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清閑 PERSONAL DIARY

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2023.11.13(月) 今年の冬は

18時の終業後はあれやこれやして、19時ちかくに自宅へ戻る。今夜、4階の食卓は僕ひとりだ。そういう晩には外へ出ることとしているものの、寒さにより、どうにも気が進まない。テレビを点けるとニュースに相撲が流れて、九州場所の始まったことを知る。続いて天気予報。先週6日には28.8℃と真夏日に迫った鳥取県の大山町が、1週間後の今日は数十センチの積雪と伝えている。

夏の好きな僕はかつて「クリスマスくらいまでは夏であって欲しい」と言ったことがある。それはあり得ないことを望む、叶えられることのない希望、つまり冗談だった。その冗談が、いまや現実になろうとしているのだろうか。

チャンネルを回すとこれまたニュースで、画面には北海道の薩摩芋の様子が映し出された。薩摩芋ならその名の通り、南方の特産だったのではないか。それが今年は北海道で豊作なのだという。

新物の夏太郎らっきょうは、例年なら8月末から9月中ごろまでの蔵出しになる。それが今年はつい先日までお売りできていた。日光のらっきょうは豊作だったのだ。しかし9月の日記に書いたように、しその実は不作。大根も今のところは良くない。

夏には長く続いて欲しいものの、農産物の不作は困る。今年の冬は、一体全体、どのようなことになるのだろう。


朝飯 鮭の焼きほぐし、甘唐辛子の天ぷら、揚げ湯波と小松菜の淡味炊き、里芋の煮物、蕪戸胡瓜のぬか漬け、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、メシ、けんちん汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 じゃがいもと茸の素揚げ味噌和え、蛸と里芋の炊き合わせ、揚げ湯波と小松菜の淡味炊き、胡瓜のぬか漬け、夏太郎らっきょう、けんちん汁、麦焼酎「こいむぎやわらか」(お湯割り)


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2023.11.12(日) 彼の地の紅葉

いつもより遅い5時に起床。

左手の親指と中指、右手の親指と人差し指にキズパワーパッドを貼る必要を、きのうから感じている。その枚数からして、貼り終えるまでには30分ちかくは要しそうだ。グズグズすれば、その時間の確保が難しくなる。それが分かっていながら、先ずは日記を書くことに取りかかってしまう。それはとりもなおさず、アカギレの手当より日記を書く方が面白いからに他ならない。

開店直後に足立ナンバーの白いワゴン車が、出したばかりのノレンの前にピタリと駐まる。最初に降りていらっしゃったのは運転席の男性だった。「もう開いてます」とご案内をしたろころ、いただいたご返事は日本語ではなかった。僕の後を着いて店に入っていらっしゃったその4名様は、果たして随分と前にご予約をくださっていた、朝食のお客様だった。

味噌醤油漬物を売る上澤梅太郎商店から「汁飯香の店 隠居うわさわ」へは、蔵伝いに百数十メートルを歩いていただく必要がある。4名様はシンガポールからの旅客で、きのうは霧降高原にお泊まりとのことだった。

店の混み具合は、文化の日の絡む三連休からは、ずっと軽くなった。それでも勿論、僕は販売の補助に入る。やがてシンガポールからの4名さまも、隠居から店へともどっていらっしゃった。そして今しがたお召し上がりになった朝食を絶賛してくださり、その食膳に使われていた漬物や新米を追い上げの上、次の目的地へと向かわれた。

午後、今夜は湯西川温泉にお泊まりになるという3名様とお話しをさせていただく。今日の寒さを盛んに気にされるので、これから行かれようとしているところは更に寒いことをお伝えする。いくら寒くても、温泉があれば御の字ではないか。しかし彼の地の紅葉は、既にして終わっているかも知れない。


朝飯 鮭の焼きほぐし、甘唐辛子の天ぷら、じゃがいもと茸の素揚げ味噌和え、揚げ湯波と小松菜の淡味炊き、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん}、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、菠薐草の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 牡蠣と若布と菠薐草の酢の物白菜と豆腐と肉団子の鍋、麦焼酎「こいむぎやわらか」(お湯割り)


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2023.11.11(土) コロモガヘ

おとといの日記は書けているものの、その最上部に置く画像が無いから公開ボタンをクリックできない。更に、きのうの日記も書けているものの、これまた右に同じ、である。路傍の石でも撮っておけばどうにかなる。しかしそれをついし忘れてしまうのだ。それでも今朝は3時台に起きられたから、時間は使い放題で気分は良い。

