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戀する者と酒飲みは地獄に行くという  根も葉もないたわごとに過ぎぬ
戀する者と酒飲みが地獄に墜ちたら  天國は人影もなくさびれよう
Omar Khayyam

 2002.0731(水) 夏の煮こごり

朝1時30分に起床する。

事務室へ降り、昨夜の 本酒会 の投票結果を、マイツール上にデイタベイス化する。これをメイルマガジンにして会員に送付すること、ウェブペイジにすること、紙の会報にして封筒に詰める仕事は、後日まわしとする。

きのうの日記を作成したり、ごく短いメイルを書いて送ったり、 ウェブショップ への注文数を確認したりする。

朝4時前から空が明るかったのは6月下旬のことにて、今では4時30分になってもあたりは紺色の空気に包まれている。日中いくら気温が上がっても、秋は容赦なく近づいてくる。

あるワイン会社より、ウチのウェブペイジへのリンクを設けたと、メイルが届く。返事を書かなければいけないと思いつつ、それがなかなかままならない。

6時30分から、春日町1丁目としては最後のラジオ体操が行われる。6時45分に、子どもたちはご褒美を受け取って、三々五々散っていく。ご褒美の中には 「ダメ、絶対!」 などと印刷された、覚醒剤撲滅キャンペーンのノヴェルティなども入っていた。

朝飯は、ジャコ、モロヘイヤの叩き鶏挽肉和え、ショウガのたまり漬、シシトウの炒め煮びたし、カンヅメのサケと赤ピーマンのサラダ、メシ、ダイコンと博多ネギの味噌汁

午前中、先週の25日に訪問した銀座の顧客から、鳩居堂の便箋と封筒による毛筆の礼状が届く。恐縮しながら開封し、これを読む。

午後、いつまでも香港に宿の手配をしない長男を、業を煮やしたオヤジが事務室へ呼ぶ。予約の行動を起こさないことについて詰問をするが、長男は困ったような顔をして、生返事を繰り返すばかりだ。即、行動するよう命令され、旅社へファクシミリで送る手紙を、自身の "Vaio" で書き始める

「満員です」 という返事が戻るだけでも、見つけものではないか? 最も困るパターンは、先方から何の反応も無かった場合にはどうするのか? ということだ。

家内が、「香港へ行ってから宿を探しても、どうにでもなると、思っているのではないかしら?」 と、長男の気持ちを推し量る。長男は僕よりも、良く言えば肝が太く、悪く言えば細心さに欠ける。

7月31日は、オフクロの誕生日だ。会席料理の 「ばん」 へ行く。この料理屋は、対価格満足度にとても優れている。京都や東京の会席料理屋へ行くたびに僕は、「ばんに比べたら、料理の割に高けぇよなぁ」 と思う。

ハモの煮こごり、エダマメとキヌカツギの茶巾絞りから始まり、葛きりにて終了する。皆が満足をする。

帰宅して入浴し、9時30分に就寝する。

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 2002.0730(火) 山の朝夕

朝4時に起床する。「毎日このくらいの時間に起きられると、良いんだよなぁ」 と思いつつ、服を着る。

事務室へ降り、数行で済むメイルのみを書いて送る。きのうの日記を作成し、外へ出る。次男のアサガオが、急に花の数を増し始める更に伸びたツルを、鉄柱に麻ひもで固定する

東京から合宿にでも来たのだろうか、高校生ほどの集団がジョギングをしながら通り過ぎる。6時30分をまわって、町内のラジオ体操が始まる。6時45分、子どもたちはカードにハンコを押し、家路に就く。

山が晴れている

朝飯は、ジャコ、塩鮭、メンタイコ、生のトマト、キュウリとカブのぬか漬け、シシトウとナスの油炒め、メシ、豆腐とミツバの味噌汁

16歳の長男が、香港往復の航空券を買ったまま、宿の予約をしない。結局は、僕のオヤジと同日、別の航空便にて香港へ入り、1泊目はオヤジと同宿をすることとなる。それでも重慶大厦に存するいずれかの旅社には、速やかに手配を済ませる必要がある。

オヤジは香港へは1泊をするのみにて、翌朝は上海か台北に移動をするらしい。

長男は天星小輪(スターフェリー)の二等席で、どのような本を読むのだろう?

山が暮れていく

7時30分より、本酒会 のため 「やぶ定」 へ行く

計12本の日本酒を飲み、10時に帰宅する。入浴して10時30分に就寝する。

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 2002.0729(月) SPTVのアンテナ

朝1時30分に起床する。昨夜の就寝時間を勘案すれば、この目覚めはいささか早すぎる。冷涼の空気が窓の隙間から入り、細く開けた部屋のドアから廊下へ抜けていく。薄掛けがないと風邪を引きそうな高地の夜だ。

事務室へ降り、8月上旬に "Computer Lib" にて行う ウェブショップ のメインテナンスにつき、すべきことを秀丸に書いて保存する。ほんの数行で済む連絡事項のようなメイルをいくつか送受信し、きのうの日記を作成する。

5時になったため、外へ出て次男のアサガオを観察する。1週間前にはひとつだけだった花が3つに増えている。ツルはそれほどにも長く伸びてはいない。

6時25分に、長男と次男が店舗の駐車場へ降りてくる。町内の大人や子どもたちとラジオ体操をする。

朝飯は、塩鮭、キュウリのひしおマヨネーズ和え、トマトとキュウリとハムの春雨サラダ、ミズナスのぬか漬け、納豆、メシ、ナスとミョウガの味噌汁

9時すぎより所用にて宇都宮へ行く。駅前大通りの植え込みに、アサガオを小さくしたような花が咲いている。花の名前は知らない。

数ヶ月前に家内がある懸賞へ応募をしたところ、賞品の中から有線放送のハードが当たった。維持費が高いため権利を放棄すると、「それでは、スカイパーフェクトTVのハードと交換しますか?」 との問いかけがあったという。

そのスカイパーフェクトTVの諸々が、数日前に届いた。壁に釘を打つだけのために職人を呼ぶ僕の性格に、ドライヴァーやスパナは似合わない。長男が窓際にアンテナを設置し、室内のテレビまで配線をする。

やがて居間のテレビが、大昔のアニメイションや、香港製の時代劇を映しはじめる。

家族が、ナスとシイタケの網焼きオリーヴオイルかけ、ホタテガイのバター焼きトマトソースなどを食べている横で、ヨーグルト420CCの晩飯を済ます。

入浴し、「モハメド・アリ その闘いのすべて」 を1ペイジだけ読んで、9時に就寝する。

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 2002.0728(日) 緑陰の蕎麦

朝6時に起床する。5日も家の外で暮らして、少々の疲れを覚える。事務室へ降り、eメイルのチェックをする。

6時30分が近くなると、長男と次男はラジオ体操のため外へ出ていく。僕はフラリとそれを見に行き、途中で自宅へ戻る。

朝飯は、カブとキュウリのぬか漬け、ナスとピーマンの油炒め、モロヘイヤの叩き鶏挽和え、ジャコ、めんたいこ、納豆、メシ、豆腐とミョウガの味噌汁

昼前に、従姉妹やその知り合いが、東京から墓参りに来る。1時間後、彼女たちを乗せて、既に予約を入れてあった 「報徳庵」 へ行く。

満杯の駐車場にどうにか隙間を見つけ、クルマを停める。生け垣を抜けて行くと、たくさんのお客が縁側にまで溢れている。地の利や人の利に恵まれて、この店はいつも、繁盛をしている。

混み合った店内に入る。6人用のテイブルに、9人がすし詰めで座る。一升の蕎麦と4人前の天ぷらを食べて、料金は6,200円だった。

中禅寺金谷ホテル に泊まる従姉妹たちを、送迎バスの出る 日光金谷ホテル まで送る。

午後1時30分すぎに帰宅する。午後1時から僕が応援に入ることになっていた現場の社員に、少しく迷惑をかけてしまう。

終業後、販売の社員と、アイテム別週間粗利合計対前年度比表を検討する。ほとんどの商品が、昨年の同じ週よりも販売数を上げている。この調子でお盆過ぎまで推移してくれたら有り難いと考える。

長男と次男が餃子を包むかたわらで、ヨーグルト420CCの夕食を済ませる。この5日間で充分以上の飲酒を為したため、2日間は酒を抜こうと考える。

午後7時より、納涼祭についての話し合いをするため、春日町1丁目公民館へおもむく。諸事につき決めごとをし、9時すぎに帰宅する。

ふたりの子どもは、既に眠っていた。なんだか損をした気分になる。入浴して 「モハメド・アリ その闘いのすべて」 を読み、10時に就寝する。

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 2002.0727(土) 勉強と花火

僕としては遅く、朝6時に起床する。eメイルのチェックをし、きのうの日記を作成する。

8時45分に甘木庵を出て、この4、5日の間に使った服や雑品を、近所のヤマト運輸から家に送る。そのまま湯島の切り通し坂を下り、御徒町から山手線に乗る。

大崎駅ちかくの会場にて、10時よりMG学会に出席する。

清水信博さん による 「nob式TOC」
小泉寛治さん小泉容子さん による 「MQワールドの驚異」
千葉均さん による 「HLPからEDLP、そしてCRMへ」

を夕刻まで受講し、800文字ほどのリポートを提出する。交流会へ軽く出席した後、山手線を新橋で地下鉄銀座線に乗り換える。

車内に浴衣姿の若い女の子が目立つ。着物の着方を知らず、また体が未成熟のため、現代に比べれば栄養不良の女の人に妙なポーズを取らせた夢二の絵を思い出す。

浴衣を着た女の子たちは、隅田川の花火を目指したものだった。浅草駅のプラットフォームに降り立つと、身動きもできないほど人が密集している

地下鉄を降りてから地上へ至るまでに、10分も要する。7時3分前に東武日光線の切符売り場へ行くと、19:00発の下り特急スペーシアは、既にその切符の販売をうち切っていた。20:00発の切符を買い、大混雑の江戸通りへ出る。

歩道にも車道にも人が溢れて、歩くどころではない。松屋デパートへ入り、最も北の出口から外へ出る。「光家」 にて、14本の串カツを肴に、焼酎のオンザロックスを3杯飲む

「光家」 のオカミによれば、花火は8時30分まで続くという。20:00発の下り特急スペーシアからは、隅田川に浮かぶ花火見物の船が、はっきりと認められた。

10時前に帰宅し、11時に就寝する。

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 2002.0726(金) 神楽坂の幻想

朝5時30分に起床する。

メイラーを回し、連絡事項を会社のpatioへアップする。 "Olympus Camedia C-700 Ultra Zoom" からスマートメディアを取りだし、きのうの日記を作成する。

