中高生のころ、学校の実習農園が那須と黒羽にありました。

 

那須では主に酪農を、黒羽では主にスギ・ヒノキの育林をしていました。

 

年に数回の実習では、三泊四日の日程で農園に泊まり込み、酪農や植林の作業を一日中、授業としてこなします。朝は四時に起きて仔牛にミルクを与えたり、ホルスタインの小屋の清掃をしたり、給餌をしたり、搾乳をしたり。朝食を挟んで午前中は牛の餌となるデントコーン畑での作業や牧草畑の雑草取りや石出しをして、午後一杯は牛の放牧。

 

また、放牧していた牛を牛舎に戻す作業。簡単な大工仕事というか、小屋の修繕などもしていました。黒羽では、早朝に鎌を研ぎ、弁当持参でひたすら山の下草刈り。木の健康のためにも鬱蒼とした林にしてはならず、枝の除伐や間伐なども大切な作業でした。

 

これらの作業のなかで、いちばん人気がなかった作業は、牛糞掃除でも山仕事でもなく、「コーンと牧草のサイロだて」。コンクリートで作られた幅*奥行*深さすべて三メートルほどのピットに、飼料をつめこんでいく作業です。牧草用のフォークを持って、この穴の中に入っていき、上から容赦なく運ばれてくる草やコーンを平らかにならしていきます。穴のなかにはすでに真っ黄色になり、クモノスカビ状のものが生えた草やコーンが大量に詰め込まれています。これがとにかく酸っぱ臭い。しばらく全身から臭いが抜けないほど。そう、乳酸発酵です。