それにしても、この風の強さはどうしたことだろう。その様子を確かめるため食堂を離れ、寝室のクローゼットからトラックジャケットを取り出し、これを着る。別の押入からは帽子を取り出し、これをかぶる。

屋上から望む東南東の空の、それほど高くないところには旧暦9月28日の月が小さく見える。その更に上には金星がいまだ光っている。風は徐々に収まりつつあるらしく、寒さはそれほど感じない。

先月のことだっただろうか、冬の仕事着のことを考えて、寝台の下の引き出しを調べてみた。そうしたところ、予期せず具合の良さそうな新品のシャツが3着あることに気づいた。いつ買ったものかの記憶は無い。しかし3着では、洗濯を毎日するとしても、ちと心許ない。

そういう次第にて、先ずは11時前にセキネクリニックを訪ねる。9時前だったきのうとは異なって、待合室には溢れそうなほどの患者がいる。それを目にして則、きびすを返す。そしてその足でユニクロへと向かう。

紙袋に入れた当該のシャツをシャッターを上げたばかりのオニーサンに見せる。オニーサンは「ソフトタッチタートルTですね、ちょうど安くなっているところです」と、その場所まで案内をしてくれた。これまた則、迷わず素早く3枚を買い物カゴに入れる。これで厳冬期までの仕事着には不安が無くなった。そして厳冬期の備えは既にしてある。

きのう処方された薬が効いて、喉の痛みはほとんど感じなくなった。しかし今度は気管支に違和感を覚え始めた。月曜日にはまた、セキネクリニックへ行く必要があるだろう。


朝飯 スクランブルドエッグ、ウインナーソーセージとブロッコリーのソテー、納豆、鮭の焼きほぐし、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、トマトとズッキーニの味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 「山泉楼」の三品盆あんあけ焼きそば肉団子浙江大越紹興酒有限公司」の「紹興貴酒」家に帰ってからのエクレア、Old Parr(生)


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2023.11.10(金) 予兆


きのうの閉店時に出勤表の今日のところを見ると、店も事務室も産前産後休業の一人を除いて全員が出てくるとあった。よっておととい8日の日記に書いた、手を着けられずにいた仕事も片づくだろうと踏んだ。

一方、きのうの夜の喉の痛みは、目を覚ましたときにはより強くなっていた。よって今度はロキソニンブルフェンNa錠60mgを1錠飲むと、痛みは随分と収まった。とはいえ医師の診察は受けるべきだ。そう考えて、朝の仕事の一巡した後に耳鼻咽喉科のセキネクリニックへ行く。またそのついでに銀行をまわり、通帳記入や現金の払い戻しをする。

文化の日を含む三連休には、日中は半袖ポロシャツ1枚で仕事をする時間もあった。重ね着を嫌う性格に加えて寒さも感じなかったからだ。しかしその気温もこの週末からは急降下し、場所によっては師走のそれになるという。そしてその予兆のようなものを午後から感じ始める。

今日は昭和34年つまり1959年に若くして病没した叔父の祥月命日だ。墓参りなら午前にすべきと思うが、今日はそれがままならなかった。墓参りは、しないよりはした方が良い。更に10月15日のオフクロの祥月命日には、墓参りはしなかった。そういう次第にて15時すぎに線香や蝋燭に加えて白菊10輪を手に如来寺へ行く。

冒頭に書いた「手を着けられずにいた仕事」は終業後にようやく片付いた。明日は早くも週末である。週末は平日より多くのお客様をお迎えできる、という点で嬉しい。


朝飯 きのう孫のリコが残した秋刀魚の塩焼き、スクランブルドエッグ、菠薐草のソテー、納豆、生のトマト、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布とサニーレタスの味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 トマトとベビーリーフのサラダブロッコリーとエリンギのソテーとたまり漬によるソースを添えたビーフステーキチーズCLOS DU MAROUIS 1986


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2023.11.9(木) 違和感

木曜日は週のうちでもっとも売上げの少ない曜日として認識をしている。その規則性は、コンピュータをコンピュータらしく使い始めた1990年代はじめの頃に顕著だった。しかし今はどうだろう。更に紅葉狩りの季節である現在は、必ずしも予想通りではない。

店の売上げについては、僕は現金しか見ていないところがある。それは、現金が僕の管理下にあるからに他ならない。しかし家内の関心は、他の支払い方法も含めた全体にある。その家内によれば、今日の全体売上げは、木曜日には似つかわしくない高さだったらしい。

