれば以下になる。
古河OA大会 in 日光
日時:2023.0609(金)15:00~19:00
交流会:2023.0609(金)19:30~
朝食:2023.0610(土)09:00~@汁飯香の店 隠居うわさわ
コロナ以降、飲食店の閉店時間はおしなべて早くなっている。よってOA大会は14時から18時までとし、交流会は18時45分に開始と提案してナガツカさんの諒承を得た。会場は24日に日光市民活動センターの報徳ホールを抑えることができた。当該の日に残っていた研修室はこの一部屋のみで、幸運だった。
早めに昼食を摂り、長男に続いて僕も13時30分に会場に入る。プロジェクターは会場で借りることもできるけれど、長男は私物のそれを持ち込んだ。やがて古河の面々が次々と現れる。
西研究所まわりの人がOA大会と言うとき、それは稀代のデータベースソフト「マイツール」を使った事例発表会を意味する。本日の発表者はスズキトシオさん、スズキケンジさん、カンダヒロトさん、トイヒロシさん、スズキユージさん、ナガツカマモルさん、僕の計7名。
僕の発表が完了したのは18時。いまだ続きそうな質疑応答を「続きは交流会場で」と打ち切ったのは18時10分。上々の時間運びである。場所を移しての交流会でも意義ある情報の交換をして、22時前に帰宅する。
なお日光市今市で没した二宮金次郎について刻苦勉励、勤倹節約のみの人物と考えている人はぜひ、今日の会場に併設の二宮尊徳記念館を見ていただきたい。目から鱗の新知識が得られることは、保証させていただきます。
朝飯 生のトマト、ほぐし塩鮭、菠薐草のソテー、納豆、クーブイリチー、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ湯波とズッキーニの味噌汁
昼飯 焼きそばパン
晩飯 「やまだ宴楽」のあれや、これや、それや、他あれこれ、「三岳酒造」の芋焼酎「三岳」(お湯割り)
2023.6.8(木) 伊豆治療紀行(16回目の2日目)
宇都宮から伊東に移った「伊豆高原痛みの専門整体院」での、最初の治療は2021年4月。次は2022年1月まで間が空いた。しかし以降はほぼ毎月のように通っている。
9,000ボルトの電子ペンによる治療は、患部の状態が悪いほど痛い。もっとも痛みを感じるのは膝へのそれだ。額には脂汗が浮かび、攻められる部位によっては吐き気さえ催す。その拷問のような痛さが劇的に和らいだのは先月のことだった。4月にタイで何度も受けた、太腿への強いマッサージが功を奏したのかも知れない。そしてきのうと今日も、治療による辛さは先月のそれとおなじほどのものだった。「ここまで快復すれば、次は2ヶ月後でいいでしょう」と先生に言われるのはいつになるだろう。
きのうの朝の天気予報によれば、伊豆は雨とこのことだった。しかし空は晴れている。治療院から海へ向かって1,100メートルを下った城ヶ崎海岸駅には、1時間に1本か2本しか来ない上りが今日は首尾良くいくらも待たないうちに入ってきた。
東京から新橋までは山手線で移動をして、雑居ビルの中の大衆床屋に入る。僕の散髪内容の書かれた回数券は家に置き忘れてきたため「頭も髭も…」と伝えて言葉を切ると「3ミリで」と、以前かかったことのあるその人はよどみなく答えた。驚く他は無い。
夕刻、次男と北千住で待ち合わせて飲酒活動をする。そして19時33分発の下り特急に乗り、21時すぎに帰宅する。
朝飯 「伊東園別館」の朝のブッフェ
昼飯 「海苔弁山登り」の「海」
晩飯 「加賀屋北千住店」のあれや、これや、それや、チューハイ、それを濃くするためのナカ
2023.6.7(水) 伊豆治療紀行(16回目の1日目)
右手中指の横腹にアカギレが切れた。放っておけば傷は広がるばかりだろう。面倒ではあるものの、楊枝の先で軟膏を埋め込み、それをバンドエイドのキズパワーパッドで覆うことにする。
