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お買い物かご

清閑 PERSONAL DIARY

2017年11月の日記30本

2017.11.30(木) めくりたくてもめくれない

隨分と酩酊をしながら飲み屋の引き戸を開けたオヤヂが、おぼつかない足取りで、とにかくカウンターのスツールまで辿り着いて「酒っ」と勢いよく注文した。手慣れたもので女将は一合徳利で燗酒を出した。その途端「バカにするなー、もっとデカいので寄こせー」とオヤヂは大きな声を発した。

酒を売る人の偉さは、そのようなときに如才なく振る舞えるところにある。

「あら、ごめんなさい」と女将は、別に温めた酒を、先に出した一合徳利の中身と合わせて大徳利に移し、あらためて客の前に置いた。

「おぅ」と応じたオヤヂは、しかしその燗酒を猪口1杯しか飲めないまま「タクシー、呼べ」と、カウンターにヒジを突き、野球帽をかぶったままの頭を静かに傾けた。ある雪の晩の想い出である。

猪口に1杯しか飲めないにもかかわらず酒は大徳利で寄こせ、というようなことは、僕は言わない。しかし、いま手に握っている杯をいつまで干せないまま次の酒を欲しがる気持ちは、分からないでもない。

事務机の左に提げた今月のカレンダーを、はやく12月のそれにしたい。しかし今日はいまだ11月の30日だ。そしてその、めくりたくてもめくれない気持ちを胸にしまって終業後の事務室を去る。


朝飯 生玉子、たまり漬「栃木県壬生産のしょうがです。」、メシ、豆腐と小松菜の味噌汁
昼飯 「食堂ニジコ」のラーメン
晩飯 蓮根のきんぴら、マカロニサラダ、人参のぬか漬け、刻みキャベツを添えた豚の生姜焼き、麦焼酎「高千穂零」(お湯割り)、“Chez Akabane”のいちごのケーキ、”Old Parr”(生)

2017.11.29(水) これでは我慢ができない

セキネ耳鼻科は木曜日が休みだ。風邪の具合は隨分と良くなったものの、水曜日の今日は、とにかく行っておかなくてはならない。初日に処方をされた薬は今朝、無くなった。そして先生は僕の喉を覗き込み、あれこれの薬を噴霧したり塗ったりしながら、しかし薬を飲む必要はもはや無いだろうと診断した。

11月もここまで押し迫れば、お歳暮の出荷はかなり多くなっている。それと平行して、やはり贈答用の味噌を詰める作業も並行して行われている。ウチは商品を見込みで作り溜めすることはしない。「いま食べごろ」をお届けすることが肝要なのだ。

「もう薬は飲まなくてもよいだろう」とセキネ先生は言った。しかしいまだ咳は出る。よって今日も夕食はひとりで摂ることにする。4日連続の断酒を考えていたところに用意されていたのはトマトとソーセージのスパゲティだった。これでは我慢ができない。

2週間以上も前に途中まで飲んで、以降は寒い部屋に保管しておいた赤ワインをグラスに注ぐ。しかしそれは1杯分しかなかったため、以降はコニャックのソーダ割りに切り替える。


朝飯 生玉子、しその実のたまり漬、メシ、豆腐と万能葱の味噌汁
昼飯 サンドイッチ、紅茶
晩飯 ベーコンと白菜のスープ梨とレタスとモツァレラチーズのサラダトマトとソーセージのスパゲティ、パン、“GRANDS ECHEZEAUX Vicomte Bernard de Romanet 1985”“Hennessy XO”(ソーダ割り)

2017.11.28(火) 冬耕

「熱々、量は多め、味噌は薄く」が僕の味噌汁の好みだ。その熱い味噌汁が喉にしみる。米飯を口に入れると、その湯気に刺激をされるのか、軽く咳が出る。

風邪は快方に向かっているものの、きのうからは気管支に苦しさを感じ始めた。道の駅「日光街道ニコニコ本陣」への配達や、銀行での通帳記入などを済ませたその足で、開いたばかりのセキネ耳鼻科を、きのうに引き続いて訪問する。先生によれば、喉はいまだ赤いらしい。

いつまで自宅4階に引き籠もってもいられないため、帰社して後は事務室に控え、あれこれのことをする。

15時に外注SEのシバタサトシさんが来る。

2000年9月から昨年8月まで16年のあいだ、この日記は”Dreamweaver”で書いていた。それを同年9月より”WordPress”に換えた。しかしウェブショップのトピックスにあたる「梅太郎通信」の更新には引き続き”Dreamweaver”を用いることとし、契約をし直した。

その契約を本日、シバタさんに横についてもらいながら解除する。長男の”Dreamweaver”からも「梅太郎通信」の更新が可能なことは、その直前に確認済みである。

今夜も食事はひとりで摂る。3日も酒を抜くのは、人生で何度目かの「酒欲しくない病」に罹った2014年2月以来のことと思われる。


朝飯 生玉子、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ湯波と小松菜の味噌汁

昼飯 「大貫屋」のチャーハン

晩飯 鮭と2種のきのこのホイル焼き、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、大根と胡瓜のぬか漬け、メシ、豚汁

2017.11.27(月) メシはひとりで

朝の仕事をひととおり済ませてから、セキネ耳鼻科へおもむき診察を受ける。強い痛みは去ったものの、先生によれば、喉はいまだ真っ赤に腫れているという。帰り際に出してくれた処方箋を持って、ハセガワ薬局に寄る。帰社して後はきのうとおなじく4階に引き籠もり、コンピュータがあればできる仕事をする。

午後の半ばからは、寝室で横になり休む。17時30分を過ぎたところでパジャマを脱ぎ、服を着る。そして事務室に降りて、閉店のための作業を手伝う。

孫に風邪をうつしてもいけないため、夕食はひとりで摂る。2日も続いて酒を抜いたのは、いつ以来のことだろう。

食後は、普段のように酒気を帯びた状態では絶対にできない仕事、つまり、12月1日の午前9時にメールマガジンでその発売をお知らせする「日光の美味七選」のページの修正をする。あるいはお客様からの、メールによるお問い合わせに返信をお送りする。

今日の日記を書き終えたところでニュースを見ようとテレビのスイッチを入れると、録画が始まった旨の文字が現れて、画面には「吉田類の酒場放浪記」の冒頭が映し出された。よってそれを15分ほど観てから就寝する。


朝飯 生玉子、ふきのとうのたまり漬、メシ、揚げ湯波と白菜の味噌汁
昼飯 うどん
晩飯 ほうれん草のおひたし、ツナとピーマンの炒り煮、胡瓜のぬか漬け、生のトマト、大根と豚三枚肉の炊き合わせ、メシ、豆腐と若布と卵の吸い物

2017.11.26(日) 遂に

きのうの午後から、喉の右側に小さな痛みを感じ始めた。その痛みは時が経つにつれて増し、夜にはかなりのものになった。社員など周囲の人たちが次々と体調を崩すなか「それにしてもオレは丈夫だ」と、すこし良い気分でいたところ、急転直下の「遂にオレも」である。

