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清閑 PERSONAL DIARY

2019.9.23 (月) タイ日記(5日目)

きのうの日記を書いていると、鳩の声が聞こえてきた。時刻は5時50分。新しい蚊取り線香に火を点け、ベランダへの戸を開く。雨期とはいえ、雨は数日前に一瞬、気まぐれにパラついたのみだ。朝食の前に、荷物をまとめておく。

今朝のフロント係は丸メガネをかけた、愛想が良くて英語の上手なオネーサンだったので嬉しかった。11時前にチェックアウトをする、そのとき荷物を預かって欲しい、そして13時30分にタクシーを使いたい旨を伝える。行き先については「ドゥシッ」と答える。

今回でのべ11回目の宿泊になるそのホテルは昨年、それまでの”Dusit”から”Katathani”に経営が移った。それでもいまだ「ドゥシッ」の方が理解されやすいと、街では聞いた。「あ、あそこの」と、それらしい方向を差してオネーサンが理解を示したので「カタタニー、チューカオペンドゥシッ」と言うと、ロビーにいた警備とベルのふたりのオニーチャンも「ウンウン」と頷く。

ひと安心をして7時50分にプールへ行く。「9時から20時まで」の金色のプレートには今朝はじめて気がついた。しかし誰にも何も言われない。寝椅子に仰向けになると、きのうより更に欠けた月が天頂ちかくに上がっている。鳩がふたたび啼き始める。

iPhoneに設定した10時のアラームが鳴る。ロビーから40段の階段を上がって3階の部屋に戻る。そして着替えて荷物を持ってロビーに降りる。チェックアウトをして、ふたつの荷物を預け、裏の柴折り戸から外へ出る。

先週の金曜日に、街の中心部で自転車を借りた。いま泊まっているホテルのちかくに貸し自転車屋のあったことは、その後に知った。その”BAMBOO TOURS”で自転車を借りる。1日分の料金は80バーツ。先日の自転車よりも整備の状態は良い。自転車を借りたのは、これからタクシーが迎えに来る13時30分までの時間を効率よく使うためだ。

10:50 「アリサラ」に着く。そして「3回は必要」とプックさんに言われた施術の3回目を受ける。オイルマッサージ2時間の料金は1,000バーツ、プックさんへのチップは3回とも200バーツ。おとといの痛みがいまだ左腕に残っていたので、今日はその二の腕を指しながら”this sen is jep yet,so today,baobao krap”と、英語とタイ語の入り交じった妙なことばで手加減を要求した。プックさんは快諾をしてくれたが、拷問のように強い揉みの方が、終わってみれば効いた気はする。僕も勝手なものだ。

13:01 「アリサラ」を去る。
13:06 「カオソイポーチャイ」にすべり込む
13:11 バミーナムニャオが席に運ばれる。
13:20 バミーナムニャオを食べ終える。
13:23 役人の一団により満席になった「カオソイポーチャイ」を去る

13:25 歩けば10数分はかかる距離を2分で走りきって”BAMBOO TOURS”に自転車を返す。
13:28 “Diamond Park Inn Chiang Rai Resort & Hotel”のロビーへの階段を駆け上がる。
13:35 タクシーが来る。荷物を運んでくれたベルボーイ、タクシーのドアを開けてくれた警備係に、それぞれ20バーツのチップを手渡す。タクシー代は、メーターを使わずの100バーツ。
13:45 懐かしい崖下の道を抜けながら、タクシーが”THE RIVERIE BY KATATHANI”に到着。部屋まで荷物を運んでくれたベルボーイには50バーツのチップ。
14:05 スーツケースとザックから必要なものを出して部屋の各場所に置く。

焦げ茶色の家具と漆喰の壁による、よくいえば重厚、悪くいえば古くさく感じられたドゥシット時代の部屋は、全体に白いクロスが貼られ、家具類にも白が多用されて、一気に新しく、そして明るくなった。棚や引き出しと一体になった大時代的な机は消えて、その場所には大きな荷物置きのための台が置かれた。机を撤去したとは「仕事などせず、リゾートに徹しろ」ということなのだろうか。洗面台は広くなり、しかしそれに押し出される形で便器はシャワーブースのあったところに、そのシャワーブースはバスタブのあったところに追いやられて、バスタブは消えていた。窓からの景色は、相変わらずの絶佳ぶりである

