小倉ヒラクさんの新刊

「発酵デパートメント」の主催者であり、数年前にふらりと当店にあわらわて、その様子を紀行文『日本発酵紀行』にまとめてくれた発酵デザイナーの小倉ヒラクさん。

新刊は『オッス!食国(おすくに)』というややふざけたタイトルの本ですが、内容は硬め。
折口信夫『大嘗祭の本義』の批判からはじまり、日本の有史以来、日本の政治と祭祀に、各地のローカルな食べ物がどれほど重要視されてきたかを解きほぐしていく、日本の食と文化をめぐる人類学の入門書です。

この本に影響されて、イザヤ書であったり延喜式であったりを読んできたのですが、フト思い出したことがあります。

瀧尾神社の秋季嘗祭、宴会に本義を感じる

地元の鎮守である瀧尾神社(たきのおじんじゃ)で祭行されていた「秋季嘗祭」のことです。

神社に各町会の代表が集まり、宮司の祈祷をうけたのちに直会となるのですが、ここで、神饌として捧げられた季節の産物をわいわいと食べる宴会が、神事とひとつながりになっているのでした。

ここで振る舞われる料理は宮司のご母堂の手作りで、新米のごはんにけんちん汁、里芋の煮っころがし、モロ(むきさめ)の煮つけ、そしてぬか漬けなどの各種漬物が定番だったとのこと。

季節の恵み、そしてローカルな食べ物を神様に捧げ、人もそれを一緒にいただく、まさに「本義」を感じるお祭りでした。

残念ながらコロナで途切れてしまっていますが、せめてここに記録しておきたいと思いました。