不思議なことに、そのようなときに限って焼酎が捗る。酒が捗るときは要注意と、若いころから知っていながらの、前夜は酒量だった。

今未明に目を覚ますと、喉の痛みは唾を飲み込めないほど強くなっていた。布団から起き上がる気はしない。30分ほど迷ってようやく、洗面所へ出向いてうがいをする。そしてその足で食堂に移動をし、前回、喉を腫らせてセキネ耳鼻科にかかったときに処方をされた、しかしそのときは早くに治ったため余らせた薬を「毎食後」の指示を無視して飲む。

日曜日は忙しいものの、朝の決まった仕事をしたのみで自宅4階に引き籠もる。大きな声が出なかったり、走ることがままならなかったりすれば、仕事もできない。

仕事は休みながら、しかし14時20分になったところで白いシャツにネクタイを締め、紺色の上着を着て事務室へ降りる。そして黒いマフラーを巻き、毛糸の帽子を被って徒歩で平町の公民館へ出向く。

日光市今市旧市街の全町内より自治会長、神社総代、神社世話人が参集し、平町のキタムラヒロシ自治会長が議長を務める「当番町を考える会」は、毎月最終の日曜日に開かれる。瀧尾神社に6名いる責任役員のうち、今日の出席は僕ひとりだったから、無理を押しても出てきて良かった。

この会議の主役は、各町内の自治会長、神社総代、神社世話人である。責任役員はほとんど口を開かない。しかし今日に限っては、春季小祭と秋季小祭の直会についての僕の考えを、タナカノリフミ宮司に質問をする形で提出した。その意見は幸い、大方の賛同を得ることができた。少子高齢化と人口の減少こそ、現在の日本の最大の宿痾である。その状況の下にあっても、総鎮守のお祭は、何とか続けて行かなくてはならないのだ。

19時からは春日町1丁目の公民館へ行き、ここでも来年の、当番町についての話し合いを持つ。出席者数は13名だった。


朝飯 玉子と万能葱の雑炊、赤紫蘇の葉と白胡麻のふりかけ、きゅうりのたまり漬
昼飯 うどん
晩飯 カレーライスたまり漬「楽楽らっきょう」

2017.11.25(土) 秋季小祭

事務机の左に提げたカレンダーの、今日のところには「9:45 神社」と、太めのペンで書いてある。10時から総鎮守・瀧尾神社で秋季小祭が催され、僕はそれに神社の責任役員として参列をするからだ。

白いシャツに、およそ四半世紀ほども前に京都で手に入れた名状しがたい色のネクタイを締め、紺色の上着を着て9時37分に事務室を出る。多くの人と共に拝殿や社務所に出入りをするため、靴は簡単に脱ぎ履きできるものを選ぶ。

春の例大祭、そして夏の八坂祭を除いては、拝殿での式はそれほど長引かない。それゆえの「小祭」なのだろう。

時期をおなじくして、宮中では新嘗祭、アメリカとカナダでは”Thanksgiving Day”が行われている。日本国内に留まらず、世界のあちらこちらで、ほぼ同時に秋の収穫を祝い、感謝する習慣のあることに思いを及ばせる。

社務所での直会では、地の恵みのひとつとして、酒は大いにきこしめすべきなのかも知れない。しかし午後には「本物のワインで漬けた本物のワインらっきょう”rubis d’or”」の瓶詰めが控えている。よって酒は小さな猪口2杯に留め、昼前に帰社する。


朝飯 納豆、2種の蒲鉾の炊き物、キャベツとベーコンのソテー、切り昆布の炒り煮、2種のピーマンの炒りつけ、赤紫蘇の葉と白胡麻のふりかけ、たまり漬「刻みザクザクしょうが」、メシ、揚げ湯波とキャベツの味噌汁
昼飯 「ふじや」の雷ラーメン
晩飯 おでん、白菜漬け、麦焼酎「高千穂零」(お湯割り)

2017.11.24(金) ひとり静かに

店には畳1枚分の作業台がふたつある。それら2台はおなじ作りに見えながら、しかし裏に回ると、それぞれの機能は異なっている。片方の台の下には、毎日の売上金額を書いた紙がある。その紙にはまた、日ごとの天気も記されている。

このところは曇り、曇りのち雨、あるいは曇りときどき雨の日が続いていた。ところが今朝に限っては、文句なしの快晴が全天に広がった。山々を控え目に飾る粉雪は、朝の光を受けてオレンジ色に光っている。これからいよいよ気温が下がり、空気が澄み切れば、山の景色は更に綺麗になるだろう。

日光が多くのお客様に恵まれるのは、5月の黄金週間、お盆、そして紅葉の秋である。しかし日光は、真夏と真冬にこそ最も美しい。ひとり静かに愉しみたければ、日光には断然、真冬に来るべきと、僕は思う。

もっとも「人のまばらな遊園地で遊んで、君、面白いか」と問われれば「個々の嗜好による」と答えるしかないだろう。人のいない遊園地、僕は、好きである。


朝飯 納豆、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、トマトのソテーを添えたベーコンエッグ、切り昆布の炒り煮、明太子、きゅうりのたまり漬(試作品)、メシ、揚げ湯波と玉葱の味噌汁
昼飯 朝のおかずを流用した弁当
晩飯 鶏とセロリとピーマンのサラダきのうの「ソーセージとトリッパと牛すじ肉と豚の皮のトマト煮」の残りのソースを使ったスパゲティ“Petit Chablis Billaud Simon 2015”自由学園のクッキー、”Old Parr”(生)

2017.11.23(木) ガンバロー会

休みの日は朝から晴れ上がることが理想である。ところが今日は、折角の祭日にもかかわらず、空は朝から曇ってとても暗い。遊びに出ようとする人の出鼻をくじくような天候である。ところが昼がちかくなると、気づかないうちに雲は一掃され、薄く雪をかぶった山々の上には青空が広がった。

製造現場には、先週に続いて完成を待つ「なめこのたまりだき」が大きな樽の「たまり」に漬け込まれて並んでいる。店舗では販売係が、初売りの数日間にお配りするお年賀を、接客の合間に作り続けている。紅葉狩りのお客様があらかた引いた今ごろは、ほんのいっときではあるけれど、社内は静かになるのだ。

ところがその静けさが、今日の夕刻に限ってはシンガポールからの団体様により、大変な賑わいに一変した。買っていただいたのは、主に「らっきょうのたまり漬」と味噌のたぐいである。東アジアから東南アジアにかけては、日本よりはるかに多種の醸造調味料を持ち、はるかに多様な調理法を駆使する。今日のお客様に教えていただいた「ひしお」の使い方は、早速、春のタイ行きで試してみよう。