8時ちかくに 「たつみ屋」 へ行って、ポテトサラダ、ハムエッグス、冷や奴、メシ、コマツナと油揚げと長ネギの味噌汁 の朝飯を食べる。

地下鉄南北線の王子駅を出ると、数時間後には大量の雨を降らせそうな雲が、濃い青の空に浮かんでいる。親水公園にしつらえられた人工のせせらぎでは、既に子どもたちが水着に着替えて甲高い歓声を上げている

今は使われていない、古い発酵棟を正面に見ながら、日本醸造協会の、酵母培養室の横を抜ける。麹カビの甘い香りが、炎天にあぶられた石畳の道にまで漂い出ている。

本日は最終日にて、講習は早めに終わった。京浜東北線の快速を上野で山手線に乗り換え、御徒町で降りる。湯島の仲町通りを行くと、「藪」 の入り口に、ホオズキがじっとしたまま、夕刻の暑さに耐えている

5時前に甘木庵へ帰着する。冷房のスイッチを入れてシャワーを浴びる。ThinkPad s30 を起動する。いくつかのeメイルに、返信を書いて送る。

ちょうど1年前の今日、長男と連れだって神楽坂で晩飯を食べたことを思い出す。本郷三丁目から地下鉄大江戸線にて、飯田橋へ移動する。ゆっくりと坂を上がっていくと、拡声器が今夜のお祭りに備えて、看板や商品を路上から撤去するよう、伝えている。

「鳥しづ」 の波形トタンの壁にくりぬかれた、まるで倉庫へでも入るような扉を開ける。座敷へ上がり、ままごとで使うような小さな机の前に腰を下ろす。焼酎のオンザロックスを飲みながら、何本かは知らないが、次々と出てくる大きな心臓や白レヴァを食べ進む。

やがて、お祭りのお囃子が聞こえてくる。阿波踊りの群衆が、狭い横町を通り抜けていく気配がする。壁に寄りかかって、何度も近づいては消えていくその気配を静かに味わう。

「鳥しづ」 から神楽坂に出ると、坂下から坂上まで、いくつもの踊りのグループが賑やかに進み、あるいは時によって休み、まるで幻想のような風景を作っている

踊りの列がいつまでも途切れないことを思えば、彼らは神楽坂上から鳴子坂にでも抜けて、また坂下から同じ道を、円環のように辿っているのだろうか。

見物の群衆から離れ、路地に入る。"K's Bar" へ行くと、春のある日ここで出会った男の歌手が、黒いハンティングキャップを後ろ向きにかぶり、朱色のアロハシャツに生成のパンツを身につけて、ピアノの前に座っている。

「あ、このオジサンが今日は演奏するのか、それは僕にとって幸運なことだ」 と感じつつ、オールドパーベイスのロブロイを、オンザロックスにて注文する。

画家も作家も演奏家も、売れるか売れないかは大きく運に左右される。夜の街には、世に出ることのできた演奏家よりも遥かに優れた人たちが、ひっそりと生きている。

やがてオジサンは、楽器をピアノからギターに持ち換える。僕は暗がりにボーイを呼び、レッドアイを注文する。歌がジャズのバラードからボサノヴァに変わる。レッドアイの泡が、僕の喉をひっかきながら落ちていく。

9時30分だか10時だか10時30分だかは忘れたが、東京理科大の脇を抜けて内堀通りに出る。飯田橋の駅から地下鉄大江戸線に乗る。

気が付くと、知らない駅に立っている。次の電車がプラットフォームに滑り込んでくる。駅員が 「お客さん、それですよ」 と、僕に声をかける。なにも見ずに、その車両へ乗り込む。

「いったい自分は、どこへ向かっているのだろう?」 と不安にかられ、次の駅にて降りる。森下だった。大江戸線は信じられないような短い時間で、いままでの常識からは考えられないような場所へ、一気に人を運んでしまう地下鉄だ。

森下の駅で、自分が帰るべき方向への電車を待つ。夜の運転間隔は長い。時刻表には矛盾するが、30分ほどはプラットフォームで過ごしたような気がする。ようやく来た車両に乗って、眠ったり目を覚ましたりしながら本郷三丁目に至る。

乗り過ごしや勘違いがなければ僅か数分で済む行程に1時間以上もかけて、甘木庵に帰着する。0時を回っていたか否かの記憶はない。そして、その後の自分の行動も、なにも覚えてはいない。

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 2002.0725(木) 飲酒と読書

朝5時30分に起床する。eメイルの送受信をし、きのうの日記を作成する。

7時を回ったため、定食の 「たつみ屋」 へ出かけて、ハム、コマツナのおひたし、温泉玉子、メシ、モヤシと油揚げと長ネギの味噌汁 の朝飯を取る。

早朝には傘を差さずに歩けた雨が、1時間後には強さを増している。取っ手に "ITALY" という金属プレイトの付いた、しかしどこの国で作られたかは不明の大きな傘を差して外へ出る。

毎日、同じ経路を辿るのも面白くない。湯島から地下鉄千代田線で西日暮里へ出る。山手線にて大塚を経由し、都電荒川線に乗り換えて飛鳥山へ至る。のんびり走っているように見える都電も、駅と駅との真ん中あたりでは、時速40キロメートルまで速度を上げることを知る

夕刻、講習を終えて、渓流沿いの王子親水公園を下る。雨は止んだ。空はいまだ薄暗い。

京浜東北線を上野にて降り、徒歩で本郷を目指す。蓮の密生した不忍池に沿って歩き無縁坂を上がって、5時に甘木庵へ戻る。

メイラーを回すと、数年前に起業した 自由学園 の同級生から、大量のギフト注文が入っている。商売が上手くいっている証だろう。嬉しさを覚えながら、それを会社のpatioへ転送し、事務係のタカハシアツコさんに後の処理を依頼する。

シャワーを浴び、それまでの半ズボンと白いTシャツを、いくぶんかはマシな長ズボンと襟付きの白い麻のシャツに着替える。いま、僕が銀座で最も好きな路地へ入り、その一角にあるお客様のお店を訪ねる。

鏡を多用した壁に柱状の灯りを這わせた、非常に洒落た、かつ大胆なデザインの店内にて、フォアグラのパテ、エスカルゴのオーヴン焼き、ピクルスを肴に、シャルドネイの小瓶を飲む。ウチの 「しその実のたまり漬」 を散らした、ダイコンとレタスとミツバのサラダを食べる。泡盛 「時雨」 にて締める。

精算の後に名刺を取り出し、経営者に来意を告げる、ささやかなお土産をお渡しし、日ごろのお礼を述べる。

旧電通通りを、旭屋書店の側から壹番館の側に渡る。西五番街の "GOOD TIMES" にて、オールドパーベイスのロブロイを1杯と、レッドアイを2杯飲む。デイヴィッド・レミニックの 「モハメド・アリ その闘いのすべて」 を、20ペイジほども読む。

10時に甘木庵へ帰着する。シャワーを浴びてeメイルのチェックをし、11時に就寝する。

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 2002.0724(水) 遊びの前のひと仕事

朝4時に起床する。

ダイニングキッチンといえば聞こえは良いが、流しやガスレインジを備えた狭い部屋の丸テイブルを片付ける。長い間に、いらないものがずいぶんと堆積している。

7年前の月刊文芸誌、更に前の、ロス疑惑のミウラカズヨシ逮捕を特集した週刊誌、それよりももっと前の、木之内みどりが表紙を飾る自動車雑誌。これらと 「いつか使うこともあるだろう」 と、溜めに溜めたデパートや洋服屋の紙袋を、まとめてロープでしばる。

布巾を絞ってテイブルを拭く。その布巾を流しで濯ぐ。朝の5時前から窓を全開にして、ガタガタと掃除をする。

ひとしきり作業が落ち着いたところで、コンピュータの電源を入れる。きのうの日記を作成し、諸方のpatioに12通の発言を書く。それらを送信すると同時に入ってきたeメイルにも、返信を書く。

7時になったので、定食の 「たつみ屋」 へ出かける。

朝飯は、レタスと玉ネギとハムのサラダ、シュンギクと油揚げの炊き物にシラスを散らしたもの、メシ、モヤシと油揚げと長ネギの味噌汁

甘木庵へ戻る途中に、小さな古書店を見つける。学生のころから5年ほども暮らし、今も歩いている地域に、いまだ知らないものがたくさん存在しているのも面白い。

今日から3日間、北区王子の日本醸造協会で、夏の醸造講習がある。昨年までは御徒町まで歩いて、京浜東北線にて王子へ出ていた。ところがどうも、本郷三丁目から後楽園を経由し、南北線に乗り換える経路の方が、甘木庵からは便利が良さそうなことに気づく。

地下の深いところを走る南北線の空いた車両にて、まるで水族館のような王子駅に到着する。セミの声を聞きながら、王子渓谷を辿る。音無橋を渡ると、やがて日本醸造協会へ至る門が見えてくる

午前中の講義を終えたところで ThinkPad s30 にカードモデムを差し込み、メイラーを回す。"Computer Lib" の中島マヒマヒ社長から、「お願い、文章を書いてください」 という表題のeメイルが届いている。読んでみると、それは 「大手通信機器会社の販社向けコラムに、1500文字の文章を書いてくれ」 というものだった。

内容についての注文もある。

  • 老舗のビジネスとホームペイジのビジネスについて。
  • ホームペイジで得をしたこと、損をしたこと、納得がいかないこと。
  • 苦労した点、楽な点。
  • もっとこうなって欲しいというところ。
  • どうしてホームペイジで商品を売ろうと考えたか?
  • どうして今回リニューアルをしたか?
  • 売上げを上げるためにしていること。
  • 将来は、こうしたいということ。
eメイルは、「本日中くらいで、できないでしょうか?」 という言葉で終わっている。「舌打ちをしたい気分」 というものは無い。「しょうがねぇな、まったく」 という苦笑いのみが、僕の顔に浮かぶ。

昼飯を抜き、45分間で1500文字の文章を仕立て上げる。マヒマヒ社長に電話をし、「いま文章、送ったから」 と言うと、「あいたッス」 を何度も繰り返す。運動部出身の人間は、しばしば「有り難うございます」 を 「あいたッス」 と発音する。「お早うございます」 は 「おあッス」 で、「失礼します」 は 「せやッス」 だ。

電話を切って、また苦笑いをする。

午後の講義を終え、こんどは京浜東北線にて有楽町へ移動する。「居酒屋礼賛」 で評判の良い銀座インズの 「みちのく」 にて、先輩のクスヤマモッチャンと落ち合い晩飯を食べる

7時前に、同じフロアで2軒となりのジャズクラブ "SWING" へ移動する。今夜の出演は団しんや。バックは 「クインテットでもミッドナイトシックス」 の、ミッドナイトシックスだ。団しんやが、優れたジャズ歌手であることを知る人は少ない。

