2023年7月25日に配布したうめたろう通信vol. 36のバックナンバーです。
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うめたろう通信2023年7月25日号1枚め
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うめたろう通信2023年7月25日号8枚め

【 巻頭 】自己紹介

みなさんこんにちは。日光市で漬物・味噌・醤油の製造販売をしています、上澤梅太郎商店の上澤佑基と申します。当店は日光街道の、日光にいたるひとつ手前の宿場町・今市で、四〇〇年ほど商売をしています。はじめは東照宮の年貢米を預かる蔵業として、その後、味噌醤油の醸造卸になり、第二次大戦に前後して、漬物も扱うようになりました。味噌・醤油の醸造技術を活かした漬物「たまり漬」の地域におけるパイオニアです。これからも何卒宜しくお願い申し上げます。
もくじ

  • 【 巻頭 】自己紹介
  • 【 読みもの 】日光鬼怒川 極私的観光ガイド・・・1
  • 【 ご説明 】セットの内容について・・・2
  • 【 お知らせ 】汁飯香の店 隠居うわさわ・・・6
  • 【 巻末 】キッチハイクさまとの出会い

【 読みもの 】日光鬼怒川 極私的観光ガイド

現在「日光市」と呼ばれるエリアは、平成の大合併によって、日光市、今市市、上都賀郡足尾町、塩谷郡藤原町、栗山村が合併してできた、いわゆる「グレート日光市」で、栃木県の面積の約20%を占めます。当店が在所するのは旧・今市です。ここは日光街道と会津西街道(例幣使街道)が交差するハブの町。観光地は日光の山内(さんない)エリア、いろは坂を上がった中禅寺エリア、また、鬼怒川温泉のエリアです。なかでも東照宮・輪王寺・二荒山神社の日光山内は、荘厳のひとこと。ぜひ一度は訪れてください。
では、二度目の日光は、どこに行けばいいのか。まず、宿泊は、今市のビジネス旅館「熱海館」をとってください。交通手段は圧倒的にクルマが便利です。行先は、日光でも鬼怒川でもなく、「小来川(おころがわ)」。小来川に何があるかというと… 山、川、谷、渓谷、田園、ただそれだけ。釣りがお好きな方は釣りをどうぞ。山歩きがお好きな方は山へ。史跡がお好きな方は、北関東最大の鳥居をもつ古峰神社があります。温泉に入りたくなったら、日光の市民温泉がすぐ近く。夜は今市の居酒屋へ。老舗「和光」さんで焼酎のオンザロックスを頼むと、何の説明もなく、冬の寒さで凍った沢水を切り出した、日光の天然氷がバケツいっぱいでてきます。地元産の野菜を使った料理に、シメはおにぎり。店主の庭でとれた季節の果物が出てきたら、閉店の合図です。如何でしょう?

【 ご説明 】セットの内容について

キッチハイクさま特別セット

このたびは誠にありがとうございます。以下、お届け内容のご紹介をいたします。

一、上澤梅太郎商店の「おうちたまてばこ」230g入り

当店の「たまり漬」を人気順にちょっとずつ詰め合わせにしたお徳用パックです。内容は、・らっきょうのたまり漬・たまり漬七種刻み合わせ(だんらん)・だいこんのたまり漬・みょうがのたまり漬・しょうがのたまり漬・きゅうりのたまり漬の6種類です。らっきょうは箸休めに、その他のたまり漬は、ごはんのおともとしてお召し上がりください。

二、ごぼうのたまり漬80g入り

シャキシャキの食感を残すために、あえてこの細さのものを選んで漬けています。ごぼうの香りと醤油系調味料との風味の相性のよさは食べる前からわかっています。わかってはいるのですがあと引く味。七味マヨをそえて、おつまみとしてもおすすめです。

「たまり漬」は、先々代の上澤梅太郎が戦時中に商品開発し、戦後にひろく発売したものです。もともとは、味噌や醤油の仕込み桶の底に残った残液などを漬け床として野菜を漬け始めたのがはじまりと聞いています。戦後の高度経済成長、また、バプル経済とともに、日光名物として「バズ」り、今では類似品も含めて、地域には多くのお店がでています。なお、当店は工場直売の一店舗のみです……

三、日光味噌梅太郎(白味噌)100g入り

日光市内産のお米と、日光市内産の大豆と、国産海塩のみで仕込んだお味噌です。三年以上、低温で熟成させてから出荷するため、色みは一般的なお味噌よりもやや濃いめですが、これでもれっきとした「白味噌」です。8℃の低温熟成のため、熟成感のわりにはオフフレーバーの少ない、綺麗な風味が特徴です。お味噌汁にしてもよし、きゅうりやごはんにつけて召し上がっていただくのもおすすめです。