キズパワーパッドには、手でこれを1分のあいだ温めて柔らかくし、患部に貼ったら更に1分のあいだ手で圧着して完璧を期すよう、説明書きが添えてある。手指の先のこれを剥がれづらくするには、僕の場合、3枚を必要とする。1枚に2分を要するから3枚なら6分。そのあいだ、何もせずにいては飽きる。よって事前にコンピュータを開き、youtubeの検索窓に「ミニマリスト 旅行 持ち物」と入れる。
この手の動画は数多く見てきた。その「ミニマリスト」が女性の場合、持ち物は僕の方が圧倒的に少ない。化粧道具や髪の手入れに使うものは一切、必要としないからだ。だったら男性のミニマリストについてはどうか。女性男性を問わず、youtubeに動画を上げようとする人は、そのための機材を持ち歩く。僕はそれらを持たない。よって旅の荷物はやはり、僕のそれの方が少ない。
だったらそんなものを見てもまったく役に立たないかといえば、たまには役に立つ。
TikTokで知ったLiberFlyerの「セキュリポ」というポーチを先月amazonで買った。そして早速、これに現金、クレジットカード、PASMO、鉄道の回数券、覚え書きのための紙、携帯電話を収めて胸の前に斜めがけして出かけてみた。このポーチにより減らせたのは財布とメモ帳だが、それよりも、必要なものがすぐに取り出せる便利さに目を見張った。
そして今日もこの「セキュリポ」を斜めがけして下今市10:53発の上り特急に乗る。
ところで書き忘れたが、旅に於けるミニマリストの最強は高城剛だと思う。参考文献は「サバイバル時代の海外旅行術」と「LIFE PACKING 未来を生きるためのモノと知恵」。後者には新版も次々と出ている。興味のある人は是非どうぞ。
朝飯 鮭の日光味噌漬け焼き、生のトマト、スクランブルドエッグ、納豆、クーブイリチー、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、独活の芽の天ぷらと若布の味噌汁
昼飯 「紀伊國屋」の「自家製ベーコンのBLCTサンド」、JAVA TEA
晩飯 「ビストロにゅう」のパン、豚と鶏モツのテリーヌ、海の幸のサラダ、鴨のコンフィ、トマトと小海老とチーズのスパゲティ、エスプレッソ、AVES DEL SUR CHARDONNAY RESERVA
2023.6.6(火) 詳しい人、得意な人
起きて食堂に来たときの時刻は3時47分。先ずは南側のカーテンを巻き上げる。次いで西側のカーテンも巻き上げる。すると30度ほど上に丸い月があった。一見、満月に思われても、目で月齢を言い当てることのできたおばあちゃんではないから、それが何日目の月なのか分からない。
洗面所に戻って月の満ち欠けのあるカレンダーを確かめる。そしてようやく、今朝の月は旧暦4月18日のそれだったことを知る。ちなみに旧暦4月の満月は16日のところにあった。なぜ15日でないのかは分からない。それを知ろうとして天文に詳しい人に訊けば、嬉々として1時間でもしゃべり続けるような気がする。その結果、当方はますます分からなくなる。対気速度と対地速度の違いについて、物理に詳しい人に訊ねたときもそうだった。いわゆる「詳しい人」には要注意、である。
体重を減らすこと、つまりダイエットの得意な先輩がいる。先月はひと月で6キログラムを落としたと聞いた。この人が軽々と脂肪や贅肉をそぎ落とせるのはひとえに、食べものに興味を持たない性向による。1年間のダイエットに挑んだときには、日に3丁の豆腐のみで過ごしたという。
小学校、中学校、高等学校を通じて、僕はクラスで一番、痩せていた。しかしその後は徐々に普通体型に近づき、2011年には適正体重を2キロ超えるところまで太った。ところが以降は特に何もしていないにもかかわらず、12年後の今春までに10キロが減った。
このところは「痩せたんじゃないの」とか「気になる痩せ方だよ」と心配されることが増えてきた。前述の先輩には「ガリガリだ」と言われた。よって今日はおなじ日光市でも鬼怒川温泉のちかくから森友地区に移転した獨協医科大学日光医療センターに人間ドックの申込みをした。結果が出るのは7月の下旬になるだろう。
