トップへ戻る

MENU

お買い物かご

清閑 PERSONAL DIARY

2022年5月の日記31本

2022.5.31(火) もっとも好きな時間(上)

「もっとも好きな時間は」と問われて「ジーパンの尻のポケットに文庫本を突っ込んで『さぁ、今日はどこで飲もうか』と考えているとき」と答えたことがある。訊いてきたのは当時は白皙の美青年で、気の合う友人だった。ふたりして赤坂で2軒、西麻布で1軒、最後は乃木坂と飲み歩いた晩は、タクシーのラジオが「なだしお」の事故を伝えていた。とすればそのとき僕は31歳で、友人は32歳、ということになる。

長く会うことのなかったその友人の訃報を先日、人づてに聞いた。

「人の命は葉の上の朝露のようなもの」というくだりが浄土宗のお経にある。揺れる葉の上に精妙に留まり続ける水滴もあれば、すこしの風に滑り落ちてしまう水玉もある。僕は自分を強運の持ち主と感じている。しかしその友人も、あるいは「それほど悪い人生ではなかった」と考えていたかも知れない。

今日のズボンは薄地のもので、本は文庫本ではなく新書だから、尻のポケットは使いたくない。夕刻、その本と財布と携帯電話を小さなトートバッグに入れて日光街道を下る。


朝飯 グリーンアスパラガスの焼きびたし、牛蒡と人参のきんぴら、納豆、めかぶの酢の物、蕪と胡瓜のぬか漬け、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と万能葱の味噌汁
昼飯 「東京ぱすた日和(ポポラマーマ)」の「上澤梅太郎商店のなめことしその実の和風ソース」のスパゲティ
晩飯 「食堂ニジコ」のお通しの人参のサラダ胡瓜のからし和え皮蛋あんかけ焼きそば、麦焼酎「二階堂」(お湯割り)

2022.5.30(月) 黄昏の一杯、と少々

朝から机に向かって書きものをしていると、夕刻に至って胸が痛くなる。胸の痛みを散じるには酒が効く。そういう理由により官吏が上司に酒の支給を要求した史実があると、子供のころ本で読んだ。それは平安より前の奈良時代のことだったように記憶をしている。

朝から机に向かって書きものをするようなことは僕にはない。夕刻に胸の痛くなることもない。にもかかわらず、仕事から上がれば酒が欲しくなる。酒と名の付くものなら何でも、というわけにはいかない。今なら断然、オールドイングランドだ。

食器棚にあるもっとも小さなシェイカーの容量は150cc。ここにウォッカとティオペペを半量ずつ注いで満たす。これを昼のうちに冷蔵庫へ入れておく。

仕事を終えて自宅へ戻れば風呂に湯を溜める。できるだけ早く寝るためだ。そして食堂に来て冷蔵庫の扉を開け、シェイカーを取り出す。オールドイングランドだけではものの数分で飲み終えてしまう。それを防ぐために合いの手、つまり肴を用意する。大したものでなくても間が持てば良い。

このところは晴れが続いて空気も乾いている。それが関係しているのかどうなのか、この辛口の淡い金色の液体は、150ccではまったく足りない。次は大きめのシェイカーを使ってみようか。飲み過ぎてしまうかも知れない。それでも一度は試してみようと思う。


朝飯 ミズの炒め煮、納豆、オクラの油蒸し、温泉玉子、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、独活の先っちょの天ぷらの味噌汁
昼飯 「ふじや」の冷やし味噌ラーメン
晩飯 らっきょうのたまり漬、クリームチーズのたまり漬アボカドとレタスのサラダカレーライス、オールドイングランド

2022.5.29(日) ぐるなび

「ぐるなびで予約済みとおっしゃるお客様が10時にいきなりいらっしゃって肝を潰した」と、22日の午後、家内に訴えられた。「汁飯香の店 隠居うわさわ」へのぐるなびからの予約は僕と長男が管理をしている。しかし当該のご予約については僕も気づかなかった。

調べてみると、予約はお客様が来店される21分前の9時39分に入っていた。その時間には僕は店と事務室と製造現場を行ったり来たりしていた。長男は義理のある人の告別式に参列をするため宇都宮へ向かっていた。ぐるなびを介しての予約は店側が「確定する」ボタンをクリックしてはじめて成立する。しかしそれを確認されないまま来店されるお客様は過去にもいらっしゃった。

ぐるなびから予約が入るたび、それを家内や係のタカハシリツコさんの携帯電話に転送し、着信音が鳴ったら素早く「確定する」なり「お断りする」なりのボタンをクリックし、更にその旨をお知らせするメールをお客様にお送りする、という手はあるものの、調理や接客をしながらでは無理だ。また、繁忙によりぐるなびからの予約に気づかないまま電話による予約を承ってしまう懸念もつきまとう。

前日までのご予約のみ可能とする、という時間設定はぐるなびではできない。よって23日からは僕が早朝のうちに、当日の空席すべてを「予定あり」に反転させることとした。そして今朝も、その作業に従う。


朝飯 焼き鮭、めかぶの酢の物、茄子の油蒸し、納豆、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と菠薐草の味噌汁
昼飯 ハヤシライス、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」
晩飯 「コスモス」のトマトとモッツァレラチーズのサラダカツレツドライマーティニ、TIO PEPE、家に帰ってからの”Chez Akabane”のケーキ、Old Parr(生)

2022.5.28(土) 狸御殿

ある独裁国家の地方都市。季節は夏。ひとけの無い昼下がりの道を、白い開襟シャツの男が歩いていく。男の家はかつては地主だったが、今は軍隊で事務仕事をしている。男は短い休暇に入ったばかりで、両腕にスーツケースを提げている。その男を3人の兵士が尾行している。

男の家はむかしのまま、寺の本堂ほどの大きさを残し、四囲には廊下が走っている。広く涼しげな玄関では娘の三姉妹をはじめ母親や妻が賑やかに出迎える。上がりがまちにふたつのスーツケースが置かれる。そこに3人の兵士が入ってくる。一家に緊張が走る。

スーツケースの中味を問われて男は「芋」と答えるが、兵士に促されて開けたスーツケースには、持ち出すことのできない自動小銃が納められていた。

このままでは男の命が危ない。死刑にはならないまでも、どこかに送られ強制労働に一生を費やし、一家は取りつぶされる。とりあえずの時間稼ぎにしても、女たちは3人の兵士を家に上げ、風呂を勧める。

兵士たちの背中を流すべく家族に指名されたのは三姉妹の長女。歳は30なかば。色白で大柄で肉付きが良い。長女はもちろん、気の進まない様子ではあるが…

と、夢はここで終わった。しかし僕は夢の中で、結末を予見していた。長女は風呂場へ行くものの、そこで一休禅師ばりの知恵と機転を働かせ、3人の兵士はほうほうの体でこの家から逃げ出す、というものだ。

さてこの物語を映画にするとしたら、監督は誰が適任だろう。木村恵吾か、はたまた鈴木清順か。しかしふたりは既にして鬼籍に入っている。だったら井筒和幸か。「一休禅師ばりの知恵と機転を働かせ」の部分が僕には思いつかないが、優れた劇作家や脚本家であれば、どうにかなるだろう。

高いところから墜ちる、あるいは目の前で人がクルマに撥ねられそうになる、そんな夢ばかりを僕は見る。しかし今朝は久しぶりに面白い夢を見た。吉兆かも知れない。


朝飯 菠薐草のおひたし、厚揚げ豆腐とシメジの中華風、刻みオクラを薬味にした納豆、ミズの炒め煮、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、ごぼうのたまり漬、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、揚げ湯波とズッキーニの味噌汁
昼飯 「ふじや」の冷やし味噌ラーメン
晩飯 トマトとルッコラのサラダ、細切りのじゃがいもと人参のバターソテー、ビーフステーキVOSNE ROMANEE Jean Gros 1985