これから年末にかけての繁忙を乗り切るべく、終業後は本日出勤の社員が応接間に集まり、家内と長男の料理により「ガンバロー会」を催す。


朝飯 切り昆布の炒り煮、揚げ湯波と蕪の葉の甘辛煮、スクランブルドエッグ、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、生のトマト、なすのたまり漬、納豆、メシ、揚げ湯波と長葱の味噌汁
昼飯 たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、切り昆布の炒り煮、明太子によるお茶漬け
晩飯 3種のきのこのマリネブルスケッタトマトとアボカドとレタスのサラダブロッコリーのキッシュフォカッチャ若布の揚げパンソーセージとブラックオリーブのペンネソーセージとトリッパと牛すじ肉と豚の皮のトマト煮たまり漬「青森県田子町産のにんにくです。」によるガーリックライスイベリコ豚の肩ロースのローストアップルパイヨーグルトのムース、赤ワイン

2017.11.22(水) 来年のカレンダー

業務日報をコンピュータで付けるようになった1992年から、僕は手帳を使っていない。しかしカレンダーはやはり必要で、事務机の左に掛けて、無くてはならない存在だ。

年末にお客様にお配りするものでもあるこのカレンダーは、多分、半世紀以上も意匠を変えていない。今や少なくなった旧式のそれには六曜や旧暦の他、多い月には十幾つもの伝統行事が記されている。余白は予定を書き込むことに最適で、僕は出かける際には今月分と来月分を複写して持ち、直近の日程調整に役立てている。

法人各社は、むかしほどカレンダーを配らなくなった。またデザインありきのカレンダーは、使われることなく廃棄されることが多い。そのようなことが因みなのかどうかは不明ながら、ウチの、この旧式のカレンダーを愛用してくださるお客様は少なくない。

今年もそろそろ、このカレンダーのことをメールマガジンでお知らせする時期が来た。購読者が目でお確かめになれるよう、来年のカレンダーを事務机の左に掛けて、その写真を撮る。


朝飯 焼き鱈子、切り昆布の炒り煮、スペイン風目玉焼き、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、納豆、なすのたまり漬、納豆、メシ、揚げ湯波と長葱の味噌汁
昼飯 「麺屋ききょう」の塩ネギラーメン
晩飯 「魚登久」の鮪の山かけ湯豆腐鰻の胆焼き鰻重、他あれこれ。7種の日本酒(冷や)

2017.11.21(火) 我慢できるかぎり

長男の嫁が開発した「日光味噌のたまり浅漬けの素・朝露」は9月に、またフクダナオブミ製造部長が開発した「ごぼうのたまり漬」は10月に、相次いで蔵出しをされた。これらは先ず店頭で、次は道の駅「日光街道ニコニコ本陣」で販売を始めた。

当初は製造に専心するあまり左右に目を配る余裕も無かったけれど、このところはようやく作り手の身も心も落ち着いてきたため、これらふたつの商品をウェブショップに載せるべく、今朝は恵比寿の”Vector H”を訪ねた。同社が担当をするのはYahoo!ショッピングの方である。自社ショップの方も、これを追いかけるようにして間もなく、ページは整うだろう。

ところで今日の服装は薄いセーターに薄いダウンベストというもので、折からの強風が二の腕を刺す。「なぜ袖付きの防寒着を着ないのか」と問われれば、寒さを我慢できるかぎり、着ぶくれは避けたいからだ。

午後から夕刻にかけては新橋と汐留のあいだあたりで、本日ふたつ目の仕事をこなす。そこから数寄屋橋へは徒歩で移動をし、白木のカウンターにて焼酎のお湯割りを飲む。


朝飯 たまり漬による5種のおむすび、揚げ湯波と小松菜の味噌汁
昼飯 「ドトール」のトースト、コーヒー
晩飯 「おぐ羅」のしめ鯖蟹肉の蟹味噌和え鰹のたたき、その鰹のたたきの薬味で食べる厚揚げ豆腐のおでん、他あれこれ、麦焼酎「吉四六」(お湯割り)

2017.11.20(月) 窓の外はいまだ

目を覚ますと、首にバスタオルを巻いたまま、素っ裸で寝ていた。身近に置いたはずのメガネとiPhoneが、今朝ばかりは手に触れない。きのうの夜は、風呂には入ったものの、酔いにより、そのまま眠ってしまったのだろう。

寝る前には、床に置いた、草木の蔓で編んだ乱れ籠に、翌朝のための服を用意する。闇の中でその籠の中を探るも、これまた何も、手に触れない。床のサンダルの向きを爪先で変え、クローゼットの前まで歩いてその扉を開く。チェストの引き出しの中は、ほぼ完璧に整理整頓をされている。よって闇の中でも着替えは難しくない。洗面所に移動をして明かりを点けると、時刻は4時8分だった。

必要がなければ何週間も社員から声のかからない早朝の仕事が、ここしばらくは毎朝のように続いている。食堂で今日の日記を書きながら、その仕事を忘れないよう、キッチンタイマーに5時ちょうどのアラームを設定する。

朝の4時すぎから今日の日記を書くとは奇異に感じられるかも知れないけれど、書くことさえあれば、あるいは書くことが無くても「よしなしごと」は、どこかに落ちているものだ。

やがてキッチンタイマーが音を発する。それまで読んでいたメールマガジンを閉じ、コンピュータの電源を落とす。そしてきのうから厚手のものに替えた毛糸の帽子をかぶり、席を立つ。窓の外はいまだ、夜と同じ暗さを保っている。


朝飯 酢蓮、なめこのたまりだきによるフワトロ玉子、小松菜のソテーと生のトマト、納豆、揚げ湯波と蕪の葉の甘辛煮、明太子、ごぼうのたまり漬、メシ、大根と椎茸と三つ葉の味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 トマトとアボカドとベビーリーフのサラダドリア“Petit Chablis Billaud Simon 2015”、いちごのショートケーキ、“Hennessy XO”(生)

2017.11.19(日) 柿ダブル

今日は月に一度の、ウチの隠居でお客様に朝食を供する「伝統家屋でいただく、なんでもない日の食卓。」の日だ。この催しに際しての僕の役目は味噌汁のダシをひくこと、もうひとつは食器や食材を隠居に運ぶことのふたつである。

毎朝の味噌汁を作る中で、僕はいつも、小さな実験を続けている。今日のためのダシは、このところの試みにおいて、味噌汁がもっとも美味くなるだろうひき方をした。食器や食材はプラスティック製の箱に収め、それを玄関から出してホンダフィットのトランクに重ねる。隠居は目と鼻の先ではあるけれど、手で運ぶには数が多すぎ、また台車で運べば揺れによる損傷が懸念をされるからだ。

9時30分、店にそれらしいお客様の入っていらっしゃったことを、店と事務室とを隔てるガラス越しに気づく。即、靴を履いて店へと回り、お客様にご挨拶をする。そしてお客様の到着を、隠居にいる長男に電話で報せる。

お客様を長男に引き継いで、春日町1丁目の公民館へと急ぐ。自主防災会の講習が10時から開かれるためだ。今日は今市消防署から2名の消防吏員が来て、事故や病気で命の危険が迫っているやも知れない人への対応、および三角巾の使い方を教えていただく。町内全体に回覧板を回しても、出席をするのはいつもの面々ばかりだ。しかしはっきり言って、この催しに来ないのは損である。僕は今回、心臓マッサージや人工呼吸、AEDの使い方を初めて知った