今月の初日から6日まで、日本橋高島屋の催し「味百選」に、長男は出張をしていた。その残務整理の、事務系を除く仕事がようやく終わろうとしている。催しの成績は、昨年に続いて良好なものだった。しかし残されたが課題が無いわけでは無い。来春は粛々と、その課題に取り組む予定である。いずれにしても、それは僕の得意分野だ。

夕食の前に喉に違和感を覚えて水でうがいをする。その違和感は夜が進むに連れて亢進をしてきた。よって過去に処方され、使い切る前に症状が改善したため備蓄に回った薬のうち、カロナール200を4錠服用して就寝する。


朝飯 ウインナーソーセージとブロッコリーのソテーと生のトマトを添えた目玉焼き、納豆、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と長葱の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 甘唐辛子の網焼き、蓮根のきんぴら、蛸と里芋の煮つけ、夏太郎らっきょう、秋刀魚の塩焼き、麦焼酎「こいむぎやわらか」(お湯割り)、胡桃のお菓子、Old Parr(生)


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2023.11.8(水) いまだ尾を引く夏の暑さ

毎日なにやら忙しい。事務机には郵便物が溜まっていくものの、その封を切ることがなかなかできない。入力を必要としている資料もあるものの、途中で止まっている。その資料はいちど家に持ち帰り、早朝に処理をしようとしたこともあった。しかし手を付けないままふたたび事務机に戻った。どこかで一念発起をしなければならない。

数日前にお客様を連れてきてくださったタクシーの運転手さんによれば、紅葉狩りの行楽客は先の三連休で一段落。後はせいぜい週末が混むくらいだろうとのことだった。しかし今日も、開店から間もない時間にバスのお客様に恵まれた。午後、客だまりで寛いでいらっしゃるお客様に話しかけると、塩原から下ってきた日塩道路の紅葉は、いまだ赤い色が足りないとおっしゃっていた。今年の紅葉は夏の暑さにより遅れているという意見もあれば、見ごろになる前に枯れてしまうのではないかと心配する人もいる。

今年のしその実の収量は例年にくらべて少なかった。今日、耳にしたところでは、大根の生育がまったく良くないという。あちらこちらで目にする大根は確かに見劣りのするもので、一方、価格は例年の5割増しといったところだ。

それでも道の駅や農業協同組合の直売所には、いかにも食欲をそそる野菜が目白押しに並んでいる。大根も、いずれ立派なものが出てくるのではないか。当方の商売としては、そのときを待つばかりである。


朝飯 かやくごはん、菠薐草のソテー、生玉子、「なめこのたまり炊」の大根おろし和え、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、鮭の天ぷらと若布と万能葱の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 南瓜の煮付け、チーズ、マカロニサラダ細切り人参と細切りじゃがいものバターソテーと茹でたブロッコリーを添えたハンバーグステーキYOSEMITE ROAD CABERNET SAUVIGNON


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2023.11.7(火) 秘宝

その音からすれば、雨の勢いはかなりのものと思われた。時刻は3時54分。すぐに起きれば「得した感」の強い3時台の起床になる。即、身を起こし、床の乱れ籠に前夜から用意してある服を着る。顔を洗って食堂に出ると、時刻は3時58分だった。

試みにカーテンを巻き上げ、窓を開けてみる。雨を横殴りにしている風もただものではない。しかし寒さはまったく感じない。おとといの午後は、急な雨があり、すぐに止み、青空が広がった。その夕立まがいの雨といい、今朝の台風前夜のような風雨といい、まるで夏のような空模様ではないか。

その雨が一掃された9時すぎに、大型バス2台のお客様に恵まれる。僕がお相手をしたおひりに前泊の場所を伺うと「覚えていない」と、その壮年男性は苦笑いをされた。僕も町内役員のバス旅行や業界の親睦旅行、つまり「自動移動装置」に乗せられているときには同じようなものだから、不思議は何も感じない。

昼前に僕宛の荷物が届く。ヤマト運輸の紙袋の中味は月餅の箱だった。その箱には僕の知る限り、香港の九龍醤園まで足を運ばなければ手に入らない百德食品公司の豆板醤と辣椒油が納められていた。

上澤梅太郎商店の法人メールアドレスには別途、僕宛のメールが届いていた。それは過去に僕と薄い交わりのあった方からのもので、そこには先日、香港の中環を散策中に九龍醤園の前を通りかかり、その瞬間、僕の日記にしつこいほど登場する豆板醤と辣椒油のことを思い出して購入に至ったことが書かれてあった。

