2024.11.30(土) 勤労奉仕
日光市今市旧市街の町内は、各々が江戸末期に建造された彫刻屋台を持つ。そのうちの2台は道の駅「日光街道ニコニコ本陣」の、観光客がガラス越しに見ることのできる屋台庫に年変わりで収められる。我が春日町1丁目の屋台も現在はそこにあって、今日はその雨屋を外す勤労奉仕が10時より行われると、町内のグループラインで知らされていた。僕は繁忙にて手伝うことはできない。しかし顔だけは出すこととした。
春日町1丁目の屋台は、2台が縦に並ぶ後ろにあった。あるいは来年は、これが前に移されるのかも知れない。天屋の取り外しと、その町内の屋台庫への片づけは、いずれ30分や1時間で終わる作業ではない。僕は会計係として皆の昼食の席を蕎麦の「やぶ定」に確保し、集金は午後にでも上澤梅太郎商店の方に来てくれるよう、女将に伝えた。
この週末、特に明日は、年末ギフトの申込みが店に集中するだろう。現在の、受注からお届けまでの日数は4日から5日。この納期が来週はすこし延びそうな気もする。僕は僕で、できる仕事に集中をしよう。
朝飯 トマトと菠薐草とウインナーソーセージのソテーを添えたスクランブルドエッグ、昆布の佃煮、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、小松菜の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 ブロッコリーのソテーとたまり漬によるソースを添えたビーフステーキ、BOURGOGNE Jean GROS 1994、焼き林檎のカスタードクリーム添え、Old Parr(生)
2024.11.29(金) 琴の音
とかく人は「お得感」を欲しがる。僕も例外ではない。4時台の起床は当たり前。5時台のそれは寝過ごしにより「損した感」がつのる、「お得感」がもっとも得られるのは3時台の起床で、今朝はそれに成功した。
早朝にすることは、仕事と遊びである。仕事とは「汁飯香の店 隠居うわさわ」への予約の受け付け、各方面の電子会議室への返信や書き込み、TikTokの朝食動画に寄せられたコメントへの返信、また昼の喧噪の中ではしづらいあれこれ。遊びとは主にこの日記の作成、欲しいものや行きたいところの検索と調査、あたりだろうか。3時台に起きることができれば、これらに余裕をもって当たれるのだ。
今日は店舗の人員が揃っているため、10日ほど前から先延ばしにしていた、日本酒に特化した飲み会「本酒会」の会長宅への訪問を果たす。そして会の今後についてを聞き、書記としてそれを会員に伝えることを約束して会社に戻る。
紅葉狩りの観光客は毎年の例に違わず、勤労感謝の日のからむ連休を最後として去った。もっとも当方はオマル・ハイヤームではないから酒姫の琴の音に酔っているヒマはなく、年末ギフトの繁忙が既にして始まっている。それが収まるのはクリスマスのころになるだろう。
朝飯 トマトのスクランブルドエッグ、小松菜のソテー、揚げ湯波の甘辛煮、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、けんちん汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 わかめパン、メリメロサラダ、ピッツァ其の一、其の二、其の三、其の四、其の五、其の六、其の七、Chablis Billaud Simon 2018、“Chez Akabane”のイチゴのショートケーキ、Old Parr(生)
2024.11.28(木) 捲土重来
曖昧な記憶をたぐり寄せれば多分、1991年のことと思うけれど、11月のはじめから12月のおわりまで2ヶ月のあいだ、毎晩、仕事に失敗する夢ばかりを見たことがある。神経の弱い人なら欝病になっていたかも知れない。当時の、お盆前と年末の仕事から受ける重圧は大変なもので、僕はその、年に2度の繁忙を「ギャー」と呼んでいた。
そういう夢を見なくなったのは、こちらは明確に証拠が残っているけれど翌1992年からで、新しいコンピュータの導入による。コンピュータはそれ以前から存在したものの、あるべき使い方ができていなかったのだ。以降、30年以上を経た今は大変に楽なもので、それは人の成長による。人の成長を促すものは、環境に他ならない。
1990年代のはじめに話を戻せば、当時の年末は、配達を除いては会社の敷地から1歩も外へ出ることなく1週間が過ぎる、ということも珍しくなかった。そんなときの唯一の楽しみは、夕刻に館内電話で夕食の内容を家内に訊き、それに合う酒を選ぶことだった。