午後から夕刻にかけては、毎年12月1日の午前9時にメールマガジンでその発売をお知らせする「日光の美味七選」のページを整え始める。今回は「七選」のうちふたつの中身が変わる。よってその商品説明を次の金曜日までに書き換えるよう、長男に頼む。


朝飯 切り昆布の炒り煮、春雨炒め、揚げ湯波と蕪の葉の甘辛煮、酢蓮、納豆、明太子、冬瓜と豚三枚肉の炊き合わせ、みょうがのたまり漬、メシ、揚げ湯波とおろぬき大根の葉の味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 酢蓮、刺身湯波とほうれん草のおひたし、鮭の白子の網焼き、里芋と蛸の炊き合わせ、揚げ湯波と蕪の葉の甘辛煮、煮込み豆腐、麦焼酎「田苑」(ソーダ割り)、干し柿、”Hennessy XO”(生)

2017.11.18(土) 自転車

きのうは南青山の料理屋で話し込み、長男にうながされて時計を見ると、20時30分になっていた。乗り換え案内によれば、今この瞬間に表参道から千代田線に乗ったとしても、北千住に着くのは21時04分。高樹町のちかくから表参道までの移動を考えれば、21:13発の下り最終には間に合わない。

自分ひとりなら泊まってしまうところ、新幹線を使えばまだ間に合うと長男は言う。数時間前にインターネット上で買った、北千住発の特急券を即、払い戻す。表参道から銀座経由で東京駅へ行く。21:24発の東北新幹線を宇都宮で降りる。そこで乗り換えのため30分も待って、JR日光線で23時21分に今市に着く。これからは、飲み会のときにはiPhoneにアラームを設定しておこうと心に決める。

きのう東武日光線の下今市駅には自転車で行った。帰ってきたのはJR今市駅だ。よって寒空の下を歩いて下今市駅ちかくの駐輪場へと至る。そして自転車を引き出し、またまた寒空の下にペダルを踏んで会社に戻る。


朝飯 大根おろし、納豆、冬瓜と豚三枚肉の炊き合わせ、春雨炒め、切り昆布の炒り煮、明太子、なめこのたまりだき、メシ、豆腐とレタスの味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 ベーコンとマッシュルームのスパゲティ葡萄パン“Petit Chablis Billaud Simon 2015”“Camus XO”のビンに入った” Hennessy XO”(生)

2017.11.17(金) 青山でいちばん好きな店

子供のころから今に至るまで一貫して、ウチの商品の中で僕のいちばん好きなものは「なめこのたまりだき」である。師走までは保つだろうと考えていたその在庫が、このところの需要の急増により、今月の上旬に払底してしまった。ご迷惑をおかけしたお客様も少なくなく、とても申し訳なく思う。

製造現場では急遽、日程を整え、本日ようやく、そのビン詰めが完了した。フクダナオブミ製造部長によれば、今日の夕刻には蔵出しが可能とのことで、ひと安心をする。なお、この「なめこのたまりだき」のビン詰めは来週も行う。暮から正月にかけての繁忙を睨んでのことだ。

下今市12時35分発の上り特急リバティに乗り、14時38分に表参道に着く。今日の仕事場は高樹町のちかくで、約束の刻限は15時だ。よって、いつもより速く歩いて骨董通りを南下する。

計4名による話し合いは、17時30分に完了した。その全員が、すぐそばの、過去には夏休みが来るたび長男と次男を連れて訪れていた料理屋にあらためて集合し、20時30分まで歓談をする。


朝飯 冬瓜と豚三枚肉の炊き合わせ、胡麻豆腐による冷や奴、トマトのスクランブルドエッグ、納豆、ピーマンの炒りつけ、切り昆布の炒り煮、たまり漬「七種きざみあわせ(だんらん)」、メシ、豆腐とおろぬき大根の葉の味噌汁
昼飯 「美彩たむら」の日替わり弁当
晩飯 ”LAUBURU”のドライシェリー、前菜の盛り合わせポロ葱のグラタン豚肩ロース肉の炭火焼き豚の内臓のソーセージ鴨の脂で焼いた玉子と豚塩漬け肉と2種のピーマンのオーブン焼き、リストから適当に選んだ白ワイン、同赤ワインアイスクリームマールコーヒー

2017.11.16(木) 歓待

中部地方で会社を経営する下級生を訪ねると、運転手付きのクルマを出して歓待してくれた。やがて冬の日が西の空に傾き始める。夕食を摂る前に僕がその街を離れることを、下級生は承知している。有名らしい神社の境内で、下級生は運転手を帰した。そして今度はみずからハンドルを握り、僕をモダンな喫茶店へと案内した。

ほとんど無休で仕事をしていることを話すと「休みなんて要りませんよね」と、彼は穏やかな口調で返事をした。僕はなかば同意をしながら「しかし、たまには気楽に旅がしたいぜ」と答えた。仕事がらみではあるだろうけれど、その下級生が頻繁に海外を訪れることを、僕は知っていたからだ。「まぁ、それはそうですね」と、彼はすこし恥ずかしそうに笑った。

姿を見かけたことは1度あったか無いか、言葉を交わしたことは皆無の人の夢をこれほど明瞭に見るのは多分、僕がfacebook上に上げたあれこれに、彼が頻繁に反応をしてくれるせいだろう。オンライン上での付き合いとは、つくづく、不思議なものだ。


朝飯 ピーマンの炒りつけ、納豆、青葱の玉子焼き、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、赤紫蘇の葉と白胡麻のふりかけ、たまり漬「栃木県壬生町産のしょうがです。」、メシ、豆腐と長葱の味噌汁
昼飯 朝のおかずを流用した弁当
晩飯 春雨炒め、蛸と胡瓜の酢の物、モツ煮、麦焼酎「田苑シルバー」(ソーダ割り)

2017.11.15(水) 家から持参すべし

「日本の3分の1の値段なんだから、買わなきゃ損だよ」と、オフクロが海外へ行くたび買い集めたコニャックやアルマニャックを飲みきることが、なかなかできない。

それらの栓を抜こうとすると、数十年を経たコルクはおしなべて、途中で折れる。「であれば」と、ビンの首に残ったコルクにワイン抜きをねじ込み、それを引き上げると、これまたおしなべて、コルクにはワイン抜きの螺旋の太さに穴が開く。

「であれば」と、今度はそのコルクを指で押してビンの中に落とし込む。そして中身を茶こしで漉し、別の瓶に入れ替える。この儀式めいた行いを、僕はこれまでどれほど続けてきただろう。

今年の6月20日、僕は”Old Parr”の1リットル瓶を、楽天の酒屋から1本2,964円で買った。翌日、羽田空港の免税店をのぞく機会があり、すると同じものに4,300円の値が付けられていた。