当店のたまり漬の製法上の特徴はふたつあります。1点目は、長期低温熟成ということ。2点目は、加熱殺菌工程をもたないということです。「漬物って、長期熟成が普通じゃないの?」と思われるかもしれませんが、現代の漬物づくりは、かならずしもそうはなっていないのが実情です。また、「漬物はそもそも保存を目的とした技術のはずなのに、なぜ加熱殺菌というアイディアがでてくるのか?」(次に続きます→)

四、日光味噌のたまり浅漬けの素ー朝露ーメザメノイッテキ100ml入り

味噌が熟成するときに、味噌から染み出てくる醤油状の液体を「たまり」と呼び、古くから調味料として珍重されてきていました。こちらのたまりを、「浅漬けの素」として商品化したのがこの1本です。季節のお野菜を揉み漬けにするほか、冷奴やお刺身のかけ醤油としてもよく合います

とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。漬物が保存性をもつことができるのは、塩度が10%を超えていて、かつ、重い重石が載って密閉されているときだけです。食べておいしい程度の塩分、かつ、重石が載せられない環境下では、漬物も生鮮食品とほぼ同じ。しかし世の中では保存性が高いと思われている。流通上も常温で長くおける方が便利。というわけで、加熱殺菌という技術が生まれました。

五、松葉屋さんの徳用あげ湯波

京都の「湯葉」に比して、日光のゆばは「湯波」と表記するものが多いようです。輪王寺さんの影響からなのか、日光には精進料理の文化があり、お正月にはゆばを煮て食べる習慣があります。今回は、ふだんづかいのできる揚げゆばをお届けします。油揚げと同様、下ゆでして油分を抜いてからお使いください。お味噌汁の具にしたり、季節のお野菜とダシで煮びたしにしたりと、何に使ってもおいしい一品となります。
*製造から冷蔵で3日と、賞味期限の非常に短い商品となります。賞味期限内に召し上がり切れない場合は、冷凍して、1カ月を目安にお召し上がりください*

六、地元産の季節のお野菜

農協直売所から、出荷当日の朝どれ野菜をお届けします。(たぶんズッキーニになると思うので、その前提でお話させていただきますね。)当店で運営している朝ごはん専門店「汁飯香の店隠居うわさわ」毎月月替わりでお味噌汁を提供していますが、夏の定番味噌汁のひとつに「あげゆばとズッキーにのお味噌汁」があります。あつあつに仕上げたお味噌汁に、ごく薄くスライスしたズッキーニをうかべて、火が通るかとおらないかのタイミングで提供します。独特の青臭ささみずみずしさが、意外なほどお味噌汁によく合います。このまま冷蔵庫で冷まして、あさつき、しょうが、みょうが、大葉、ごまなど添えて、冷や汁として召し上がっていただくのもおすすめです。

加熱殺菌、非常にいい技術です。流通コストも下げられますし、安全性を担保しやすいです。しかし、問題がひとつ。完成した漬物をお湯で煮ることになるので、食感が少しだけ軟化し、香りもわずかではありますが、飛んでしまいます。これを許容できるかどうかなんですが、当店は、これを良しとしていません。そのためクール流通をお願いしています。ちょっとだけ、技術的なお話でした。

このたびは誠にありがとうございました。日差しの強い日が続きますが、みなさまどうぞ健やかにおすごしください。合います。

【おしらせ】

汁飯香の店
隠居うわさわ

ごはん、味噌汁、潰物のよろこびをお伝えします。

〒321-1261
栃木県日光市今市487
Tel 0288-25-5844
毎週土日月のみ8:30-14:00まで営業
*一組様ずつ土鍋で炊飯するため、事前予約いただけると助かります。
0288-21-0002(代)
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【 巻末 】キッチハイクさまとの出会い

当店とキッチハイクさんとの出会いは、もう7〜8年前になるでしょうか。たまたまNHKの番組を拝見したのがきっかけでした。当時、当店では、朝ごはんを提供するサービスを開始したいと考えていましたが、飲食店経営の経験もなく、具体的にどのようなオペレーションを組み立てればいいか迷っていました。そこで渡りに船とばかりにこちらのサービスを利用して、朝ごはんの提供をさせていただいたり、出張料理の催しを開いたりさせていただきました。また、コロナ禍の際は動画の配信サービスにてお手伝いをいただき、大変感謝しております。今回、改めてこのような機会をいただき、かさねて御礼申し上げます。今後とも宜しくお願いいたします。
梅太郎通信 キッチハイクさま特別号
2023年7月25日

文・絵・レイアウト
上澤佑基
発行者
株式会社上澤梅太郎商店
発行所
株式会社上澤梅太郎商店

株式会社上澤梅太郎商店
〒321-1261栃木県日光市今市487
0288-21-0002(代)