2022.5.27(金) 梅の実

隠居の花菖蒲は池泉の中洲に咲く。上流には滝がある。滝の水は「汁飯香の店 隠居うわさわ」の営業日にしか落とさない。咲き始めた花菖蒲が干からびることを恐れ、きのうの朝は如雨露で水を遣った。そのきのうとは打って変わって今朝は嵐のような雨である。8時05分、その雨の中を孫のリコは喜び勇んで遠足に出かけて行った。「子供ってのはすげぇな」と感心をする。

配達に出かけるイトーカズナリ君には朝礼を終えた後に雨合羽を手渡した。これからの季節を考えれば、カッパはトラックの中にも備えておくべきだ。即、柴田荒物店に注文の電話を入れる。

リコは予定を切り上げて昼前に帰ってきた。遠足は隣の町の動物園だった。鹿に3種の餌をやったと教えてくれた。雨は皮肉なことに上がりつつある。濡れることを恐れて事務室内に格納しておいたノレンを外へ提げる。隠居へ出かけて庭の様子を見る。きのう枯れていた川が、今日は雨水と満々と湛えて濁っている。木々が急に葉の面積を広げつつある。梅の木には実がなり始めた。さて今年はどれほどが収穫できるだろう。


朝飯 菠薐草のおひたし、温泉玉子、厚揚げ豆腐とシメジの中華風、納豆、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、三つ葉の味噌汁
昼飯 「ふじや」の野菜麺
晩飯 トマトとレタスのサラダ、オールドイングランド、2種のパン、鶏とマッシュルームとマカロニのグラタン、Chablis Billaud Simon 2015、シュークリーム、Old Parr(生)

2022.5.26(木) 明るくなる時間

「今って、5時台から明るいんですね」と驚きつつ言った人に「3時台から明るいですよ」と教えてあげたことがある。今朝は3時台の終わりのころに起床した。空は既にして明るみを帯びていた。夏至までひと月を切っている。「やだなー」と思う。あとひと月もすれば、長くなりつつあった昼が、今度は短くなっていくのだ。僕にとっては夏至こそが一年の頂点。次の頂点は梅雨明け、だろうか。

10時30分より東京の3個所と自宅の4階をインターネットで繋いで場長会議を行う。正午過ぎに事務室へ降りて、13時30分までは電話番に徹する。日程が混んできている。眼科と歯科の検診をどこかに割り込ませたいところではあるものの、それがなかなかままならない。

電話とインターネットによる地方発送のご注文が今日はにわかに高まった。それにともない事務係のカワタユキさんは1時間の残業をした。

初更、19時30分が近くなるのを待って相生町の蕎麦屋「やぶ定」へ出かける。そして僕が書記を務める日本酒に特化した飲み会「本酒会」の月例会に参加をする。


朝飯 菠薐草のおひたし、鶏肉とマッシュルームとマカロニのグラタン、焼き鮭、揚げ湯波と蕪の葉の炒り煮、胡瓜のぬか漬け、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、トマトと若布の味噌汁
昼飯 「鳥よし」の焼鳥丼
晩飯 「やぶ定」の酒肴あれこれ、盛り蕎麦、5種の日本酒(冷や)

2022.5.25(水) 即、購入の手続きを

学生のころも修行中も、新橋と海のあいだにクルマを走らせるたび、中銀カプセルタワービルは僕の視線を吸い寄せた。このビルについての情報が昨年から目立ち始めたのは、2022年4月の解体開始が近づいたことによる。

その外観は未来的で面白く、愛らしくさえあった。設計者の意図した「新陳代謝」が実現されることはなかったものの、その実験的な目論見が実際の建物として結実したのは、半世紀前の日本が、いまだ若かった証拠だろう。

田中長徳は、かつてこのビルの一室を「銀座八丁庵」と名づけて使っていた。そしてしばしば日記に書いた。それを思い出して「田中長徳 中銀カプセルタワービル」と検索エンジンに入れてみた。当該の日記より先にあらわれたのは「ライカと味噌汁」という彼の著作だった。

早速これを探してみる。amazonでは定価1,650円のこの本が、送料を入れれば2,000円以上で取り引きをされていた。本を定価より高く買うことには、あまり気が進まない。よって更に探すとメルカリに送料込み1,200円の品があった。しかもこちらには新聞の書評の切り抜きなど「おまけ」も付いている。即、購入の手続きをしたことは言うまでもない。

僕の持つ田中長徳の写真集や評論、随筆は20冊を越える。しかし未読は1冊もない。「ライカと味噌汁」も、すぐに読むことができるだろう。


朝飯 納豆、揚げ湯波と蕪の葉の炒り煮、ラタトゥイユを添えた目玉焼き、胡瓜と蕪のぬか漬け、ごぼうのたまり漬、菠薐草のおひたし、メシ、豆腐とレタスの味噌汁
昼飯 「食堂ニジコ」の冷やし中華
晩飯 「古市庵」の鮨「新政」のエクリュ生成2020(冷や)

2022.5.24(火) 結構、真剣。

きのうの午後は「和ぱすたぽぽらまーま東久留米店」で大変にご馳走になってしまった。池袋に戻ったのは夕刻にちかい時刻だったものの、腹は満ちている。このまま真っ直ぐ家に帰るか、あるいはどこかで飲んでいくか。迷いながらも気持ちは後者に傾いていった。

活字を欠いてはひとりでの飲み食いができない。しかし持参した「夢酔独言」は昼過ぎに読み終えてしまった。飲むなら本を調達する必要がある。

銀座では5丁目の近藤書店をもっぱら使ったが、とうに無くなった。旧電通通りの旭屋書店は2008年に無くなり、8丁目の福家書店は2010年に無くなった。銀座で頑張っている老舗は教文館。床面積はギンザシックスのTSUTAYUAが最大か。

池袋には大きな本屋がいまだ複数存在する。しかし使うのはいつも駅構内、中央コンコースから北口へ至る途中の小さな本屋だ。ここではかつて小林紀晴の「写真学生」を発見した。

しらばくぶりの店には”TSUTAYA BOOKSOTRE”の看板が目立っていた。「さて昔から蔦屋だっただろうか」と不思議に感じたが、店名は特に意識していなかった。棚は小説が随分と減って、マンガが増えていた。小説は読まない、マンガも読まない、ハウツー本やビジネス書は読まないというより読めない。そんな中からどうにかこうにか1冊を選び出した。

酒飲みと本読みは、僕の三大楽しみのうちのふたつを占めている。本選びは結構、真剣である。


朝飯 牛蒡の人参のきんぴら、揚げ湯波と人参と小松菜とジャコの炒り煮、納豆、菠薐草のおひたし、蕪と胡瓜のぬか漬け、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、若布と三つ葉の味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 いぶりがっこ、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、オールドイングランドローストビーフとトマトとルッコラとブロッコリーのサラダシズカパン鶏とマッシュルームのグラタン、Chablis Billaud Simon 2015

2022.5.23(月) たまり漬をパスタソースに

朝のうちは不安定な空模様だったが、その後は晴れた。下今市09:34発の上り特急スペーシアに乗り、12時00分に西武池袋線の東久留米に至る。ここに来るのは多分、45年ぶりのことだ。当時、自由学園の学部寮から起伏に富んだ畑の道を歩いて行くと、遙か向こうに木造の駅舎が見えた。それが今や、駅の中には成城石井さえあるではないか。まるで浦島太郎である。駅前の喫茶店で時間調整の後、13時すこし前に「和ぱすたぽぽらまーま東久留米店」に入る。

