焼きしめてこそ、お菓子
粉の微粒子の、一粒一粒にまで火が通ったようなお菓子が好きなんです。
だから、スポンジよりはパウンド。
ケーキかタルトか選べるときは、いつもタルトを選んでしまう。
パイかタルトかと言われても、やっぱりタルト。
タルトが好きなだけなのか?笑
ウチの最寄駅の東武下今市駅のほど近くに、がっちりと焼きしめたお菓子の美味しいお店があるんです。
それが、“Café Le Brun”。
ビルの1階の、ちょっと奥まったところに、楚々としたお店があります。
ケーキ屋さんとカフェを兼ねていて、入り口のところでお菓子とお茶を注文します。
ふつうの生ケーキもおいしそうですが、ここはやはり、タルトで。
この時期にふさわしい、ローストしたくるみといちじくのタルトでした。
コーヒーも深入りで、しっかり苦い。
コレコレ。こういうのですよ。
店名の、”Le Brun”は、フランス語で茶色・褐色を表すことば。
お菓子もコーヒーも、ついでにインテリアも、みごとに茶色。
いぜん、ケーキ屋さんに勤務経験のあるうちの社員が、
「ほんとうに美味しいお菓子は焼きしめてあるものだと教わるんですけど、やっぱり装飾的なもののほうが売れるんですよね」
と教えてくれたことがありました。
やはり、ケーキは、今もって、「ハレ」の食べ物だからでしょう。
「ハレとケ」を区別するそういう感覚は、とっても大事なものだと思います。
でもやっぱり、ぼくは、深い褐色に焼きしめられた、ずっしとしたタルトが好きなんだよなあ。