むかしは免税店へ行きさえすれば、とにかく酒は安く買えた。しかし今は、どうにも不思議なことになっている。その土地でしか手に入らない酒を除いては、旅に臨んでは「酒は家から持参すべし」なのかも知れない。


朝飯 納豆、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、ブロッコリーのソテーを添えたベーコンエッグ、切り昆布の炒り煮、明太子、たまり漬「一口大根」、メシ、豆腐と三つ葉の味噌汁
昼飯 朝のおかずを流用した弁当
晩飯 「コスモス」のトマトとモツァレラチーズのサラダカツレツドライマーティニ、グラスの赤ワイン

2017.11.14(火) 十三年

肺炎をこじらせたオヤジが地元の森病院から壬生町の獨協医科大学病院に転院をしたとき、見舞いのため往復するクルマの中ではずっと、グレン・グールドの”Bach,The Goldberg Variations”を聴いていた。それほど長くない入院期間を経てオヤジが亡くなった朝は、ハロルドメイバーントリオの”Kiss of Fire”を聴きつつ家に戻った。

そのオヤジの十三回忌のため、先ずは如来寺のお墓に花と水を供える。そこから家内と本堂への道を歩いていると、長男と嫁、孫の姿が、やはり本堂の入口に見えた。

境内には、夕方から開かれる十夜法要のための柱が建てられている。告別式により不在にしているクワカドシューコー住職に代わり、法要の一切は、息子さんが執り行ってくれた。

法事の後は通常、会食となるところ、繁忙の店を留守にしてはお客様や社員に迷惑をかける。よって即、会社に戻り、黒い背広から仕事着に着替えて即、現場に復帰する。


朝飯 切り昆布の炒り煮、納豆、大根おろしを添えた薩摩揚げの網焼き、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、らっきょうのたまり漬「ピリ太郎」、明太子、メシ、浅蜊と万能葱の味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 トマトとルッコラのサラダ2種のパンクリームシチュー“Petit Chablis Billaud Simon 2015”

2017.11.13(月) 虎口

東京での所用にて、ホンダフィットの運転席に収まり、朝7時32分に会社を出る。

日光宇都宮道路、東北道と順調に走って浦和が近づくと「鹿浜橋まで70分」の表示が出る。「70分」なら、今朝、日光から浦和まで来るにあたって費やした時間より長い。「馬鹿くせぇ」と首都高速道路には乗らず、左に逸れて浦和インターチェンジで降りてしまう。時刻は8時45分。このあたりの地理はまったく知らないものの、iPhoneでグーグルマップを見ればどうにかなるだろうと踏んでのことだ。

鹿浜橋はとうに過ぎ、9時34分に扇大橋が見えてくる。ここまで来れば、あとは知った道である。いまだ空の広い舎人から一直線に南下をして西日暮里。そこから不忍通りに入って池之端。秋葉原を通り抜け、神田のガード下を10時10分に通過する。予想した時刻に20分遅れて、日本橋には10時20分に着いた。

都内の数ヶ所で用事を済ませ、湯島を15時33分に出る。来た道を戻り、扇大橋から首都高速道路に上がる。ここを走るのは2005年以来のことではないだろうか。ほとんどすべてのクルマが飛ばしているのは、むかしからのことだ。地を這うスポーツ車なら、いくら飛ばしても危なげはない。しかしここでは4トンの保冷車さえ、恐ろしいほどの速度でコーナーに突進していく。高速道路といえばせいぜい日光宇都宮道路くらいしか走らない僕からすれば、首都高速道路は命の危険を実感するところである。

大きなトラックの後ろについて、つまり前方を見渡せない状態で浦和本線料金所にさしかかる。「ことによると」と顔を左にずらせて先を見ると、目前に迫った入口は果たしてETC専用だった。というか、視界に入るすべての入口はETC専用である。遂に僕は、入口と入口の間に設けられた、赤い衝突衝撃緩衝具にホンダフットの鼻先を付けて停止せざるを得なかった。

両側を、ETCを搭載したクルマや大型トラックが、速度をほとんど落とさないまますり抜けていく。果たして自分はこの危機を脱することができるだろうか。

先ずは、カーステレオからCDを引き抜いて車内の音を消す。そしてリアウィンドウ越しに後ろを振り返ると、数百メートルの彼方までクルマが一台も迫ってこない奇跡の瞬間があった。その機を逃さず数十メートルを後退し、ハンドルを大きく左に切って、いくつものレーンを横切る。そして左端ちかくに設けられた一般用の入口から無事に東北道に乗る。僕はかなり運の良い人間ではないだろうか。

浦和の料金所から東北道の下り車線を周囲の流れに乗って走るとは、時速120キロから130キロを保って、時には140キロちかくまで速度を上げて走ることに他ならない。自分でハンドルを握っての東北道は、これまた多分、2005年以来のことだ。

それでもすこし走るうち、周囲のクルマの速度は徐々に落ちていった。そうして東北道を宇都宮インターチェンジで降り、日光宇都宮道路に乗り換えて、17時26分に帰社する。


朝飯 大根おろし、納豆、明太子、胡瓜の「日光味噌のたまり浅漬けの素・朝露」漬け、ごぼうのたまり漬、メシ、お雑煮の汁
昼飯 「天寿ゞ」の特上天丼
晩飯 トマトとほうれん草とモツァレラチーズのサラダトースト煮込みハンバーグステーキ“GRANDS ECHEZEAUX Vicomte Bernard de Romanet 1985”

2017.11.12(日) 上々の首尾

早朝、食堂のテーブルに着いてコンピュータを開く。石毛直道の、きのうamazonに出品する古書店で146円で買った「リビア砂漠探検記」を検索すると、残りの古書2冊はそれぞれ8,268円と12,600円に値を上げていた。機を見るに敏でない上品な店のお陰で、今や稀少となったこの本を安値で手に入れることができたのだ。子供のころから「グズ」と言われ続けた僕にしては、上々の首尾である。

春日町1丁目の役員には、先般の「屋台まつり」の後始末として、屋台の点検をする旨が回覧板により知らされていた。よって10時前に町内の屋台庫へ行く。しかし日曜日の店舗は忙しく、また長男は消防団員として、出初め式の練習に出ていて不在にしている。そういう次第にて、ウカジシンイチ自治会長と屋台の修理にかかるお金の相談のみをして、店に戻る。

11時からは店内で、たまり漬のおむすびを販売する。お米は日光市塩野室産のコシヒカリだ。それを土鍋で炊いて結んだおむすびは、「伝統家屋でいただく、なんでもない日の食卓」が隠居で催される次の日曜日にはお休みをして、その次の日曜日には、また販売をする予定でいる。

