2021.12.23(木) 心はいまだに
インターネット上に動画を上げつつ旅をするミニマリストより僕の方がよほどミニマルだったりすると、今月19日の日記に書いた。それはそうだろう、彼らの荷物には動画用のカメラや三脚が含まれるのだ。
1980年、僕は20リットル程度の、安物のデイパックひとつでカルカッタ、カトマンドゥ、アグラ、カジュラホ、デリー、そしてカルカッタから東京へ戻る、という旅をした。カトマンドゥではシロンとカジランガへの入域許可証も取得はしたが、使うことはしなかった。北半球は真冬で、安宿の水シャワーと部屋の寒さには大いに悩まされた。
その記憶もいまだ新しい1982年、今度はバンコク、コロンボ、ゴール、コロンボ、ゴール、コロンボ、キャンディ、コロンボ、マーレ島、グライドゥ島、マーレ島、コロンボ、マドラス、バラナシ、スノウリ、ポカラ、カトマンドゥ、バンコクと、気の向くままに這いずり回った。季節はやはり真冬で、荷物には極薄の寝袋を加えた。そのことによりザックは容量30リットルのサブアタック型に拡大をされた。
この2度の旅における持ち物は、先ず候補を書き出し、それを欠いては進退が窮まるものに〇、必需品に△、あれば便利なものに×を付けた。そして×はすべて持たないこととした。「あれば便利なもの」を持たないとは、たとえば水着は持たずに下着で泳ぐ、というようなことだ。歯ブラシの柄は戸塚宏に倣って握る部分を短く切った。
現在の僕の荷物は、34リットルのスーツケースひとつとデイパックひとつに落ち着いている。40年前にくらべて増えたものはコンピュータとスマートフォン、それらの電源コードと「あれば便利なもの」の一部。減ったものは寝袋、石鹸、洗剤、細引きのロープ、そしてナショナルのカセットテープレコーダー”RQ-339″。
心はいまだにバックパッカー。とはいえ安宿の共同便所で洗濯をした日々には、戻りたくない気分である。
朝飯 揚げ湯波の甘辛煮、納豆、菠薐草の胡麻和え、たたき牛蒡、胡瓜のぬか漬け、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、なすのたまり漬のからし和え、メシ、けんちん汁
昼飯 「やぶ定」のカレー南蛮蕎麦
晩飯 たたき牛蒡、里芋と牛肉と「しいたけのたまり炊」の炊き合わせ、芋きんとん、鮪の「朝露」漬け、鮭の「朝露」漬け焼き、千枚漬け、紅白なます、けんちん汁、「松の司」の生酛純米酒(冷や)、「進々堂」のパンドカンパーニュ、TIO PEPE、エクレア、Old Parr(生)
2021.12.22(水) カボチャとユズふたたび
門松は、日柄を選んで届けられる。良い日の筆頭は大安である。昨年、門松は12月18日に置かれた。今年はそれより4日遅れの本日、店の前に飾られた。
いつまでが松の内か、ということは地方により異なる。日光におけるそれを僕は知らないものの、上澤梅太郎商店は、門松は新春15日まで置く。できるだけ長く置いて、1日あたりの単価を下げようという魂胆である。
オヤジが亡くなったのは2005年11月20日。そのとき「喪中に門松など出したら世間に嗤われますよ」と、ある人に言われた。よって門松は飾らなかった。年が明けると「どうして今年は門松が出ていないんですか」と、別の人から言われた。
「あちらを立てればこちらが立たず」は世の常。とはいえ「家と商売は分けて考えるべき」との、後者の意見に僕としては気持ちが傾いた。以降は何があっても毎年、門松を飾り続けている。
きのうは南瓜のプリンを食べろと言った家内が、今夜は南瓜の天ぷらを揚げた。僕はその南瓜を避けて、他のものを食べた。風呂には柚3個が浮かんでいた。今年の冬至は21日と、早とちりをしたらしい。
朝飯 揚げ湯波の甘辛煮、菠薐草の胡麻和え、紅白なます、納豆、鮭の味噌粕漬け、胡瓜のぬか漬け、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、なすのたまり漬のからし和え、メシ、けんちん汁
昼飯 ラーメン
晩飯 めかぶの酢の物、マカロニサラダ、蒲鉾、なすのたまり漬のからし和え、天ぷら盛り合わせ其の一、其の二、盛り蕎麦、「菊水酒造」の「酒米菊水純米大吟醸原酒」(冷や)
2021.12.21(火) hot lemon