「ポポラマーマ」は自由学園の同級生アケミツシ君が創業した生スパゲティのチェーン店だ。この会社の外部販売用ソースに上澤梅太郎商店の商品を使いたいと連絡を受けたのは、2020年10月のことだった。それが1年6ヶ月後の昨月にようよう完成し、販売も開始をされた。本日はお礼と情報交換のため指定の店におもむいた。店ではアケ社長と営業本部のユダオサムさん、そして外部販売グループのクラモトハルミさんが迎えてくれた。

同店のあれこれをご馳走になりながらの情報交換は2時間超に及んだ。最後は記念撮影。アケ君は年少のころより愛嬌に溢れて笑うのは得意だった。そして当方は、その逆である。それでもどうにかこうにか今日の仕事を完了させる。いずれにしても、今回のソースが「ポポラマーマ」のお客様のご支持をいただければとても嬉しい


朝飯 牛蒡と人参のきんぴら、納豆、茄子のソテー、揚げ湯波と人参と小松菜とジャコの炒り煮、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、ごぼうのたまり漬、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、トマトと若布の味噌汁
昼飯 「和ぱすたぽぽらまーま東久留米店」のなめことしその実の和風ソーススパゲティ(試食用)ミニサラダたっぷり海老と茄子の和風スパゲティレトロプリン、紅茶
晩飯 「加賀屋北千住店」のあれやこれやそれや、他あれこれ。チューハイ

2022.5.22(日) 短い包丁

「伊豆高原痛みの専門整体院」のワタナベマサヤス先生によれば、僕のからだは異変を感じる力が鈍いという。どこかが悪くなれば、それは痛みによって関知をされる。その痛みを僕は感じないのだという。そういう僕ではあるけれど、このところはいささか疲れてきた。姿勢によっては肩と腰が痛む。そういう次第にて、きのうはワタナベ先生が宇都宮から伊豆へ引っ越すに当たって紹介してくれた「ワイストータルボディケア」に行った。

この整体院にかかるときにはいつも、TUTAYA宇都宮駅東店にクルマを駐める。駐車料金は、同店でお金を使えば無料になる。僕は大抵、店内の喫茶店でお茶を飲み、それを駐車代に充てる。お茶を飲むだけでなく、本を検分することもある。きのうはある本のページを繰るうち、鎌倉の「菊一」でダマスカス鋼のペティナイフを買うはなしが出てきた。それを拾い読みしながら「何だよ、オレも欲しいじゃねぇか」と思った。

「菊一」は客の買った刃物を研いでくれるという。しかし鎌倉では気軽には行けない。僕にとって便利な場所にある刃物屋は日本橋の「木屋」だ。そこで今朝は、いまだ起きる前にiPhoneで同店のページを調べてみた。そしてこの店でも研ぎのサービスをしていることを知った。

おばあちゃんは包丁をマメに研いだ。オフクロも研いでいたと思う。家内も研げば長男も研ぐ。しかし僕は、その手の仕事は本職に任せたい。そういう次第にて、次に日本橋方面へ行くときには、僕は短い包丁を1本、手に入れるかも知れない。


朝飯 揚げ湯波と蕪の葉の炒り煮、納豆、ハムエッグ、牛蒡と人参のきんぴら、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、トマトと大根の味噌汁
昼飯 「ふじや」のタンメンバター
晩飯 「ユタの店」のピータン2種の餃子生ハムとチーズの春巻きチャーハン焼酎「鏡月GREEN」(オンザロックス)家に帰ってからのシュークリーム、Old Parr(生)

2022.5.21(土) よく考えてみよう。

「おじいちゃんは大した人だった」と考える理由は「たまり漬の創始者」という以外にも枚挙にいとまが無い。素人が株に手を出すなどはそれほどしなかっただろう時代から、東武鉄道の株だけは持っていた。それについておじいちゃんは「お客様を連れてきてくれるから」と語っていたという。一本、筋の通ったものを感じる。その株はオヤジが相続し、今は僕の手にある。

オヤジは東武鉄道の電車全線優待乗車証、いわゆる無料パスを持っていた。しかし僕は、それほどの株数は保有していない。オヤジはその晩年において、持ち株の一部を手放したのかも知れない。

先日、元国会議員が現役時代の国会議員鉄道乗車証を使い、新幹線の特急券とグリーン券を詐取したとして逮捕された。そのニュースに触れて、オヤジが昔日に所持した無料パスを思い出した。レコンキスタではないけれど、僕もできればそのパスを使いたい。

東武鉄道の株主優待制度を調べると、持ち数を5,800株にすれば。そのパスの手に入ることが分かった。しかし「待てよ」とも考えた。無料パスは人に貸すことができる。しかし当然のことながら、1度にひとりしか使えない。ということは、複数人が出張をするときは、ひとり以外は乗車券を買う必要がある。一方、5,000株以上5,800株未満の場合には、年に100枚の回数券が発行される。どちらが得か良く考えてみよう。ちなみに東武鉄道の株価は現在、コロナ禍によるものか、それほど高いところにはない。


朝飯 焼き鮭、マカロニサラダ、ひじきと梅肉のふりかけを薬味にした冷や奴、牛蒡と人参のきんぴら、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、ごぼうのたまり漬、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、キャベツと大根と人参と若布の味噌汁
昼飯 「丸亀製麺」のトマ玉カレーうどん
晩飯 トマトサラダ、オールドイングランド、茹でたブロッコリーとラタトゥイユとチーズの盛り合わせトマトとマッシュルームと牛挽き肉のスパゲティ“Briest”の2種の焼き菓子Chablis Billaud Simon 2015

2022.5.20(金) 歴史、日常、土着

3月5日から今月16日までの「汁飯香の店 隠居うわさわ」のお客様を名簿に入力する仕事はきのう完了した。同店の営業日は毎週の土日月だ。これからは、その3日間のお客様は直後の火曜日に入力しようと心に決める。もうひとつ、僕の事務机には書類が積み重ねられていて、使える空間は狭い。その狭いところで根を詰めた作業をすると肩が凝る。

「タバコも止めたいとは思っているんですが」と言った男に「今、止めろ」と詰め寄ったオバサンがいる。「いつやるのか、今でしょ」である。よって本日午前、机上の左右に積み重ねられていた書類を残らず処分する。

ところでこの2か月の隠居のお客様をコンピュータに整えながら「そういえば…」と、そのお客様のことを思い出すことがままあった。東京にお住まいの、ラテン系のお名前を持つお客様は”Really great place with delicious authentic food”との感想を残してくださった。このお客様がインターネットを通じてご予約をくださったときには「当日その時間は畳に座る式の部屋のみご用意できます」と僕はご返事をした。しかし心配は無用だったのだ。というか、自分も海外へ行けば、その土地の歴史や日常や土着を求めるではないか。

2020年の春以降、極端に絞られている国境が、ふたたび開かれようとしている。伝統家屋と日本の朝食をお楽しみくださるお客様の、更に多くなることを僕は願っている。


朝飯 菠薐草のソテーを添えたベーコンエッグ、牛蒡と人参のきんぴら、ひじきと梅肉のふりかけ、明太子、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、豆腐と万能葱の味噌汁
昼飯 朝のおかずを流用した弁当
晩飯 「和光」のお通しのゲソのたらこマヨネーズ和え温玉サラダ刺身盛り合わせおしんこ盛り合わせ、麦焼酎「吉四六」(オンザロックス)