朝飯 スペイン風目玉焼き、茹でた絹さや豆、揚げた茄子とパプリカ、納豆、ごぼうのたまり漬、胡瓜と蕪のぬか漬け、メシ、揚げ湯波とズッキーニの味噌汁
昼飯 冷やしラーメン
晩飯 鯛の刺身、鯛の煮付け、手巻き鮨、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、麦焼酎「こいむぎやわらか」(お湯割り)
2023.6.5(月) システム利用料
先週の金曜日までは日光市今市旧市街の真ん中にあった鹿沼相互信用金庫が、今日からは南東に1キロほど離れた、日光市役所のちかくで営業を始める。そのため9時を過ぎたところでこの1週間の売上金と入金帳を手提げに入れ、ホンダフィットを運転して新しい店まで行く。駐車場は賑わっていて、クルマを降りるとこれまでの支店長など、多くの人に挨拶をされた。
新店は明るく簡素、かつこぢんまりとして、これからの金融機関の標準になりそうな作りだった。入金はすぐに済んだ。ついでに個人の、別の口座に移すべきお金をおろして帰路に着く。会社から1キロ以上も離れれば、今後は自転車で、というわけにはいかない。銀行に着いたところで「ハンコを忘れた」とか「入金帳を忘れた」では、これまでの何倍も時間がかかる。重々、注意をしようと思う。
昼前に東京都から固定資産税都市計画税納税通知書が届く。最寄り駅は本郷三丁目、という場所にある甘木庵が発生させる税金である。封筒の中味をひとつひとつ開いていくと「キャッシュレス納税を、ぜひご利用ください」という案内が出てきた。クレジットカードでも手続きが可能とのことにて早速、当該のサイトにアクセスをする。手順を踏んだ先に表れた数字は、なるほど通知書の納税額と一致した。「よし、いいぞ」と更に進む。そころが最後の最後にいたって「システム利用料」として無視できない金額が示された。よって支払いはしないままブラウザを閉じる。
来週の月曜日には、普段どおり鹿信金の担当者が来てくれる。東京の税金を日光の銀行で納めるときの手数料についても、他のあれこれと共に確かめてみようと思う。
朝飯 揚げた茄子とパプリカ、昆布の佃煮、スペイン風ソーセージエッグ、納豆、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、トマトと若布の味噌汁
昼飯 オレンジマーマレードのトースト、ホットミルク
晩飯 クーブイリチー、菠薐草の胡麻和え、胡瓜と蕪のぬか漬け、トマトとブロッコリーと刻みキャベツを添えた豚の生姜焼き、メシ、麦焼酎「こいむぎやわらか」(お湯割り)、紫陽花の和菓子、Old Parr(生)
2023.6.4(日) 一朝有事の際には
切ない夢を見ながら目を覚ます。その瞬間、両足の脛の筋肉がつっていることに気づく。ふくらはぎがつったときには、爪先を上に反らせてアキレス腱を伸ばせば治まる。しかし脛については初めてのことだから、どうしてよいか分からない。ふくらはぎのときとは逆に爪先を伸ばしてみる。すると脛の引きつりは収まったものの、今度はふくらはぎがつった。よって爪先を反らせると、今度は脛がつる。堂々巡りでどうにもならないため起きてサンダルを履き、寝室から出て応接間を抜けて食堂まで歩く。食卓の木の椅子に腰をかけてしばらくするうち、筋肉の異変はようやく収まった。時刻は1時36分だった。
どうにか眠れて4時14分に起床する。洗面所を経由して食堂に来て、食器棚に置いたコンピュータを食卓へ運ぶ。そのコンピュータの目立つところに「二宮デー 7:00」と大書したポストイットが貼ってある。むかしは「二宮デー」でも今は「クリーン大作戦」だろうか。とにかく7時からは町内の清掃作業があり、会計係の僕は軍手を用意するよう自治会長から言われていた。それを忘れたらとんだことになるから、エレベータの中には回覧板のコピーを貼り、更にポストイットも目に付くところに貼った経緯があった。
