動物とナトリウム

動物は、その身体機能を正常に保つために、一定量のナトリウムを体内に保持している。

肉食動物の場合、このナトリウム分は、他の動物を捕食することで、その筋肉や血液から摂取している。
しかしながら、草食動物にはその機会がない。

したがって、草食動物は岩塩などからこれを摂取することになる。
家畜は、植物性の餌だけでは慢性的なナトリウム不足に陥ることがあり、塩を中心としたミネラル分を、餌に混合して補う必要がある。

「cure」の解釈

イザヤ書における cure の解釈が「発酵させた」であればサイレージ、すなわち無塩乳酸発酵による飼料の質的改良が紀元前八世紀にすでに実施されていたことになり、また、「塩をまぜた」という解釈になれば、家畜にナトリウム分を与えることが家畜にプラスの効果をもたらすことが知られていたことになる。

漬物の起源はサイレージにあるという仮説

あるいは、第三の解釈として、飼料をサイレージする際に、塩分を混和していた可能性も否定できない。

旧約聖書の舞台であるエジプト北部、シナイ半島周辺地域は、海に対して開かれた場所であり、高塩度の湖「死海」があることでも知られていて、比較的塩は入手しやすい環境があった。

「漬物の起源は無塩乳酸発酵、とくにサイレージにあるのではないか」という仮説が本稿の最大の関心事であるが、そもそもサイレージには、初期より、若干の塩分が含まれている可能性がでてきたことになる。