8時30分に第1回目のステイジが終わる。銀座8丁目までタクシーに乗り、モッチャン行きつけのクラブにて、しばしの時を過ごす。

モッチャンは夜に強く、僕は夜に弱い。僕だけ先に辞去し、小雨の中を新橋まで歩く。

甘木庵には、11時に帰着した。シャワーを浴びてeメイルのチェックをし、0時前に就寝する。

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 2002.0723(水) "ARIZONA" の煮込み

朝2時30分に起床する。事務室へ降りながら、携帯電話を見る。ウェブショップ からの注文は、ひとつも転送されてきていない。こういう日も珍しい。

自分のpatioにもかかわらず、繁忙を言い訳にして、1週間もこれを読むだけに留めている。6通の返信を書く。

顧客から 「きのうeメイルにて送った注文への返事がない」 と、二の矢のようなeメイルが入っている。その顧客の注文書は、Becky!のどこを探しても見あたらなかった。明日の午前中必着にて商品を手配する旨の確約を、顧客へ送付する。

6時30分から、町内のラジオ体操が始まる各自がカードにハンコを押して、6時40分に解散する。

朝飯は、塩鮭、ジャコ、温泉玉子、納豆、オクラのおひたし鶏挽肉和え、ピーマンの油炒め、メシ、シジミと万能ネギの味噌汁

8時前から、店舗の前を掃除をする。6歳の次男が学校から持ち帰ったアサガオが、最初の花を咲かせている。既にして気温はかなり上がっているため、大きく開いた花びらが乾燥してひしゃげている。

掃除を済ませ、館内電話にて、開花のあったことを次男に知らせる。次男は自宅から降りてこれを写生し、短い文章を添えて、夏休みの宿題をひとつ減らす。

午後4時すぎの上り特急スペーシアに乗れば、ちょうど良い時刻から飲酒を始めることができる。そう目論んでいたが、大口のギフト注文が重なり、その処理をしているうちに時が過ぎる。

ウェブショップへの注文は、通常、夜間に多く為される。ところが今日は、夕刻になって立て続けに携帯電話が鳴り、その殺到を知らせる。

受注係のコマバカナエさんは、休みを取っている。もうひとりの事務係タカハシアツコさんは、他の仕事に忙しい。ブラウザを開き時計を見ながら、何件もの注文を処理していく。

下今市駅18:01発の、上り特急スペーシアに乗る。車内にて、ウェブショップからご注文をくださった顧客に 「ご注文御礼」 を書く

寮から帰宅するはずの長男は、東武日光線のどこかの駅から電話をしてきて、いま各駅停車にて北上中との情報を、家に入れてきたらしい。東武日光線上のどこかで長男とすれ違い、7時40分に浅草駅へ着く。

新仲店ちかくの路地へ入る。"ARIZONA" の木の椅子に座ってメニュから飲み物を選ぶ。2日も禁酒をしたのだから、強い酒から始めるべきだ。生のスミルノフを飲みながら、金子光晴の 「金花黒薔薇艸紙」 を読む

その後、飲み物をデキャンタの赤ワインに換え、豚の舌と大腸をトマトソースで煮込んだものと、ハマグリのスパゲティを注文する。ふと振り返ると、僕の後ろに荷風の大きな写真が飾ってある。僕のテイブルは、荷風の定席だったところだ。

メニュには、僕の頼んだ臓物料理に 「アリゾナ名物」 と添え書きがあった。しかし荷風が好んだのは、鶏の心臓と肝臓を濃いグレイビーソースで煮込んだものではなかったか?

それでもなお、「暮六つ」 の資本が入った "ARIZONA" は、悪くない "GRILL & BAR" としてよみがえった。

地下鉄銀座線にて上野に出る。山手線沿いを歩いて御徒町を過ぎたところに 「えぞ菊」 を発見する。10代のころは、早稲田の近くにあった 「えぞ菊」 へ行った。20歳を過ぎて寮から甘木庵に移った後では、団子坂下の 「えぞ菊」 へ通った。

寒くなったら、僕はこの御徒町の 「えぞ菊」 へ来るだろうか?

10時ちかくに甘木庵へ帰着する。「ご注文御礼」 を送信し、シャワーを浴びて11時に就寝する。

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 2002.0722(月) 頭にメガネをかける人

朝3時に起床する。

本棚の前のかごに、買ったまま何年も聴いていないCDを、きのうに続いて発見する。事務室へ降り、それをプレイヤーに入れてスイッチを入れる。

"Soul Station" Hank-Mobley CJ28-5097

ハンク・モブレイ以外のメンバーは、アート・ブレイキー、ウイントン・ケリー、ポール・チェインバースという豪華なもので、最後の "If I should lose you" が特に良い。

ウイントン・ケリーの弾くピアノの音は、弦がフェルトのハンマーで叩かれているということを明瞭に感じさせる。この音色は、奏者が誰であろうと、"BLUE NOTE" によって録音されたレコードの特徴だ。

ウェブショップの 「街の美味しいもの屋さん」 に、新たな7店を一挙に掲載する。同時に 「たまり漬を使ったメニュ」 の画像をクリックすると拡大するよう、タグを書き換えて更新する。

短くて済むメイルのみに返信をつけ、きのうの日記を作成する。

今日こそは、6時30分から町内のラジオ体操が始まった。育成会長による電話連絡が行き渡ったのだろう、多くの子どもたちが参集する。ふたつのラジオ体操を済ませると、各々は自分のカードにハンコを押して、夏の青い空の下を家に戻っていった。

朝飯は、塩鮭、ジャコ、ナスとシシトウの油炒め大根おろし、納豆、ほうれん草のおひたし鶏挽肉和え、刻みオクラのカツオブシかけ、メシ、シジミと万能ネギの味噌汁

忙中に閑を見つけ、甘木庵へ置く洗濯機の正式申し込みをするため "JUSCO" へ行く。電気用品売場に近い屋上の駐車場へホンダシティを乗り入れると、クロームメッキを多用したワンボックスカーを身体障害者用の駐車スペイスに停めた男が、運転席から降りてくる。

男は "Oakley" のサングラスを開いた状態で後ろから両耳にかけ、レンズの部分を後頭部に回して垂らしている。目の悪い人は、目にメガネをかける、頭の悪いヤツは、頭にメガネをかける。特にこの男は、後頭部がイカレているらしい。

洗濯機は8月8日に配達してくれるよう、手配をする。

明日から週末まで5日のあいだ、甘木庵に滞在をする。酒を飲まない日は無いだろう。きのうに続いて今夜も、飲酒と晩飯を遠ざける。

先週の木曜日から数えれば、この5日間になんと3日も酒を抜いたことになる。

入浴して9時に就寝する。

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 2002.0721(日) "Litha"

朝3時30分に起床する。

ほとんど整頓の為されていない本棚の前に、スーパーマーケットの買物かごのようなものが置いてある。中にはCDがたくさん入っている。その中に、どれくらい前に手に入れたものか、いまだその包装も解かれていない1枚を見つける。

"Sweet Rain" Stan-Getz Quartet POCJ-1935

と、ジャケットにはある。事務室へ降りてセロファンを解き、CDプレイヤーに入れてスイッチを入れる。チック・コーリアが作曲した "Litha" という曲の、明るく乾いたモダンさに驚く。このアルバムの録音が1967年。僕はそのとき小学校5年生。サイゴンが陥落する8年前。

何十年も古さを感じさせないまま生き残っているモダンジャズを聴くと、時が過ぎるということへの認識が、曖昧になってくる。

次男が小学校から持ち帰ったアサガオの鉢には、ツルを絡ませるための棒を付け足したが、1日に数センチメートルも伸びる速度に、遂にその長さが足りなくなった。店舗駐車場の隅に鉢を移し、夜間照明用の鉄柱に沿わせるべく、ツルを誘導する

6時25分に、次男が事務室へ来る。今日から30日まで、町内のラジオ体操が行われることになっている。育成会長のユザワツネオさんがいまだ回覧板を回していないため、集まった子どもは4人のみだった。

おまけに世話役の育成会長本人が、予定の時間になっても来ない。とりあえず今日は中止にして、集まった子どもたちを家に帰す。

僕は責任を果たすということについては、割合に生真面目な人間だ。町内の子どもたちに夏休みの予定も周知せず、おまけに自身もその催しに出てこないとは、どういう神経をしているのだろう。

朝飯は、キュウリとカブのぬか漬け、昆布の佃煮、カブの葉と油揚げの炒り煮、丸赤の極辛塩鮭、ジャコ、メンタイコによるお茶漬け

客足の多い店舗とは異なり、事務室の仕事は比較的静かに推移していたが、3日前に3個所へのギフト発送をうけたまわった顧客から電話が入る。

送付先の3個所には 「たまり漬」 の他、顧客からお預かりをした異なる3種の封筒や品を同梱するようご依頼をお受けしたが、「その入れ方を間違えたのではないか? 届くべきところに届くべき封筒が入っていない」 というご指摘だった。

この発送伝票については、僕が現場へ運んだため、記憶の底に残っていた。荷造りに当たったアオキフミオさんは、日曜日で休みを取っている。その自宅に電話をする。

アオキフミオさんは、まるで将棋指しのような記憶力を以て

「その分厚い封筒は、発送伝票の1番下に記載されていた送り先の商品に同梱するよう、指示されていた。他の2個所とは明らかに異なる形状の封筒だったため、自分もよく覚えているが、作業に間違いはない」

と、答える。折り返し顧客に電話をし、当方ではミスを犯していない旨のご説明をし、ご納得をいただく。

ユザワツネオ育成会長へ電話をする。今夜中に春日町1丁目の子どもを持つすべての家に連絡をし、明日からのラジオ体操再開を知らせるよう、要請をする。

終業後に "JUSCO" へ行き、家電売場で乾燥機を備えた洗濯機を選ぶ。甘木庵の洗濯機は四半世紀前に購入したもので、現在は壊れて使えない。

係員に、文京区の甘木庵へ、最寄りの "JUSCO" から配達をしてくれるかどうか、古い洗濯機は引き取ってくれるかなどの質問をし、問題ないとの回答を得る。

納品は、8月の上旬になるだろう。

家内と次男の夕食はアナゴ丼だった。僕の晩飯はワンパケット420CCのヨーグルトだ。

入浴して9時前に就寝する。

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 2002.0720(土) 「肉だよねぇ」

ベッドカヴァーの上にバスタオルを敷いて、素っ裸で寝ている。部屋の灯りが点けっぱなしになっている。クーラーも回っている。時計を見ると、1時30分だった。灯りとクーラーを消し、二度寝をする。

いくらも眠っていないように感じたが、再び目を覚ますと3時30分になっていた。そのまま起床し、きのうの日記を作成する。始業時に必要な連絡を、会社のpatioへアップする。