2022.5.19(木) 記憶

寝室から応接間に出ると、月が床を明るく照らしている。窓に近寄り徐々に視線を上げる。月は南南西の空の、いくらか高いところにあった。時刻は3時06分。

家内は仏壇の花として白菊6輪を買う。6輪とも長く保つこともあるが、大抵は1輪ずつ元気を失っていく。6輪のうち数輪がいつまでもパッとしない、ということもある。今朝は6輪のうちの5輪を捨て、残った1輪の茎を鋏で詰めた。この1輪だけは、いまだ数日は保ちそうだ。

「旅とおなじく肉も魚も辺境というか端の部分が美味い」と、きのうの日記に書いた。辺境の旅といえばへディン、慧海、アムンゼン、ヘイエルダール、植村直己と、次々と頭に浮かぶ。それら偉業を為した冒険家の枠には入らなくても、鴨志田穣の「日本はじっこ自滅旅」はしみじみ、良い。

鴨志田穣の白眉は「焼き鳥屋修業」と僕は感じている。これは現在「遺稿集」に納められている。「遺稿集」の解説は伊集院静が書いている。その題名を僕は「鴨志田さんの文章」と記憶していた。しかし正しくは「鴨志田穣の文章」だった。「鴨志田さんの…」と敬称が付けられていると思い込んだのは、追悼文ともいえるその解説が、鴨志田穣への尊敬に満ちているからに違いない。


朝飯 油揚げと小松菜の炊き合わせ、トマトのスクランブルドエッグ、牛蒡と人参のきんぴら、揚げ湯波と蕪の葉の炒り煮、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、ごぼうのたまり漬、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、若布と油揚げの味噌汁
昼飯 「鳥よし」の豚カツ定食
晩飯 らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、いぶりがっこ、オールドイングランドレタスとポテトのサラダ、TIO PEPE、2種のパンラタトゥイユを添えた鶏の香草焼きVOSNE ROMANEE Jean Gros 1985

2022.5.18(水) 35×3=105

朝ごはん専門店「汁飯香の店 隠居うわさわ」へ来てくださったお客様を名簿に整えるのは僕の仕事だ。これを「そのうち」と先延ばしするうち、3月はじめからの分が溜まってしまった。前回も溜め込み、自宅で数時間をかけて入力したことを忘れていないにもかかわらず、恥ずかしい限りだ。そういう次第にて、午前からこの入力作業を始める。

上澤梅太郎商店が使っている個客名簿はファイルではなくページで管理をする。1995年5月1日に最初の7名様を入力したときには、1ページに37名様が収まる設計だったように思う。現在は1ページあたり35名様。今日はまるまる3ページ分の105名様を入力した。残りは後日に持ち越すことなく明日、また入力しよう。

夜の食卓には家内が南の島から買ってきたテビチが上った。日本で食べようが香港で食べようがタイで食べようが豚の足は大好物だ。旅とおなじく肉も魚も辺境というか端の部分が美味い。家内は味見程度、長男は子供の世話に忙しくてほんのひとくち、嫁のモモ君はこの手は苦手にて、ほとんどすべてを僕の口福とする。


朝飯 生のトマト、納豆、油揚げと小松菜の炊き合わせ、ジャコと人参と蕪の葉と揚げ湯波の炒り煮、明太子、蕪のぬか漬け、ごぼうのたまり漬、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、大根と若布の味噌汁
昼飯 「やぶ定」のカレー南蛮蕎麦
晩飯 牛蒡と人参のきんぴら、菠薐草のおひたしと牛肉のすき焼き風、豆腐のチャンプルー、明太子、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、テビチ、メシ、麦焼酎「こいむぎやわらか」(お湯割り)、西瓜

2022.5.17(火) 打ち合わせ

上澤梅太郎商店のA4サイズのパンフレットは毎年、改版をする。ところが現在のもっとも新しい版は2020年9月版第2刷。つまり2021年は改版をしなかった。その理由のひとつに、新型コロナウイルスによる、人の往来の制限があったことは否めない。「いくらでもリモートでできるではないか」と言われればその通りだ。しかし顔と顔、指と指をつき合わせられる日を待ちたくなる仕事もあるのだ。

今日は2年ぶりの大きな変更を前にして、ディレクター、デザイナー、長男、僕の4人が新橋の会議室に集まる。そして新しいパンフレットの、8月末日の完成を目指して意見の交換をする。話し合いの時間は3時間と決めてあったものの、過去の例に変わらず長引いた。今日も、最後の1時間は、会議室から喫茶店へ席を移してのものになった。

16時すぎからかかる予定だった床屋は端折った。新橋から尾張町まで歩いて教文館に寄る。複数の欲しい本が発生しても、買えば家の棚に未読が増える。よって書名を頭に刻み込むのみで外へ出る。そして歌舞伎座の前に、夕食を摂るため待ち合わせた次男の姿を見つける。


朝飯 グリーンアスパラガスの焼きびたし、油揚げと小松菜の炊き合わせ、納豆、ジャコと人参と蕪の葉と揚げ湯波の炒り煮、菠薐草と八朔の白和え、胡瓜と蕪のぬか漬け、しいたけのたまり漬、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、油揚げと三つ葉の味噌汁
昼飯 「カフェパウリスタ」のチーズトースト、コーヒー
晩飯 “IBAIA”のオリーブのオイル漬け、サービスのコロッケ、グリーンサラダビーフステーキ、ドライシェリー、グラスの白ワイン、グラスの赤ワイン

2022.5.16(月) 朝がえり

目を覚まし、しばらくしてから枕の下に手を伸ばす。iPhoneを取り出し見ると、時刻は2時04分だった。一瞬、小さく狼狽する。自宅であれば、これくらいのことで気持ちを動かすことはない。起きれば朝食まで4時間以上も自由な時間が得られるのだから、むしろめでたい。しかし今は、布団を接して理事長が眠っているのだ。勝手なことはできないではないか。

町内役員の親睦旅行でやはり早朝、というかいまだ深夜のうちに目を覚ましたことがある。どうにもならないので24時間いつでも入れる温泉の脱衣所へ行き、そこで本を読んだことがある。他の団体旅行でも、思い出してみればロビーの一角に薄明るい場所を見つけ、そこで本を読みつつ朝を待ったことがあった。それでも今朝は、途切れ途切れながらも二度寝、三度寝ができて、無事に5時30分を迎える。

「栃木県味噌工業協同組合」の泊まりがけの総会は朝食後に解散。その30分後に帰社。午前の早いうちに、事務係のコンピュータから最新のお客様情報を僕のコンピュータに移す。そして6月15日から新宿タカシマヤで行われる出張販売の、お知らせハガキのお送り先を特定する。


朝飯 「湯けむりまごころの宿・一心舘」の朝食膳
昼飯 「食堂ニジコ」の中華風焼きそば
晩飯 トマトと人参のサラダ、本物のワインで漬けた本物のワインらっきょう”rubis d’or”、らっきょうのたまり漬、プチトマトのたまり浅漬けカレーライス、Old Parr(水割りのお燗)、パイナップル

2022.5.15(日) 集まり

人から熱心に薦められ、誘われて入ってみたものの、自分の性にはまったく合わず、十数年のあいだ会費のみを納めて月例会には欠席を続けた会がある。あるいは入会金と初年度の会費を振り込んで、その創立の場に臨んだところ、これまたその場の空気に馴染めず、即、退会届を出した会もある。自分の性格からして、いわゆる「会」の一員になるには重々、気をつけなければならない。

