2025.9.13(土) これが本当の今年最後
「今年の麺つゆ作りは多分、これが最後になるだろう」と日記に書いたのは先月19日のことだった。出来高は2.2リットルだった。その麺つゆはしかし、きのうの昼に枯渇してしまった。「今は、もう秋」という詞の歌がむかしあった。「冗談じゃねぇよ」と、それに逆らう気持ちがある。
ワイン蔵に保管した材料を見に行くと、昆布や干し椎茸や鰹節の在庫は充分ながら「かえし」の残りが少なくなっていた。よって今年の1回目から4回目までは2.1リットルの水を用いたものの、今回はそれを1.5リットルに減らして、今度は本当に、今年最後の麺つゆ作りにきのうの夕刻より取りかかった。
麺つゆは、自分で作るより既製品を買った方がよほど安い。しかし自分で作った方がよほど美味い。レシピは昨年の8月25日に決定版を得ている。仕上げについては今年の8月1日に新たな知識を得た。そして今年最後の麺つゆは昼前に完成した。
その麺つゆは、僕が昼食を摂る13時30分にはいまだ温かみを帯びていた。またそれほど気温も高くなかったため、今日の昼食はにゅうめんにした。
明日の昼食は外で簡単に済ませることが決まっている。今日の麺つゆで素麺が食べられるのは、明後日の昼になるだろう。
朝飯 生玉子、ゴーヤーチャンプルー、南瓜の甘煮、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、大根と若布の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 ピッツァ其の一、ピッツァ其の二、Chablis Billaud Simon 2018
2025.9.12(金) ゴールドラットは読めないけれど
上澤梅太郎商店が運営する朝食の専門店「汁飯香の店 隠居うわさわ」は、毎週土日月の営業。その開店時間は8時30分で、最終入店は12時30分。調理は家内、お運びはタカハシリツコさんのふたりの体制だが、満席になると、8時30分から14時までは一切、休むことができない。「それではさぞかし辛かろう」と、途中に30分間の中休みを設けることはできないだろうかと、ぼんやりとではあるものの、考えてきた。
このようなことについては、頭の中に状況を浮かべてみても、妙案は浮かばない。そこで先日は遂に、ひと月分の予約表を複写し、その11時から11時30分のあいだにピンク色の蛍光ペンで帯を入れてみた。そしてその前後に、大小あわせて4席の埋まり具合を青い蛍光ペンで引いてみた。その結果、席の繰り合わせ方によっては30分間の休憩を確保しつつ現在の最高人数でも受け入れられるシフトを見つけた。
それをきのう家内に見せたところ、来月からの運行に彼女は同意をした。よって即、10月から12月までの、3枚の予約表を書き換えた。既にして予約の入っている表の書き換えはなかなかに面倒だった。そして今朝は2時台に起きられたことを奇貨として、いよいよ「ぐるなび」の予約システムの書き換えに取りかかる。そして1時間と15分をかけて、10月から年末までの空席を設定し直した。
「ぐるなび」の予約システムは、三ヶ月先の日程まで調整をすることができる。新春の空席の設定は、ウドンタニーかバンコクで行うことになるだろう。
朝飯 グリーンアスパラガスのソテーと生のトマト、スクランブルドエッグ、納豆、大根おろし、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、玉葱と若布の味噌汁
昼飯 納豆と大根おろしのつゆで食べる素麺
晩飯 夏太郎らっきょう、牛丼、「角口酒造店」の「いいやまのさけ特別純米」(冷や)
2025.9.11(木) 軽い焦燥の中で
1995年10月から使い始めたThinkPadが国産から中華人民共和国製になって質感を落とし、それに失望してLet’s noteに乗り換えたのは2011年8月。それが古くなって、次のLet’s noteに乗り換えたのは2019年6月。ThinkPadは16年のあいだに10台を次々と換えたものの、Let’s noteは14年のあいだに2台のみ。「流石」である。
