2025.6.22 (日) 新しい天体
事務机の左手に提げたカレンダーの今日の余白には、11時より6名様の蔵見学、15時40分よりバスのご予約が記してある。よって普段のあれこれの予定を、それらふたつに合わせて組み替える。
お客様を蔵へご案内する日が晴れていれば、写真を紙芝居のようにしてご覧に入れつつご説明する「たまり漬」の歴史は「汁飯香の店 隠居うわさわ」の庭で行う。薄暗い蔵の中でそれをするよりは、お客様も、よほどお気持ちが宜しかろうと想像するからだ。
そして今日もそのようにして隠居の門をくぐり、池泉に渡された石の橋を渡る。座敷は「汁飯香」の朝食をお召し上がりになるお客様で満席。その中には、海外からと思われるお二人様もいらっしゃった。
今日は9時30分より、英語のファーストネームによるお二人のご予約をいただいていた。11時過ぎという現在の時刻からすれば、今いらっしゃるお二人は別の方で、混み合うはざまに運良く席を確保されたのだろう。
隠居の庭から出て蔵の中をひととおりご案内した6名様は満足をされ、蔵から店にお戻りになると、少なくない買い物をしてくださった。
さて3時40分にご予約くださったバスは、30分ちかく遅れて鬼怒川方面から到着をした。ちょうど混雑の去った直後だったため、店に最もちかい駐車場には空きがあって助かった。こちらのお客様もみな様あれこれと買い物をしてくださって、とても有り難く感じた。
夕刻、家内から聞いたところによれば、隠居の、本日ふた組目の海外からのお客様は「汁飯香」のお決まりの他に2種のおかずを注文され、それをお持ちすると、その食べ方をお訊ねになったという。つまりお二人は、どのようなものか分からないままそれをご注文になった、ということだ。「好きですねー、そういう方」と、僕は思わず声を発した。そういう方のみが「新しい天体」には出会えるのだ。
朝飯 白胡麻、塩鮭、なめこのたまり炊、刻み茗荷、梅干のお茶漬け
昼飯 茗荷と大葉のつゆで食べる素麺
晩飯 スパゲティプッタネスカ、Chablis Billaud Simon 2018