14時50分からプールで本を読む。ロビー階からプールサイドに降りていく大階段は、新設された売店とキッズルームに場所を取られて狭くなっていた。プールの形は以前とほぼ変わりはないが、プールサイドからプールの底に至るまで、タイルやコンクリートは貼り替えられ、塗り直されている。プールの一角にには東屋と子どものための大規模な遊具、その向こうには鐘楼が設けられ、ドゥシットの最後のころには客のあいだで取り合いになっていた日除けの傘も、今は充分に用意がされている

16時50分に部屋に戻って館内の案内を読む。「経営が変わって良くなくなった」と、このホテルについて言う人もいるけれど、僕は明らかに、ドゥシットの時代より魅力は増していると思う。これで貸し自転車さえ置いてくれれば満点ながら、いまのところその予定はなさそうだ。17時45分にロビーに降りる。フロントのオネーサンはドゥシットのときに見かけた顔だ。

「18時発のバスの切符をください」
「有り難うございます。60バーツいただきます」
「値段、ドゥシット時代と変わってないね」
「戻ってきてくださって有り難うございます。新しい館内は、いかがですか」

「良いと思いますよ。風呂桶は無くなくなっちゃったのね」
「バスタブは今、3階と4階のみのご用意になっています。よろしければ…」
「いえ、その必要はありません」

風呂桶のために低層階に移るよりは、現在の、眺めの良い部屋にいた方が遥かに旅を楽しめる。ホテルのワゴン車には僕とファランの男女ひと組が乗った。そしてナイトバザールの入口には10分ほどで着いた

きのうiPhoneに納めた麺の写真を26番ブースのオバサンにかざす。頬に、まるでミャンマーの女の人のように頬にタナカーを塗ったオバサンは、満面の笑みである。「マイペッ?」と訊かれて「ペッタマダー」と答えるのはいつものことだ。そしていよいよ席に運ばれたその、素麺に酢とナムプラーと唐辛子を和えたような、申し訳程度に鶏肉の入った麺を口に入れる。美味くはない。美味くはないけれど、僕は美味いものを食べるために旅をしているわけではない。したいことをするために旅をしている。だから今夜は、きのう食べたいと思ったものを食べられて気分は満たされた。

さて、次にホテルに戻るシャトルバスは19時15分。その時間にナイトバザールの入口に立つも、ワゴン車の姿は見えない。ホテルから19時の便に乗る客がいなければ、クルマは出さないのだろうか。そのまま立っているのもばかばかしい。すこし歩いて行きつけのマッサージ屋”PAI”の扉を押し、足のマッサージを1時間だけ受ける。マッサージ代は200バーツ、オバサンには50バーツ札が財布になかったため、20バーツ札3枚をチップとして渡す。

ホテルには、21時15分発のワゴン車で戻った。ドゥシットの時代には、往路の60バーツを支払えば、復路の60バーツは不問に付された。しかし今回はガードマンがフロントまで付き添って、しっかり60バーツを徴収された。ジェイコブ・ソールの「帳簿の世界史」を思い出さないわけにはいかない。

ロビーを突っ切りエレベータの前まで来たところで、むかしなじみの、山地民族風の服を着たオジサンの姿が見えた。エレベータの「開」ボタンを押すために立っているこのオジサンは、非番のときでも、街で会うと手を振ってくれる。思わず嬉しくなって20バーツのチップを手渡す。こういうことがあるから、50バーツや20バーツの札は常に、財布に入れておくべきと思う。

そして部屋に戻ってシャワーを浴び、僕としては異例に遅い22時に就寝する。


朝飯 “Diamond Park Inn Chiang Rai Resort & Hotel”の朝のブッフェ
昼飯 「カオソイポーチャイ」のバミーナムニャオ
晩飯 ナイトバザール奥のフードコート26番ブースのまかない麺、ラオカーオ”BANGYIKHAN”(ソーダ割り)


美味しい朝食のウェブログ集は、こちら。

  

上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

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