僕の仕事といえば、早朝に製造現場へ降りてするささいなこと、日中は道の駅の売り場の掃除と納品、電話番、諸々の連絡と調整、販売の補助、キャッシュレジスターの精算と釣り銭の準備くらいのものだ。頑張っているのは僕以外の皆である。そのような中で、師走も残り3分の1のところまでこぎ着けた。
この20日間に起きた諸々の問題は、そのほとんどを覚え書きに残してある。これらは来年の師走に生きてくる。大切なのは、問題が解消された後も、その問題を覚えていられるかどうか、だ。まぁ、僕が忘れても、他の誰かが覚えていてくれるだろう。
南瓜のプリンを食べろと、夕食の後に家内が言う。「芋たこなんきん」を、とかく女の人の好むものと最初に書いたのは西鶴らしい。僕は蛸は好む。しかし薩摩芋と南瓜は「甘い」というその性質により好まない。そう言いながら、それらで作った菓子は喜んで口にするのだから矛盾している。
そうして南瓜のプリンを平らげ、風呂に行くと、お湯には柚が浮かんでいた。おばあちゃんは柚を木綿の袋に収めたが、家内は丸のまま、である。「柚は搾って砂糖を加えて、ホットレモンのようにしても美味そうだよな」と考える。
ホットレモンはネパールではよく飲まれるが、日本では見たことがない。「明日あたり、飲んでみようか」と考えるものの、多分、飲まないまま季節は春になるだろう。
朝飯 クリームシチューかけごはん、なすのたまり漬のからし和え、菠薐草の味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 スパゲティナポリタン、Chablis Billaud Simon 2015、バナナとホイップクリームを添えた南瓜のプリン、Old Parr(生)
2021.12.20(月) いつになる
本日、製造顧問のフクダナオブミさんが、勤続29年7ヶ月を以って職を退いた。満年齢63歳。上澤梅太郎商店の就業規則に照らせば、いまだ働き続けることのできる年齢である。しかし来春1月から年金が受け取れるため、もう良いのだという。
フクダさんは、学年は僕のひとつ下。入社は共に1982年。1990年代の半ばくらいまでは、二人三脚のようにして仕事をしていたこともあった。フクダさんが部長として製造現場の責任者になったのは2010年8月。以来11年のあいだ、品質の向上と製造行程の合理化に努めてくれた。フクダさんの先輩のアオキフミオさんと共に、持てる知識と技術のすべてを次世代へ伝えてくれたのも、大きな功績である。
それにしても、今年かぎりでの引退とは、大いに羨ましい。フクダさんの趣味は、家庭菜園と料理と適度な飲酒活動だろうか。フクダさんの隠退生活が、健やかで楽しいことを祈るばかりだ。
ところで僕は、小学生のころより隠遁生活に憧れていた。しかしいまだ人生から降りられずにいる。僕が仕事から解放されるのは、いつになるだろう。
朝飯 マカロニサラダ、赤魚の煮つけ、納豆、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、なすのたまり漬のからし和え、メシ、白菜と若布の味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 「大昌園」のあれや、これや、それや、ほか、あれこれ、麦焼酎「田苑シルバー」(オンザロックス)
2021.12.19(日) 尊敬、畏敬、驚愕
旅がままならなければ、それに関わる品を売る店も、今は閑なのだろうか。そう考えながら「スーツケース、日数、サイズ」と検索エンジンに入れてみた。あらわれたのが、以下の目安である。
2~3泊 → 30~50リットル
3~5泊 → 50~60リットル
5~6泊 → 60~90リットル
1週間以上 → 90~120リットル
しかしこれは「あのお城には、この帽子」とか「2日目のレストランには、このドレス」と、毎日、更には朝昼晩と異なる服の必要な人のための基準、という気がする。
一方「海外 旅 荷物」とyoutubeに検索をかければ、上から下までズラリと、いわゆるミニマリストたちが並ぶ。彼らの動画はなかなか面白い。しかし少なくとも僕の役にはほとんど立たない。彼らより僕の方が、よほどミニマルだったりするからだ。
むかしにくらべて増やさざるを得ないものの筆頭は、IT機器である。かつてはデイパックひとつで旅をしていた僕も、現在は、機内持込可能の小さなものではあるけれど、スーツケースを必要としている。
