2023年3月15日に配布したうめたろう通信vol.32のバックナンバーです。
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うめたろう通信2023年3月15日号1枚め
うめたろう通信2023年3月15日号2枚め
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うめたろう通信2023年3月15日号8枚め

【 巻頭 】今市歳時記(1)

当店が所在する日光市今市地区は、日光街道と会津西街道(例幣使街道)が交差する宿場町としてかたちづくられた町です。この街道沿いに鬱蒼とそびえるのが、日光杉並木。各藩の大名が日光詣をする際に、雨風をしのぐことができるようにと、松平正綱が家康公の三十三回忌に合わせて杉の苗を植樹し、東照宮に寄進したものです。現在も全長約37キロメートル、約一万二千本の杉の並木は壮観というほかありません。そしてこの時期、毎日、黄色い帯が空にたなびいています・・・・・・
もくじ

  • 【 巻頭 】今市歳時記(1)
  • 【 読みもの 】一般漬物学入門(5)・・・1
  • 【 ご説明 】セットの内容について・・・2
  • 【 お知らせ 】汁飯香の店 隠居うわさわ・・・6
  • 【 巻末 】今年の旧暦初午は2月5日でした

【 読みもの 】一般漬物学入門(5)

イザヤ書に記された「発酵させた飼い葉」。これがどのようなものであったか、ヘブライ語の原文にあたってみた。

イザヤ書から引用されたヘブライ語

(強調筆者https://mechon-mamre.org/p/pt/pt1030.htm より引用。2023.03.10 閲覧)
 太字で強調した部分が「発酵させた」の部分。ヘブライ語は到底読めないので、英語の逐語訳を見てみると、この単語は「cure」に相当すると出てきた。 cure を辞書で調べると「治療する」「矯正する」という意味だが「食物や嗜好品を塩漬けや燻製にして、保存用に加工する」、というような意味合いもあるらしい。イザヤ書の当該箇所は「塩を加えた」という訳も多数存在することもわかってきた。塩が入っていたのか、あるいは入っていなかったのか。関心としてはここが勘所なのに、暗礁にのりあげてしまった。
イザヤ書は紀元前8世紀に成立した。イザヤ書の舞台であるエルサレムと当時のエジプトの中心テーベは750kmほどの距離にあり、これは、東京~尾道とほぼ同等である。古代エジプトですでにサイレージの技術が確立されていたとすれば、これが伝播するには十分に近い。それにしても、「発酵させた飼い葉」って、どんな味だったのだろう?

【 ご説明 】セットの内容について

日光春の訪れを楽しむセット

このたびは第31回目の日光美味定期便をお申込みいただき、誠にありがとうございます。日光の町の様子も、だんだん春めいてきました。梅の花の開花は、昨年と比べて10日ほど早いような気もいたします。例年、三月末に梅の名残、山桜の開花が重なるのですが、今年はどうなるでしょうか。杉並木の花粉も大変元気で、店頭は毎日まっ黄色に染まっています。それでは、以下、お品物のご紹介です。

一、三ツ山羊羹さん(日光市中鉢石)のひとくち羊羹8個折

日光の参道で羊羹屋さんを営んでいる三ツ山さん。小豆の香りと、昔ながらの濃厚な甘さ、そして、「ねっとり」と「むっちり」の中間のような食感。
自分でも何度か羊羹を炊いてみてわかったのですが、素人が煉りあげたのでは、なかなかこういう塩梅に仕上がらないのです。(ぽりんとした触感になってしまうんです。)濃いめのお茶といっしょにどうぞ。

地名の鉢石(はついし)の由来は、日光開山の祖となった勝道上人が、道中に腰かけた石からその名前がついたといいます。この石、日光街道を上がっていく途中、向かって右側に現存しています。小型のリアカーの荷台部分くらいの大きさの石で、しめ縄がはってあります。三ツ山ようかんさんの駐車場からよく見えますので、お越しの際はどうぞ御覧ください。

二、石田屋さん(日光市御用邸通り)のおせんべい三種おつめあわせ

いわずとしれた日光銘菓、石田屋さんのおせんべいです。栃木県は新潟県に次ぐ米菓生産県でもあり、原料となるお米が豊富に採れ、日光の山から流れてくるような地の恵を感じます。

  • 伝統塩バターニ甚五郎煎餅」としておなじみの味付けで、ふんわり香るバター、ほどよいしょっばさです。
  • 南高梅ざらめこ碑風味のざらめせんべいです。春らしい一品です。
  • 胡麻ごまシJまの香り高いお煎餅です。お茶請けにも、おつまみにも。