その、2台目のLet’s noteの電源ボタンの接触感度が落ちてきたのは数ヶ月ほど前のことだった。秋葉原にあって、僕が愛して止まなかったPanasonicの修理工房は、新型コロナウイルスが蔓延する中でひっそりと閉じられた。この工房は、ウェブを通じて予約さえすれば、午前に持ち込んだコンピュータをその場で治し、午後には手渡してくれたものだ。
現在、不具合のあるLet’s noteは、兵庫のセンターまで送らなければ治してもらえない。僕は、幾日もコンピュータを欠いては仕事も趣味もすることはできない。だからLet’s noteは電源ボタンの感度が落ちてからも、心配をしながら使い続けてきた。
きのうの朝は遂に、早朝の食卓でこのボタンを右にスライドさせても特徴的な緑のランプが点灯しない、という事態が起きた。「遂に来たか」である。朝食を摂り終え事務室へ降りて、今度はバッテリーではなく電源コードを差し込んで、電源ボタンをスライドさせてみた。すると緑のランプはふたたび点り、コンピュータは無事に立ち上がった。
秋葉原の修理工房さえあれば、現在の不具合は数時間で解決しただろう。しかしその駆け込み寺は、もはや無いのだ。そこで、一代目のLet’s noteが8年ちかく保ったことに対して現在の二代目は6年と少々しか使っていないものの、新機に換えるべきかどうかを考える。
今月の下旬にはタイ行きを控えている。コンピュータが新しくなれば、使い勝手も変わる。新機に慣れるには、これまでの経験からして、ひと月くらいはかかる。旅先ではそれが叶わない。
そのような軽い焦燥の中で、簡単な修理であれば即日の対応が可能という業者を見つけた。そして今朝は、これまでの顛末について長男に話した。長男はそれを聞くなり「先ずはシバタさんに相談をしてみては」と言った。
上澤梅太郎商店には。仕事の種類によりふたりの外注SEがいる。そのうちのひとりで近くに住むシバタサトシさんには、主にハードとネットワークの部門で世話になっている。9時を過ぎたところでシバタさんに電話を入れる。すり合わせの結果、僕が血圧の管理のため二ヶ月に一度の頻度で通っているオカムラ外科のロビーで10時に待ち合わせることになった。
10時すこし前にオカムラ外科へ出かけると、シバタさんはロビーではなくカウンターの内側にいた。どうやらこちらの仕事も請け負っているらしい。
ロビーのソファーでシバタさんは僕が持ち込んだLet’s noteの電源ボタンをスライドさせ、それがなかなか反応しないことを確認した。そして僕とのあいだで短い質疑応答をしながら、新規を購入することを概ね決めた。
オカムラ外科からは各々のクルマで上澤梅太郎商店に戻る。事務室に上がったシバタさんは僕のLet’s noteを使ってPanasonicのサイトにアクセスし、最適な機種について調べた。納期は今月の下旬。それではタイ行きには間に合わない。「ちょっと待ってください」とシバタさんは言い残して一旦、自宅へ帰った。
戻ってきたシバタさんの手には小さな工具箱があった。シバタさんはそれを使って僕のLet’s noteを分解し始めた。そして数分後に「原因はこれです」と、当該の個所を指した。僕にはよく見えなかったものの、そこには6年分の綿ぼこりが溜まっていたらしい。シバタさんはスプレー式のコンプレッサーでそのホコリを吹き飛ばしてから、分解したばかりのLet’s noteを元に戻した。
電源ボタンを右にスライドさせる。緑のランプは間髪を入れず点灯した。技術料はしっかり請求するよう、僕はシバタさんに念を押した。「めでたし」である。
朝飯 秋刀魚の梅煮、小松菜のおひたし、トマトのソテーを添えた目玉焼き、納豆、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、大根と若布の味噌汁
昼飯 納豆と玉葱のつゆで食べる素麺
晩飯 牛蒡の人参のきんぴら、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、秋刀魚の塩焼き、グリーンアスパラガスのソテー、鶏のつくね、「角口酒造店」の「いいやまのさけ特別純米」(冷や)
2025.9.10(水) ということは
今月の7日、および8日の日記に書いた祝儀袋に、あらかじめ数えておいた千円札の新券を収めていく。これを町内の70歳以上の方々に配る複数の役員に手渡すのは土曜日の夜。このような細かなことを遅滞なく次々と進めていかないと、南の国で夏のキリギリスのように過ごすことはできないのだ。