紅葉の最盛期は去りつつあるにもかかわらず、いまだ多くのお客様が、日光に来てくださっている。この繁忙ができるだけ長く続くことを、僕は願っている


朝飯 ほうれん草のソテー、納豆、トマトのソテーを添えたスクランブルドエッグ、明太子、大根と胡瓜のぬか漬け、たまり漬「おばあちゃんのホロホロふりかけ」、メシ、豆腐と揚げ湯波と三つ葉の味噌汁
昼飯 明太子、揚げ玉、大根と胡瓜のぬか漬け、たまり漬「おばあちゃんのホロホロふりかけ」ごぼうのたまり漬によるお茶漬け
晩飯 ブルスケッタ蒸し鶏のサラダ茸とにんにくのスパゲティ“Petit Chablis Billaud Simon 2015”、”Chez Akabane”のアップルパイ、“DUCALE Stravecchia RISERVA 18MESI”(生)

2017.11.11(土) 間髪を入れず

日本経済新聞の「私の履歴書」は、今月のはじめから石毛直道が書いている。11日目の今朝は、初めての著書「食生活を探検する」を出す際のいきさつが綴られている。この本は、ウチの本棚には2冊がある。1冊は僕が買った。もう1冊は、オフクロが亡くなった後で、オフクロの本棚から見つかったものだ。現在、2冊のうちの1冊は、長男の本棚に収まっている。

それはさておき「私の履歴書」の今朝の写真には、その「食生活を探検する」と共に「リビア砂漠探検記」も写っている。こちらについては、僕は浅学にして知らなかった。

「私の履歴書」のなかで、自身の著作について触れる著名人は少なくない。それを目にし、興味を持ち、amazonで検索をすると、価格は既にして高騰していることが多い。殺到する需要を見越して古書店が値をつり上げるのだ。

今回も「どうせ手の出る値段ではないだろう」と、なかば諦めつつ調べると、その1973年版の単行本は、いまだ146円の安値を保っていた。よって間髪を入れず「カートに入れる」ボタンをクリックする。


朝飯 お雑煮
昼飯 焼き餅、焼き海苔、バター、お雑煮の汁、たまり漬「おばあちゃんのホロホロふりかけ」
晩飯 トマトとモツァレラチーズのサラダトーストクラムチャウダー“Petit Chablis Billaud Simon 2015”

2017.11.10(金) ごぼうのたまり漬

「いつもより早く現場に入りたい」という社員からの申し出が無い限り、事務室は毎朝、7時20分に開ける。7時30分になると、僕は掃除のための道具を持ち、自転車で道の駅「日光街道ニコニコ本陣」へ行く。そして専用の冷蔵ショーケースを拭き清め、商品の在庫を調べ、会社に戻る。本日の納品分を記したメモを包装係に手渡し、その商品ができれば、それを「日光街道ニコニコ本陣」の冷蔵ショーケースに納める。出張や公の用事や旅行で不在にする以外は、毎日、これを繰り返す。

ウチの商品で、僕が子供のころから一貫してもっとも好きなのは「なめこのたまりだき」である。12月までは保つだろうと考えていたこの在庫が、このところの需要により、今日にも売り切れるところまで減ってしまった。よって「日光街道ニコニコ本陣」の「なめこ」の売り場には、それに替わって「ごぼうのたまり漬」を置くこととし、それを、この商業施設が開店する9時より前に納品する。急なことにて、品札は家内に筆で書いてもらった。

「ごぼうのたまり漬」は先月から蔵出しの始まった新商品ではあるけれど、早くも人気商品になってしまった。「日光街道ニコニコ本陣」のお客様にも、認めていただければ幸いである。


朝飯 切り昆布の炒り煮、大根と胡瓜のぬか漬け、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、明太子、スクランブルドエッグ、しその実のたまり漬、メシ、豆腐と揚げ湯波と三つ葉の味噌汁
昼飯 焼き餅たまり漬「おばあちゃんのホロホロふりかけ」、バター
晩飯 ほうれん草と秋刀魚のソテーピッツァ“Petit Chablis Billaud Simon 2015”

2017.11.9(木) 頑張れば

ボンヤリさせたら日本一の割に、駅などで電車を待つことを好まない。電車を使うときには、駅で切符を買い、跨線橋を上り下りし、既にして到着している電車のデッキに足を踏み入れた瞬間に背後でドアが閉まる、そのような時間を見計らって行動する。今朝は7時35分に家を出て、下今市07:45発の上り特急スペーシアに長男と乗った。

JR駒込駅の、上野にちかい方の小さな改札口を出ると、時刻は9時40分だった。約束の10時には早すぎるため、目と鼻の先のドトールでコーヒーを飲む。

取引先との、ウェブショップその他についての話し合いは、16時に終了の予定だった。しかし存外に長引いて、駒込から西日暮里へ向けて山手線の外回りに乗ったときには、時刻は17時50分になっていた。

頑張れば、北千住18:13発の下り特急スペーシアに間に合う。しかし頑張る気はしない。よって北千住でしばし飲酒活動を行い、19:13発の下り特急スペーシアに乗って、21時前に帰宅する。


朝飯 赤紫蘇の葉と白胡麻のふりかけ、切り昆布の炒り煮、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、生のトマト、刺身湯波、納豆、みょうがのたまり漬、メシ、揚げ湯波と椎茸と万能葱の味噌汁
昼飯 「喜楽」のニラ玉定食
晩飯 「加賀屋北千住店」のあれやこれやそれやチューハイ

2017.11.8(水) 売る人よりも買った人を信用する

人は、商品を売る人の言うことよりも、その商品を買った人の言うことを、より、あるいは圧倒的に信用する。

ホアヒンに旅した人が、自分の滞在しているホテルは最高とのコメントをfacebookに上げ、それを誰かがシェアしたものを先般、家内が目にして僕に教えた。僕はそれを横から覗いて「ふーん」と返事をし、しかしそのホテルの名をメモすることはしなかった。ホアヒンはシャム湾に面した、タイの王室が離宮を持つ街だ。

昨年の2月、バンコクの中央駅フアランポーンからタイ最南端の駅スンガイコーロクを目指す途中、どこかの駅に停まった。右手には、信じがたいほど美しく整備をされた広大な庭が、夜間照明により浮かび上がっていた。「一体全体、ここはどこだ」と確かめようとするうち車両は動き始めた。寝台車の席を慌てて立ち、連結部分から二等車に急いで外を見ると、これまで写真でしか目にしたことのなかった、しかし一目でそれと分かるホアヒンの駅舎が後ろに去るところだった。

王室が離宮を持つリゾート地、のようなところに僕は興味を持たない。しかし家内には、何やら行きたそうなそぶりも窺える。行くならやはり、バンコクから列車、それも三等車というのが僕の趣味である。

列車での移動は、タイ人にはまったく人気が無い。長距離バスにくらべて乗り心地が悪く、ひどく遅れることが、その理由だ。僕がスンガイコーロクを目指したときには、フアランポーン13:00発の列車は、時刻表によれば16:59にホアヒンに着くはずだった。しかし実際には、ホアヒンには18時を隨分と回ってから着いた。ほんの2、3分の遅れでも車掌が車内放送で詫びを入れる日本からすれば、タイの鉄道は救いがたくだらしない。つまりは”exoticism”である。