石田屋さんの商品名にもなっている「左甚五郎」ですが、日光東照宮の彫刻を作った達人として知られています。しかしながら、その素性はほとんど謎。その作品についても伝説めいたものが多く、真偽のほどはわかっていません。それらの伝説にさらに尾ひれがついて、講談、浪曲、落語などの演目になっています。日光が舞台の甚五郎ネタはあまり聞いたことがないのが、ちょっと残念です。

三、上澤梅太郎商店(日光市今市春日町)のキャベツとセロリのたまり浅漬100g入り

季節の春キャベツとセロリを、たまり風味の浅潰けにしました。昆布と唐辛子の味がアクセントとなります。ごはんのお供や晩酌のおつまみのほか、多めの油でいためてパスタの具としていただいてもよく合います。どうぞお試しください。

四、上澤梅太郎商店の日光味噌ひしおの肉味噌印150g入

四種類の麹(お米、大豆、大麦、小麦)をブレンドして仕込んだもろみ味噌に、定番のたまり漬を刻んで潰け込んだ日光味噌「ひしお」。こちらをベースにした豚肉味噌をつくりました。こちらもごはんのお供のほか、中華麺とあわせてジャージャーメンふうにお召し上がりください。豚肉は今回も信頼の町のお肉やさん「鳥秀」さんに、脂肪分少な目・赤身多めの特別仕様で加工していただきました。

このたび、当店では、 50年か 60年ぶりに木桶仕込みの味噌を造ることとして、準備を進めています。とはいえ、造る量はたかだか数十キロ、後学のためにやってみるといった意味合いのものです。われわれの業種の常として、試験的に仕込んだものの結果がでるのが数年先になってはしまいますが、どのようなものになるか、いまから楽しみにしています。

五、上澤梅太郎商店の日光みそのたまり漬つぶより150g入

栃木県産の大粒のらっきょうのみを使用。らっきょうは、収穫時、株から大小さまざまのものが混ざりあった状態ででてきます。小さめの玉ねぎサイズのものから、小指の爪の先ほどのものまであります。これらを、てまひまかけて選別して、規定のサイズのもののみぬきだして、じっくり漬け上げました。大粒ならではのみずみずしさや歯切れをお楽しみください。

六、日光みそのたまり漬ふきのとう80g入

西会津の山奥、新潟県との県境で採れたふきのとうを塩漬けにして、乳酸発酵させたのち、たまりに漬けています。春の訪れを感じさせる味わいではありますが、当店の長期熟成を要する製法上、このふきのとうは昨年に収穫されたものです。西会津は雪深く、5月の大型連休にならないと山に入れないほど。ほろ苦さが、こってりした味わいによく合います。玉子かけごはんや釜玉うどんの味付けにおすすめです。たまりにどっぷりと浸かっていますので、軽く絞って、こまかく切ってから召し上がってください。

このたびは誠にありがとうございます。どうかみなさま、この春も健やかにお過ごしください。>

3 月13 日(月)から、マスクの着用が個人の判断になるということで、ディズニーランドはじめ各社、あたらしいルールに対応しているところかと思います。おもえばこの数年、いろいろな方針や周辺環境に配慮しながらの運営でした。当店は、少なくともスタッフについては、蔵と店とが直結であることから、衛生管理上、マスクの着用習慣は続けるべきかなあなどと考えています。

【おしらせ】

汁飯香の店
隠居うわさわ

ごはん、味噌汁、潰物のよろこびをお伝えします。

〒321-1261
栃木県日光市今市487
Tel 0288-25-5844
毎週土日月のみ8:30-14:00まで営業
*一組様ずつ土鍋で炊飯するため、事前予約いただけると助かります。
0288-21-0002(代)
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【 巻末 】今年の旧暦初午は2月5日でした

近年、学校給食などでも「郷土料理を食べる日」というのが設定されて、こどもたちがこれに親しむ機会が提供されているようです。栃木県ではなんといっても「しもつかり」。荒巻鮭の頭、竹製の「鬼おろし」でおろした大根とにんじん、そして節分の大豆をいっしょに煮て、酒粕で風味付けをしたものです。多くの家庭ではこれを年末年始や節分に食べたりしますが、我が家では旧暦の初午に合わせて作り、店のお稲荷さんにお供えをします。見た目や魚の香りなどから地元でも苦手とする人もいますが、いえいえ。和製ブイヤベースともいうべき、実に滋味深い食べ物です。こういう時に、洋風の料理に譬えなければならないのがちょっと残念ではあります。
梅太郎通信 vol.32
2023年3月15日

文・絵・レイアウト
上澤佑基
発行者
株式会社上澤梅太郎商店
発行所
株式会社上澤梅太郎商店

株式会社上澤梅太郎商店
〒321-1261栃木県日光市今市487
0288-21-0002(代)