今日は月に一度の店休日にて、9時30分より隠居へ移動をして、上長研修に臨む。座敷の南東側に設けた朝顔の垣の一葉に、体調6センチメートルほどの青虫が貼り付いている。青虫は、葉を食べるためにそこにいるのだろうか。それにしては、葉に食べた後の穴は無い。
昼食を挟んで上長ミーティング。短い休みを挟んで全体ミーティング。最後に経営者ミーティング。日が傾くにしたがって気温が下がりつつあるのだろう、寒さを覚えて冷風機と扇風機を次々と止める。
夕刻に到って朝顔の葉に目を遣ると、青虫は葉の茎に沿って身を反らし、からだの色は青虫とは呼べないほど茶色くなっていた。ことによると、蛾になる準備を始めているのかも知れない。
座敷から見て右手の梅の木は、葉を随分と黄色くしている。「ということは、秋ですかー」と、何やら寂しい気分になる。床の軸も、高久隆古の「秋景山水之図」から田崎草雲の「巌菊之図」へと、リレーのようにして掛けかえるべきだろう。
朝飯 秋刀魚の梅煮、納豆、ゴーヤーチャンプルー、南瓜の甘煮、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、豆腐と若布と玉葱の味噌汁
昼飯 「セブンイレブン」のサンドイッチ、蜜柑ジュース
晩飯 「あづま」のロースカツ上定食、大根と胡瓜のぬか漬け、日本酒(燗)
2025.9.9(火) ダイヤル回して
浅草8:30発の下り特急リバティに乗って、10時すぎに帰社する。
僕の日程や「すべきこと」は、事務机の左手に提げたカレンダーに記している。特に忘失するわけにいかないことについては別途、嫌でも目に入る電子卓上計算機に、おなじ内容のポストイットを貼る。数日前からのポストイットには「9/9(火)13:00大沢公民館」の、サインペンによる太い文字がある。それに従おうとして、しかし出発は諸般の事情により13時15分にずれ込んだ。
はじめて訪ねる大沢公民館は、体育館に隣接する新しくて立派なものだった。保健所が関係する講習や研修は、これまで会社から徒歩でも行ける中央公民館で開かれることが多かった。今回の大沢公民館での集まりは、その中央公民館が老朽化に伴って閉鎖をされたことによるものだろうか。
14時30分から始まった「令和7年度食品衛生指導員部会及び研修会」は定刻の16時より前に完了した。参加者は100名に近かっただろうか。
会社に戻ると事務机の上には「上の者を出せ」という電話に折り返すよう書いた、事務係ツブクユキさんによるメモがあった。そって即、受話器を取り上げメモの11桁の数字をプッシュする。4、5分ほどもお話しをさせていただくと、そのお客様は上機嫌で会話を切り上げてくださった。
「ダイヤル回して手を止めた」という詞の歌が流行ったのは、検索エンジンによれば1990年。しかしそのころの電話機は、プッシュ式に変わってから20年以上も経っていたはずだ。それでも「ダイヤルを回す」という慣用句が人々に受け入れられたのは、なぜだろう。
朝飯 「小諸そば」のたぬき蕎麦、ライス
昼飯 「蕎麦さくら家」の「にらそば」(大盛り)、サービスのコーヒー
晩飯 夏太郎らっきょう、秋刀魚の梅煮、ゴーヤーチャンプルー、南瓜の甘煮、「山本合名」の山廃純米「天杉」(冷や)
2025.9.8(月) 最後はサラリと終える日記
9月8日の未明には3年ぶりの皆既月食が見られるというニュースに触れたのは、きのうの夜のことだっただろうか。起きて諸々のことをしてから屋上へ上がる。時刻は4時27分。西の空の満月は確かに、地球の影により欠けていた。もっとも当方は天体ファンでもなければ「ふーん」くらいのところで階下へ降りる。
午前にちかくのシバタ荒物店に赴いて、多当と書けば分からない人もいるだろう、いわゆる祝儀袋100枚を買って事務室に戻る。そしてそのうちの75枚の上方に「寿」の判を赤で捺し、下方には「春日町一丁目自治会」の判を黒で捺す。そうして70歳以上の方のための袋74枚の裏には「1,000」、85歳の方のための袋1枚の裏には「3,000」の数字を記す。ここで時刻は10時30分。それらの袋を輪ゴムで留めて戸棚にしまい、4階の自宅へ戻る。