破損を避けるため幾重にも巻かれた緩衝材を解いていくと、紛れなく百德食品公司のふたつの調味料が現れた。「秘宝」といっても過言ではない。

その豆板醤は、浅ましくもお礼のメールを書く前に、昼のにゅうめんにほんの少しを添えた。そして箸の先でつゆに溶かし、その香りを聞いた。「そう、これ」である。

香港の九龍醤園をはじめて訪れたのは1996年4月。2度目は2000年3月。3度目は2004年3月。以降、この店の調味料とは長く無沙汰をしていたものの、2019年4月に思いがけず、これをいただく機会があった。恐懼、欣喜したことは言うまでもない。

そのわずか2ヶ月後、騒乱の香港に遊んだ先輩がいる。夏はインドネシアでサーフィン、冬はカナダでスノーボードというヤナセヨシヒコさんがなぜ、そのとき香港にいたのかは分からない。「香港では何を買うべきか」と問うヤナセさんからのメッセージに「利工民の金鹿印のシャツ、そして九龍醤園の豆板醤」と僕は答えた。ヤナセさんは早速、滞在していた旺角から海峡を渡り、香港島の狭い坂を上がって九龍醤園に達した。そして僕への土産も含めて豆板醤を買った。しかしここがいかにもヤナセさんらしいところだが、その豆板醤は手荷物にしたため、空港で没収をされてしまった。惜しんでも惜しみきれないポカである。

今回、豆板醤と辣椒油を送ってくださった方は、過去に僕からもらい物をしているから礼は不要とおっしゃる。しかしそういうわけにはいかない。繁忙により荷作りは数日後になるだろうけれど、先ずは発送伝票を作ろうと思う。


朝飯 柿と菠薐草の白和え、トマトのスクランブルドエッグ、ジーマミー豆腐の冷や奴、揚げ湯波と小松菜の淡味炊き、胡瓜と蕪のぬか漬け、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と万能葱の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 天ぷら其の一天ぷら其の二夏太郎らっきょう、ごぼうのたまり漬、麦焼酎「こいむぎやわらか」(お湯割り)、2種の葡萄アイスクリーム、SMIRNOFF VODKA(生)


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2023.11.6(月) 床と床脇の関係

隠居の床には田崎草雲の「巌菊之図」が掛けられている。コンピュータの一覧表によれば、これは10月15日には下げることとなっている。そして翌16日からは恵比寿講に合わせて羅漢山人の「大黒天之図」を掛けることとある。一方、床脇には現在、乾湿による獅子に乗った文殊菩薩を置いている。床と床脇に人の姿をしたものが重複するのはいかがなものか、その迷いがあって、いまだ「巌菊之図」を下げられずにいるのだ。

「だったら文殊菩薩を下げれば良いではないか」と言われれば、これはひとかかえほどもあり、またすこし触れば表面の金箔が剥がれそうになるため、あまり持ち歩きたくない。「だったらなぜ置いた」と詰められれば「置きたかったから」としか答えようはない。もうひとつは、鉄筋コンクリート製の母屋に置くよりは、伝統家屋の隠居に移した方が長く保つのではないか、と考えたことによる。

一覧表を更に下へと見ていくと、11月16日から大晦日までは柏木弘の抽象作品「UNTITLED 08-III」を掛けるべしとある。とすればいっそ、今からこれにしてしまう手、だろうか。

隠居の室礼を季節に応じて変えることは楽しい。そして床に鏡餅が飾られるまでは、あと7週間。その数字を目にすると、今年もそれほどは長くないことを実感する。


朝飯 ズッキーニとトマトのソテー、スクランブルドエッグ、「なめこのたまり炊」の大根おろし和え、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と長葱の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 “THE FLYING GARDEN”のマッシュルームサラダ爆弾ハンバーグ(クイーンサイズ)デカンタの赤ワイン家に帰ってからの「久埜」の栗蒸し羊羹、Old Parr(生)


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2023.11.5(日) ルバイヤート集成

きのう注文した矢野峰人訳の「ルバイヤート集成」が、もう届いた。厚紙による封筒の最上部を鋏で切って開け、中味を取り出すと、それはA5版だったから、きのうの日記に書いた「シャツとも上着ともつかないもの」の胸ポケットがいくら大きくても、収まりはしない。