朝食はいつもより30分はやく済ませた。そして3ダースの軍手を持ち、結婚式や葬式のネクタイとおなじ、つまりドレスコードとしての意味しか持たないマスクを付け、6時55分に公民館へ行く。町内の清掃とはいえ、街の真ん中に位置する我が春日町に、不法に投げ捨てられたあれこれは目立たない。僕は店の前の国道で、クルマに踏みつけられて煎餅より薄くなった布の固まりを箒でちり取りに掃き込み、あとは落ち葉や枯れ草などを集めて袋に入れた。
クリーン大作戦は、町内を綺麗にするというよりも、隣近所が集ってひとつのことをする、というところに意味がある。そういう日々の積み重ねが、一朝有事の際には効いてくるのだ。
朝飯 昆布の佃煮、生玉子、納豆、菠薐草のおひたし、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、トマトとズッキーニの味噌汁
昼飯 オレンジマーマレードのトースト、ホットミルク
晩飯 らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ジンソーダ、ジーマミー豆腐、韮のナムル風、鶏挽き肉と椎茸の熱いつゆで食べるざるうどん、麦焼酎「こいむぎやわらか」(お湯割り)
2023.6.3(土) お盆
この日記を遡れば2018年8月6日から使い続けているお盆は佐貫の産と思う。数回にわたる建て替えに耐えて残った家財が収められている2階の倉庫で見つけたものだ。多分、数十年は経ていると思われるが、この5年間の使用もあって、随分と塗りがすり減ってきた。そこで新しいものを探すわけだが、松をくり抜き縁を高くしたおなじ形はウェブ上に探しても見つからない。妥協して買ったものもあったものの、気に入らず、ほとんど使っていない。
その、自分のもとめる形をfacebookの「友達」のタイムラインに見たのは数ヶ月前のことだ。それは根津のギャラリーにあった。しかし展覧会の日程が僕の予定に合わず、見送った経緯があった。
次の機会は意外に早く来た。そして先月の22日にそのギャラリーリブレを訪ねた。塗師は輪島の垣内幸彦。佐貫のお盆に輪島の漆とは不思議な感じもするが、骨董品に再塗装を施し、日常に使えるものに再生した、ということだ。展示されていた品々は、僕の朝食用としては大きすぎるか小さすぎるかで食指は延びなかった。しかし他の用向きとして、あるいは資料として持つことには意味がある。
しばらく考えた末に注文したそれが届いたのはきのう。使い始めたのは今朝。場所は「汁飯香の店 隠居うわさわ」。良い買い物をしたと思う。
朝飯 菠薐草のおひたし、トマト、ハムとピーマンの油蒸し、納豆、胡瓜のぬか漬け、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、ごぼうのたまり漬、メシ、若布とズッキーニの味噌汁
昼飯 オレンジマーマレードのトースト、ホットミルク
晩飯 クリームシチュー、2種のパン、クロワッサン、チェンマイ産の唐辛子を散らしたスパゲティミートソース、KHAME BODEGAS BHILAR ALAVA 2020、Chablis Billaud Simon 2018
2023.6.2(金) 思いつきか天啓か
朝ごはんの店「汁飯香の店 隠居うわさわ」が営業する土日月の3日間を除いては、朝食のおかずは家内が作る。今朝は、それらの器を食卓へ並べながら、ひとつの気づきを得た。大した気づきではないかも知れない。しかし後から振り返れば「天啓だった」となるかも知れない。「情報は、発信するところにこそ集まる」と言う人がいる。しかしいかにも勿体なくて、外へは漏らしたくないこともある。今朝の気づきは、ごく狭い範囲にのみ伝えるつもりである。