6時20分に甘木庵を出て、湯島天神下から上野広小路への道を辿る。中国人の女の子が 「マッサージ、いかがですか?」 と、声をかけてくる。飲食店の前に出された残飯の袋はカラスに穴を開けられ、路上にこぼれ出した分は、朝の太陽にあぶられて既に乾きはじめている。

6時45分に東武日光線浅草駅に着いて始発の下り特急スペーシアの切符を買おうとすると、これが早くも売り切れている。不審がる旅客に駅員は、「今夜はどこそこで花火大会があるため」 と、説明をしている。

サンドウィッチとジャスミン茶を買い、浅草駅7:10発の快速に乗り込んで座る。この列車は座席指定でないため、やがて多くの乗客が通路に立ちはじめる。浅草を出て北千住へ着くと、更に乗客は増えて、冷房も効かない混雑になる。

9時ちょうどに下今市駅へ着く。帰宅してシャワーを浴び、着替えて会社に出る。

いつものように電話を受け、事務室と製造現場と包装部門と店舗を歩き、諸々をこなして夕刻に至る。

6時40分、今朝から僕とすれ違うようにして東京へ行っていた家内と次男を下今市駅に迎える。6歳の次男に食べたいものを訊くと、「暑いときには肉だよねぇ」 などと、生意気なことを言う。

駅に近い 「板門店」 は、道路から駐車場や店内を瞥見しただけで、満員だということが知れた。そのまま走り続け、"Casa Lingo" 前の 「大昌園」 へ行く。こちらも夏休み最初の週末に繁盛をしていたが、空席はあった。

3人で5皿の肉と諸々を食べ、僕としては珍しく生ビールを飲む。

帰宅して入浴し、9時に就寝する。

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 2002.0719(金) ゴーヤと焼酎

朝2時30分に起床する。

事務室に降りて、昨晩のうちに届いたファクシミリによる注文を整理する。ウェブショップに大きな注文が入っている。昔からのお客様が、注文方法を電話からコンピュータに換えたものだった。

きのうの日記を作成し、数行で済むメイルのみを書いて送る。

朝飯は、ショウガのたまり漬、キュウリとカブのぬか漬け、カブの葉と油揚げの炒り煮、昆布の佃煮、ジャコによるお茶漬け

始業から1時間ほどは、夜中に入った注文の処理などにて静かに過ごす。9時を過ぎると、とたんに電話が鳴りはじめ、それがいつまでも途切れない。メモばかりが机の上に増えていく。

ワケの分からない電話も、たくさんかかってくる。

「テーコクデータバンクですが、アンケートにお答えいただけますか?」
「いま非常に忙しいんですけれど、すぐに終わりますか?」

「はい、1分ほどで終わります。工場や店舗の増設、移転の計画は、おありでしょうか?」
「ありません」

「それでは、長野県○○市への、工場や店舗の増設、移転について、検討の余地は、おありですか?」
「いましがた、そういう計画は無いと、お答えしましたよね?」

「あ、申し訳ありません」

アンケートは25秒で終了した。

「お客様から、今日届くはずの荷物がまだ来ないとご連絡があった。荷物は出してくれたのか?」

との電話が、北海道のヤマト運輸から入る。ウェブショップの検索窓に 荷札のお問い合わせ番号を打ち込み、横のボタンをクリックする。おととい出した荷物の足取りが、運送途中で消えている。

ヤマト運輸の日光営業所へ電話をするが、いつまでも話し中で繋がらない。「荷物未着の件、至急電話請う」 と、ファクシミリを送る。数分後に折り返し、電話が入る。とにかく北海道のお客様へは、今すぐに事情をご説明するよう、係員に伝える。

午後3時15分まで同じ調子で電話を受け続け、メモを積み重ね、事務室と荷造り現場を往復する。今日受けた注文を少しずつ処理し、顧客からのeメイルへ返信を送る。

3時30分に自室へ戻り、半ズボンに履き替えて白いTシャツを着る。事務室へ降りる。冬山へ登る人間がザックの肩からピッケルを落とし差しにするように、エディバウアーのザックへ "ThinkPad s30" を納める。かさばる "Olympus Camedia C-700 Ultra Zoom" は持たずに外へ出る。

サイフには2千円しか入っていない。途中、銀行にて1万円を降ろす。たいした清貧ぶりだ。

下今市駅16:03発の上り特急スペーシアに乗って、ようやく人心地がつく。宮崎学の 「幇という生き方」 を30分だけ読み、その後は外出直前に入ったメイルへの返信を書く。

北千住から地下鉄千代田線にて新御茶ノ水へ出る。ここから自由学園卒業生のためのメイリングリスト "PDN"(Primary Dougakunotomo Network)の運営会議が開かれる神保町まで、徒歩で行くのが早いのか、あるいは都営新宿線に乗り換えた方が早いのか、考えを巡らす。

都営新宿線への乗り換えを選ぶ。新御茶ノ水から15分もかかって神保町へ達する。これなら歩いた方が、よほど早かった。こういう二者択一では、僕はいつも決まって外れくじを引く。

地上へ出ると、体温と気温の差を肌に感じない。まるで風呂に入っている気分だ。靖国通りを九段方向に歩いて矢野ビルの階段を上れば良いところを、白山通りから脇道を入って 「家康本陣」 の引き戸を開ける

オヤジがすかさず太鼓を叩き、ゴブレットに手を伸ばしながら 「ビール?」 と訊く。「焼酎、オンザロックスで」 と答える。ゴーヤの豚バラ肉巻きなど12本の串焼きを食べ、芋焼酎を2杯と生ビールを1杯飲む。3800円を払い、太鼓の音に送られて店を出る。ここはかなり、僕好みの飲み屋だ。

6時30分の約束に15分の遅刻をする。飲酒を為さなければ間に合うが、そういうわけにもいかない。

会議は9時に終わった。神保町の交差点から白山通りを水道橋まで歩く。御茶ノ水坂を上がり、新壱岐坂上からまっすぐ本郷消防署へ至る。本富士警察署の角を折れて龍岡町に入る。神保町から2.5Kmを歩いて甘木庵に帰着する。

クーラーを22℃に設定してシャワーを浴び、10時30分に就寝する。

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 2002.0718(木) 晩飯はヨーグルト

朝2時に起床する。i-modeに転送された ウェブショップ への注文件数を確認しつつ、事務室へ降りる。

数通のメイルを送受信し、きのうの日記を作成する。4時30分に、きのう受けた地方発送の伝票を現場へ運ぶ。それを、荷造りの優先順位に沿って整理する。

朝飯は、モロヘイヤの叩き、キュウリとカブのぬか漬け、温泉玉子、カブの葉と油揚げの炒り煮、昆布の薄味煮、納豆、メシ、シジミと万能ネギの味噌汁

友人がギフトの注文をくれる。支払いはいつも、自宅への配達分にて代引き決済をすることになっている。オマケとして入れるため、自転車に乗ってタシロケン坊んちへ 「お徳用湯波」 を買いに行く。

それにしても この店のウェブペイジは、ほとんど手入れが為されていない。掲示板への書き込みに、店主が返信をつけることもない。いたずら書きも、そのまま放置してある。

もてる男を決定するのは容姿よりも教養よりも経済力よりも、なによりもマメさだという話がある。そしてこの通説は、ウェブショップの経営にも当てはまる。顧客からの "smash" は、足を引きずってでも、腕を伸ばしきってコートへ倒れ込んでも、打ち返さなければいけない。

今夜は酒を抜くことにする。家内と次男が、南仏風の大きな皿へステーキやサラダやメシをひと盛りにした、カフェでよく見かけるような晩飯を食べている。僕はその横で、420CCのパケットに入ったヨーグルトを食べる。

おととい夜のイタリアっぽいメシの材料費は、確か600円台だった。僕のヨーグルトは、ワンパケットで500円もする。なんとなく、腑に落ちない思いをする。

飲酒を為さなくても眠くなるのは有り難い。入浴して9時前に就寝する。

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 2002.0717(水) デフォールトの美学

朝2時に起床する。

連絡の必要な顧客にeメイルを送る。自由学園卒業生のためのメイリングリスト "PDN"(Primary Dougakunotomo Network)に、短い書き込みをする。きのうの日記を作成する。

シャッターを降ろした事務室に長くいると、外の空気が吸いたくなる。横の木戸から戸外へ出て、夜と昼の間の空を見上げる。気温は高くなく湿度も低いが、夏の匂いを強く感じる。

朝飯は、納豆、昆布の薄味煮、カブの葉と油揚げの炒り煮、枝豆の天ぷらの炊き物、ホウレンソウのゴマ和え、温泉玉子、メシ、ダイコンとミツバの味噌汁

年中無休で営業をするウチでは、社員は交代で休みを取る。ほぼ2日に1度の割合で、2人いる事務係のうち1人が欠ける。今日は双方とも出社しているため、朝から加藤床屋へ行く。

加藤床屋のオヤジは、数百万円の盆栽にハサミを入れる植木屋のような仕事をする。ヒゲと頬の境をくっきりと剃るため、僕の顔は数日のあいだ、志村けんの 「へんなおじさん」 や三國清三のような塩梅になる。

午後、"DOCOMO SHOP" から電話で、液晶の死んだ携帯電話の修理が終わったことを知らされる。

会社へ戻ってあれこれと点検をすると、昨年の夏、長男に入力してもらった賛美歌380番が消えている。友達が教えてくれたサイトからダウンロードした ゴーギャンの 「アレアレア」 も、無くなっている。

ウェブショップ への受注を知らせる着信音やランプの色も、設定が解除されている。それらを再設定しようとすると、パスワードが初期状態の0000に戻っている。もしや僕の名前をあしらったメイルアドレスも失なわれているのではないかと調べると、こちらは生きていた。

いずれにしても、使い慣れた携帯電話が手元に戻って良かった。これからは着信音や待ち受け画面の改造は止め、デフォールトの美学を貫くことにしよう。

夕刻、先日 「たまき」 にて購入した佐藤和次のいびつな徳利に水を入れ、今度はメスシリンダーへ戻すと、その水面はピタリと360CCのところで静止した。職人とは驚くべきものだ。決められた文字数で自分の伝えたいことを書くことよりも、数等これは難しい仕事に違いない。

その徳利に焼酎 「紅乙女」 を入れ、信楽の湯飲みに注ぐ。今市市沢又地区のサイトウトシコさんが収穫したモロヘイヤの叩きと、ミズナスのぬか漬けが美味い。

マイタケ、ホタテガイと玉ネギとミツバ、オオバ、エビ、ミョウガ、シシトウの天ぷらを食べる。これも美味い。

入浴し、8時30分に就寝する。

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 2002.0716(火) レマン湖の南から

朝3時30分に起床する。

きのう残した仕事を事務係の誰に処理してもらうか、それを考えつつ、各々の机の上に伝票やメモの束を置く。出荷日ごとに仕分けされた今週末までの発送伝票を、いまだ薄暗い現場へ運ぶ。ギフトの繁忙も、徐々に収束していくだろう。