そんな僕でも「栃木県味噌工業協同組合」の集まりには、一切の心理的な抵抗を感じないまま参加ができる。そして今日はその組合が、2年4か月ぶりに泊まりがけの総会を催す。場所は鬼怒川温泉。というか、事務局に頼まれ会場を予約したのはこの僕である。

日光市今市の旧市街ほぼ中央に位置する上澤梅太郎商店から鬼怒川温泉までの距離は15キロ。信号機がすべて青なら20分で行ける距離ではあるが、信号機がすべて青などということはあり得ない。15時30分に会社を出て計算どおり16時に会場に着く。

総会は17時からで、宴会は18時30分から。宴会や二次会の最中に先輩方から聞く話は貴重なものばかりながら、悲しいかなすべてを記憶に留めることは、とてもできない。

割り当てられた部屋には22時40分に戻った。そして数分も経たないうちに眠りに落ちる。


朝飯 油揚げと小松菜の炊き合わせ、納豆、「なめこのたまり炊」の玉子とじ、揚げ湯波と蕪の葉の炒り煮、しいたけのたまり漬、ごぼうのたまり漬、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、キャベツの味噌汁
昼飯 「蔵八」のワカメラーメン
晩飯 「湯けむりまごころの宿・一心舘」のあれやこれやそれや、他あれこれ。ビール、麦焼酎(お湯割り)

2022.5.14(土) 納豆おじさん

TikTokに「納豆おじさん」という人がいる。以前は「けんじキャンプ」の名で、焚き火や野外料理や狩猟の動画を上げていた。しかし時を経て納豆に特化した朝食が話題になり、現在の名に変えて今に至っている。

「納豆おじさん」のフォロワーの急増には、ふたつの理由があると僕は踏んでいる。ひとつは視聴者の提案に素直に従い、納豆にありとあらゆるものを混ぜて食べること。これにより視聴者は間接的にではあるけれど、動画に参加をすることができる。もうひとつは、いわゆる「アンチ」の誹謗中傷挑発に、動画を通して真摯に応える、というものだ。この姿勢によりファンはますます増える。

「納豆アレンジ一か月」という著書を持ち、市川海老蔵とコラボ配信をしたりもするこの「納豆おじさん」を招き「納豆おじさんと納豆を食べる会」を今日は「汁飯香の店 隠居うわさわ」で催す。

「納豆おじさん」はこの会に先だって、僕にライブ配信の方法を教えてくれるという。配信の開始は6時30分。有名でありながら謙虚、親切な「納豆おじさん」からの電話を僕は、製造現場の冷蔵庫で受けた。即、そこから走り出て通用口を開ける。

配信は僕の朝食の準備の進み具合から、予定より10分はやく始められた。最高視聴者数は1,500人超、常時視聴者数は100人前後。24分に及んだ配信の後は、僕の作った朝食を「納豆おじさん」にも食べていただく。

正午から13時30分にかけては店が忙しくて隠居へは行けなかったものの「納豆おじさんと納豆を食べる会」は、大変な盛況ぶりだったという。次回は僕も、その様子を見に行きたいと思う。


朝飯 めかぶの酢の物、トマトとポテトとレタスのサラダ、ハムエッグ、油揚げと小松菜の炊き合わせ、しいたけのたまり漬、ごぼうのたまり漬、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、トマトと若布と三つ葉の味噌汁
昼飯 「ふじや」の広東麺
晩飯 グリーンアスパラガスの焼きびたし、オールドイングランド2種のパンスパゲティミートソース、きのう”Finbec Naoto”からも持ち帰ったBourgogne Pinot Noir Domaine Billard Pere et Fils 2019

2022.5.13(金) それは惜しんでもワインは注文する。

長男が出張や会議で家にいない、家内も用事で不在にしている、そういう晩は、ひとりで外へ出て居酒屋なり街中華なり洋食屋へ行く。今夜はそれほど多いことでもないけれど、長男、嫁、孫ふたりの4人が家にいない。夕食は家内とフランス料理屋で摂ることにする。

居酒屋や街中華へは仕事着のままで行く。洋食屋へは、靴だけは履き替えていく。フランス料理屋となれば服も着替える必要がある。とはいえ着ればクリーニングに出す必要のあるシャツやセーターを、たかだか数十分のためにタンスから出すのも惜しい気がする。

ユニクロのズボンは”JAPAN BLUE JEANS”のそれに替えて、しかし白いポロシャツは着たままとする。半袖のシャツに上着を重ねる気はしない。その代わり、何十年も前にオフクロからもらった、LとVの字を浮き織りにした黒いスカーフを首に巻く。

雨が降っている。ホンダフィットの計器板には、外気温は19度と示されている。そうしてストレッチリムジンでは決して入っていけない細い道を鉤の手に抜けて、暖かい灯りのともる、丸太づくりのような店の前にクルマを駐める。


朝飯 たけのこ煮、3種の天ぷら、納豆、茄子とピーマンの日光味噌「辛ひしお」炒め、めかぶの酢の物、揚げ湯波と蕪の葉の炒り煮、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、メシ、豆腐と菠薐草の味噌汁
昼飯 朝のおかずを流用した弁当
晩飯 “Finbec Naoto”の其の一其の二其の三パン其の四其の五パン其の六、Bourgogne Pinot Noir Domaine Billard Pere et Fils 2019、コーヒーと焼き菓子

2022.5.12(木) どうということもない。

東京の2ヶ所と日光を繋いでのリモート会議のため隠居へ行く。周囲と隔絶された隠居であれば、電話や来客により会議を中断させられる心配はない。

隠居の庭は新緑が目に眩しい。満開だった藤はそろそろ花を散らせつつある。サツキは相変わらず元気だ。水辺に花菖蒲が咲くのは今月の下旬。紫陽花の紫色が見られるようになれば、梅雨も全盛、ということになる。

昼食をはさんで、年に1度くらいしか来られないカネヒラケンジさんと、またまた隠居で会議と打合せ。会社に戻ると閉店の17時30分が近かった。

社内の通路に孫の姿が見える。1歳5ヶ月になるシンが僕を指さし「ジジッ」と声を発する。「はーい」を返事をすれば駆け寄ってきて、身振りで抱けという。抱き上げると製造現場を差して「アジッ」と言う。「あちらへ連れて行け」ということなのだろう。しかしそれにつき合っているヒマはない。母親のモモ君に手渡すと「キャー」と叫んで彼は不満を現した。

「おじいさん」と「あちら」は、英語でこそ言えるものの、タイ語となると、僕には無理だ。タイ語には妙に厳密なところがあって「おじいさん」は父方と母方で呼び名が違う。「ここ」と「どこ」は知っていても「あちら」や「そちら」は覚えていない。

生まれて1年と5ヶ月で未知の言葉を解し始め、ほどなく話しも始める赤ん坊の能力には、驚く他はない。それにくらべて当方は衰えゆくばかりである。もっとも「私もまだまだ」などと頑張らない方が世のため人のため、ということもあるから、別段、どうということもない。


朝飯 納豆、目玉焼き、茄子とピーマンの日光味噌「辛ひしお」炒め、揚げ湯波と蕪の葉の炒り煮、ひじきと梅肉のふりかけ、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、メシ、帆立貝の天ぷらと万能葱の味噌汁
昼飯 「鳥よし」の焼鳥丼定食
晩飯 ニース風サラダ2種のパンマッシュルームと菠薐草とベーコンのソテーを添えた鯛のバターレモンソースオールドイングランドシフォンケーキ、Old Parr(生)

