2022.5.14(土) 納豆おじさん
TikTokに「納豆おじさん」という人がいる。以前は「けんじキャンプ」の名で、焚き火や野外料理や狩猟の動画を上げていた。しかし時を経て納豆に特化した朝食が話題になり、現在の名に変えて今に至っている。
「納豆おじさん」のフォロワーの急増には、ふたつの理由があると僕は踏んでいる。ひとつは視聴者の提案に素直に従い、納豆にありとあらゆるものを混ぜて食べること。これにより視聴者は間接的にではあるけれど、動画に参加をすることができる。もうひとつは、いわゆる「アンチ」の誹謗中傷挑発に、動画を通して真摯に応える、というものだ。この姿勢によりファンはますます増える。
「納豆アレンジ一か月」という著書を持ち、市川海老蔵とコラボ配信をしたりもするこの「納豆おじさん」を招き「納豆おじさんと納豆を食べる会」を今日は「汁飯香の店 隠居うわさわ」で催す。
「納豆おじさん」はこの会に先だって、僕にライブ配信の方法を教えてくれるという。配信の開始は6時30分。有名でありながら謙虚、親切な「納豆おじさん」からの電話を僕は、製造現場の冷蔵庫で受けた。即、そこから走り出て通用口を開ける。
配信は僕の朝食の準備の進み具合から、予定より10分はやく始められた。最高視聴者数は1,500人超、常時視聴者数は100人前後。24分に及んだ配信の後は、僕の作った朝食を「納豆おじさん」にも食べていただく。
正午から13時30分にかけては店が忙しくて隠居へは行けなかったものの「納豆おじさんと納豆を食べる会」は、大変な盛況ぶりだったという。次回は僕も、その様子を見に行きたいと思う。
朝飯 めかぶの酢の物、トマトとポテトとレタスのサラダ、ハムエッグ、油揚げと小松菜の炊き合わせ、しいたけのたまり漬、ごぼうのたまり漬、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、トマトと若布と三つ葉の味噌汁
昼飯 「ふじや」の広東麺
晩飯 グリーンアスパラガスの焼きびたし、オールドイングランド、2種のパン、スパゲティミートソース、きのう”Finbec Naoto”からも持ち帰ったBourgogne Pinot Noir Domaine Billard Pere et Fils 2019
2022.5.13(金) それは惜しんでもワインは注文する。
長男が出張や会議で家にいない、家内も用事で不在にしている、そういう晩は、ひとりで外へ出て居酒屋なり街中華なり洋食屋へ行く。今夜はそれほど多いことでもないけれど、長男、嫁、孫ふたりの4人が家にいない。夕食は家内とフランス料理屋で摂ることにする。
居酒屋や街中華へは仕事着のままで行く。洋食屋へは、靴だけは履き替えていく。フランス料理屋となれば服も着替える必要がある。とはいえ着ればクリーニングに出す必要のあるシャツやセーターを、たかだか数十分のためにタンスから出すのも惜しい気がする。
ユニクロのズボンは”JAPAN BLUE JEANS”のそれに替えて、しかし白いポロシャツは着たままとする。半袖のシャツに上着を重ねる気はしない。その代わり、何十年も前にオフクロからもらった、LとVの字を浮き織りにした黒いスカーフを首に巻く。
雨が降っている。ホンダフィットの計器板には、外気温は19度と示されている。そうしてストレッチリムジンでは決して入っていけない細い道を鉤の手に抜けて、暖かい灯りのともる、丸太づくりのような店の前にクルマを駐める。
朝飯 たけのこ煮、3種の天ぷら、納豆、茄子とピーマンの日光味噌「辛ひしお」炒め、めかぶの酢の物、揚げ湯波と蕪の葉の炒り煮、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、メシ、豆腐と菠薐草の味噌汁
昼飯 朝のおかずを流用した弁当
晩飯 “Finbec Naoto”の其の一、其の二、其の三、パン、其の四、其の五、パン、其の六、Bourgogne Pinot Noir Domaine Billard Pere et Fils 2019、コーヒーと焼き菓子
2022.5.12(木) どうということもない。