ところで僕のおじいちゃんは、100リットル見当のスーツケースをふたつ持った。ひとつは私物用、もうひとつは、往路においては行った先への土産、復路においては帰ってから配る土産を入れるためのものだった。尊敬、畏敬、驚愕の他は無い。
朝飯 マカロニサラダ、めかぶの酢の物、ウインナーソーセージと白菜のソテー、納豆、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、なすのたまり漬のからし和え、メシ、大根と人参の味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 トマトと紫キャベツのサラダ、人参と舞茸のきんぴら、豚と白菜と厚揚げ豆腐の鍋、麦焼酎「こいむぎやわらか」(水割りのお燗)、シフォンケーキ、レーズンウィッチ、Old Parr(生)
2021.12.18(土) 雪の予報
大陸から日本海を越えて、列島に風が吹きつけている。その寒風が、日本海側を中心とする広い範囲に雪を降らせると、きのうの朝の天気予報は伝えていた。
雪が降って嬉しかったのは、せいぜい学生のころまでだ。否、無責任な旅行者として北国へ遊びに行こうとすれば、今でも、そこに大量の雪のあることを期待する。降って欲しくないのは、自分の生活圏内の雪である。
降雪を予報するテレビの画面では、日光はいつも、微妙な位置にある。群馬県との境にちかい山間部は、雪を意味する白い色で塗りつぶされている。一方、僕の住む南東部は、その白いところから外れているように見える。しかしその境界が、いかにも曖昧なのだ。
4時すぎに起きて洗面所へ行く。顔を洗ってから、窓のカーテンをすこしずらして外を見る。雪は降っていなかった。
雪は、朝礼を終えて道の駅「日光街道ニコニコ本陣」の売り場へ掃除に出かけるころ、舞い始めた。それは頭上から降る雪ではなく、山から風に乗って運ばれてくる風花だった。その風花もやがて消え、日が差しはじめる。
「汁飯香の店 隠居うわさわ」には今朝、門松が置かれた。家の土地から伐り出した竹、先日、植木屋が剪定した松の枝、そしていただきものの南天を使い、隠居係のタカハシリツコさんが作ったものだ。門松は、正月10日の月曜日まで、置くつもりでいる。
朝飯 煮奴、生玉子、牛肉のすき焼き風、白菜キムチ、じゃこ、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、なすのたまり漬のからし和え、メシ、白菜の味噌汁
昼飯 「大貫屋」の中華丼
晩飯 レタスと紫キャベツのサラダ、カレーライス、らっきょうのたまり漬、Old Parr(水割りのお燗)
2021.12.17(金) 年賀状
小学生のころは、年賀状を送ったり送られたりすることが、心から楽しかった。冬休みに入ると年賀状づくりに精を出し、元旦は年賀状が届くのを心待ちにした。その楽しさは以降、漸減したものの、余韻は高校生のころまで続いたような気がする。
自分はいつ年賀状に対して興味を失ったか。それはどうも、年賀状を家庭で印刷作成できるワードプロセッサが世に現れた時期と重なっているような気がする。
現在、年賀状は一顧だにしない。と言いたいところだけれど、一瞥くらいはする。そして僕個人に届いたものには旅先から返事を書く。これがまぁ、大変な苦労である。
年賀状は大抵、コンピューターとプリンターで作ったか印刷屋に頼んだもので、そこにせいぜい「今年もよろしく」と、ほんの数文字の手書きが添えてある例がほとんどだ。一方、僕は返信のための絵ハガキに数百文字を連ねる。個人に届く年賀状は、それほど多くない。とはいえ、20通くらいはある。とすれば数百文字の20倍を、ひたすらペンで書き続けることになる。まるで「B29 vs. 竹槍」である。
旅とは、からだを休め、気を鎮めるために行くものだ。そこに毎年「数千文字を手書きする」という義務が生じている。そろそろ反撃に移るべきではないか。吟行で秀句を得る方法のひとつに「出かける前に詠んでおく」というものがある。この手は使えそうだ。
……
先般はご丁寧に季節のお便りをお送りくださいまして有り難うございました。
