2026.7.22 (水) 遺失物の収容
起きて洗面所へ行くと、低い戸棚の上の電波時計は2時54分を示していた。
きのう20時03分に下今市の駅に着いて、跨線橋を渡りつつ、トートバッグにiPhoneの無いことを、うすうす感じた。改札口を出て待合室で調べてみると、iPhoneはやはり無かった。特急の座席指定券はiPhoneを用いて買い、席にはそのiPhoneを確かめつつ着いた。そのことからすれば、iPhoneは車内に置き忘れた可能性が高い。
それを伝えたところ、駅員は僕の席の番号およびiPhoneの色を訊ねてメモに残し、待合室で暫し待つよう言った。
下今市から終点の日光までは僅々7.1キロメートルの距離だから、iPhoneが見つかったとの、日光駅からの返事はすぐに戻った。僕は駅員の差し出した専用の紙に自分の名と電話番号を記し、明朝の、日光駅の開く時間を確かめて家路をたどった。
4階の自宅にはwifiが無く、コンピュータはいつも、iPhoneを用いてインターネットに繋いでいる。今朝はそれができないから事務室へ降りてWordPressを開き、きのう書きかけたきのうの日記をディスプレーに出したまま4階へ戻る。そしてそれをエディタに写し、文章を完成させる。
時刻はいまだ4時にも至らない。よってきのう事務室に届いたらしい、孫のリコのために買った「小さなバイキング ビッケ」の包みを解き、最初の章である「ビッケ、オオカミに追いかけられる」を読む。それでもなお時間があるため屋上へ上がり、明け方の空気に触れる。北に目を遣れば、左から右へと動いていくヘッドライトは、大谷川の手前のバイパスを行くクルマだろうか。その向こうを右から左へと動いていくヘッドライトは、大谷川の対岸を行くクルマだろうか。しかしあの川沿いに、果たして道はあっただろうか。そんなことを考えるうち、一羽の白鷺が東から西へ向かってゆっくりと飛んでいった。
食堂に戻って今度は開高健の「生物としての静物」のうち「ラッキー・ストライクよ永遠に」を最後まで読む。ここで時刻はようよう4時45分に至ったため、地上に降りて外へ出て、ホンダフィットの運転席に着く。そしてハンドルを西へと向ける。
東武線の日光駅には4時59分に着いた。にこやかに応対をしてくれた駅員は所定の紙を差し出し、僕はそれに住所、氏名、電話番号を書き込む。駅員はその電話番号を、駅の電話機で呼び出す。それに応じて僕のiPhoneは着信音を発した。ここですべては終了。きのう下り特急の車内に置き忘れたiPhoneは、無事に僕の手に戻った。今月末に東武線の特急を使うときには家内も一緒だから、今回のような粗相は免れるだろう。
夕食が終わりつつあるころ「小さなバイキング ビッケ」を孫のリコに手渡す。今は「エミール」を読んでいるという彼女に「ビッケ」はいささか簡単すぎたかも知れない。そのリコに「ドイツ語版のエミールでは”auf füße”という言葉のみ覚えている」と伝えると「それだけ覚えていてもしょうがない」と返される。おっしゃる通り、である。
朝飯 生のトマト、鮪の生姜煮、揚げ茄子、スクランブルドエッグ、胡瓜と大根の糠漬け、たまり漬「七種刻み合わせ・だんらん」、なめこのたまり炊、茗荷とズッキーニの味噌汁
昼飯 揚げ玉のつゆの素麺
晩飯 マカロニサラダ、パプリカとブロッコリーのソテーとマッシュドポテトを添えた鶏のチーズ焼き、クロワッサン、チーズ、「サンサンワイナリー」の「柿沢シャルドネ・ネイキッド2025」