東京の2ヶ所と日光を繋いでのリモート会議のため隠居へ行く。周囲と隔絶された隠居であれば、電話や来客により会議を中断させられる心配はない。
隠居の庭は新緑が目に眩しい。満開だった藤はそろそろ花を散らせつつある。サツキは相変わらず元気だ。水辺に花菖蒲が咲くのは今月の下旬。紫陽花の紫色が見られるようになれば、梅雨も全盛、ということになる。
昼食をはさんで、年に1度くらいしか来られないカネヒラケンジさんと、またまた隠居で会議と打合せ。会社に戻ると閉店の17時30分が近かった。
社内の通路に孫の姿が見える。1歳5ヶ月になるシンが僕を指さし「ジジッ」と声を発する。「はーい」を返事をすれば駆け寄ってきて、身振りで抱けという。抱き上げると製造現場を差して「アジッ」と言う。「あちらへ連れて行け」ということなのだろう。しかしそれにつき合っているヒマはない。母親のモモ君に手渡すと「キャー」と叫んで彼は不満を現した。
「おじいさん」と「あちら」は、英語でこそ言えるものの、タイ語となると、僕には無理だ。タイ語には妙に厳密なところがあって「おじいさん」は父方と母方で呼び名が違う。「ここ」と「どこ」は知っていても「あちら」や「そちら」は覚えていない。
生まれて1年と5ヶ月で未知の言葉を解し始め、ほどなく話しも始める赤ん坊の能力には、驚く他はない。それにくらべて当方は衰えゆくばかりである。もっとも「私もまだまだ」などと頑張らない方が世のため人のため、ということもあるから、別段、どうということもない。
朝飯 納豆、目玉焼き、茄子とピーマンの日光味噌「辛ひしお」炒め、揚げ湯波と蕪の葉の炒り煮、ひじきと梅肉のふりかけ、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、メシ、帆立貝の天ぷらと万能葱の味噌汁
昼飯 「鳥よし」の焼鳥丼定食
晩飯 ニース風サラダ、2種のパン、マッシュルームと菠薐草とベーコンのソテーを添えた鯛のバターレモンソース、オールドイングランド、シフォンケーキ、Old Parr(生)
2022.5.11(水) バーツ円
タイには、バックパッカーとしては1980年と1982年に行った。当時、1バーツは約10円だった。定宿の楽宮旅社の料金は、ひとり部屋が1泊50バーツで、ふたり部屋は80バーツ。1階の、誰が名づけたか北京飯店のお粥は8バーツ。楽宮のある中華街ヤワラーからシーロムの盛り場までのトゥクトゥク代は15バーツと、僕は記録をしている。
長く我慢し続けたタイ行きを再開したのは2009年8月。28年を経て1バーツは2.78円に下落をしていた。もっともタイも経済発展を遂げて、8バーツだったお粥は30バーツになっていた。この30バーツを邦貨にすれば84円。1982年の80円とほぼ変わらない点は興味深い。
僕が経験したうち、バーツに対して円が最も高かったのは2011年9月29日。バンコクの、両替もする酒屋では1万円が4,060バーツになった。つまり1バーツは2.46円。しかし同日の日経平均株価はどん底にちかい8,701円だったから、何が良いのかは一概には言えない。ちなみに当時のタイの首相はインラック・シナワトラ、日本のそれは野田佳彦。
いずれにしても、おとといの日記にも書いたように、手持ちのバーツは必要にして充分の量がある。面倒なくタイへ行けるのは、いつになるだろう。
朝飯 菠薐草のおひたし、納豆、揚げ湯波と蕪の葉の炒り煮、蕗煮、大根おろし、グリーンアスパラガスの焼きびたし、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、メシ、舞茸の天ぷらと万能葱の味噌汁
昼飯 「ふじや」の味噌ラーメン
晩飯 たけのこ煮、キムチ豆腐、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、蕗煮、うずら豆、茄子とピーマンの日光味噌「辛ひしお」炒め、ブロッコリーのソテーを添えた豚の生姜焼き、メシ、オールドイングランド、ロールケーキ、Old Parr(生)
2022.5.10(火) Big red car.
