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清閑 PERSONAL DIARY

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2026.10.1(木) タイ日記(8日目)

目を覚ましたのは、日付が変わったばかりの0時台。前夜の19時台に寝に就けば、不思議なことではない。それでも2時間ほどは横になったまま休み、そのあいだには、ことによると眠りに落ちたときもあったかも知れない。そして3時台に起床する。

ウドンタニーからチェンライへ移動中の先月29日の日記には、どこやら分からないバスターミナルについて、次に来るまでに「タイ語でターミナルの名を訊けるよう、準備をしておこう」と書いた。しかしGoogle Mapsの座標は分かっているから、早朝のよしなしごとのついでに「バスターミナル 名前 7P82W8RW+2J」とGoogleに入れてみた。すると立ちどころに以下が出た。

……
ご提示いただいたプラスコード(Plus Code)7P82W8RW+2Jが指す場所は、タイのピッサヌローク県にあるピッサヌローク第2バスターミナル(Phitsanulok Bus Terminal 2)です。地元では「ボーコーソー・マイ(新しいバスターミナル)」の名で親しまれており、バンコクをはじめとするタイ各地(北部・東北部・中部・南部の一部)を結ぶ長距離バスが数多く発着する中心的な拠点となっています。
……

なるほど、とすれば、僕が危うく置いてきぼりにされかかった場所は、ピサヌロークの旧バスターミナル、あるいは第1バスターミナルだったのかも知れない。よく覚えておくことにしよう。

夜明けを待ちわびつつ、5時55分にカーテンと窓を開ける。瞬時に流れ込んできた空気は部屋のそれよりも冷えていて、いかにも気持ちが良い。食堂にはいつもより早い7時に降りた。おなじ時間に朝食を摂っていたのは中年のカップルのみ。それほど今は、客が少ないのだろうか。

このホテルのプールサイドの寝椅子は、本を読むには最適の形をしている。その上にはプラスティック製の屋根があるから、パラソルよりは長いあいだ、日を遮ってくれる。しかしきのうの14時ころは、その屋根があっても太陽が顔を直射した。よって今日の朝食後はいつまでコンピュータに向かうことをせず、8時過ぎよりプールサイドに降りる。僕の正面、つまり真西には旧暦8月21日の月があった。

10時を過ぎると屋根の切れ目から太ももに日が差し始めたため、そこにかけるための、2枚目のバスタオルを借りる。やがて顔にも日が差し始める。時刻は11時2分。それにしても今日は随分と長く、プールサイドで本を読むことができた。明日も晴れれば、今日とおなじように時間をやりくりしよう。

このホテルの最大の長所は、先程も書いた、プールサイドの寝椅子の心地の良さ。次は安価、交通至便が続く。短所は部屋にクローゼットと金庫と背もたれを備えた椅子の無いことで、特に金庫の無いことには困っている。貴重品は仕方なくスーツケースに入れて鍵をかける。しかし部屋を出るたび、また部屋に戻るたび、このダイヤル錠を締めたり、また解いたりすることが面倒でならない。

今日はまた、プールサイドから部屋へ上がってこのダイヤル錠を所定の数字に合わせても、鍵が外れない。何かの拍子に設定が変わってしまったのだろうか。僕のスーツケースはフレーム式ではない。よって刃物があれば、ジップの部分を切って開くことができる。しかしまさか、それはできない。とすれば3つのダイヤルをひとつずつずらしながら、変わってしまった三桁を発見するしか方法は無い。「ひとつひとつのダイヤルのずらしは、10×10×10の1,000回だろうか」などを考えつつ先ずは左端のダイヤルをひとつだけずらすと、そこで鍵は開いた。僕は何と幸運なのだろう。

即、コンピュータを取り出し開いて「remowa エッセンシャル ダイヤル 合わせ方」とGoogleに入れる。そして現れた説明に従って、元の数字の並びを再設定する。

そうこうするうち昼が近くなったため、服を着て外へ出る。今日の昼も、きのうとおなじ汁麺を食べる。日本のラーメンには、2年前から食指が伸びなくなった。しかしタイに来れば、いまだ汁麺が欲しくなる。それはひとえに、日本のラーメンの量が、僕の胃袋に対して過大になったからだ。

汁麺屋の「カオソイポーチャイ」は、ワットチェットヨットと金色の時計塔を繋ぐ道にある。そこから目抜き通りに出てたら、自転車を押しつつ日陰を選んで歩道を往く。この国の歩道は、敷かれたタイルを踏むといきなり傾いて、その下に溜まっていた水が足を濡らしたり、あるいは外れたタイルから地下の空洞があからさまに見えたりと、油断がならない。よってサンダルには、つま先を守る形が求められる。そして今日の目抜きにも、タイルの大きく割れたところがあった。これまた「タイ、あるある」である。

外はいかにも暑く、プールサイドには屋根があっても太陽が顔を直射する、その14時あたりからは、きのうの日記を書くことにする。部屋には前述のスツールしか無いため、今日はロビーに降りる。一流ホテルのロビーとは異なって、ここには空気調整器が動いていないから、至極気持ちが良い。チェックインのときにスーツケースを部屋まで運んでくれたオニーチャンは、僕の背後の扇風機のスイッチを入れてくれた。

そのまま能率を上げていくと、やおら、左後ろに開け放たれた窓から煙が侵入してきた。その量は「充満」ともいうべきものだ。匂いは火事の際の焦げ臭さではなく、むしろ芳香にちかい。びっくりして「これは何だ」と言葉を発する。フロントにはやはりチェックインのときの女の子がいて「それがどうした」とでもいった顔で「モスキートー」と答えた。蚊を駆除するための薬剤が、あたり構わず噴霧されているのだろう。開いたままのコンピュータを手に階段を上がり、部屋に避難したことは言うまでもない。これまた「タイ、あるある」である。

それにしても、何事も起きなければこの日記も短くできて、僕も楽に違いない。しかし毎日なにかしらが起きて、だから僕は、夜明け前や日の高い午後に、コンピュータに向かい続けることになるのだ。

そして今日もまた16時よりいつもの店でマッサージを受け、いつもの店で17時過ぎより飲酒喫飯をする。そこからの帰りにはきのうのオジサンをナイトバザールに訪ね、社員への土産を買う。

部屋に戻ると時刻はいまだ18時30分。シャワーを浴びて空気調整期は30℃の弱風に設定し、寝台に上がる。すると22時に目が覚めたから困惑しつつあれやこれやし、以降のことは、よく覚えていない。


朝飯 “Blue Lagoon Hotel”の朝のブッフェ其の一、其のニ、其の三

昼飯 「カオソイポーチャイ」のバミーナムニャオ

晩飯 「ジャルーンチャイ」の茄子の油炒め、豚足の煮込み、ラオカーオ”BANGYIKHAN”(ソーダ割り)

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上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

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