ところで今日の夕食も非常に楽しみにしていたものの、1キログラムの鶏肉は意外と少なく、自分にとっては呆気なかった。来週は1.5キログラムに量を増やし、捲土重来の予定である。
朝飯 きのうのカレー南蛮鍋の残りのぶっかけメシ、ごぼうのたまり漬、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、小松菜の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 菠薐草の胡麻和え、薩摩芋の甘煮、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、豆腐よう、鶏と白菜の鍋、泡盛「久米島の久米仙」(生)
2024.11.27(水) メールマガジンの作成
あたりが明るくなり始めると、南東側には100メートル先も見えないほどの、南西側にはそれよりすこし薄い霧があった。その方角を違えた濃淡は、時を経るに従って濃くなったり薄くなったりを繰り返した。
霧が立ちこめれば「マッチ擦る…」を思い出さないわけにはいかない。その寺山修司の歌の調子は決して明るくない。しかし今朝の空は食事の準備をはじめるころには晴れ、やがて霧も消えていった。
ところで、お得意様にはすっかりお馴染みとなっている「日光の美味七選」を、今年も企画した。日ごろより「これは美味い」と僕が感じ入りつつ味わっている地元の優れた品々を、それぞれの生産者にお願いをして、限定数40でお送りする、大晦日必着の年越しセットである。販売の開始をお知らせするメールマガジンは、12月1日の朝9時に一斉配信する。その文章を完成させて、取りあえずは長男とSEが確認できる電子会議室に上げる。
なおメールマガジンは、文尾のリンクからご登録いただけます。ちなみに昨年の「日光の美味七選」は、メールマガジンを配信してから29分で完売しました。→メルマガ登録
朝飯 玉子焼き、ピーマンと人参のソテー、納豆、揚げ湯波の甘辛煮、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、けんちん汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、なめこのたまり炊、カレー南蛮鍋、「福光屋」の「加賀鳶極寒純米無濾過生原酒」(冷や)
2024.11.26(火) ものいり
むかしfacebookのストーリー、今はTikTokが物欲を刺激する。高級車や高級時計には、とんと興味を持たない。しかしシャツやブーツには、ときどき欲しいものが現れる。その欲を消し去ってくれるのは時間。もうひとつは「どうせ着ない」、「どうせ履かない」という経験則である。
重ね着、着ぶくれを嫌うにもかかわらず、普段着以外のセーターが、いつの間にか4着になってしまった。そのうち1年以内に着たものは1着のみ。ポロシャツは洒落たものが4着あるものの、やはり1年以内には、どれにも袖を通さなかった。よそ行きのパンツ3本は、この13年間で13キロも痩せて胴回りが緩くなり、今は出かけるときにも、普段のユニクロ製を穿いていく。
ブーツは、trippenのそれを履いて上から見おろすと「これほど見た目が良く、また楽なブーツがありながら、まだ欲しがるのか」と、もうひとりの自分が牽制にかかる。その静かな声は、正論には違いない。
そうしてシャツやブーツは取りあえず脇へ置いて、今日はオールドパーとティオペペを1ダースずつ、それぞれの店に注文した。お墓には3日前に職人が入り、今日の午前に現場へ出かけたところ、すっかり綺麗になっていた。そしてその作業料は、午後にスマートフォンから振り込んだ。
そういう次第にて、11月の小遣いは予算を大幅に超過した。12月のそれもまた、右へ倣えとなるだろう。いろいろと、あるのだ。
朝飯 揚げ湯波の甘辛煮、豆腐の玉子とじ、納豆、蓮根のきんぴら、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、けんちん汁の具を流用した味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 蕪鮨、ポテトサラダ、豆腐よう、焼き餃子、泡盛「久米島の久米仙」(生)
2024.11.25(月) 秋季小祭
おととい23日の日記の昼食で、にゅうめんのお椀の下に敷いた日本経済新聞は、手帳の特集だった。その紙面の左上に写っている「マンダラ手帳」については、2003年に使い方の教室に出たものの、1ページか2ページで途絶えさせたまま今に至っている。手帳は、1992年までは、かなりマメに使っていた。ところがその年の6月よりコンピュータで日計表を付けるようになり、やがて日程管理も行うようになったあたりから、手帳にはとんと手が伸びなくなった。