熱帯の朝は、日中の暑熱が信じられないほど爽やかです。緯度が低いため、日本の夏のように早く明けることはしません。いまだ暗いうちに目を覚ますと、先ずは既にできあがっている一昨日の日記を公開し、それからきのうの日記にとりかかります。そうするうち、外が明るくなり始めます。当たり前のことですが、啼く鳥の声は、この土地でしか聴けないものです。
朝食はたっぷり摂ります。そして部屋でひと休みをしてからプールサイドに降り、ここで午後の日が傾くまで本を読みます。驟雨の通り過ぎる日もあります。しばらくすると、濡れた椰子の葉やプルメリアを夕日が眩しく照らします。シャワーから上がったら、ゴム草履を突っかけ、手提げ袋に土地の焼酎の瓶とコップ、そして本を入れて部屋を出ます。
街の食堂では簡単な料理とソーダ、そして氷を注文します。そしてそのおかずを肴にして焼酎のソーダ割りを飲み、本を読みます。
酔うと歩くのが億劫になりますので、流しのオート三輪を拾い、それに乗ってホテルに帰ります。湿った夜風の心地の良さは、文字にできるものではありません。当たり前のことですが、鳴く虫の声は、この土地でしか聴けないものです。
部屋に戻ったらシャワーを浴びます。いまだ20時を過ぎてはいませんが、明かりを落として横になります。
気づくと早くも翌朝です。朝食までは3時間ほどもありますから、ポットにお湯を沸かし、持参したスープを飲みます。そしてコンピュータを起動し、既にできあがっている一昨日の日記を… とまぁ、こんな日々を、いましばらくは続けるつもりです。
またお目にかかれる日を、楽しみにしています。どうぞお元気にお過ごしください。
★にて
……
と、こういう文面のハガキを作り、旅の荷物に加えておく。出かけた先では★の部分に、そのとき滞在している土地の名を書き入れれば完成である。なかなかの妙案ではないか。
朝飯 納豆、牛肉のすき焼き風、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、千枚漬け、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、なすのたまり漬のからし和え、メシ、蕪と蕪の葉の味噌汁
昼飯 「ふじや」の野菜麺
晩飯 トマトとベビーリーフのサラダ、ブロッコリーの鉄板焼きとじゃがいもと人参のバターソテーを添えたハンバーグステーキ、トースト、Chateau Leoville Las Cases 1984
2021.12.16(木) お茶と味噌汁
味噌汁は毎朝、上手に作れる。出汁は多く、煮干しと昆布で引く。昆布はいつも、上出来のものがある。煮干しは上出来のものが切れることもあるけれど、工夫さえすれば、やはり美味い味噌汁は作れる。
難しいのはお茶、である。
朝のお茶については、手を変え品を替え、日々、あれこれ試している。それでも美味いお茶は、僕の場合、僥倖を祈るしか得る方法が無い。そして今朝の一煎目は美味かった。
と、「美味かった」に句点を打ったところで「地球は青かった」という言葉を思い出す。「さて、それは誰によるものだったか」と検索エンジンに当たって「そうだ、ガガーリンだった」と思い出す。一方「私はカモメ」と言ったのはテレシコワで、こちらは忘れなかった。
念のため再び検索エンジンを頼れば、女性初の宇宙飛行士としてテレシコワが地球を周回したのは1963年6月。そのとき僕は小学1年生。2021年12月16日現在、宇宙にいる前澤友作の「宇宙なう」を、還暦が過ぎるまで覚えている小学1年生がどれほどいるだろう。「昔は万事、ひとつのニュースをみんなで見ていたよな」と、隔世の感を覚える。
朝飯 千枚漬け、納豆、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、揚げ湯波と蕪の葉の炒り煮、明太子、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、なすのたまり漬のからし和え、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ湯波と万能葱の味噌汁
昼飯 「食堂ニジコ」の中華焼きそば
晩飯 「共働学舎新得農場」のレラ・ヘ・ミンタル、TIO PEPE、ツナと玉子とベビーリーフのサラダ、2種のパン、林檎ジャム、レバーペースト、茹でたブロッコリーを添えたクリームシチュー、「進々堂」のシュトーレン、Chablis Billaud Simon 2015
