福野礼一郎という人

自動車ジャーナリストの福野礼一郎という人を寡聞にして知りませんでした。日本カーオブザイヤーの審査員として、また、クラシックカー評論家として、また、刀剣や銃器のコレクターとして、また、カメラの収集家として……と、さまざまな顔をもっているいわゆる「趣味の人」ですが、この人が自動車工場に取材した記事を読んでいて非常に興味を持ちました。

より良い自動車をつくるためには

いわく、より良い自動車をつくるためには「設計技術」と「生産技術」のふたつの技術が重要である、と。新型のクルマそのものを開発するには前者が、それを高精度で・想定コスト内に・オンタイムで・大量に生産するためには後者が必要で、この両輪は不可分であるというのです。

目から鱗が落ちる思い

産業における「技術」の本質を、こんなにも明確に伝えてくれるひとはいままでほかにいなかったと、目から鱗が落ちる思いでした。燃費と馬力を両立できるエンジンを開発した。空力性能にすぐれるボディをデザインした。もちろんそれは素晴らしいことですが、一点ものでは産業として成り立ちません。

今年の課題

翻って我々の仕事に置き換えてみれば、どれだけ素晴らしいレシピをつくろうとも、それを量産できる体制や仕組み、そしてそれを実現するための機械装置と、それらを適切にコントロールできる人間の技量がなければ、ただの画餅です。この気づきを、どれだけ活かせるか。これが今年の課題となりそうです。