2023年6月15日に配布したうめたろう通信vol. 35 のバックナンバーです。
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うめたろう通信2023年6月15日号1枚め
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【 巻頭 】今市歳時記

六月になり、雨の日が増えてきました。栃木県は全国的にも雷の多い土地柄として知られていて、宇都宮は「雷都」とも呼ばれています。南側からの暖かく湿った空気が日光連山にぶつかり、急速に冷えて大きな雨雲をもたらすのだと思います。季節の変わり目にはかならず雷が鳴ります。それも「雷三日」といって、夕立が三日間つづくのです。今年も例年通り、五月末に夕立の続く日がありました。春から梅雨へ、梅雨から夏への移ろいを感じます。そろそろ、らっきょうの収穫期です。
もくじ

  • 【 巻頭 】今市歳時記(5)
  • 【 読みもの 】一般漬物学入門(8)番外編・・・1
  • 【 ご説明 】セットの内容について・・・2
  • 【 お知らせ 】汁飯香の店 隠居うわさわ・・・6
  • 【 巻末 】どうなっちゃうんだろう、というのが本音

【 読みもの 】一般漬物学入門(8)番外編

先日、下北沢にある発酵デパートメントさんでのPOP UPに向けた設営日に合わせて、発酵デパートメントのオウンドメディアであるポッドキャスト番組「ラジオただいま発酵中」の収録をしてきました。発酵デザイナー小倉ヒラクさんと、バックパッカーズジャパン取締役の石崎嵩人さんとご一緒させていただき、約30分のプログラム3回分がすでにspotifyとyoutubeにアップされていますので、よろしければ聴いてみてください。ここで、漬物の起源(無塩乳酸発酵)をめぐるはなしや、日本における漬物と味噌の製法の類似性のふしぎ(日本においては、味噌もまた、漬物のバリエーションのひとつといえるのではないか?)などについてお話をさせていただきました。ちょうど、小倉さんがインド東部のマニプール州(ビルマとの国境のまちで、州都はかの有名なインパールです)への取材旅行から帰国したばかりということで、そのお話も伺うことができました。このマニプール、無塩乳酸発酵漬物の宝庫ということで、非常に面白くお話をうかがうことができました。なんでも、収穫した野菜をぎゅうぎゅうに瓶につめて日なたに放置することで漬物を作るとか。とくに菜っ葉で作った無塩乳酸発酵漬物「グルンドゥルック」は二枚貝のうまみ成分コハク酸が豊富で、、乾燥させて粉末状にしてスープのもとにするそう。「それはかつお節ならぬ『菜節』ですね!」と盛り上がったのでした。

【 ご説明 】セットの内容について

日光の梅雨を楽しむセット

このたびは第34回目の日光美味定期便をお申込みいただき、誠にありがとうございます。田植えが終了し、いよいよ夏野菜の収穫期を迎えてきています。それでは、以下、今月のお品物のご紹介です。

デンマーク発の「NOMA」というレストランがあります。その土地土地に根ざした食材や、それらを活かしきる発酵の技術を応用した料理で、世界一のレストランとの呼び声も高いお店です。こちらのお店で修行された、リトアニア出身の料理人と知り合う機会がありました。タケノコや山椒など初めて見た!と大興奮。帰国前に、近所の山で採取した山椒の葉っぱと実をプレゼントしました。

一、みしまやさん(日光市鉢石町)の人形焼き7個入り

*賞味期限の非常に短いお品物です。到着日当日にお召し上がりいただき、お召し上がりいただけなかった分は冷凍保存してください。冷凍後は1週間を目安に、自然解凍してお召し上がりください。*
日光彫の老舗、三島屋さんの若店主が、その彫刻の技術によって日光をモチーフにした人形焼きを作られています。はちみつの香り高い、しっとりとした皮、豆の味の濃厚なこしあん、すべて手作りの日光の新名物です。今回は、三猿をモチーフにした3個のみ、日光名物の山椒入りとしていただきました。ただいま修学旅行シーズンにつき大変な忙しさとのことですが、どうぞ日光彫のお店と合わせてご来訪いただければ幸いです。(木曜休)

おなじ町会には松葉屋さん、となりの町会には「勇屋」(いさみや)さんと、当店から徒歩5分圏内に、お豆腐屋さんは2軒あります。勇屋さんに朝8時ごろ行くと、1杯100円で、しぼりたてのホカホカの豆乳を飲ませてくれます。台湾風朝ごはんの豆漿が流行していますが、わざわざ台湾まで行かずとも、近所にこんなに素晴らしいお店があるなんて!これが本当の豊かさだよなあ、としみじみ。

二、松葉屋さん(日光市今市春日町一丁目)の徳用あげゆば1袋

*賞味期限の非常に短いお品物です。冷蔵保存の上、お早目にお召し上がりください。残った分は冷凍保存すると長持ちします*
日光には、輪王寺を中心に、独自の精進文化が存在します。その代表的な食材が、ゆば。漢字では、関西の湯葉に対して、「湯波」と表記することが多いようです。病厚で、しっかりとした食べ応えが特徴です。今回は、近隣のお豆腐屋さんである「松葉屋」さんから、徳用のあげゆばをお送りします。下ゆでして油を抜いて、季節のお野菜と煮びたしにしたり、味噌汁の具にしたりしてお召し上がりください。