きのうの日記を作成し、数行で済むメイルをいくつか送る。諸方のpatioに15通の返信を書く。

朝飯は、キュウリのぬか漬け、ニラのおひたし、納豆、ポテトサラダ、昆布の薄味煮、枝豆の天ぷらの炊き物、メシ、シジミと万能ネギの味噌汁

ニラのおひたしを食べるたびに、僕は 池袋の 「豊田屋」 を思い出す

午前中、"amazon" に注文してあった

「金花黒薔薇艸紙」  金子光晴著  小学館文庫  ¥657
「モハメド・アリ その闘いのすべて」  David Remnic著  佐々木純子訳  TBSブリタニカ  ¥2,200

が届く。前者は金子光晴のエロ話を集めたものだが、彼が人生で最も売れた最晩年に、桜井滋人が聞き書きをしたものだ。僕は金子光晴の詩は読まず、紀行文やこういうものばかりを読んでいる。

後者は1000枚を超えて、ほとんど枕に近い。文庫本を尻のポケットに入れて飲み屋への道を歩く晩も悪くはないが、伝記やコンピュータに関係する分厚い翻訳本も、大いに僕の快楽中枢を刺激する。

夕刻、自由学園の下級生にして長男の同級生の父親ゴウダタカシ君からもらった

"Ambassadeur Fume GROS DE CHAMOSON Adrian Mathier 1999"

を、井戸から水を引いた洗面台にて冷やす。窓の外には、暮れていく山がある

ナスとピーマンの素焼きオリーヴオイルかけ焼きサバのバルサミコソーストマトとオクラのスパゲティ を食べながら、レマン湖の南からイタリアへ抜ける途中の渓谷に産するという白ワインを飲む。

その渓谷とは、石灰岩の山が空をギザギザに切り取っている地域にあるのではないか? そのような味を、舌の奥に感じる。"Margaux" のワインや福井県の酒に共通する、樹木の脂のような香りが鼻を抜けていく。いくぶんアルコール度数の高いハチミツ色の液体を、ビンの半分まで愉しんで飲み進む。

8時30分に入浴し、9時に就寝する。

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 2002.0715(月) 傘抜き

4時30分に起床する。僕としては遅い目覚めだ。

事務室へ降りる。ウェブショップ からの注文は、出勤した事務係にその処理を任せることにする。連絡の必要な顧客へeメイルを送り、きのうの日記を作成する。

会所や子ども御輿の片づけは、昨夕のうちにそのほとんどを終えていたが、今朝は6時から、最後の整理整頓にかかる。還暦の近い、あるいは還暦を過ぎた面々と、細々とした物の収納をする。

朝飯は、キュウリのぬか漬け、イナダの味噌煮、満願寺に似たピーマンの焼いたもの、ナスの油炒め、ホウレンソウのゴマ和え、メシ、豆腐とワカメとミョウガの味噌汁

一昨年の5月に店舗を年中無休の体制にしてから、社員たちは交代で休みをとるようになった。事務室には2人の社員がいる。ほとんど2日に1回は、そのどちらかが休むことになる。このシフトが繁忙に追い打ちをかける。

荷造りの現場へ頻繁に足を運ぶ。今日は製造の社員の半数が、商品の梱包に朝から携わっている。ウチでは商品の作り溜めをしない。いつでも新鮮なものを顧客へ提供する。荷造りの速度を上げると、製造の能率が落ちる。この時期にはいつも発生するジレンマだ。

ザルに1杯の発送伝票を、夕刻までにようやく仕上げる。仕上げただけで、集計や仕分けはしていない。これを明朝の仕事として残置する。

近づきつつある台風に備えて、食料品の買いだめに出かけようとしている家内へ声をかける。

「今日も晩飯、ウチで食えないよ。会所で直会(なおらい)だって」
「きのうも飲み会だったでしょ、直会は何回あるの?」

「きのうは後かたづけのご苦労さん会だったんじゃねぇかな、今日がホントの直会だよ」
「今日はどこのお店に行くの?」

お祭りの直会はなぜか、「傘抜き」 と呼ばれる。料理屋へは行かず、会所の2階に 鮨をとり、折り畳み式の長机に 魚屋から取り寄せたプラスティックトレイの刺身を並べる

竹田線香屋の奥さんが差し入れてくれた サラダや フルーツを割り箸で食べながら、お供えの日本酒に燗をつけて飲む。

ヨタ話やスケベ話の合間に、少しはまともな話もする。

「今日のNHKのニュースで言ってた 『60年ぶりに担がれた御輿』 ってせぇ、あれ、おかしいよなぁ」
「だいたい80過ぎのオノグチ桶屋だって、『オレの代には覚えがねぇ』 って言ってんだから」

「戦中から担がれてねぇってのも嘘だんべ、最後に担がれたのは多分、大正のはじめだぜ」
「だわなぁ」

9時に至って居眠りが出始めたため、自分の器のみを洗って会所から辞去する。

入浴して本も読まず、10時前に就寝する。

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 2002.0714(日) 最も好きな俳句

朝2時30分に起床する。

諸々をこなすうちに、事務室からガラスのしきり越しに見える店舗の障子が、外の明るさを受けて黒から紺、そして青から薄灰に色を変えていく。

朝飯は、生のトマト、ホウレンソウのゴマ和え、大豆とニンジンとヒジキの炊きもの、キュウリのぬか漬け、納豆、満願寺に似たシシトウとピーマンの中間ほどの野菜を焼いたもの、メシ、お麩とシュンギクの味噌汁

始業後、きのうのうちに完結しなかった仕事、夜中に入った仕事についてのあれこれを事務係に伝達し、9時に春日町1丁目の会所へ行く。背中に 「頭」 と刺繍のある絽の羽織を着て、金棒(かなぼう)と呼ばれる鉄の杖を持つ。

昨夜の大御輿を台車に載せた八坂祭の一行は、予定よりも30分遅れて瀧尾神社を出発した。春日町2丁目と1丁目の境から住吉町までのあいだを、僕が先導する

9時45分、暑さの中を家へ戻ってシャワーを浴び、仕事に復帰する。春日町1丁目の区長イワモトミツトシさんと会計のタケダショウジさんから、相次いで電話が入る。会所で昼飯を支給するから、12時になったら来るようにと言われる。

昼に会所で 「魚登久」 の鰻重を食べ、長老たちとヨタ話を交わしているところに、家内から電話が入る。高校野球の栃木県大会において、初戦で強豪の宇都宮学園と当たった今市工業高等学校が序盤に打ち込まれ、7点を失ったところで2番手の森本モリモッピー敬秀が登板したという。

早々に帰宅して、家内と一緒に栃木テレビを観る。モリモッピーは今市小学校の野球部で、長男と一緒にプレイをしていた。なぜか先発を外された捕手の吉野デーブ勇樹は、ピンチのナインに笑顔で声援を送っている。

結局、2番手の投手モリモッピーも小刻みなヒットの連続を断ち切ることはできず今市工業高等学校は12対0でコールド負けを喫した。彼らは明日から、また酷暑のグラウンドで練習を始めるのだろうか。

校庭に 白球追うや 炎天下

とは、僕の最も好きな俳句のひとつだ。

5時30分から、販売の社員とこの1週間のアイテム別粗利総額の検討をする。6時からは次男と子ども御輿の集団に連なり、会所にてお菓子とジュースを受け取る

僕はそのまま居残って、子ども御輿、テント、会所の軒灯などを片付ける。暗くなりはじめるころにほとんどの仕事を終え、町内の役員たちと 「びしゃもん」 にてビールを飲む。この店の名物 「焼きうどん」 を食べ、9時ちかくに帰宅する。

夜はいつも眠い。「幇という生き方」 は、毎日1、2ペイジしか読めない。シャワーを浴び、9時30分に就寝する。

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 2002.0713(土) 日本最大のおみこし?

朝3時に起床する。事務室へ降り、自分がすべき仕事と事務係がすべき仕事を仕分けする。自分がすべき仕事のみをする。

家内が昨夕、自由学園 の同級生アカギシンジ君の写真が、表紙ほか随所に使われている "Number" を買ってきてくれたため、これを眺める。ワールドカップサッカーの狂騒のさなかに、マイク・タイソンがレノックス・ルイスに敗れた記事を読む。

自由学園に通信簿は無い。その代わり成績報告会というものがある。教師と生徒が体操館に集まる。教師が自身の担当教科について個々の成績を読み上げ、寸評を述べる。親もその場に同席する。きのうから、リスクをヘッジすればまた別のリスクに見舞われるということが3つ重なり、今日の成績報告会を欠席する。

7月13日は妹の祥月命日のため、強い日差しの中を墓参りに行く。僕が自由学園高等科1年生のとき、妹は中学2年生で病没した。僕は45歳まで生きて、酒棚のネオン管がカウンターに映えるバーの見知らぬ客と、ヨタ話に興じている。

「ワタクシ、先日アメリカのあるホテルで、Al-Jarreau を偶然、見かけまして」
「ほう」

「思わず近づいて、質問をいたしました」
「どんな質問ですか?」

「アー ユー アル・ジャロウ じゃろう?」
「ハハハ」

墓参りという行為は、免罪符の購入に似ている。

社員ひとりひとりに夏の賞与を手渡し自宅へ戻ると、次男が音読の練習をしている。これを励まし監督する。

昼飯は素麺だというので、家内に生玉子をくれと言うと 「そんなに栄養をつけて、どうするの」 と、叱られる。

「朝っぱらからチョコレイトマフィンを食っているような人間に、そんなことを言われる筋合いはない」 と返すと、薬味の横に生玉子が出てきた

殆どの仕事を中途半端にしたまま、終業時間に至る。注文、要請、連絡のひとつひとつを完結させる前に、次の注文、要請、連絡が入るため、そのすべてがメモのまま残される。それらを明朝の仕事として持ち越す。

すき焼きを肴に 焼酎 「紅乙女」 を飲んでいると、遠くから警笛と共に群衆の声が聞こえてくる。

第二次世界大戦を境に担がれることのなくなった瀧尾神社の大御輿が、60年以上の時を経て人の肩に載る日が遂に来た。外へ出て野次馬にその所在を訊くと、たったいま、市縁ひろばに入ったところだという。

雨の中を、カメラを持って移動する。休憩をしていた担ぎ手はやがて、今市中学校の同級生にして、既に孫を持つタイマサヒコ君の拍子木によってふたたび大御輿に蝟集した

高い位置から見ると、6本の担ぎ棒だけで1トンという話も、あながち大げさには思えない。日本各地で 「オレんとこの御輿は日本一でかい」 という自慢が語られている。そういう御輿はすべて、科学的に計測されるべきだ。

