お茶と発酵の機序

新茶の季節になりました。
ことしは春から初夏にかけて気温の低い日が多く、お茶の芽吹きも一週間ていど遅れたようです。
お茶には大きく分けて発酵茶・半発酵茶・無発酵のお茶があるとされています。

それぞれ、紅茶・烏龍茶・煎茶がそれらに当たりますが、「発酵」の機序は、漬物や酒などのいわゆる発酵食品とは異なります。
葉のなかに含まれる自己分解酵素をどのていど働かせるかによってお茶の種類が変わってくるのがお茶の「発酵」であり、微生物の増殖によって産み出される各種の酵素や乳酸、二酸化炭素やアルコールを利用する「発酵」とは、少しことなります。
微生物を利用するのが狭義の発酵、自己分解酵素まで含めるのが広義の発酵というわけです。

茶の漬物の味を求めて

またややこしいのが、「熟茶」と呼ばれる中国の普洱茶や、四国にある阿波番茶や碁石茶は、茶葉を容器に詰め込んで重石をかけ、無酸素状態を作り出すことで乳酸菌その他の菌を呼び込み、微生物による賦香をする、狭義の発酵を経たお茶もあることで、これはやはりサイレージと同様の技術体系のひとつであるといえます。

さらに、中国西南部からミャンマーにかけては、茶葉を塩漬けにした、お茶の漬物が食べられています。
ぜひ現地で食べてみたいものですが、現在の政情不安と地震の影響から、その機会はまだまだ先になってしまいそうです。