2025.7.3 (木) 脚下照顧
玄関の頭上には、いつの頃からか来るようになったツバメの巣がある。ツバメは夏を象徴する鳥で、嬉しいことではあるけれど、糞を落とす。その糞は家族の誰かが掃除をする。掃除をしても相手は生き物で、いまだ巣にいるから糞はその後も落ち続ける。
今日はその掃除を僕がした。玄関には外から内まで黒い御影石が貼られている。糞の落ちている外の部分を水で洗えば、水はドアの下の隙間から玄関の内側にまで流れ込む。だから今日は玄関の靴をすべて片づけ、その黒い石を外から中まで洗い流した。乗りかかった舟であれば途中で脚立も持ち来て、ジャイアント馬場の背丈より高いドアの、上から下までこれまた水で洗い流す。その水を浴びて、アルミニウム製の脚立も濡れた。よってその最上段からは、非常な慎重さを以て降りた。
シリコンバレーで巨億の年収を稼ぐビジネスマンも、熱帯の密林で弓矢を使う半裸体の人たちも、死に至るもっとも多い原因は転ぶこと、と聞いたことがある。僕のオフクロは2013年の秋のある日、台風が去ったことを喜んで料理屋へ出かけてその帰りに転び、以降はそれまでの生活を取り戻すことなく翌年に亡くなった。周囲を見まわせば「そういえばウチのおじいちゃんも…」などと言う人は少なくない。「脚下照顧」は、別の意味においてもおろそかにすべきでないのだ。
そして玄関はすっかり綺麗になった。明日の朝は糞が落ちる前に、その部分に厚紙を敷こうと思う。
朝飯 生のトマト、目玉焼き、納豆、胡瓜のぬか漬け、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と揚げ湯波とズッキーニの味噌汁
昼飯 納豆と玉葱のつゆで食べる素麺
晩飯 トマトとベビーリーフのサラダ、細切りじゃがいもと細切り人参とグリーンアスパラガスのソテーを添えたハンバーグステーキ、Old Parr(ソーダ割り)、ドリームケーキ、Old Parr(生)