そういう僕も、事務机の左手に掛けたカレンダーには日々、目を遣る。カレンダーにはたくさんの書き込みがある。その中でも特に忘れてならないことは、ポストイットに記して貼る。今日のそれには「9:30神社」とある。その文字に従って9時に自宅へ戻り、白いシャツに縞のネクタイを締める。本来であればスーツを身につけなくてはならないところだろうけれど、気温の低さに負けてツイードのジャケットを重ねる。
総鎮守瀧尾神社の秋季小祭は、つまり新嘗祭だ。各町内の自治会長、神社総代、神社世話人と共に、神社の責任役員として昇殿をする。神社のお祭りは、人口の減少と共に簡略化をされ、特に春と秋の小祭は20分ほどで完了する。数年前までは社務所で行っていた直会も、いまでは拝殿の中で小さな紙コップの酒をきこしめして締め、である。それでも、お祭が無くなるよりはよほど良いと思う。
秋季小祭が過ぎれば、神社に参ずる仕事はしばらく途絶える。次に宮司と顔を合わせるのは役員の忘年会だろうか。とにかく初詣でまでは、仕事に専心する日々が続くだろう。いや勿論、仕事以外のことも考えたり、したりはするが。
朝飯 3種の野菜とウインナーソーセージのソテー、揚げ湯波の甘辛煮、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、きのうの鍋を作り直した味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 「食堂ニジコ」のキュウリの辛子和え、ピータン、チャーハン、麦焼酎「二階堂」(お湯割り)
2024.11.24(日) 掉尾のいっしん
多くの人にとって週末は「休み」ということで嬉しいのではないか。僕にとって週末は「より多くの商品を買っていただける」という点で、平日より嬉しい。
今年の紅葉は夏の猛暑により、例年より1週間ほど遅れているとの説が早くからあった。6日前の月曜日に知人を東照宮まで送り届けた長男によれば、日光山内の紅葉は頂点の美しさだったという。またおととい来社した取引先によれば、鬼怒川温泉の紅葉は今が盛りだという。とはいえ紅葉見物による混雑は、いずれ今日が今年の最後になるに違いない。
この1週間は、特に販売係と事務係に風邪で休む者が複数に及んで、人のやり繰りが大変だった。しかしきのう今日はほぼ普段に復して、胸をなでおろした。生産性とか合理化とか言われても、お客様へのサービスは対応に当たる人数に依存する、ということは、やはりあるのだ。「アップルショップの店員の数を見てみろ」である。
きのうまで、11月の売上金額は3日のそれが最高だった。その数字を今日のそれは超えた。「掉尾の一振」の「いっしん」を変換してくれない僕のワードプロセッシングのソフトは何だろう。コンピュータの設定は人まかせのため、そういうことも、僕は知らない。
朝飯 大根おろしを薬味にした納豆、生玉子、揚げ湯波の甘辛煮、昆布の佃煮、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、けんちん汁の具を流用した味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 豚薄切り肉と菠薐草と厚揚げ豆腐と茸の鍋、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、なめこのたまり炊、麦焼酎「こいむぎやわらか」(お湯割り)
2024.11.23(土) 最大公約数
きのうに引き続いて、辛うじて4時台の起床。「辛うじて」ではダメなのだ。今夜こそは早寝を成功させようと朝のうちは考えるものの、果たしてどうなるだろう。
所属する団体のなかで、メールの読み書きの不自由な会員がひとりいる、ということをきのう知った。その人はスマートフォンにメールのアプリケーションをダウンロードしていず、家にコンピュータはあるものの、それには手を触れないらしい。
現在、団体内のやりとりはメールで行っているものの、そのひとりを考慮して、今後の連絡は電話で行うこととする、という案がきのう、なかば決定した。「それはいかにも」と僕は考えたものの、しばらくは黙っていることにした。
一夜が明けて今日になると「電話の案は廃止。今後もメールで行く」との通達が事務局からメールであった。よって「電話は出もの腫れもの所きらわずの時代遅れの通信手段。今やNTTもdocomoも、客と電話でのやり取りはしたがらない。その会員にはどうにかしてメールの読み書きができるようになってもらおう」との返信を送った。