二、上澤梅太郎商店(日光市今市春日町一丁目)の胡瓜のたまり浅漬け

早生のきゅうりが旬になってきました。地元産のきゅうりを、当店のたまりにさっと漬けた浅漬けです。毎朝のおともに、どうぞお召し上がり<ださい。
*賞味期限の短い品物です。冷蔵庫に保管の上、お早目にお召し上がりください。*

四、上澤梅太郎商店の日光味噌梅太郎白みそ

日光市内産のお米(コシヒカリ)で糀をつくり、日光市内産の大豆(里のほほえみ)を醸したお味噌です。仕込み後、低温の室で3年以上熟成させてからパッケージングしています。低温熟成のため、まろやかな味わい熟成感の割にはオフフレーバー(納豆系の香りや渋みえぐ味)の少ない、綺麗な味わいの味噌です。ゆばのお味噌汁にどうぞ。また、当地では、炒りつけた茄子やピーマンなどの夏野菜入りの味噌だれでそうめんをたべる習慣があります。こちらもよろしければお試しください。

ラジオの収録で一緒だったバックパッカーズジャパンの石崎さんは、1985年栃木県生まれ。ホステル、キャンプ場、ビール醸造場付きレストランなど、素晴らしい場所をどんどん開発している気鋭の経営者なのですが、味噌だれそうめんを食べたことがないと言っていました。たしかに我が家も、母が東京出身のせいか、以前はそこまで食べていなかった気がします。やってみると納得の味です。

五、上澤梅太郎商店のひと口だいこん

定番のだいこんのたまり漬をひと口大に刻みました。こちらはぜひともあたたかいごはんのおともにして召し上がってください。実は当店の品物のなかで、もっとも製造工程が長い(熟成工程が長い)のが、こちらの大根のたまり漬です。詳細は省かせていただきますが、収穫から塩漬けで1年、たまりで2年弱、全部で3年ちかくかかってようやく蔵出しとなります。抜群の歯ごたえと香りをお楽しみください。

六、上澤梅太郎商店の濃厚仕上げらっきょうのたまり漬黒太郎

らっきょうのたまり漬を、たまりの味をリッチに仕上げました。定番の味が箸休めなら、こちらはさしずめおかずでしょうか。らっきょうは6月末に収穫し、半年ほど塩漬けにして乳酸発酵させ、うまみを熟成させたのちに整形して、甘酢に漬け換え漬け換えしながら味を熟れさせていき、最後にたまりで仕上げる工程をとります。袋詰めののちは加熱殺菌することなく、お客様のお手元へ。シャキシャキ感と香り、まろやかな甘味と酸味が特徴です。今後とも何卒宜しくお願いいたします。

来月の内容は、以下のとおりです。

  • ・本澤屋さんのかまぷたまんじゅう
  • ・北野谷商店さんのところてん
  • ・福島商店さんの中華めん
  • ・八木澤ファームさんのハバネロ味噌ドレッシング
  • ・日光味噌のたまり浅漬けの素ー朝露一
  • ・日光味噌ひしお
  • ・らっきょうのたまり漬

もう東京はお盆になりますね。どうぞお元気でお過ごしください。

【おしらせ】

汁飯香の店
隠居うわさわ

ごはん、味噌汁、潰物のよろこびをお伝えします。

〒321-1261
栃木県日光市今市487
Tel 0288-25-5844
毎週土日月のみ8:30-14:00まで営業
*一組様ずつ土鍋で炊飯するため、事前予約いただけると助かります。
0288-21-0002(代)
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【 巻末 】どうなっちゃうんだろう、というのが本音

東京都は、6 月 7 日、渋谷区道玄坂二丁目エリアを、「東 京のしゃれた街並みづくり推進条例」の「街区再編街づ くり制度」に基づき、「街並み再生地区」に指定した。 東京の町がスクラップアンドビルドを繰り返して新たな 命を得てきたことは否定しようのない事実だし、われわ れはその恩恵も得てきた。実際に、いま百軒店エリアを 歩くとシャビーなところ、治安の悪そうな日陰の場所も 多い。しかし、台湾料理麗郷からユーロスペースにま わるというのが学生時代の定番でした。そして、カレー のムルギーは親戚の店なので、文字通り他人事ではない。 とはいえもはや東京都民でもないし、思い出にすがって いるだけといわれれば、確かにそれまで、でもあります。
梅太郎通信 vol.35
2023年6月15日

文・絵・レイアウト
上澤佑基
発行者
株式会社上澤梅太郎商店
発行所
株式会社上澤梅太郎商店

株式会社上澤梅太郎商店
〒321-1261栃木県日光市今市487
0288-21-0002(代)