タイ国有鉄道南線の下りでホアヒン駅の右手に見えた「信じがたいほど美しく整備をされた広大な庭」は、かつては王室の専用だったロイヤルホアヒンゴルフコースと、後に知った。ゴルフはしない、リゾート地には興味のない僕ではあるけれど、あの列車にふたたび乗れるなら「行ってみようか」という気持ちも起きないではない。

人は、商品を売る人の言うことよりも、その商品を買った人の言うことを、より、あるいは圧倒的に信用する。そして僕は、その商品を買った人の意見よりも、自分の感覚を大切にしたい。ホアヒンのホテルについては早速、調べてみよう。外れを引いても自己責任であれば、どうということもない。


朝飯 納豆、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、蓮根のきんぴら、白菜漬け、巻湯波の淡味炊き、たまり漬「一口大根」、メシ、揚げ湯波と万能葱の味噌汁
昼飯 コロッケパンコーヒー
晩飯 切り昆布の炒り煮、白菜漬け、大根おろしを添えた厚焼き玉子、蓮根のきんぴら、肉豆腐、鯛の味噌汁、鯛飯、「勝山酒造」の「献・純米吟醸」(冷や)、

2017.11.7(火) 1歳

事務机左の壁に提げたカレンダーに、いよいよ予定が詰まってきた。仕事についてのことにはピンク色の、公の用事には黄色の、そして個人のそれについては緑色のマーカーで印が付けてある。他に、特に忘れてならないことにはクリーム色のポストイットを貼って「しくじり」のないよう注意をしている。

本日11月7日にも、仕事に関した来客のあることが、ピンク色のマーカーで強調されている。しかし初孫の、初めての誕生日でもあることは書いていない。忘れても、いずれ思い出すことは明白だからだ。

先般、鮮魚を売る「魚伸」の食堂部門「お魚ごはん」で昼食を摂った際に、今日のための鯛を店主のオーシマヒロシさんに注文しておいた。午後、食器棚から選んだ皿を、外へ出たついでに「魚伸」に届ける。夜になると、その皿に盛られた鯛の刺身を長男が持ち帰ってきた。

お祝いの卓に着いても、食べ物には中々ありつけない。

先ずは、長男と次男が育つとき世話になったサイトートシコさんがきのう届けてくれた一升餅を、孫の胸と背中に振り分ける。数週間前から歩き始めた孫は、かなりの重さと思われるそれを身につけながら、しかし難なく早足で数メートルを移動した。その上、途中でしゃがみ込み、そこから手を使わず立ち上がる技も見せた。一歳の誕生日を迎えた子供にこのようなことをさせるのは、ウチでは初めてのことだ。

初めてついでに、子供の将来を占うという「選び取り」も行われた。床に並べられた、泡立て器、筆、はさみ、1万円札、電子卓上計算機、味噌、ワインの中から、孫はすこし考えて電子卓上計算機を拾い上げ、それを持ったまま、次はワインのビンに手を伸ばした。

一体全体どうなることかと、その姿を見ていた僕は大笑いをし、そしてようやく、薄緑色の器に酒を注ぐ。


朝飯 白菜漬け、納豆、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、蓮根のきんぴら、たまり漬「一口なす」、メシ、トマトと揚げ湯波とピーマンの味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 蛸と胡瓜の酢の物、筑前煮、豆腐と玉子の吸い物、鯛の刺身巻湯波の淡味炊き赤飯、「勝山酒造」の「献・純米吟醸」(冷や)、「本沢屋」の団子

2017.11.6(月) JR宇都宮駅の売り場

普段は6時40分ころから朝食を食べ始め、7時5分ころになると「そろそろ」と、その食器を片づける。そして7時20分を目安に事務室に入り、出勤してくる社員のためにシャッターを上げる。しかし今日は朝食の開始を10分ほど早め、7時に事務室に降りる。長男は既にして外へ出る準備を整えていた。

長男の運転するマツダデミオの助手席に収まり、日光宇都宮道路を南下する。道の両側の広葉樹は、いまだそれほどは色づいていない。それはそうだろう、長袖の薄いシャツ2枚のみで自転車に乗っても、日中であれば寒さを感じないのだ。

JR宇都宮駅の商業施設「パセオ」2階にある物産店「宮源」には、昨年の春にお声がけをいただき、同5月より専用の冷蔵庫に商品をお出しし始めた。このビルには1990年代の初めまで、要冷蔵でない商品のみを扱っていただいていた。その、いわば発展的な復活である。

小さなコーナーではあるけれど、この売り場を愛用してくださるお客様の利便性をより高めるため、1年半を経た設備のあれこれ、そこここを検分し、更新の方向について、長男と大まかなことを決める。

用事が済めば一気に帰社し、繁忙の店舗に手助けに入る。あるいは製造現場に顔を出し、種々の報告を行う。


朝飯 蒲鉾の甘辛煮、ほうれん草のソテー、目玉焼き、白菜漬け、塩鮭、たまり漬「おばあちゃんのホロホロふりかけ」、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ湯波と玉葱と万能葱の味噌汁
昼飯 「大貫屋」のオムライス(ケチャップはかけないでね特注)
晩飯 酢蓮、2種の白菜漬け、千切りキャベツとマカロニサラダを添えたコロッケ、”Old Parr”(ソーダ割り)、チョコレートケーキ、Old Parr”(生)

2017.11.5(日) 日曜版

四半世紀ほども前のある朝、知人の家を訪ねると、僕より少し年長のその人はコーヒーカップを右手に持ち、ボンヤリと庭を眺めていた。それを見て、そのような時の過ごし方のあることを初めて知った。年中無休の僕には持ち得ない時間である。

数ヶ月前に紙面の一新された日本経済新聞が悪くない。殊にその日曜版は面白そうだ。しかしそれを読んでいるヒマは無い。

「夜になれば読めるだろう」と言われれば、夜は飲酒喫飯をし、それが済めば入浴をしてすぐに就寝するから新聞は読めない。「配達された直後に読めば良いではないか」と言われれば、新聞の日曜版は日曜日の午前に読むのがふさわしいような気がしているから早朝には開かない。

今朝のそれも目次に目を走らせれば僕の興味を惹く記事がいくつも並んでいるけれど、今日もまた、それらは読まれないまま、古新聞のためのプラスティックの箱に重ねられるのだ。もったいないことこの上ない。


朝飯 巻湯波の淡味炊き、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、納豆、トマトのソテーを添えたスクランブルドエッグ、蒲鉾の甘辛煮、たまり漬「おばあちゃんのホロホロふりかけ」、赤紫蘇の葉と白胡麻のふりかけ、メシ、豆腐と万能葱の味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 茹でた隠元豆の胡麻和えピエンローその鍋で作った雑炊、麦焼酎「田苑シルバー」(ソーダ割り)、シュークリーム、”Old Parr”(生)

2017.11.4(土) すべりこみ

5時30分、製造現場へ行くためエレベータの前まで来ると、昨夜から4階に留まっていたはずの英語では”car”、日本語では「カゴ」と呼ぶらしいそれが1階に降りている。よってそのカゴを4階まで上げ、1階に降りる。