「多様性の時代」とはいえ「やっぱり最大公約数には従って欲しいわな」と思う。第一「そのひとり」は、老人でもないのである。
朝飯 湯波の甘辛煮、豚挽き肉と春雨の中華風炒め、昆布の佃煮、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、けんちん汁の具を流用した味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 天ぷらあれこれ、ざる蕎麦、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、なめこのたまり炊、「宮坂醸造」の「真澄すずみさけ純米吟醸」(燗)
2024.11.22(金) 平日にもかかわらず
久しぶりに4時台の起床。とはいえ寝室から洗面所を経由して食堂に入り、明かりを点けたのは4時52分だったから、威張るほとのことでもない。このところ、どうにも早起きができない。明日こそは、早寝を成功させよう。
Keith Jarrettの”Bye Bye Blackbird”、Chet Bakerの同曲、Blue Mitchellの”I’ll Close My Eyes”、Dusko Goykovichの同曲と、YouTubeをサーフィンしながらおとといの日記を公開し、更にはきのうの日記も完成させる。僕にはこのような、ひとりの静かな時間が欠かせない。一日が始まれば、人、人、人、電話、電話、また電話、なのだ。
日中、キャッシュレジスターの前に立ちながら「足尾から日光を抜けてきたけど、あの渋滞には参った」とおっしゃるお客様のお相手をする。今日は平日にもかかわらず、だ。そういえば地理不案内な友人を今週の月曜日に東照宮までクルマで送った長男によれば、普段なら15分の行程に90分を要したとのことだった。
「那須塩原まで下道で行けますかね」と、四葉マークを貼ったトヨタクラウンでご来店くださったお客様に訊かれる。午後も遅い時間であれば「高速道路の方がお楽ですが…」とお答えをするも、どうしても一般道でいらっしゃりたいらしい。途中に「有名どころ」も無ければ、こちらは快適なドライブになるかも知れない。
火曜日からの、2台のバスに分乗してのお客様は、4日目の今日が最後。すべて無事にご案内ができて良かった。紅葉狩りの賑わいも、今週の日曜日が最後になるだろう。
朝飯 茹でたブロッコリー、じゃがいもの味噌バター、炒り卵、紅白なます、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、恵比寿講のけんちん汁の具を流用した味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 胡桃の胡麻和え、昆布の佃煮、豚挽き肉と春雨の中華風炒め、菠薐草の胡麻和え、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、鰤の蕪鮨、「菊姫合資会社」の「にごり酒」(燗)
2024.11.21(木) もうそんな時期
ヒマをかこち、退屈さを嘆く人がいる。僕からすれば、退屈は、最高の贅沢だ。当方は忙しくて、どうにもならない。「忙しさは段取りの悪さによるもの」と断ずるむきもある。そうかも知れない。しかしどうにもならない忙しさも、あるのではないか。
あす金曜日までの、僕も含めて販売係と事務係の、いつどこで何をすべきかのガントチャートをきのう、嫁のモモ君に作ってもらった。それに従って、11時30分から12時30分までは事務室で電話番を務めた。その電話が、ひとつ終わるとすぐに次が鳴り、ということが延々と続いて、いつまでも収まらない。一時は昼食を抜くことも考えたものの、それはどうにか避けることができた。「食事を抜くなどは日常茶飯事」という人もいるかも知れない。しかし野球における投手のローテーションとおなじく、それを狂わせると、後に害が及ぶのだ。
16時をすぎてからはようやく楽になって、店に立つ。終業後は僕が書記を務める日本酒に特化した飲み会「本酒会」の、本日の出品一覧を、本日の参加者の数だけ紙に出力する。そして19時30分の直前に今月の会場に入る。店の壁には既にしてクリスマスの飾り付けがあった。「もうそんな時期」なのである。
朝飯 菠薐草のおひたし、銀鱈の煮付け、紅白なます、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、きのうの夜のけんちん汁の具を流用した味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 “Johnny’s Cafe 638″の其の一、其の二、其の三、其の四、4種の日本酒(冷や)