昼食は14時30分より。夕食に障ってはいけないから、このところのにゅうめんではなく、それほど大きくもないパン1個と、食器棚のどこに収まっているか分からない紅茶は避けて、飲物は番茶に牛乳を差した。

食後に分厚い「ルバイヤート集成」を開く。こちらは小川亮作の訳とは異なって、流麗な五七調がほとんどだ。初出は第二次世界大戦前で、読めない漢字も出てくる。

この矢野峰人訳と小川亮作訳を突き合わせみると、他の多くのルバイヤートとおなじく、章立てや並び順が異なっている。矢野峰人訳の「四行詩集」の第二十七歌は以下。

われ若きときひたぶるに
博士賢者の門に入り
高き教えを仰ぎしも
出づればもとの無知にして。

これは、小川良作の訳では以下になるだろうか。

幼い頃には師について学んだもの、
長じては自ら学識を誇ったもの。
だが今にして胸に宿る辞世の言葉は…
水のごとく来たり、風のごとく去る身よ!

小川亮作訳の「ルバイヤート」では、著者による前書きと解説も面白い。矢野峰人訳の「ルバイヤート集成」には、巻末に南條竹則による「ルバイヤートと矢野峰人」、高遠弘美による「幸福なる少数者のために」が収められている。こちらもまた楽しみだ。しかし先ずは、本体の詩を読んでみよう。出先で開くには、ちと重い本だが。


朝飯 鰯の梅煮、生玉子、納豆、菠薐草のソテー、大根と胡瓜のぬか漬け、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布とレタスの味噌汁
昼飯 パン、ミルク番茶
晩飯 3種の揚げ茸の噌和え、胡瓜のぬか漬け、夏太郎らっきょう、湯豆腐、長葱と鰹節と「日光味噌のたまり浅漬けの素・朝露」による湯豆腐のたれ、「富士酒造」の「栄光富士鑑評会仕込大吟醸」(冷や)


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2023.11.4(土) もの買う話

1980年代の後半から1990年代はじめにかけての、それはいつのことだったか、とにかく師走に一週間、会社の敷地から一歩も出なかったことがある。年末の需要にお応えをするため、製造現場に缶詰になっていたのだ。そのころの楽しみは、仕事場から館内電話で家内に夕食の内容を訊き、その晩に飲む酒を選ぶことだった。

今は仕事の内容も変わり、週に一度も会社の敷地から出ない、ということは無い。それでも繁忙により気ままな時間が確保できなくなことがある。そんなときには決まって何かを買いたくなる。

稀代の荷物ぎらいにて、合理的なバックパックやショルダーバッグを試すうち、その数は数十個に達した。一方、荷物を減らすことにも習熟をしてきて、今、もっとも気に入っている物入れはショルダーバッグではなく、胸に張りつくような薄いポーチだ。そこから更に進んで、先日はふたつの大きな胸ポケットを持つ、シャツとも上着ともつかないものに目を付けた。

インターネットで服を買う場合、もっとも問題になるのはサイズだ。何年か前にEC関係の研修に出たことがある。そのとき「買う気のしないウェブショップとは」と訊かれて「実際の人間がそれを着ている画像の無い服屋」と答えたことがある。

当該の「シャツとも上着ともつかないもの」を売るページには、それを着ている人の画像があった。身長は170センチとのことで、僕とほぼ変わらない。ただしそのモデルは腕まくりをしていた。それでは袖の具合は分からない。

よってその服屋に質問を送ったところ「袖の長さはジャストサイズといった感じです。長すぎず、短すぎず、ちょうどでした」との返事が戻った。僕は腹の中でニヤリと笑い、更に「ホントかよ」と、これまた腹の中で茶化した。

その「シャツとも上着ともつかないもの」が、きのう届いた。そそくさと箱を開け、袖を通してみたところ、それは見事に「長すぎず、短すぎず、ちょうど」だったから、以降は気分の良さが続いている。

更に今朝は、オマル・ハイヤームの「ルバイヤート」を注文した。岩波新書の小川亮作訳は学生のころに買い、それを見失い、更に買ったら古い方も出てきて現在、家には2冊がある。それから数十年を経て今回は、矢野峰人訳の「ルバイヤート集成」を買い物カゴに入れた。この本の判型は何だろう。「シャツとも上着ともつかないもの」の胸ポケットには、四六版までなら収まると思う。


朝飯 鰯の梅煮、納豆、めかぶの酢の物、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と椎茸と長葱の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 「コスモス」のトマトとモッツァレラチーズのサラダカツレツドライマーティニ、TIO PEPE


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上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

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