御輿は一旦、日光街道を下り、やがてふたたび上がって、ウチの駐車場で最後の休憩をする。事務室のシャッターを開け、一同に光を提供する。やがて御輿が遠ざかる。

雨の中に立って、びしょ濡れになった。近所の人が 「ダメだんべよ、参加しなくっちゃぁ」 と、僕をからかう。「ギックリ腰を2度やって、僕はもう引退です」 と答える。

シャワーを浴び、9時30分に就寝する。

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 2002.0712(金) 往復70Km

朝2時に起床する。

事務室へ降りて仕事の段取りを考える。今日は事務係のひとりコマバカナエさんが休みだということを思い出す。彼女の代わりに ウェブショップ の受注をこなし、顧客に 「ご注文御礼」 という表題の受注確認書を送付する。

きのうの日記を作成してから "amazon" へ行く

「転がる香港に苔は生えない」  星野博美著  情報センター出版局  \1,900

を、長男に送るよう手配する。

「金花黒薔薇艸紙」  金子光晴著  小学館文庫  ¥657
「モハメド・アリ その闘いのすべて」  David Remnic著  佐々木純子訳  TBSブリタニカ  ¥2,200

は、僕へ送るよう手配する。

僕が自由学園男子部高等科3年生のとき、1年間に読んだ本を積み重ねたら、自分の身長よりも高くなった。星野博美の、まるで聖書のように分厚い本も、長男の年代ならば数日にて読むことができるだろう。

朝飯は、大豆とニンジンとヒジキの炊きもの、キュウリのぬか漬け、厚揚げ豆腐と豆モヤシの炒め煮びたし、納豆、湯波とホウレンソウの炊きもの、生のトマト、メシ、お麩とミツバの味噌汁

10時より、日光東照宮の研修所 「晃陽苑」 へ行く。就職情報交換会に出席する。

終了後、家に電話をして 「昼飯はいらない」 と伝えると、家内が 「それよりも携帯電話の伝言は聞いたか? 」 と問う。会議中、携帯電話は着信音を消して "ISKA" のギアコンテナーへ入れておいた。会議が終わってからも、ディスプレイの確認はしなかった。

僕の携帯電話は多く、マナーモードにしたまま机の引き出しやザックに入れてある。かかってきた電話に即、対応することはまず無い。

昼過ぎに帰社し、伝言の元となった得意客へ連絡を入れる。明日の朝7時30分までに、商品が必要だとおっしゃる。宅急便に明朝の着荷は無理だ。この顧客の年間売上高、配達を依頼された商品の価格をサッと計算し、往復70Kmの配達を了承する。

夕刻5時にクルマで会社を出発する。宇都宮市の外縁部に達したため、地図を確かめようと助手席に目をやると、積んだつもりのこれが無い。いかにも僕のやらかしそうなことだ。バイパス経由の単純な経路を諦め、市の中心部を経由する、いくらか記憶に残っている道筋を辿る。

顧客の番地だけは、しっかり頭に残っていた。出発から1時間20分を要して、1ブロックの半分ほどを占める大きなお宅へ到着する。帰路はバイパスを経由して、1時間後に帰宅する。

外へ飲みに出ようかとも考えたが、面倒な気持ちもある。420CCのパケットに入ったヨーグルトを食べ、入浴して8時30分に就寝する。

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 2002.0711(木) 夏のお祭り

朝2時30分に起床する。

連絡の必要な顧客にeメイルを送る。顧客以外の関係ともeメイルのやりとりをする。きのうの日記を作成し、夜中に入ったファクシミリの整理をする。「整理をする」 とはいえ、クリップで束ねて事務係の机上に置くだけのことだ。

4時30分に現場へおもむき、ギフト発送の進捗状況を確認する。今日の出荷伝票、昨日受注した発送伝票などを仕分けする。事務室へ戻って Tom-Waits の "USED SONGS" を聴く。

南西の空に、台風一過の青い空が見えている

朝飯は、湯波とオクラの炊き物、厚揚げ豆腐と豆モヤシの炒め煮びたし、納豆、ショウガのたまり漬、ホウレンソウのゴマ和え、メシ、シジミと万能ネギの味噌汁

きのうまでの暗鬱さとは異なって干上がった店舗の駐車場に、販売係が水を撒く

夕刻6時前、子ども御輿の準備してある春日町の会所へ行く。"Olympus Camedia C-700 Ultra Zoom" の10倍ズームが、日光街道の向かい側に立つオノ組のオヤジを捉える

子ども御輿の監督をし、6時30分に6歳の次男と帰宅する。北西の空が燃えている

冷や奴、ヒジキの炊きもの、納豆を仕込んだ油揚げと大根おろし、肉じゃがにて、焼酎 「紅乙女」 を飲む。

入浴し、8時30分に就寝する。

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 2002.0710(水) 「玉、砕ける」

朝2時に起床する。

事務室へ降りてBecky!を回すと、このペイジの巡回者から 「きのうの日記にある Tom-Waits の "Tom Traubert's Blues" は、映画 "BASQUIAT" にも使われているけれど、覚えているか?」 とのeメイルが入っている。"BASQUIAT" は確かに僕の大好きな映画だが、音楽については記憶を失っていた。

それにしても、自分のウェブペイジに対していろいろな反応をいただけるということは、素直に嬉しいものだ。

連絡が必要な顧客へeメイルを送る。きのうの日記を作成する。夜中のうちに入ったファクシミリによる注文を整理し、事務係の机に載せる。

九州の南から、台風が近づいているらしい。いまだ梅雨明け前にて、当方の空も暗い。

朝飯は、キュウリのぬか漬け、サバの干物のほぐしたものと大根おろし、納豆、湯波とコマツナの炊き物、スペイン風目玉焼きとピーマンの油炒め、メシ、豆腐とミツバの味噌汁

「深夜特急 香港・マカオ」  沢木耕太郎著  新潮文庫  \400

乱雑な本棚とその周辺に探してみるが、見つからない。この本と、ハードカヴァーによる 「深夜特急・ペルシャの風」 は、つい先日ここに見かけた気がするけれど、どこへ紛れ込んでしまったのだろう。

捜索の最中に

「歩く影たち」  開高健著  新潮文庫  \514
「香港電脳オタクマーケット」  クーロン黒沢  徳間文庫  \524

を発見したため、この2冊を持ち、事務室へ降りる。

「歩く影たち」 に納められた 「玉、砕ける」 は、1960年代中期の香港と中国を活写して、その光彩は40年ちかく後の今日まで翳らない。僕はこの短編を、何度読み返したことだろう。

アジアの紀行文としていま最も面白いのが、クーロン黒沢の筆になるものだ。彼の視線は、「王様は裸だよ」 と言った子どもの残酷さによく似ている。

これらに、短い手紙と飛行機の時刻表を添え、メイル便にて長男へ送る。

終業後、ジャスコで食料品を買うついでに2階の書店へ行く。自由学園 の同級生アカギシンジ君の写真が表紙に使われている "Number Vol.553" を買おうとするが、既にして書棚には無い。売り切れたのだろうか。

帰り際に

「モハメド・アリ その闘いのすべて」  David Remnic著  佐々木純子訳  TBSブリタニカ  ¥2,200

が目につく。手に取って腰巻きの惹句を読み、買いそうになるが、今日のところは止めておく。"amazon" なら書店が在庫をしないような、いわゆる 「売れない本」 も同時に注文できて、しかも送料はタダだ。

台風前の温かく湿った空気の中を帰宅する。マグロのオリーヴオイル和え、ナスとシシトウの油炒め、厚揚げ豆腐と豆モヤシの炒め煮びたし、鶏の照り焼きにて、焼酎 「紅乙女」 のオンザロックスを飲む。

食後に、到来物の金谷ホテルのクッキーを食べる。このホテルがショッピングバッグなどに繰り返し使う 神橋のモティフは、僕の大いに好むところのものだ。ただし缶の中の 「しおり」 には、テニヲハと敬語の取り扱いについて、少なくとも2個所の誤りがある。

9時前に就寝する。

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 2002.0709(火) 赤いクルマ

朝2時に起床する。早く目が覚めると、得をした気分になる。

事務室へ降り、本酒会紙の会報を作成する。デジタル版はすぐ作れるのに、アナログ版はなぜかズルズルと先延ばしになる。連絡が必要な数名の顧客へeメイルを送付し、自分のpatioに13通の返信を書く。きのうの日記を整えてサーヴァーに転送する。

ずっと Tom-Waits の "USED SONGS" を聴く

朝飯は、キュウリのぬか漬け、ホウレンソウのゴマ和え、生のトマト、納豆、ワカメと玉ネギのカツオブシかけ、大根おろし、サバの干物のむしったもの、メシ、豆腐とワカメと万能ネギの味噌汁

昨年の統計によれば、夏のギフトの受注高は、7月の第2火曜日、つまり今日が最も多いことになっている。普段は事務係に任せるたぐいの仕事も肩代わりして、発送伝票の作成を手伝う。

午後、男体自動車のタムラさんを呼び、遂に、長いものでは20年、短いものでも10年にわたって自動車税を払い続けてきた 1960年代のクルマ4台を廃車にすべく、作業を始める。

すぐにナンバープレイトの外れるものもあればどうにも苦労させられるものもある最後の1台からナンバープレイトを外したのは、作業開始から40分ほども後のことだったろうか。

ナンバープレイトの無い4台のクルマを眺めて、サッパリしたような寂しいような、不思議な気持ちを抱く。

いまだ2時30分にもかかわらず、にわかに空が暗くなる。一瞬、強い夕立に見舞われる。雷も鳴る。梅雨明けが間近いのだろうか。

ふと自分の携帯電話に目をやると、ディスプレイが真っ暗になっている。先ほど車庫で落とした際に、液晶が死んだらしい。"DOCOMO SHOP" へ出かけ、修理と交換の双方について係員の意見を聞く。

液晶の修理には7,500円ほど、同機種の最新型へ交換すると25,000円ほどのコストがかかるという。交換するなら操作の慣れている同型機に限るが、どうにもデザインが気に入らない。「黒い色のヤツなら、まぁ良いか」 と妥協するが、それは納品までに2週間を要するという。

修理の場合には代替機を貸し出してくれるが、購入の際に、そのサーヴィスは無い。

考えて、1年半ほども使った現在の N502it を修理することに決める。係の女の人が意外といった顔をする。「高いお金をかけて修理するより、普通なら買い換えるでしょう」 という表情だ。

気に入らないデザインの新品を買うくらいなら、ボロボロの愛機を直して使うというのが、僕のスタイルだ。

修理には短くて1週間、長引いた場合には3週間ほどもかかるという。代替機はパナソニックのものだった

夕刻、生のジンを、気に入った "Maururu!" の器にて飲む

キュウリとナスのぬか漬け、豚肉と野菜のシチュー、ツナと玉ネギとレタスのサラダ、湯波とコマツナの炊き物、冷や奴にて、焼酎 「紅乙女」 のオンザロックスを飲む。

晩飯が終わるころ、自由学園 の寮から長男が電話をかけてくる。「ひとりで香港へ行って重慶招待所に泊まっても良いけれど、その準備だけはしっかりしろ」 と伝える。

9時に就寝する。

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 2002.0708(月) "USED SONGS"