シャワーを浴びて服を着替え、事務室に降りる。今日は今月1日のような不首尾は犯さず、準備しておいた”trippen”の短靴”sheet”を履く。ここで時刻は10時41分。こぎ出した自転車を道の駅のセブンイレブンに駐めて10時44分。昼食を買って駅ちかくの駐輪場に着き、空いたところに自転車を押し込むと10時48分。「5分あれば楽勝だ」と、ゆるやかな坂を徒歩で下って改札口を通り、跨線橋を渡って既にして停車中の上り特急リバティに乗ったところで10時51分。車両は定刻の10時53分にプラットフォームを離れた。
北千住からは日比谷線で東銀座に出て、歌舞伎座の裏手にある”ALTRA TOKYO GINZA”へ行く。「店員が一対一で客につききりの対応をするため、15分を待っても待ち客の数が減らず、仕方なくきびすを返した」というクチコミがGoogleにあったため、いささか心配をしながらそのドアを押す。ふたりの店員はふたりの客に、何足もの靴を奥から取りだしては履かせている。客は店の中を歩いたり、ときおり首をかしげたりしている。そのふたりのうちひとりがようやく意思を明らかにして、僕の番が回ってくる。
店員は僕の希望を聞き、足のサイズを計って後、奧から”TORIN 8″と”FWD VIA”の2足を持ってきた。最初に履いたのは”TORIN 8″。それで数歩を歩き、”FWD VIA”に履き替える。それでまた数歩を歩いて即「これに決めます」と店員に伝える。代金を支払うまでに要した時間は5分間くらいのものだっただろうか。
バーでバーテンダーを独占して長々と会話を交わすような客を、僕は好まない。もちろん自分でも、そのようなことはしない。「お店の人はみんなのもの」という考えが僕にはある。それだけ真面目、それだけ真剣なのは分かるけれど、靴屋で店員を自分だけのために数十分も拘束することは、僕の好むところのことではない。
“FWD VIA”をそのまま入れたトートバッグを肩に提げて四丁目の交差点まで歩き、今度は銀座線で外苑前まで行く。ワタリウム美術館ではTシャツが値下げをされていたものの、買っても着るのは今ある白いそれのみと分かっているから、見るだけにしておく。
22年のあいだ履き続けている”trippen”の短靴”sheet”には、このところ、歩くたび皺の寄る個所に亀裂があらわれてきた。この亀裂が内側まで達しては厄介だ。トリッペン原宿店では、その数ヶ所に修理を加えるよう頼む。このモデルがふたたび発売されればすぐにでも買うところではあるものの、いつまで待っても出ないのであれば、修理をし続けるのみだ。ちなみに僕の好きなものは長く保つもの、嫌いなものは安物、である。
外苑前からはふたたび銀座線に乗って上野で降りる。今日の東京の最高気温は35℃。かき氷と冷たい飲物にて身体を冷やしてから、予約をしておいたホテルに入る。そしてシャワーで汗を流し、下着とシャツと靴下を換える。
上野から市ヶ谷までは、山手線を秋葉原で総武線に乗り換えれば僅々十数分の距離だ。「コンピュータリブ」のナカジママヒマヒ社長が声をかけてくれた「西順一郎先生米寿を祝う会」は、北は北海道から南は九州からの教え子が100名を超える大盛況にて、先生の知の巨人ぶりとお人柄をあらためて強く感じさせるものだった。
お開きの後は旧知のテシマヨーちゃんが誘ってくれた二次会で数時間を過ごし、終電が心配になるころホテルに戻る。
朝飯 トマトとピーマンとウインナーソーセージのソテー、薬味の刻み玉葱の方が多い納豆、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、豆腐とオクラの味噌汁
昼飯 「セブンイレブン」のサンドイッチ、牛乳
晩飯 「アルカディア市ヶ谷」の弁当、お吸い物、「大関」の「辛丹波」(常温)、「上海ブギ市ヶ谷店」のあれこれ、紹興酒(オンザロックス)
2025.9.7(日) 三大発明
きのうの夜は行きつけの居酒屋でカウンター活動をし、支払いを済ませた。そこまでは覚えているものの、以降の記憶は無い。しかし今朝は寝間着姿で寝台の上で目を覚ました。ということは、家に戻ってからはシャワーを浴びるなど、寝るための手続きはしっかり踏んだ、ということだ。起きて食堂へ行くと、調理台の上にはミルクパンに味噌汁の出汁が引いてあった。「まるで木口小平だね」と自分でも感心をする。