「大きな赤いクルマ」が正しいのか、それとも「赤い大きなクルマ」が正しいのか。そういうことを考える日本人はいるだろうか。
“Big red car”は正しくて”Red big car”は誤りと教えてくれたのは、エリザベスという名の英国人だった。何を教わっても右から左へ抜けてしまう僕としては珍しく、この法則はしっかり頭に刻み込まれた。
先日テレビの音楽番組で”Little Black Dress”という名の歌手を知った。その言葉の並びはなるほどエリザベスの言ったことに反していない。それにしても、ヤケにカッコ良く歌う歌手だ。「たまには夜のテレビも視てみるものだな」と感じた。
それはさておき普段はリモートでやり取りしている外注SEのカネヒラケンジさんが、今週は日光に滞在しながら相談に乗ってくれる。カネヒラさんは明日朝からの仕事に備えて本日、到着した。僕はカネヒラさんに訊きたいこと、確かめたいことを、ここ数日のあいだ箇条書きにしてきた。そういう次第にて、夜は街の居酒屋にてあれこれと打合せをする。
朝飯 春菊と八朔の白和え、巻湯波と菠薐草の炊き合わせ、牛蒡と人参のきんぴら、グリーンアスパラガスの焼きびたし、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、トマトと大根と万能葱の味噌汁
昼飯 焼きおむすび、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、他社製のフリーズドライ味噌汁
晩飯 「和光」のお通しの蕗煮、刺身の盛り合わせ、漬物の盛り合わせ、タン焼き、ポテトサラダ、茄子の生姜焼き、麦焼酎「吉四六」(お湯割り)
2022.5.9(月) ドル円
ある資料に拠れば、1ドル130円前後の円安は、調整をしながら今年の後半には136円に達する可能性もあるという。僕は、タイバーツは無くなる前に買い足しておく。米ドルも無くなる前に買い足しておく。
2020年3月2日、スワンナプーム空港の”VALUE PLUS”で3万円を8,640バーツに替えた。相場は1万円が2,880バーツ。ウドンタニーからバンコクに戻った3月6日には、おなじ両替所で手持ちの円のほとんどすべてにあたる16万円を48,840バーツに替えた。相場は1万円が2,960バーツ。そして現在の残高は36,423バーツ。
米ドルは、この日記によれば2010年6月2日に成田空港の両替所で19,949円を213米ドルにしている。相場は1ドル99.67円。次は2013年2月26日に、足利銀行今市支店で1,000米ドルを95,740円で買っている。相場は1ドル95.74円。その後に米ドルを買った記憶は無い。しかしいま米ドルの入っている銀行の袋には「2015.12.21」の判が捺してある。この日付けが謎である。旅が目前に迫っているわけでもない、更には年末の忙しい日に外貨など買うだろうか。当日の日記には、それらしいことは何も書かれていない。
とにかく現在、手元には1,034ドルがある。グアムやハワイやアメリカ本土へ行く計画もなければ、この米ドルはいずれ、すべてタイバーツに替えてしまおうと思う。僕は海外では大してお金を使わない。36,423バーツと合わせれば、かなり使いでのある金額になるだろう。
朝飯 めかぶの酢の物、ポテトサラダ、ハムと刻みキャベツのソテー、納豆、しいたけのたまり炊、ごぼうのたまり漬、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、若布と三つ葉の味噌汁
昼飯 コンビーフ、塩鰹のふりかけ、ごぼうのたまり漬、梅干のお茶漬け
晩飯 いぶりがっこ、コンビーフ、トマトとアボカドと胡瓜とレタスのサラダ、カレーライス、らっきょうのたまり漬、Old Parr(お湯割り)