2022.5.11(水) バーツ円

タイには、バックパッカーとしては1980年と1982年に行った。当時、1バーツは約10円だった。定宿の楽宮旅社の料金は、ひとり部屋が1泊50バーツで、ふたり部屋は80バーツ。1階の、誰が名づけたか北京飯店のお粥は8バーツ。楽宮のある中華街ヤワラーからシーロムの盛り場までのトゥクトゥク代は15バーツと、僕は記録をしている。

長く我慢し続けたタイ行きを再開したのは2009年8月。28年を経て1バーツは2.78円に下落をしていた。もっともタイも経済発展を遂げて、8バーツだったお粥は30バーツになっていた。この30バーツを邦貨にすれば84円。1982年の80円とほぼ変わらない点は興味深い。

僕が経験したうち、バーツに対して円が最も高かったのは2011年9月29日。バンコクの、両替もする酒屋では1万円が4,060バーツになった。つまり1バーツは2.46円。しかし同日の日経平均株価はどん底にちかい8,701円だったから、何が良いのかは一概には言えない。ちなみに当時のタイの首相はインラック・シナワトラ、日本のそれは野田佳彦。

いずれにしても、おとといの日記にも書いたように、手持ちのバーツは必要にして充分の量がある。面倒なくタイへ行けるのは、いつになるだろう。


朝飯 菠薐草のおひたし、納豆、揚げ湯波と蕪の葉の炒り煮、蕗煮、大根おろし、グリーンアスパラガスの焼きびたし、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、メシ、舞茸の天ぷらと万能葱の味噌汁
昼飯 「ふじや」の味噌ラーメン
晩飯 たけのこ煮、キムチ豆腐、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、蕗煮、うずら豆、茄子とピーマンの日光味噌「辛ひしお」炒めブロッコリーのソテーを添えた豚の生姜焼き、メシ、オールドイングランド、ロールケーキ、Old Parr(生)

2022.5.10(火) Big red car.

「大きな赤いクルマ」が正しいのか、それとも「赤い大きなクルマ」が正しいのか。そういうことを考える日本人はいるだろうか。

“Big red car”は正しくて”Red big car”は誤りと教えてくれたのは、エリザベスという名の英国人だった。何を教わっても右から左へ抜けてしまう僕としては珍しく、この法則はしっかり頭に刻み込まれた。

先日テレビの音楽番組で”Little Black Dress”という名の歌手を知った。その言葉の並びはなるほどエリザベスの言ったことに反していない。それにしても、ヤケにカッコ良く歌う歌手だ。「たまには夜のテレビも視てみるものだな」と感じた。

それはさておき普段はリモートでやり取りしている外注SEのカネヒラケンジさんが、今週は日光に滞在しながら相談に乗ってくれる。カネヒラさんは明日朝からの仕事に備えて本日、到着した。僕はカネヒラさんに訊きたいこと、確かめたいことを、ここ数日のあいだ箇条書きにしてきた。そういう次第にて、夜は街の居酒屋にてあれこれと打合せをする。


朝飯 春菊と八朔の白和え、巻湯波と菠薐草の炊き合わせ、牛蒡と人参のきんぴら、グリーンアスパラガスの焼きびたし、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、トマトと大根と万能葱の味噌汁
昼飯 焼きおむすび、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、他社製のフリーズドライ味噌汁
晩飯 「和光」のお通しの蕗煮刺身の盛り合わせ漬物の盛り合わせタン焼きポテトサラダ茄子の生姜焼き、麦焼酎「吉四六」(お湯割り)

2022.5.9(月) ドル円

ある資料に拠れば、1ドル130円前後の円安は、調整をしながら今年の後半には136円に達する可能性もあるという。僕は、タイバーツは無くなる前に買い足しておく。米ドルも無くなる前に買い足しておく。

2020年3月2日、スワンナプーム空港の”VALUE PLUS”で3万円を8,640バーツに替えた。相場は1万円が2,880バーツ。ウドンタニーからバンコクに戻った3月6日には、おなじ両替所で手持ちの円のほとんどすべてにあたる16万円を48,840バーツに替えた。相場は1万円が2,960バーツ。そして現在の残高は36,423バーツ。

米ドルは、この日記によれば2010年6月2日に成田空港の両替所で19,949円を213米ドルにしている。相場は1ドル99.67円。次は2013年2月26日に、足利銀行今市支店で1,000米ドルを95,740円で買っている。相場は1ドル95.74円。その後に米ドルを買った記憶は無い。しかしいま米ドルの入っている銀行の袋には「2015.12.21」の判が捺してある。この日付けが謎である。旅が目前に迫っているわけでもない、更には年末の忙しい日に外貨など買うだろうか。当日の日記には、それらしいことは何も書かれていない。

とにかく現在、手元には1,034ドルがある。グアムやハワイやアメリカ本土へ行く計画もなければ、この米ドルはいずれ、すべてタイバーツに替えてしまおうと思う。僕は海外では大してお金を使わない。36,423バーツと合わせれば、かなり使いでのある金額になるだろう。


朝飯 めかぶの酢の物、ポテトサラダ、ハムと刻みキャベツのソテー、納豆、しいたけのたまり炊、ごぼうのたまり漬、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、若布と三つ葉の味噌汁
昼飯 コンビーフ、塩鰹のふりかけ、ごぼうのたまり漬、梅干のお茶漬け
晩飯 いぶりがっこ、コンビーフ、トマトとアボカドと胡瓜とレタスのサラダカレーライスらっきょうのたまり漬、Old Parr(お湯割り)

2022.5.8(日) ケララ

旅の持ち物はコンピュータの”TR”というファイルに覚え書きをしている。”TR”とは”TRAVEL”の略である。持ち物は増えたり減ったりしながら、現在は137点になっている。「なぜそれほど沢山のものを…」と問われれば、「薬」はアスピリンから萬金油まで25点、「デジタル」はコンピュータの埃を払うハタキからカメラの予備バッテリーまで11点、「その他」は今年の正月に届いた年賀状から緩衝材いわゆる「プチプチ」まで17点と、細かく数えての137点である。

さてその持ち物の「活字関係」は、出発日の日本経済新聞、出発日直前の日本経済新聞土曜版、出発日直前の日本経済新聞日曜版の3点を含む。飛行機は寝ているうちに移動できる深夜便が好きだ。寝ているあいだは活字は読まない。本は現地に着いてから読む。移動中の活字は新聞くらいがちょうど良いのだ。

本日の日本経済新聞朝刊第20面に、小川糸という人がケララ州へ旅したときのことを書いている。インドに通うことを好んだおじいちゃんは、あるとき「コーチンは暑くてなぁ」と、「もう行くまい」という顔をした。自由学園のアカギヒデヤ先生は、ひと月ほど滞在して触れ合った、ケララの学生の優秀さを語ってくださった。ケララへは、上質の大麻を求めて行く人もいる。

ケララのことは、しばらく前から頭にあった。今朝はそれが小川糸の随筆により甦った。インドには、1980年と1982年に行ったきりだ。2020年6月に業界の親睦旅行でインドを訪ねる計画があったものの「コロナ」により中止を余儀なくされた。

「東京 ケララ 行き方」と検索エンジンに入れてみる。スリランカ航空の「成田発コロンボ経由コーチン行き」が、僕にはもっとも良さそうだ。コロンボでは乗り換えのため1泊を要するという。「だったらスリランカの田舎にも、しばらくいたいよな」と思う。しかしてまた「どうせ寝転がって本を読んでるだけだ。だったらやっぱりケララだけで良いか」と考え直す。


