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清閑 PERSONAL DIARY

2016.10.2 (日) チェンライ日記(4日目)

20161002n今回の日記では1日の画像数が26点を超えないことを目標にしている。26点とは画像のファイル名に使うアルファベットの文字数である。きのうはその枠に収まりきれず何点も削除した。今日は余裕である。

きのうの部屋掃除は、僕が部屋から出るのを待ちかね、待ちきれない様子で正午に部屋の呼び鈴を押した。今日もそれくらいの時間とたかをくくっていたら11時に呼び鈴が鳴った。よってそれをしおにコンピュータから離れ、着替えて外に出る。

マッサージの”PAI”の扉を開くと、客のためのソファでオネーサンが洗い髪を扇風機で乾かしていた。僕も座るとそれに気づいたオネーサンが振り向いた。オネーサンはおとといマッサージをしてくれたジェップさんだった。僕を見て「あぁ」と声を出して笑う。僕も「あぁ」と言って笑う。髪が乾くとジェップさんは扇風機のスイッチを切って奥の階段を上がっていった。扇風機の冷風には僕も当たりたいのだ。即、スイッチを入れ直す。

この店のマッサージは誰に当たっても揉みがきつい。「タイマッサージは寝ながら他人まかせでできる運動」と言った人がいる。揉まれたあとのからだの痛みはまさに、運動の後の筋肉痛を思わせる。今日のオバサンも大変な強揉みだった。治療と思って我慢をしているけれど、これは癒やしなどではない、なかば修業のようなものである。

今日の雨は首尾良く、僕がマッサージを受けている2時間のあいだに強烈に降り、そして止んだ。その雨上がりの街を歩きながら、傘を持ったファランとすれ違う。そのファランはすこし考えて引き返したのだろう、後ろから僕に話しかけてきた。

「失礼ですが、そのサンダルは爪先を守るアイディアが素晴らしいですね、どちらの…」
「キーンです。K、E、E、N」
「タイ製ですか」
「いえ、アメリカ製です。南の国の歩道はしばしば壊れていて危ないでしょ」
「おっしゃる通り。有り難うございました」

僕よりすこし年下と思われる男はそのまま、僕が歩いてきた方へと去った。タイの歩道は人が歩くようにはできていない。タイの歩道にはしばしば「オマエなぁー」となじってやりたい気持ちを抱く。敷石は割れあるいは踏んだ途端にぐらついて溜まり水を飛び散らす。途中で切断された電信柱が切り株のように立ち上がり、あるいはその真ん中に街路樹や道路標識がズラリと並んで行く手をふさぐ。歩行者は、まるで山のガレ場を往くように、足元には気をつける必要があるのだ

ふと気になってシリコーン市場の、昨年、そのとなりに大きな屋根のかけられつつあったガイヤーン屋を訪ねてみる。するとその店は新しい屋根の下にちんまりと収まっていたから安心をした。コンクリートパネル製のテーブルに着き、昼食中の太った娘にトムセーップを注文する。米袋を持って途中からあらわれたオカミを見て「やっぱりおなじ店だ」と再確認をする。そのオカミに「カオニャオはどうする」と訊かれる。朝食をたっぷり摂っているため空腹ではない。よって餅米は断ってスープのみを飲む。

これまで使ったことのない道を辿ってホテルに戻る。すると間もなく、右手にきのうの広場が見えた。きのうあれだけの露店が立ち並び、あれだけの人が集まったにもかかわらず、広場にも道にも塵ひとつ落ちていない。大した管理である

夕刻がちかくなるころ、ようやく日が差しはじめる。「この時間から行ってもなぁ」と思わないではなかったけれど、きのうの日中はほとんど雨に閉ざされていた。明日も晴れる保証はない。”Patagonia”の水着兼用の半ズボンを穿き、プールへと降りていく

空の様子はめまぐるしく変わる。つい先ほどまでは真っ青だった空の全面を薄雲が覆う。と思えばまた晴れて、遠くに入道雲が立ちのぼる。僕に声をかければ断られないと知っているプールサイドバーのオニーチャンが注文を取りに来る。3日前はミックススムージーだったから今日はテンモーパンを頼む。それで喉を潤しつつ90分ほども本を読む。

18時10分前にフロントでシャトルバスの切符を買う。そこには片道60バーツ、往復120バーツの数字があるけれど、実際には60バーツで往復できる。復路のみならタダで乗れる。しかしそれがいつでも誰にでも通用するかどうかは知らない

雨が続いたせいか、それとも明日からまた1週間がはじまるせいか、ナイトバザールのフードコートは閑散としていた。席を決め、先ずはラオカーオをオンザロックスにするための氷を10バーツで買う。氷のバケットを手に席へ戻ると、初日木曜日の夜には見つけられなかった、昨年は何度もチムジュムを頼んだ店の、優しそうなオバチャンが目の前にいた。即、昨年とおなじくチムジュムを注文する。

「しかし待てよ」と、日本から持参したステンレスのコップに氷を入れつつ考える。オバチャンは昨年のオバチャンにそっくりだ。しかし今年は隨分と若く見える。昨年のオバチャンは訥々としていた。しかし今年のオバチャンは綺麗な英語を話す。昨年のオバチャンの画像をiPhoneに送り、明日は「この人の妹さんですか」とでも訊いてみよう。

ホテルにはナイトバザール前20:15発のシャトルバスで戻った。そしてシャワーを浴びて即、就寝する。


朝飯 “Dusit Island Resort”の朝のブッフェのサラダとオムレツ、トースト、中華粥、コーヒー
昼飯 シリコーン市場のガイヤーン屋のトムセーップ
晩飯 ナイトバザールのフードコートのチムジュム、ラオカーオ”YEOWNGERN”(オンザロックス)

  

上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

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