2022.5.8(日) ケララ
旅の持ち物はコンピュータの”TR”というファイルに覚え書きをしている。”TR”とは”TRAVEL”の略である。持ち物は増えたり減ったりしながら、現在は137点になっている。「なぜそれほど沢山のものを…」と問われれば、「薬」はアスピリンから萬金油まで25点、「デジタル」はコンピュータの埃を払うハタキからカメラの予備バッテリーまで11点、「その他」は今年の正月に届いた年賀状から緩衝材いわゆる「プチプチ」まで17点と、細かく数えての137点である。
さてその持ち物の「活字関係」は、出発日の日本経済新聞、出発日直前の日本経済新聞土曜版、出発日直前の日本経済新聞日曜版の3点を含む。飛行機は寝ているうちに移動できる深夜便が好きだ。寝ているあいだは活字は読まない。本は現地に着いてから読む。移動中の活字は新聞くらいがちょうど良いのだ。
本日の日本経済新聞朝刊第20面に、小川糸という人がケララ州へ旅したときのことを書いている。インドに通うことを好んだおじいちゃんは、あるとき「コーチンは暑くてなぁ」と、「もう行くまい」という顔をした。自由学園のアカギヒデヤ先生は、ひと月ほど滞在して触れ合った、ケララの学生の優秀さを語ってくださった。ケララへは、上質の大麻を求めて行く人もいる。
ケララのことは、しばらく前から頭にあった。今朝はそれが小川糸の随筆により甦った。インドには、1980年と1982年に行ったきりだ。2020年6月に業界の親睦旅行でインドを訪ねる計画があったものの「コロナ」により中止を余儀なくされた。
「東京 ケララ 行き方」と検索エンジンに入れてみる。スリランカ航空の「成田発コロンボ経由コーチン行き」が、僕にはもっとも良さそうだ。コロンボでは乗り換えのため1泊を要するという。「だったらスリランカの田舎にも、しばらくいたいよな」と思う。しかしてまた「どうせ寝転がって本を読んでるだけだ。だったらやっぱりケララだけで良いか」と考え直す。
朝飯 納豆、ひじきと梅肉のふりかけ、トマトのソテーと目玉焼き、揚げ湯波と蕪の葉の炒り煮、しいたけのたまり炊、ごぼうのたまり漬、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、若布と万能葱の味噌汁
昼飯 「セブンイレブン」のクリームパンとサンドイッチ、牛乳
晩飯 トマトとレタスのサラダ、ブロッコリーのフリット、たまり漬を使った2種のソースを添えたビーフステーキ、VOSNE ROMANEE Jean Gros 1985、チーズケーキ、Old Parr(生)
2022.5.7(土) 次に読むべきは
活字中毒でありながら、本はほとんど公共交通機関での移動中か、飲み屋、食堂でしか読まない。家で本を読まなくなった理由はふたつ。いつの間にか早寝早起きになって、寝床に本を持ち込まなくなった。もうひとつは、インターネットの出現である。
僕が好き勝手にしていられるのは早朝のみ。その時間に活字を読もうとすれば、紙に印刷された文字よりも、コンピュータのディスプレイに浮かぶそれの方が鮮やかだ。紙の本を電子書籍に変えれば、ふたたび家で本を読むようになるかどうかは、試していないから分からない。
新聞は多く、昼食を摂りながら読む。日本経済新聞土曜版の楽しみのひとつは読書面だ。本日の「リーダーの本棚」は法務大臣の古川禎久。彼の座右の書は西郷隆盛の評伝「永遠の維新者」。そして愛読書の2番目に勝海舟の「氷川清話」があった。
「氷川清話」で勝が激賞する人物は西郷隆盛ただひとりと言って過言ではない。勝は西郷を褒めて褒めて心酔し、懐かしみ、そして惜しむ。その勝の認める西郷の伝記は勝田孫弥によ「西郷隆盛傳」だ。「買おうか」とも思うが慶応生まれの人の日本語を酒を飲みながら読めるかどうかは疑問だから、今はその物欲を抑えている。
