糠漬けとは?

この須須保利から発展して、現代にも受け継がれている漬物に、糠漬けがあると言われている。
米ぬかを塩水で混和して味噌状のペーストにして、乳酸発酵を起こして漬け床にする。
ここに生野菜を漬けて数日で食べるのが糠漬けである。

白米の主食化と糠漬け

非常に伝統的な食品のように思われているが、一般化した歴史は比較的浅く、江戸時代に入ってからと考えられている。
漬け床に使用する米ぬかは、コメを精白する際にでる白米の副産物である。
従って、広く一般に白米を主食にするようにならないと米ぬかも生産されない。
江戸・大坂といった都市部が形成され、十分に人口が密集してコメの流通網ならびに取引形態が整備されてはじめて日本人は白米を主食化できるようにならなければ、糠漬けも一般化できないのである。
酒といえばドブロクだった中世から、これを搾るという発想から酒粕が生産されることになった。
酒粕は奈良漬や粕取焼酎、もろみ酢などの諸製品を生んだが、白米の主食化も、同時に、副菜としての糠漬けを生んだのである。

漬物のインスタント化

この糠漬けだが、非常に不思議な漬物と思える。
漬け期間はごく短いのに、発酵の程度は比較的強い。
浅漬け的な製法によって古漬け的な風味を得ることができる。
漬け床を強烈に発酵させることによって、漬物自体のインスタント化を図っているのである。