朝3時30分に起床する。

事務室に降りて、CDプレイヤーに Tom-Waits の "USED SONGS" を入れる。16曲目の "Tom Traubert's Blues" にリピートをかける。フェリーニの 「道」 に出てくる怪力男を連想させる面相を持つこの男のだみ声に、どうしてこうも惹きつけられるのか。

先月の25日に、六本木のバー "CINQUANTA e CINQUANTA" でこの歌に触れた僕は、バーテンダーを呼んでCDのジャケットを席まで持ってきてもらった。

「いいなぁ、これ」 と言う僕に、Tシャツとジーンズの若いバーテンダーは 「コイツ、最高っす、バリ悪っすよ」 と答えた。銀座と六本木では、バーテンダーの服装も言葉遣いも一変する。

「もう死んじゃった人?」
「いえ、まだ死んでないっす」

「なんだかさ、死んじゃった人の歌を聴いているような感じがするな、懐かしい感じ」
「そうっすか?」

"Tom Traubert's Blues" が、何時間も流れている。窓から朝の光が差し込み始める。楽器による音楽にも感動はあるが、なにかの偶然によって与えられた声と歌唱の天性には敵わないような気が、ここ数ヶ月している。

台風前の湿気が充満した外へ出る。店の駐車場の一角に、紫色の花が咲いている。僕にはキキョウとリンドウの区別もつかない。カメラを持って戻り、撮影をしている後ろから、誰かが声をかける。振り返ると、町内に住むコンノシシチロウさんだった。

「気持ち悪い葉っぱが生えてるなぁ、抜こうかなぁと思ってたら、花が咲いたんです」
「なにか分からないときには、とりあえず放っておいたらいいの。そのうちに分かるから」

「ハハハ、そうですか」
「ウチの○○も□□が種を運んできて、今じゃずいぶんと太くなりましたよ」

コンノシシチロウさんの説明する植物や鳥の名前が耳から抜けていく。植物や動物について、僕の脳はまったく何の役にも立たない。キキョウの横のサンショウは剪定した方が良いとも聞き、早速にその枝を落とす。

サンショウの葉を水鉢に盛ってみる。なにか頃合いの花はないかと、隠居へおもむく。隠居の庭は夏草の巣窟にて、自在に歩き回ることができなかった。アジサイが所々に見えるばかりだった。笹の葉を一片ちぎったのみにて事務室へ戻る。

次男が小学校で種を植えたアサガオの鉢に水をやり、自室へ上がる。

朝飯は、キュウリとナスのぬか漬け、目玉焼きとシシトウの油炒め、湯波とコマツナの炊き物、トマト、笹舟に載せたショウガのたまり漬、納豆、メシ、シジミと万能ネギの味噌汁

仕事をして夕刻に至る。朝と同じく "USED SONGS" を聴き、しかし朝とは異なり、ジンを生で飲む

茹でたインゲンのオリーヴオイル和え、サバの干物のむしったもの、キュウリとナスのぬか漬け、冷や奴、湯波とコマツナの炊き物 にて、焼酎 「紅乙女」 をオンザロックスで飲む。

8時30分に就寝する。

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 2002.0707(日) 「南洋通信」

目が覚めると、部屋の中が薄明るくなっている。起床する。4時になっている。

ウェブショップ からの注文を事務係のコマバカナエさんが受けるようになってから、僕の朝の仕事は減った。夜中のうちに届いたファクシミリによる注文を整理して、同じく事務係のタカハシアツコさんの机の上に置く。

再確認やご質問の答えが戻らないと注文が確定できない何人かの顧客へ、eメイルを送付する。

朝飯は、玉子の雑炊、キュウリとナスのぬか漬け、ショウガのたまり漬

午前中、"amazon" から1冊の文庫本と1枚のCDが届く。

「南洋通信」  中島敦著  中公文庫BIBLIO20世紀  \762
"USED SONGS"  TOM-WAITS  R2 78351  \2,237

"amazon" の 「この商品を買った人は、こんな商品も買っています」 には、絶対に載らない組み合わせだろう。「南洋通信」 の解説を、「ベルリン飛行指令」 の佐々木譲が書いている。少しばかり意外の感を持つ。

昼どき、とても冷えた鶏のだしに、キュウリとミョウガを薬味にした素麺を食べる

いつも通りの商売をし、製造現場と包装部門と店舗と事務室を行ったり来たりし、夕刻になる。

「タカハシ君、忙しくてクラクラするな」 と、事務係のタカハシアツコさんに言う。「忙しいからクラクラするんじゃなくて、休まないからクラクラするんじゃないですか?」 と、返される。

今月も下旬になれば、あちらこちらの薄暗がりで、文庫本を読みながら酒の飲める日も来るだろう。

晩飯も酒も抜き、グラスに1杯の牛乳を飲む。

ベッドで 「幇という生き方」 を読むが、3行読んでは短い夢を見るという塩梅にて、まったくペイジがはかどらない。9時30分に就寝する。

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 2002.0706(土) パルマより北の生ハム

朝2時に起床する。目覚まし時計はかけない。誰かに起こしてもらうこともしない。早くに目が覚めれば 「めっけもん」 で、いろいろなことが夜明けまでに片付けられることを喜ぶ。日が昇ってからようやく覚醒したときには、観念して簡単な作業のみをする。

事務室に降りてBecky!を回す。ウェブショップ から注文が入っていることは、自分のi-modeを見れば分かることだ。この処理は、始業後に事務係へ振ることとする。

連絡の必要な顧客にeメイルを送る。電話が鳴りっぱなしになったり不意の仕事が発生したりしてはできないたぐいの、神経を使う仕事をする。きのうの日記を作成する。

先月28日に行われた本酒会の会報を、いまだに作成していない。とりあえずウェブペイジ版のみを作り、サーヴァーに転送する。次にメイルマガジン版を作り、会員に送付する。

本酒会の名簿に携帯電話のeメイルアドレスを登録している会員は、このメイルマガジンの到着を知らせる音によって、土曜日の朝4時に、たたき起こされることになる。

朝飯は、温泉玉子、キュウリのぬか漬け、ミツバのおひたし、納豆、ジャガイモとレタスのサラダ、茎ワカメの炊き物、ピーマンの油炒め、メシ、お麩と万能ネギの味噌汁

午前中は、社会保険労務士と面談をするという、一見、高級そうな仕事をする。

午後は、「自転車で買物に来たら品物が予想外にかさばって持ち帰れなくなってしまった」 という顧客のお宅まで商品を配達するという、一見、高級そうでない仕事をする。

それ以外の時間は、相変わらず会社の中を行ったり来たりする。高額のためあまり売れず、したがって最低の在庫しか持たない商品に対する、大量の予約が入る。店舗と製造現場を往復する。

夕刻に近いころ、販売係のクロサワセイコさんが客用トイレの点検に行き、置き忘れたハンドバッグを見つけてくる。数十分して、その持ち主から電話が入る。クルマで20Km以上も南下した地点から戻るとおっしゃる。

「なにもわざわざ取りに見えなくても。お送りいたしますから」 と言うと、「そこには家の鍵も入っている」 と、おっしゃる。店へお戻りになったお客様はハンドバッグの無事をとてもお喜びになり、再々お断りをしたにもかかわらず、家内の手に無理矢理1万円札を握らせてお帰りになった。

明日の休憩時間のお茶菓子は、かなり高級なものになるのだろうか。いずれにしてもこのお客様をこんどお見かけしたら、何かの形でお返しをしなければいけない。

終業後いくつかの仕事を片付けてから、"Casa Lingo" へ行く。岡村医院の内科の医者に 「アル中」 と言われて以来、この店ではグラスのワインしか頼まなくなった。

いつも内容の異なるシェフサラダ塩だけで味を付けたソラマメのポタージュパルマより北のどこかに産する薫蒸の強い生ハム唐辛子とニンニクのスパゲティ3種の香り野菜を載せたステーキ

9時30分に帰宅する。入浴してアミールSを飲む。ベッドで 「幇という生き方」 を3行ほども読んで、10時に就寝する。

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 2002.0705(金) 「マレー蘭印紀行」

昨夜は9時に就寝して、今朝は6時に起床する。実に9時間も眠った計算になる。

事務室へ降り、eメイルをダウンロードする。顧客からの緊急を要する問い合わせにのみ、返信をする。

朝飯は、高野豆腐とオクラの炊き物、生のトマト、キュウリのぬか漬け、ナスとシシトウの油炒め、納豆、ホウレンソウのゴマ和え、メシ、豚肉とダイコンとミツバの味噌汁

10時より、県央の田原中学校から、男女あわせて15名の見学者が訪れる。先ず、最も奥の部分から案内する。その日によって作業の内容が変わるため、面白い場面が見られる学校もあれば、静かな環境のみを歩くことになる学校もある。

会社見学に来る学童や生徒は同じ場所を見学しても、その年齢の違いに従って、もちろん異なる反応を示す。当方の説明も、相手によっていろいろと変える必要がある。小学校の低学年の場合、質問は数十分も途切れることがない。中学生になると、質問をするのは大抵、優等生らしい女子生徒に限られる

年齢が低いほど、いまその時のことのみを集中して考えることができるようだ。年嵩の行った学年ほど、「学校へ帰ったらどのように発表しようか?」 「どのような写真を撮影したら、リポートに上手く収まるか?」 という、今以外のことに意識が飛ぶ傾向にある。

店の前で記念撮影をし、本日の会社見学は無事に終了した。

事務係のコマバカナエさんが、郵便物を僕の机の上へ置く。自由学園 の寮で暮らす16歳の長男から、封書が届いている。先ず、僕が送った

「ジャック・ロンドン放浪記」  ジャック・ロンドン著  川本三郎訳  小学館  ¥1,460
「虫のゐどころ」  奥本大三郎著  新潮文庫  ¥480

に対する礼が述べてある。次に、いま読んでいるのは吉行淳之介と中島敦だと書いてある。最後に、この夏は香港へ旅行をして、自分の英語がどこまで通用するか試してみたいと、文字が連ねてある。宿泊は尖沙咀の 「重慶招待所」 にしたいという附記がある。

