2025.5.1(木) カディ
新聞に興味のある記事を見つけ、しかし読んでいるひまはない、そういうときには、それを取りあえず四折にして、食卓ちかくの棚の最下段に置く。その直近のものは先月27日の”The NIKKEI STYLE”の第9面から始まる「コットンの国からの贈り物」で、4日後の今日にようよう開いて読む。
1982年に公開された映画「ガンジー」は、1983年に香港で観た。この映画にたびたび象徴的に現れるのが糸を紡ぐ、という労働だった。
ガンジーが1920年に設立した大学「グジャラート・ヴィディヤピット」では、学生たちは祈りの後に各々の、持ち運び式の糸車で30分間ほども糸つまりカディを紡ぎ、多くは卒業前にそれを織って布にする。「インドにとって、カディは特別な存在だ」と、記事は続く。
上澤梅太郎商店は2023年9月から、それまでの味噌、醤油、たまり漬に加えて食や発酵に関する雑貨と本を扱い始めた。その中にはカディによるコットンクロスもある。小さなものは36cm×71cm、大きなものは58cm×105cm。僕はこの大きな方を買い、スカーフとして使っていた。税込3,190円という価格は何となく高く感じられるかも知れないけれど、糸は手紡ぎ、針による仕事は精緻、肌に触れたときの心地よさからすれば、むしろかなり安い。
僕はそれを、惜しいことに今年3月にチェンライで紛失した。自分の失くし癖をよく知る身としては、コインランドリーでも、洗濯機や乾燥機が止まったときには、その中をよく検分した。それにもかかわらずの行方不明である。
今月のタイ行きの前には、ふたたびこのコットンクロスを買うことにしよう。今日はまたインターネット上で、100カウントのカディと84番手コットンを織った、幅115cmの布を150cmだけ買った。届いたら両端にホツレ止めを施して、これまたスカーフにしようと思う。
朝飯 目玉焼き、菜花のソテー、納豆、トマトの甘煮、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、山椒の天ぷらと万能葱の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 たけのこ煮、めかぶの酢の物、大豆とうずら豆の炊き合わせ、独活のきんぴら、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、鰆の西京焼き、ノドグロの干物、豚薄切り肉のソテー、焼きおむすび、蜆の味噌汁、「会津酒造」の「凜・本醸造原酒一回火入れ」(燗)