朝飯 納豆、ひじきと梅肉のふりかけ、トマトのソテーと目玉焼き、揚げ湯波と蕪の葉の炒り煮、しいたけのたまり炊、ごぼうのたまり漬、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、若布と万能葱の味噌汁
昼飯 「セブンイレブン」のクリームパンとサンドイッチ、牛乳
晩飯 トマトとレタスのサラダブロッコリーのフリットたまり漬を使った2種のソースを添えたビーフステーキVOSNE ROMANEE Jean Gros 1985チーズケーキ、Old Parr(生)

2022.5.7(土) 次に読むべきは

活字中毒でありながら、本はほとんど公共交通機関での移動中か、飲み屋、食堂でしか読まない。家で本を読まなくなった理由はふたつ。いつの間にか早寝早起きになって、寝床に本を持ち込まなくなった。もうひとつは、インターネットの出現である。

僕が好き勝手にしていられるのは早朝のみ。その時間に活字を読もうとすれば、紙に印刷された文字よりも、コンピュータのディスプレイに浮かぶそれの方が鮮やかだ。紙の本を電子書籍に変えれば、ふたたび家で本を読むようになるかどうかは、試していないから分からない。

新聞は多く、昼食を摂りながら読む。日本経済新聞土曜版の楽しみのひとつは読書面だ。本日の「リーダーの本棚」は法務大臣の古川禎久。彼の座右の書は西郷隆盛の評伝「永遠の維新者」。そして愛読書の2番目に勝海舟の「氷川清話」があった。

「氷川清話」で勝が激賞する人物は西郷隆盛ただひとりと言って過言ではない。勝は西郷を褒めて褒めて心酔し、懐かしみ、そして惜しむ。その勝の認める西郷の伝記は勝田孫弥によ「西郷隆盛傳」だ。「買おうか」とも思うが慶応生まれの人の日本語を酒を飲みながら読めるかどうかは疑問だから、今はその物欲を抑えている。

ところで「氷川清話」は本日、ようやく362ページに至った。次に読むべきは、勝小吉の「夢酔独言」だろうか。


朝飯 生のトマト、納豆、ウインナーソーセージとピーマンのソテー、めかぶの酢の物、シイタケのたまり炊、ごぼうのたまり漬、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、大根と若布の味噌汁
昼飯 「ふじや」の味噌バターラーメン
晩飯 お好み焼き、ゆで玉子とスナップエンドウのサラダ、切り干し大根と人参の炊き合わせ、焼き鮭、じゃがいもと菠薐草の味噌汁、「齋彌酒造店」の「雪の茅舎秘伝山廃純米吟醸」(冷や)、孫が作ったいちごのパイ、チーズケーキ、Old Parr(生)

2022.5.6(金) 便利は不便

きのう一眼レフで撮った画像をコンピュータに取り込むべく、本棚の一角に納めた保管庫を開く。そして”NIKON D610″を食堂へ運ぶ。

きのうは撮ったばかりの画像を再生しながら、余計なボタンに触ってインデックス表示にしてしまった。画像の取捨選択や加工を僕はすべてコンピュータでする。よってインデックス表示は不要ながら、これを元に戻す方法を知らない。今朝は使用説明書に頼ってようやく、それを復旧させた。

「ホンダフィットには10年以上も乗っているけれど、1度も使ったことのないスイッチが複数ある」と先月21日の日記に書いた。カメラにも、余計なボタンは要らない。

できるだけさっぱりしたクルマを求めようとして自動車会社に相談をしたところ「タクシー仕様になります」とそっけなく言われたと、むかし「わたびき自動車工業」のナカオキミツルさんに聞いたことがある。僕の要望を理解する以前のコピー機のセールスマンは、多彩な機能を盛んに言い立てた。ナカオキさんとおなじく僕も、道具は簡素、単純な方が好きなのだ。

「機能の少ない一眼レフ」と検索エンジンに入れても、そのようなものは出てこない。今さら銀塩カメラには戻れない。リコーの”GR DIGITAL”から離れられない所以である。


朝飯 揚げ湯波と人参と小松菜とジャコの炒り煮、小松菜のおひたし、納豆、カニかまと胡瓜の酢の物、焼き海苔、ごぼうのたまり漬、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、豆腐と若布と玉葱の味噌汁
昼飯 「食堂ニジコ」の麻婆丼
晩飯 いぶりがっこ、コンビーフ、オールドイングランドトマトエッグドロップスープサラダ菜とズッキーニのサラダパン鶏とマッシュルームとマカロニのグラタンChablis Billaud Simon 2015

2022.5.5(木) 胸突き八丁

黄金週間は、今日が胸突き八丁だろう。胸突き八丁といえば真っ先に、仙丈ヶ岳へ近づいていこうとするときの八丁坂を思い出す。

自由学園の遠足は登山である。もっとも辛かったのは、高等科1年のときの富士山だ。「富士山など子供でも登れるだろう」と言われれば、我々のそれは、そういうたぐいのものではない。先ず、馬返しから森林帯を抜けるだけで、既にして疲労困憊である。八合目が迫ると、高山病により食べたものを吐く者が出てくる。山開きの前で、雪も降る。1972年の山小屋は、まるでタコ部屋を思わせた。

翌日は須走を駆け下りて、そのまま御殿場の駅まで15キロを歩いた。雪に反射する太陽光に焼かれた顔は、表情を変えるたび、激しい不快感を皮膚に覚えさせた。

高等科2年の前穂高は、四肢を使ってガレ場をよじ登る怖さを感じない者には楽だった。僕もそのひとりで、頂上に達したときは「あれ、もう終わりか」と呆気にとられた。仙丈ヶ岳の馬鹿尾根を登り降りしたのは高等科3年のときのことだ。

終業後は週に1度のミーティングを開く。胸突き八丁を越えても登り降りは続く。粛々と、歩を進めるのみである。


朝飯 ひじきと梅肉のふりかけを薬味にした冷や奴、生玉子、生のトマト、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、たけのこごはん、コンビーフと小松菜の味噌汁
昼飯 2種のサンドイッチとレーズンパン、コーヒー
晩飯 めかぶの酢の物、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、手巻き鮨のたね其の一其の二、「齋彌酒造店」の「雪の茅舎秘伝山廃純米吟醸」(燗)、西瓜

2022.5.4(水) 結構、詰まっている。

「梅太郎」の名でtiktokに朝食の動画を上げている。そのお膳に毎日のようにある「ごぼうのたまり漬」について、これはどこで買えるのかの質問をきのう、いただいた。上澤梅太郎商店である旨を答えると、その方から今朝は「おうちたまてばこを買いました」の返信があった。

人気の6種類を詰め合わせた「たまてばこ」は、山中塗りの2段重ねの箱を風呂敷で包んだもの。おなじ内容を簡単な包装にしたものが「おうちたまてばこ」だ。この詰め合わせができたときには、ごぼうのたまり漬はいまだ開発されていず、だから今回のお客様のご注文に、お目当ての「ごぼう」は含まれていない。

即、初回専用の「おためしセット」に「ごぼうのたまり漬」を追加されればお得なこと、またメールか電話でご連絡をいただければ変更が可能なことを、おなじスレッドに書き込んだ。

この、今早朝のやり取りについては9時に、事務係のカワタユキさんとツブクユキさんに伝えた。ふたりによれば、このお客様からの商品変更のメールは既に届いている、ただしご注文はYahoo!ショッピングからのものである一方「おためしセット」は本店サイトにしか置かれていないため、どうしようかと思案中とのことだった。