自宅にいる限り、朝は和食でなくては気が済まない。しかし家から離れれば、パン食でも気にならない。また海外へ出れば、和食への欲求は消える。不思議といえば不思議、である。
それはさておき今月は敬老の日がある。敬老の日には町内に住む70歳以上の方々に祝儀をお配りする。回覧板により各戸から集まった調査票は、町内の中央、東、西の地区委員長から既にして届いている。午前、その名簿を元にして、コンピュータの中のデータベースを更新する。この仕事を前任の会計係までは紙の帳面で行っていたから苦労もあっただろう。「人間の三大発明は火と蒸気機関とコンピュータ」と言った人がいる。そのコンピュータの定義は、これからも徐々に、ではなく急速に多様化し、変わっていくことだろう。
そうして事務机のコンピュータからふと顔を上げると、ガラス窓の向こうの店は随分と混み合っていたから即、席を立って、販売の手伝いに入る。
午後は、15時45分に会社を出て、自転車で日光街道を遡上する。瀧尾神社の責任役員会議は16時の開始。会社に戻ったのは閉店後の17時55分。3台のキャッシュレジスターを締め、今週の売上金をまとめて銀行へ渡すばかりする。それから「汁飯香の店 隠居うわさわ」への、インターネットを介したご予約への対応をするうち時刻は20時を回った。僕としては、すこしばかり忙しい1日だった。
朝飯 焼き鮭、納豆、めかぶの酢の物、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、豆腐と若布と長葱の味噌汁
昼飯 オクラと擂り胡麻のつゆで食べる素麺
晩飯 にんにくのたまり漬とステーキのソースで食べる鰹の刺身、「山本合名」の山廃純米「天杉」(冷や)
2025.9.6(土) 挨拶文
10月には、年末ギフトのご案内を、お得意様へ向けて郵送する。それに封入する「社長挨拶」は、週明けにはデザイナーへ送る必要がある。そういう嫁の桃君による電子会議室への発言を早朝、目にする。
年に二度のダイレクトメールの挨拶文には、いつも苦労をする。それは「いまだ寒いときに夏の挨拶を考えなくてはいけない」とか「いまだ暑いときに秋の挨拶を考えなくてはいけない」というところにある。更には海外にいるときに、あたかも数ヶ月先の日本で書いたような時候の挨拶を求められたこともある。このような行いは、年があらたまる前に「明けましておめでとうございます」と年賀状を書くこととおなじく、ある種のインチキ、という気もするが、仕方が無い。
今回の挨拶文はどうするか、ということについては数週間ほど前よりひとつの案があった。それを、いわば液体の状態からせめてゲル状くらいに固めるため、桃君の書き込みを読んでから10分後に外へ出て隠居の柴折り戸を押す。そうしてふたたび母屋の食堂に戻り、ゲル状ほどになったものを文字としてコンピュータのエディタに固定する。
その、早朝に固定化されたものを11時より事務室ではなく、自宅の食堂へ戻って紙に手で書く。「間に合った」である。
朝飯 ピーマンとウインナーソーセージのソテー、納豆、コールスロー、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、大根と若布の味噌汁
昼飯 長葱と擂り胡麻のつゆで食べる素麺
晩飯 「和光」のお通しの薩摩揚げとコンニャクの煮物、鰹の刺身のたたき風、秋刀魚の塩焼き、鶏つくねの塩焼き、鶏つくねのタレ焼き、麦焼酎「吉四六」(オンザロックス)
2025.9.5(金) 47日ぶり
早朝、脚の痒いところに軟膏を塗り、その軟膏で油気を帯びた手を洗う。釣銭が少なくなってきたため、両替のための種銭の紙幣を数えて、また手を洗う。朝食の準備を始めるまでに、5回か6回は手を洗う。時にはアルコールを噴霧して、これまた手を消毒する。僕が手を洗う回数は、一般に比べて明らかに多いような気がする。その結果、秋から翌年の5月までは手の指にアカギレが絶えなくなるのだ。
秋を嫌う最も大きな理由は、四季の中で最も好きな夏が終わってしまったという喪失感によるものだろう。更には手指や足のアカギレもまた、潜在的には秋を嫌う気持ちの一因になっているような気がする。アカギレを防ぐためには、僕の場合、南の国に移住をするしか方法は無い。
