重要な参考文献―『漬物の機能と科学』
「一般漬物学入門」と称して、漬物をめぐる海峡や、上代日本の漬物レシピの再現をとおして、
漬物のおもに文化的な側面を明らかにできればと考えてきた本稿ではありますが、重要な参考文献を見落としていたことに最近気が付いてしまいました。
二〇一四年、一一年も前に出版されていた前田安彦・宮尾茂雄編 食物と健康の科学シリーズ『漬物の機能と科学』(朝倉書店)がそれです。
これまで概観してきた、歴史的な漬物の発展について、中国の『斉民要術』からはじまり、『延喜式』にも、当然触れていますし、無塩乳酸発酵によって得られる動物飼料(サイレージ)についても、漬物の一種であると断言がされているほか、木曽地方のすんきや、ネパールのグルンドゥルックなど、無塩乳酸発酵菜漬についても言及があり、非常に広範な漬物についての知見が紹介されていました。
サイレージの仮説と研究
「漬物の原点はサイレージにあるのではないか?」との自分なりの仮説ではありましたが、すでにあっさりと紹介されていました(それも、編者の前田先生は、宇都宮大学農学部の名誉教授!)。
自分ひとりの思い付きも、すでに誰かが研究しているものなんだなあと改めて不勉強を恥じたのでした。
なお、アメリカの発酵食品ジャーナリスト、サンダー・エリックス・キャッツも、サイレージに注目しているひとり。
農場でのサイロ建てから経験した実感が、すでに各地で共有されていたんですねえ。