おととい隠居に予約をくださった、使用言語は英語とするお客様には、先月23日に作った文章をお送りしてあった。お客様からは、きのうの夜にご返事があった。そのご返事に対して確かに承った旨の返信を、7時40分に事務室へ降りるなり書いてお送りする。お客様のご来店は明日の8時30分。台風の行方の気になるところだ。
「例年より早く咲いた桜が綺麗などと浮かれている場合ではない。こういう年には夏の前にとんでもない量の雨が降るから」と、今年の4月に心配していた人のことを、きのう長男から聞いた。その「とんでもない量の雨」とは、今回の台風2号でおしまいなのだろうか。あるいはこれからも、おなじような雨が列島を襲うのだろうか。
僕がもっとも気にするのは九州南部に降る雨だ。今年のらっきょうの作柄は豊作傾向と、いまのところは伝えられている。しかしその大産地である宮崎県にひとたび豪雨が来襲すれば、らっきょうは一転して不作になり、価格は暴騰する。「降るなら海の上にしてください」と祈る日々が、これから今月末までは続くのである。
朝飯 生のトマトと茹でたブロッコリー、ハムエッグ、納豆、菠薐草のおひたし、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ湯波と小松菜の味噌汁
昼飯 オレンジマーマレードのトースト、ホットミルク
晩飯 空心菜炒め、冷や奴、生のトマト、めかぶの酢の物、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、蒸し焼売、麦焼酎「こいむぎやわらか」(お湯割り)
2023.6.1(木) 「来世で」と言われても
一日おきに朝食の動画をTikTokに上げている。また1週間に1度は、それを作って食べるまでの動画を上げている。題名は「10分でできる頑張らなくても美味しい朝食」としている。
あるときこの動画に「10分でできるとはいえ、何十年にも及ぶ経験や知見がなくては、これは無理」というコメントが入った。何十年にも及ぶ経験や知見など、僕にあろうはずがない。あるとすれば「やれば誰にでもできる」という、ある種の乱暴さ、のみのような気がする。
学生から就職して間もないころまで、当時は神田神保町の岩波ビルの上階にあった英会話学校に通っていた。教師はみな英国人だった。ここで学んだことがあったとすれば、それは文法や発音よりも「話せばどうにか通じる」という事実だったように思う。
「やれば誰にでもできるとか、話せばどうにか通じると言われても、それが自分にはできないんですよ」と返されたらどうするか。僕も、100メートルを10秒台で走れとか、42.195キロを2時間台で走れとか、宇宙飛行士になれとか霞ヶ関で出世をしろとか言われれば「それは自分にはできない」と答えるしかないだろう。あるいは「来世で頑張ります」だろうか。
「来世で頑張ります」と言った人に「来世が虫けらだったら笑うよな」と返した人がいる。そういう、できたばかりのかさぶたを敢えて剥がそうとするような笑いは、嫌いではない。
朝飯 生のトマトと茹でたブロッコリー、納豆、小松菜のおひたし、胡瓜のぬか漬け、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、獅子唐の天ぷらと若布の味噌汁
昼飯 オレンジマーマレードのトースト、ホットミルク
晩飯 蓮根のきんぴら、菠薐草の胡麻和え、ジーマミー豆腐、茄子と絹さや豆の味噌炒り、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、鮭の「日光味噌のたまり浅漬けの素・朝露」漬け焼き、麦焼酎「こいむぎやわらか」(お湯割り)、「六花亭」のマルセイバターサンド、Old Parr(生)

































































































