冷たい素麺が欲しくなる気温ではなかったため、昼は6月19日以来47日ぶりに熱い汁のにゅうめんを作る。素麺は飽きないが、にゅうめんは飽き加減にて、今秋から来春にかけては、汁に工夫を加えようと考えている。
終業後、今月25日からの訪タイを控えて、早くもその次の計画を練る。そして2022年7月16日の日記に書いた、ウドンタニーからチェンライまでのバスでの移動を、来年の3月にはいよいよ実行することと決めた。
谷口正彦の「冒険準備学入門」をひもとくまでもなく、旅の楽しみのかなりの部分は、事前の準備にある。その準備はインターネットの出現により、それ以前より時間の点でも費用の点でも格段に楽になった。楽や便利は楽しさの逓減に繋がる。しかしインターネット以前に比べれば情報量が圧倒的に多くなったことに助けられて、事前準備の楽しさが減ったとは、僕は感じない。南の国の長距離列車や長距離バスで体調を崩したことは皆無ながら、防寒には重々、気をつけようと思う。
朝飯 マカロニサラダ、納豆、めかぶの酢の物、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、豆腐と若布と長葱の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 「コスモス」のトマトとモッツァレラチーズのサラダ、ドリア、ドライマーティニ、TIO PEPE
2025.9.4(木) 経済合理性
長男が子供のころ、誕生日を前にして、あるゲームソフトを所望した。よって長男を連れて街の中古屋へ出かけようとしたところ「誕生日のプレゼントに中古品とは信じがたい」と家内に言われ、僕も長男も「キョトン」としたことがある。そして結局のところ、当該のゲームソフトは新品を買った。
後年、既に物故した同級生が名のある出版社から小説の短編集を出していたことを同級生のメーリングリストで知らされた僕は、それをウェブ上の中古市場で探し、購入した。そしてそのことをこれまたメーリングリストを通じて皆に報告をしたところ「同級生の本を中古で買うヤツがあるか」と、同級生のひとりに呆れられた。
僕は、経済合理性しか考えない常識外れなのだろうか。そういう次第にて、中味が同じならできるだけ安いものを買う。本はほとんど古書でしか買わない。そしてメルカリには、しばしばamazonより安く古書が出ている。先般はそのようにして、メルカリで古書を買おうとした。
僕の知る限り、メルカリでは今年のはじめころから、利用者の完全を確保するため、買い物をすると、先ずは決済に制限がかかるようになった。その制限の解除には、15分間を待ってから所定の手続きをする必要がある。しかしその日に限っては、その解除がどうしてもできなかった。
メルカリで買い物をすると自動的に届く「あんしん支払い上限(決済上限額)が設定されました」という表題のメールを読んでいくと「メルカリ・メルペイをより安全かつ便利にご利用いただけるパスキーを設定いただくと、今後同様の決済保護は発生しません」とある。よってこの、6桁の数字によるパスキーを設定した。そしてそのパスキーを用いて再度ログインを試みると、今度はログインさえできなくなった。専用のエディタに保存した6桁の数字は、絶対に間違えていない。困った事態、である。
悶々としたまま十余日を経た今日になってようやく、この件につき次男に助けを求めた。次男は自分のできうることすべてをしてから、この問題についてはyoutubeをはじめウェブ上におなじ事例がかなり上がっていること、また最後はメルカリに解決策を求めるしか無いことを僕に教えた。僕は即、次男の言う通りのことをした。果たしてメルカリからは、役に立つ回答が戻るだろうか。
朝飯 ウインナーソーセージのソテー、冷や奴、生玉子、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と長葱の味噌汁
昼飯 長葱と擂り胡麻のつゆで食べる素麺
晩飯 「和光」のお通しの車麩と根菜の炊き合わせ、梅胡瓜、秋刀魚の塩焼き、鶏つくねのタレ焼き、麦焼酎「吉四六」(オンザロックス)