僕はふたりに次善の策を伝え、それをお客様にメールでお知らせするよう指示した。お客様は反応の素早い方で、いくらも経たないうちに当方の意を理解してくださった。この、tiktok経由のお客様には僕の手紙を添え、心ばかりの品を同梱させていただこうと思う。

午後、駐車場の交通整理に当たっていた長男が、僕の妹の同級生という女の人を連れてきてくれた。妹とおなじ剣道部にいらっしゃったというこの方は、僕のオフクロが稽古前のおやつとしてお好み焼きを作ってくれたことを覚えていると、教えてくださった。帰郷の折にお立ち寄りくださるこのような方を、僕はとても有り難く感じる。オフクロはとても良い死に方をしたと、僕はこの旧姓フクダさんにお伝えをした。

さて、きのうの日記には「黄金週間の繁忙の頂点は今日にあるだろうか」と書いた。しかしキャッシュレジスターを締めてみれば、今日の方が売上げは良かった。明日こそは人の出も収束に向かうだろう。そしてまた週末が来るのだ。淡々とした仕事の中には、小さな喜びが、結構、詰まっている。


朝飯 グリーンアスパラガスの焼きびたし、ウインナーソーセージとピーマンとパプリカのソテー、納豆、蕪と胡瓜のぬか漬け、柴漬け、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、春菊と若布の味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 春菊の白和え、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、東坡肉蕪と胡瓜のぬか漬けたけのこごはん、「山本酒造店」の「ピュアブラック純米吟醸」(冷や)、「金谷ホテルベーカリー」のあんパン、Old Parr(生)

2022.5.3(火) 知らなくても分からなくても

このところ、1日の中で僕のもっとも好きな景色、すなわち夜と朝のあいだの空、というものが見られない。これまでの空には夜、夜と朝のあいだ、朝、という明確な色分けがあった。しかしこのところは、夜は薄ぼんやりとした表情のまま、いつの間にか朝になる。

このようなとき、うっかり気象や天文の専門家に「どうしてでしょうね」などと訊けば、嬉々として微に入り細を穿ち、延々と説明をしてくれるに違いない。すると当方は余計に分からなくなるから、敢えて分からないままにしておく。

一体、と、ここに「一体」のふた文字を持ってくるのは古典的な用法と思うけれど、僕の日記には「知らない」とか「分からない」という言葉が多い。そしてそれを恥じない。知らなくても分からなくても、どうでも良いのだ。

それはさておき黄金週間の繁忙の頂点は、今日にあるだろうか。難しいのは明日あさっての製造計画である。こどもの日は木曜日。その2日後にはまた週末が来る。とはいえ商品は、作りすぎてもいけない。いずれ包装係のヤマダカオリさんが、良い塩梅に考えてくれるだろう。


朝飯 春菊の白和え、揚げ湯波と蕪の葉の炒り煮、納豆、グリーンアスパラガスの焼きびたし、蕪と胡瓜のぬか漬け、ごぼうのたまり漬、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、こごみの天ぷらと若布の味噌汁、イチゴ
昼飯 まぜそば
晩飯 「あづま」のサラダチキンカツ、大根と胡瓜のぬか漬け、ごはん、味噌汁日本酒(燗)

2022.5.2(月) 夏の予感

四季の中では夏が最も好きだ。日差しはきつく湿度は高く、やたらと汗をかき、しかし井戸のそばの、椰子の木と木のあいだに張り渡したハンモックでのんびり寝ているわけではないから、頻繁に水を浴びることもできない。肉体は不快でありながら、なお夏が好きとは、どのような理由によるものか。それは多分、夏の持つ原始的な生命力、緑濃く繁った植物、朝に啼く鳥や虫の声、青い空に沸き上がる巨大な積乱雲などに抗いがたく惹かれるからに違いない。

幾重にも服を着なければ凌げない冬が終わり、春が来ると、胸をなでおろす気分になる。ふと気づくと朝は随分と早くから明るくなり、夕刻も、しばらくは暗くならない。しかしその春には独立した季節というよりも「冬と夏のあいだ」という、宙ぶらりんな印象が僕にはある。志ん生流に言えば「シャツの三つ目のボタン」である。

5月の何が嬉しいかといえば、夏の予感の増してくるところが嬉しい。湿度は低く、朝夕の空気は冷涼ではあるものの、日はいよいよ高く、若緑が目に眩しい。

先月29日の朝は隠居へおもむき、連休中の予約について、家内、長男、タカハシリツコさん、僕との4人ですり合わせをした。そのときは特に気づかなかったものの、2日後のきのうの庭には藤とツツジが満開だった。水辺の菖蒲も多分、僕の知らないうちに花を開くだろう。


朝飯 生玉子、にんにくのたまり漬を薬味にした納豆、めかぶ、ひじきと梅肉のふりかけ、柴漬け、ごぼうのたまり漬、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、大根とレタスのサラダ
昼飯 ラーメン
晩飯 トマトと胡瓜のサラダカレーライスOld Parr(水割りのお燗)マンゴー牛乳

2022.5.1(日) いきなり来てはいけません。

起きて食堂に来ると4時までに30秒を残していた。いよいよ5月、である。

6時前に隠居へ去った家内から電話が入る。余分の若布があれば欲しいという。自分が使っているのは築地から取り寄せた上物だと答える。今すぐにか、と問えば8時で間に合うという。よって朝礼の始まる前、7時45分にそれを紙袋へ入れて隠居の勝手口に届ける。今週の味噌汁は若竹と若布とのことで「だったらオレも飲みてぇな」と考える。

本日の「汁飯香の店 隠居うわさわ」は、開店の8時30分からオーダーストップの13時まで満席のご予約をいただいている。お名前からすればラテン系らしいお客様の、10時15分のご予約に返信をお送りしたのは僕だ。個室をご希望でいらっしゃったので、そちらは”tatami room”である旨をご説明したが、大丈夫だろうか。

地理不案内ではいけないと、事務室の中から外へ目を光らせているものの、10時15分を回っても、それらしき姿は見えない。別件で隠居へ行くと、その4名様は、既にして個室「杉の間」でおくつろぎになっていた。

道の駅「日光街道ニコニコ本陣」へは、本日、どれだけ足を運んだか知れない。納品するそばから売れてしまう、ということではない。「こちらを入れれば、あちらが品薄」という、モグラ叩きのような状況が頻繁に発生するのだ。それでも一度に大量に商品を置くことはしない。お客様には、できるだけ新しい品物をお買い求めいただきたいではないか。

夕刻、事務室にいるところに勉強仲間のツツミタイヨーさんが顔を出す。ツツミさんは九州の人である。三菱の真新しいSUVに気づいて「クルマで、ですか」と驚くと「そうです」と笑う。旅なら公共の交通機関でノンベンダラリンと移動したい僕とは、また違う性向を持っているらしい。

それにしても「いきなり来てはいけませんね」と思う。あらかじめ連絡をくれれば近くの宿を紹介し、夜は僕の行きつけで飲めただろう。独行を好む僕ではあるけれど、相手によっては一席を設けることも厭わないのだ。

さて明日は連休の谷間の月曜日。繁忙は、どのような具合になるだろう。


朝飯 カニかまのマヨネーズかけ、納豆、菠薐草を添えた目玉焼き、ひじきと梅肉のふりかけ、柴漬け、ごぼうのたまり漬、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、菠薐草を若布の味噌汁
昼飯 「ふじや」のタンメンバター
晩飯 あれこれの野菜とツナのサラダ牛肉のスパゲティオムレツChablis Billaud Simon 2015

< 2022年4月の日記へ  2022年6月の日記へ >

上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

蔵見学