カブのススホリ
一月、あるていど漬かってきたカブのススホリは、拍子抜けするほど普通の「カブの漬物」であった。京都の名産品「すぐき」はカブの一種を乳酸発酵させた漬物であるが、これとほぼ同様の味わいがある。
漬物の技術と歴史
現代の原材料と現代の道具立てを使用しているのだから当然かもしれないが、漬物(古漬け)の基本的な技術は、この当時から現在に至るまで、ほとんど変化していないことがわかる。
製造フローの最初の工程にあたる塩蔵工程についてはイノベーションが起きておらず、むしろその後の諸工程においてさまざまな工夫が施された、というのが漬物(製品)の歴史ではないかと思われる。
色の変化
五月一三日、フタを開けると、クリーム状の膜が全体を覆っていた。膜にさわるとヌルヌルしているため、米由来のでんぷん質が滲出したところに、産膜が張ったものと思われる。
また、全体的に液成分が黄色味をましており、ほのかなアルコール臭と酸臭がした。
カブ由来の硫化物の色、あるいはメイラード反応による着色と考えられる。
重量と歩留まり
水気を切って計量してみると、約910gであった。一月にサンプルとして採取したものとあわせると、約980gとなる。計算上の仕込み塩度としては約5%なので、漬物980gのうち塩分は約50gとなり、カブそのものとしては930gになったことが示唆される。
仕込み時のカブの重量は1200gほどだったので、水分がぬけて、歩留まりは80%となった。