2021.12.15(水) おなじ昼食が続くわけ
食パン1斤は、厚く切ってもらうと5枚になる。カビさせてはいけないから毎日、1枚ずつトーストにする。街で買うラーメンの生麺は、5玉がひと袋に入っている。するとやはり、5日は続けてそれを食べ続けることになる。
宅急便で取り寄せる生ラーメンは、10食が1箱に収められている。うどんの乾麺なら、更に量が増える。そのうどんはきのう食べ終えた。
毎年、冬になると決まって、外へ出たくなくなる。この気持ちが勃興してくるのは大抵、年が明けて寒さに磨きのかかってきた頃だ。しかしこの冬に限っては、今日からその気分が兆してきた。昼食は、どうしよう。
昼食は軽く済ませたい。上澤梅太郎商店からもっとも近い麺類の店は蕎麦の「やぶ定」だ。その「やぶ定」まで歩いて温かい蕎麦を食べる。隠居の身ではないから、寒くても燗酒は飲めない。もっとも昼の酒は夜のメシと酒を不味くするから、よほどのことでもない限り、僕は飲まない。
蕎麦を食べ終えると「いま、こんなものをしていまして」とオネーサンが、三角クジの箱を差し出した。穴から手を差し込み1枚を取る。開くとそこには「1,000円食事券」の判が捺してあった。東京の有名店とは異なって「やぶ定」の蕎麦は高くない。1,000円をこなすには、よほど腹を空かせて来る必要があるだろう。
夜になるのを待って、気に入りの徳利に温め酒を作る。
朝飯 茸ごはん、鮭の「朝露」漬け焼き、菠薐草の胡麻和え、玉子焼き、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、けんちん汁
昼飯 「やぶ定」の魚の天とじ蕎麦
晩飯 めかぶの酢の物、お多福豆、鯛の煮付け、明太子、広島菜漬け、千枚漬け、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、肉豆腐、メシ、「松の司」の生酛純米酒(燗)
2021.12.14(火) その方が良いに決まっている
早朝、インターネットの大海を泳ぐうち、気になる名前を見つけた。その人は本も書いていた。amazonで検索をすると、11年前に出た1,430円の本に4,054円の値が付いている。よってもうすこし範囲を広げて探してみる。するとmercariに300円で出ているものがあった。送料の必要なamazonの古書とは異なって、メルカリの価格は送料込みである。「購入手続きへ」の赤いボタンを即、クリックしたことは言うまでもない。
その余勢を駆って、いつかは買わなくてはならないと前々から考えていた本を検索する。こちらは定価が4,620円のところ、amazonの古書の最安値は4,200円。送料を含めれば、新品とほぼ変わらない。「ちょっとなぁ」と、別の結果を求めると「日本の古本屋さん」に1,500円のものが見つかった。メール便の送料を入れても1,698円。これまた即、赤い「かごに入れる」ボタンをクリックする。
「どんな人が触ったか知れない」と、オフクロは古書には手を出さなかった。僕が古書を好むのは「中味が一緒なら、安い方が良いに決まってるじゃねぇか」という理由による。もうひとつ、僕は本は多く、出先で読む。それは戸外であったり、あるいは飲み食いをしながらだったりする。必然的に、汚すことが多い。古書なら汚しても、心はそれほど痛まない。
注文した2冊のうち300円の方は、届くなり開いて、見て、読んで、今後の参考にするだろう。1,500円の方は、次の旅に備えてのものである。
朝飯 牛蒡と人参のきんぴら、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、納豆、刻みキャベツを添えたハムエッグ、揚げ湯波と蕪の葉の炒り煮、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、菠薐草と若布の味噌汁
昼飯 長葱のつゆで食べるうどん
晩飯 「魚登久」の酒肴其の一、其の二、其の三、其の四、其の五、鰻重、肝吸い、漬物盛り合わせ、8種の日本酒(冷や)









