「英語云々は方便で、金子光晴の真似がしてぇだけじゃねぇか?」 などと考えながら、しかし、長男の手紙を嬉しい気持ちで読む。

アメリカ西海岸でもオーストラリアでもなく、香港それも重慶招待所というあたりが、僕の好みに合っている。本についても僕はつい先日、"amazon" に

「南洋通信」  中島敦著  中公文庫BIBLIO20世紀  \762

を注文したばかりだ。家内が横で 「それほど自分好みの息子に育って嬉しいでしょう」 と、苦笑いをする。

取り急ぎ、連絡や注意を箇条書きにし、速達にてこれを投函する。

今日のギフト受注は、それほどにも多くはなかった。むしろ、7月初めに商品を出荷したお届け先の、転居先不明や長期不在の善後策に追われる。

終業後、自宅へ戻りながら、カメラを事務室へ置き忘れたことに気づく。いずれにしても今日の晩飯はヨーグルトとビール酵母のシェイクだ。画像に納めることもないだろう。

入浴し、ベッドできのう買った宮崎学の 「幇という生き方」 を読む。いくらもしないうちに、眠気から本を床へ落としてしまう。前日に9時間眠っても、飲酒を為さなくても、僕は早い時間に眠くなる。9時に就寝する。

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 2002.0704(木) 豚そばと本1冊

朝4時に起床する。事務室へ降りる。数通のeメイルを送受信し、きのうの日記を作成する。

何日も雨が降り続いていた。廊下の床まで湿って気持ちが悪い。ようやく今朝は山が晴れる

朝飯は、キュウリのぬか漬け、ナスの煮びたし、大豆とニンジンとヒジキの炊き物、ナスの油炒め、納豆、茹でたオクラのカツオブシかけ、メシ、豆腐とナメコと万能ネギの味噌汁

今日は、毎年、質の高い新卒者を紹介し続けてくれている学校をいくつかまわり、就職担当の先生と意見の交換をする予定がある。8時15分に会社を出ようとしていたが、電話や来客に阻まれて、出発が1時間も遅れる。

宇都宮での学校訪問を終え、佐藤和次の展覧会をしている 「たまき」 へ寄る。展示室にあるものも欲しいことは欲しいが、それをすると、遊ぶお金に窮してしまう。何ヶ月も前から目をつけておいた徳利を1本、購入する。

宇都宮市から鹿沼街道を辿って鹿沼市へ入る。この町の学校にも、面談の約束が提出してある。ちょうど昼どきのため、古色蒼然の店 「安喜亭」 に行く

「安喜亭」 のお薦めは、醤油味スープの、カンスイの少ない白い細麺に、豚肉、玉ネギ、キャベツ、長ネギをあんかけにした 「豚そば」 だ。これを食べて後、きのうとは打って変わって蒸し暑い鹿沼の旧街道を歩く。

古く立派な蔵や、かなり長く商売をしているらしい 荒物屋の前を通り過ぎる。昼時に訪ねられては、学校の先生も迷惑だろう。小さな書店を見つけて入り込む。

立ち読みだけでは申し訳ないと、読みたい本を探すが見つからない。客は僕ひとりだ。店主の息づかいが聞こえる。店の中の空気が張りつめているような錯覚を覚える。20分もかけて

「幇という生き方」  宮崎学著  徳間文庫  \590

を選び、本棚から抜き取る。15分も余計に時間をつぶしてしまった。一校を訪ねて担当の教師と面談をする。 例弊使街道(れいへいしかいどう)の杉並木を縫って今市市へ帰る。最後に地元の学校を訪問し、4時ちかくに帰社する。

通常の仕事を終えて自宅へ戻る。算数の宿題を解く次男の督励をする

ジャガイモとトマトとレタスのサラダ、コンニャクとワカメによる麺の酢の物、ホウレンソウのおひたし、高野豆腐とオクラの炊き物にて、泡盛 「於茂登」 を飲む。

コンニャクとワカメを原料に使った麺が不味い。今後はコンニャクあるいはワカメという、加工していないそのままの形で出してくれと、家内に頼む。

入浴してアミールSを飲み、9時に就寝する。

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 2002.0703(水) 息の出し入れ

闇の中で目を開く。1時に起床する。

僕は目覚まし時計や人の声によって起こされることを嫌う。メシは自分の食べたいものを、誰にもじゃまされずに食べたい。自分好みの眠りとメシを守ることについては、僕は牙をむいた狂犬のようなものだ。

事務室へ降りると、ファクシミリから少なくない数の注文書が吐き出されている。ウェブショップ のメインテナンスペイジへ行くと、こちらにも一筋縄ではいかないものを含む注文が、いくつも届いている。始業時から受注作業を始めては、日中の仕事に支障を来すだろう。数時間をかけて、それらを処理する。

きのうの日記を作成し、数通のeメイルを送受信する。

朝飯は、大豆とニンジンとヒジキの炊き物、エリンギと厚揚げ豆腐の煮びたし、キュウリのぬか漬け、ナスの煮びたし、納豆、シシトウの炒め煮、メシ、豆腐とワカメと万能ネギの味噌汁

始業から9時までは、きのうし残した仕事の整理などで、割合に落ち着いた時を過ごす。9時からは、毎年の7月はじめにふさわしい展開になる。

注文をメモし、それを伝票化する前に次の電話が鳴る。電話の応対をしている最中に、大口の顧客が小切手を持ってお支払いに見える。ファクシミリが信号を受けて起動するよりも早く、「いまファクシミリで注文を送ったから確認せよ」 との電話が入る。

合間を縫って、取引先に原材料や用度品の発注をする。連絡を必要とする諸方に電話を入れる。急ぎの注文を伝えるために現場へ行く。製造の間に合わない製品の大量注文が入る。現場と納期の相談をする。

事務机にもたれて、気息奄々と呼吸する。

能率を上げただけでは完了しない仕事もある。それらの仕事を残して、夜の7時に本日の作業を切り上げる。

高嶺酒造 「於茂登」 沖縄県石垣市川平930-2 TEL.09808-8-2201

を飲みながら、冷や奴を食べる。夏の夕刻に、これ以上の何の楽しみがあろうかと考える。マカロニと枝豆のオリーヴオイル和えを肴にシャンパンを飲むという楽しみもあったかと、思い直す。

石垣島の唐辛子と、同じく石垣島の酒豚シャブは、この 「しまとうがらし」 にて食べる

朝日新聞の地方版に、第84回全国高校野球選手権栃木県大会の記事がある。今市小学校の野球部で長男と一緒だった、吉野デーブ勇樹と森本モリモッピー敬秀の名前が載っている。試合を見に行きたいのはやまやまだが、それはままならない。

入浴してアミールSを飲み、9時に就寝する。

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 2002.0702(火) キリの良いアクセスカウント

朝3時30分に起床する。

事務室へ降りてファクシミリを見ると、たくさんの注文が届いている。始業時までに可能な限りこなしておこうと、その処理作業に入る。

リピーターの送付先は、既にして マイツール に入っている。これをファクシミリにて届いた最新の情報に更新し、マクロで整形してプリントする

きのうの日記を作成し、ごく短いメイルを数通、送受信する。

朝飯は、大豆とニンジンとヒジキの炊き物、エリンギと鶏挽肉の煮びたし、キュウリとナスのぬか漬け、納豆、温泉玉子、茎ワカメの炊き物、メシ、シジミと万能ネギの味噌汁

給食で食べた酢豚の印象から、酢豚を嫌いになる人がいる。僕もそのひとりだ。低価格のチェーン系居酒屋でよく突きだしに出るヒジキの煮物から、ヒジキを嫌いになる人も多いのではないだろうか? 今朝の食卓にあるヒジキは非常に美味い。

昨年の統計によれば、7月の第1火水曜日は、ギフトの受注高がとても多いことになっている。デイタベイスの通り、9時から事務室に拘束される。

午後2時ころに、エアポケットのような空白が訪れる。忙しければ忙しいで悲鳴を上げるくせに、電話やファクシミリの着信が途絶えると、とたんに不安を覚える。まだまだ修行ができていない。1時間ほどすると、ふたたび注文が入り始め、それは夕刻まで続いた。

今日1日のギフト受注金額は、昨年のそれを10%上回った。もとより1日のみの前年度比など、何の役に立つものでもない。

"清閑PERSONAL" でキリの良いアクセスカウントを引き当てると、ワインがプレゼントされる。カウント35001を得た静岡県の人から、その旨を知らせるメイルが入る。

アクセスカウンターが10000を超えて以降は、5000アクセスごとにこのプレゼントを出していた。しかしいまや 「清閑日記・最新版」 のペイジにおいては、1日に100のアクセスを数えるまでになった。アクセスカウンターが40000を超えたら、プレゼントは10000アクセスごとに出すことと決める。

晩に、桜エビと玉ネギとミツバのかき揚げ、茹でたグリーンアスパラガスと生のトマト、大豆とニンジンとヒジキの炊き物、茄子の煮びたしにて、泡盛 「於茂登」 を飲む。

入浴してアミールSを飲み、9時に就寝する。

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 2002.0701(月) 衝突と即興

寝室に隣の部屋の灯りが漏れている。その明るさで目を覚ます。0時30分になっている。

ベッドへ横になったまま馳星周の 「夜光虫」 を読む。これだけ面白い小説は珍しい。いまだ半ばまでしか読み進んでいないにもかかわらず、既に400ペイジを超えている。すべてを読めば800ペイジ。面白くて分厚い本に出会うたびに僕は、いつまでもこの物語が終わらなければよいのにと思う。

2時30分に起床して事務室へ降りる。昨夕のうちに終わらなかった仕事を机上に一瞥する。Becky! を回し、ウェブショップ から転送されてきた注文の数を確認する。この受注作業もいまでは、若い事務係の仕事となった。

朝飯は、カブとキュウリの塩もみ、トマトのスクランブルドエッグ、ナスの油炒めと大根おろし、納豆、メシ、カブと万能ネギと白ゴマの味噌汁

朝飯の撮影にストロボが必要なほど空が暗い。雨が降っている。まるで冬に戻ったようだ。

始業から9時までは、きのう残したギフト受注の仕事をする。9時をすぎると、電話とファクシミリの数が急に増える。会社の完成投入能力を超えた注文が、今日も殺到するだろう。

現場へ回された伝票の数も凄い。「7月1日に出荷せよ」 と表示された箱の発送伝票を荷造りするだけで、係は本日の就業時間すべてを費消してしまうのではないか。つまり、きのう受けた注文は、本日は出荷できないことになる。しかしながら今日入った注文は、顧客との約束で明後日までに出荷しなければならない。

衝突と即興。毎年2度ずつ繰り返される盆と暮の風景。

夕刻、家内に晩飯は何が食べたいかと聞かれる。考えあぐねて、今夜は晩飯を抜くことにする。

家内と次男がマグロの刺身や枝豆のフリットの煮びたしなどを食べているそばで、陶製のジョッキにヨーグルトを入れる。美味いヨーグルトはそのまま口へ入れたいところだが、もちろん、ビール酵母を入れて攪拌する

8時30分に入浴し、9時に就寝する。

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