ひと仕事を終えて事務室へ行くと、長男がコンピュータを使ってあれこれ試していた。その結果につき、しばらく説明を受ける。

ウチでは、紅葉時期の繁忙が去る前に年末ギフトの受注が始まる。よって過去の売上金額の推移を見ただけでは、紅葉狩りのお客様がいつごろまで日光にいらっしゃるのか、そこのところが分からない。

「いま東武日光の駅前にいる。店はいつまで開いているか」との電話を17時すぎに若い女性からいただく。交通手段はクルマではなく電車だという。左手で受話器を持ち、右手で机に置いたiPhoneを操作し、乗り換え案内を調べる。そして17:27発にお乗りになれば下今市には17:40に着くので、閉店の18時には間に合う旨をご説明する。

女性のお二人組は、17時50分にご来店くださった。有り難いことだ。「駅から歩いていただいて申し訳ありません」と、お詫びともお礼ともつかない言葉を僕はおかけする。外は夜と同じ暗さになっている。寒さはまったく感じない。


朝飯 巻湯波の淡味炊き、ほうれん草のソテー、トマトのソテーを添えたスクランブルドエッグ、筑前煮の残り、納豆、たまり漬「おばあちゃんのホロホロふりかけ」、赤紫蘇の葉と白胡麻のふりかけ、メシ、揚げ湯波とズッキーニと万能葱の味噌汁
昼飯 カレーライスらっきょうのたまり漬「浅太郎」
晩飯 「大昌園」のあれやこれやそれや麦焼酎「田苑シルバー」(オンザロックス)

2017.11.3(金) 文化の日

1990年代の後半まで、文化の日には毎年、市民体育祭が催されていた。子供のころの会場は今市高等学校で、カブスカウトの団員だったときには警備を担当した。大人になって東京から戻ると、会場は今市中学校に移っていた。僕は春日町1丁目から、毎年リレーの選手として出場した。

少子高齢化によるものか、余暇を楽しむ選択肢の多様化によるものか、理由はつまびらかでないものの、その後、市民体育祭は無くなった。この時期の日光には紅葉狩りの観光客が多く、ウチは繁忙のまっただ中にある。市民体育祭が無くなると聞いて胸をなで下ろす気持ちになったことは否めない。

今日は朝から、目の前の国道121号線にクルマが多い。それと春日町の交差点で交わる国道119号線については、言うまでもない。

「今日は何時まで営業をしているか」との電話を13時すぎにいただく。受話器に見える先様の番号は”03″から始まっている。「営業は18時まで」とお答えをし、しかし今からの出発では日光の秋をお楽しみになれない可能性の高い旨を、お伝えする。


朝飯 チャプチェ、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、細切り人参の炒りつけ、白菜漬け、納豆、らっきょうのたまり漬「黒太郎」、ごぼうのたまり漬、メシ、豆腐とトマトとズッキーニの味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 隠元豆のぬか漬けと豚の脂身のシナモン炒め豚タンと支那竹のクミン炒めカレー南蛮鍋その鍋に加えるためのほうれん草とパクチーとミント「紅星」の「二鍋頭酒」(生)チーズケーキのブルーベリーソース

2017.11.2(木) カランコエ

台風22号が去って以降は、幸いなことにおだやかな天気が続き、朝は毎日のように、夜明けの空にカメラを向けている。しかしこの日記に使う以外に道の無い画像であれば、いずれはフォルダから削除されてしまう、それを知りながら、今朝もまた、青の階調にオレンジ色の混じり合う様をファインダーに捉えてシャッターを切る。

店の前の6鉢のニューギニアインパチェンスから、このところ花がほとんど失われていた。よって「花一」のヤマサキジュンイチさんに連絡をしたところ、それに換わるものとしてカランコエを持って来てくれた。おなじ「花一」から新春用の萬両が届くまでは、このピンク色の小さな花に頑張ってもらわなくてはならない。

夕食のおかずはポークソテーだという。だったら飲物は軽い赤か白のワインだ。そうは考えても、ウチのワイン蔵に軽い赤ワインは無い。更には、在庫は古いものばかりで、ビンの中にはおしなべて澱が沈んでいる。食事の前に持ち運びをすれば、濁ることは必定だ。そういう次第にて、今夜はウィスキーのお湯割りを飲む。

季節は晩秋から冬に向かっている。これからしばらくは寒い廊下に赤ワインのビンを立てておき、急な肉料理にも対応できるようにしようと思う。


朝飯 たまり漬「おばあちゃんのホロホロふりかけ」、チャプチェ、細切り人参の炒りつけ、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、トマトのソテーを添えた目玉焼き、大根おろしを薬味にした納豆、メシ、シジミとズッキーニの味噌汁
昼飯 「つけ汁うどんあくつ」の相盛り(大盛り)、ピリ辛肉汁、黒糖プリン
晩飯 白菜とベーコンのスープ茹でたブロッコリーとポテトサラダを添えたポークソテー“Old Parr”(お湯割り)牛乳プリンのブルーベリーソース

2017.11.1(水) 日光の美味七選

日ごろから僕が「美味いなぁ」と感じつつ食べている品や「あそこの店主はすげぇな」と感心、畏敬しているお店の品を集め、大晦日に限定数40でお届けする商品が「日光の美味七選」だ。いまコンピュータの中の資料を調べてみたところ、これを始めたのは2007年だった。ということは昨年が10周年、今年は11年目になる。

各々のお店には秋のうちに手紙をお書きし、お声がけをし、出荷日の12月30日にお店までそれを求めに行き、あるいは配達をしていただいて荷造りをする、その段取りについては、4年前の2013年に長男に引継ぎ、今では長男が、そのほとんどを担ってくれるようになったから、僕は楽なことこの上ない。

今日は朝から、その今年の分の撮影を4階の食堂で行う。仕事は9時からの予定でいたものの、朝特有の忙しさ、つまり予期しなかったあれこれの割り込みにより、30分ほど遅れて始まった。

日光の諸方から集めたそれらを籠に盛り、種々の設定を整えたカメラを三脚に固定し、シャッターを切るのは長男であり、僕の役目はせいぜい、窓の遮光カーテンを通り抜けて差し込もうとする光を大きな布でさえぎるくらいのものだ。撮影は予想外に手間取って、70分後にようやく満足のいく1枚が得られた。

20分後には外で人と会う用事が控えている。よって後片付けは家内に頼み、取り急ぎ、長男とその場を去る。


朝飯 なめこのたまりだき、塩鮭、穴子の佃煮、たまり漬「おばあちゃんのホロホロふりかけ」、胡瓜のぬか漬け、白粥
昼飯 「お魚ごはん」のサンマはさみ焼き刺身定食
晩飯 刺身湯波、筑前煮、盛り蕎麦、舞茸の天ぷら盛りうどん、麦焼酎「高千穂零」(お湯割り)

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上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

蔵見学