ところで「氷川清話」は本日、ようやく362ページに至った。次に読むべきは、勝小吉の「夢酔独言」だろうか。
朝飯 生のトマト、納豆、ウインナーソーセージとピーマンのソテー、めかぶの酢の物、シイタケのたまり炊、ごぼうのたまり漬、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、大根と若布の味噌汁
昼飯 「ふじや」の味噌バターラーメン
晩飯 お好み焼き、ゆで玉子とスナップエンドウのサラダ、切り干し大根と人参の炊き合わせ、焼き鮭、じゃがいもと菠薐草の味噌汁、「齋彌酒造店」の「雪の茅舎秘伝山廃純米吟醸」(冷や)、孫が作ったいちごのパイ、チーズケーキ、Old Parr(生)
2022.5.6(金) 便利は不便
きのう一眼レフで撮った画像をコンピュータに取り込むべく、本棚の一角に納めた保管庫を開く。そして”NIKON D610″を食堂へ運ぶ。
きのうは撮ったばかりの画像を再生しながら、余計なボタンに触ってインデックス表示にしてしまった。画像の取捨選択や加工を僕はすべてコンピュータでする。よってインデックス表示は不要ながら、これを元に戻す方法を知らない。今朝は使用説明書に頼ってようやく、それを復旧させた。
「ホンダフィットには10年以上も乗っているけれど、1度も使ったことのないスイッチが複数ある」と先月21日の日記に書いた。カメラにも、余計なボタンは要らない。
できるだけさっぱりしたクルマを求めようとして自動車会社に相談をしたところ「タクシー仕様になります」とそっけなく言われたと、むかし「わたびき自動車工業」のナカオキミツルさんに聞いたことがある。僕の要望を理解する以前のコピー機のセールスマンは、多彩な機能を盛んに言い立てた。ナカオキさんとおなじく僕も、道具は簡素、単純な方が好きなのだ。
「機能の少ない一眼レフ」と検索エンジンに入れても、そのようなものは出てこない。今さら銀塩カメラには戻れない。リコーの”GR DIGITAL”から離れられない所以である。
朝飯 揚げ湯波と人参と小松菜とジャコの炒り煮、小松菜のおひたし、納豆、カニかまと胡瓜の酢の物、焼き海苔、ごぼうのたまり漬、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、豆腐と若布と玉葱の味噌汁
昼飯 「食堂ニジコ」の麻婆丼
晩飯 いぶりがっこ、コンビーフ、オールドイングランド、トマトエッグドロップスープ、サラダ菜とズッキーニのサラダ、パン、鶏とマッシュルームとマカロニのグラタン、Chablis Billaud Simon 2015
2022.5.5(木) 胸突き八丁
黄金週間は、今日が胸突き八丁だろう。胸突き八丁といえば真っ先に、仙丈ヶ岳へ近づいていこうとするときの八丁坂を思い出す。
自由学園の遠足は登山である。もっとも辛かったのは、高等科1年のときの富士山だ。「富士山など子供でも登れるだろう」と言われれば、我々のそれは、そういうたぐいのものではない。先ず、馬返しから森林帯を抜けるだけで、既にして疲労困憊である。八合目が迫ると、高山病により食べたものを吐く者が出てくる。山開きの前で、雪も降る。1972年の山小屋は、まるでタコ部屋を思わせた。
翌日は須走を駆け下りて、そのまま御殿場の駅まで15キロを歩いた。雪に反射する太陽光に焼かれた顔は、表情を変えるたび、激しい不快感を皮膚に覚えさせた。
高等科2年の前穂高は、四肢を使ってガレ場をよじ登る怖さを感じない者には楽だった。僕もそのひとりで、頂上に達したときは「あれ、もう終わりか」と呆気にとられた。仙丈ヶ岳の馬鹿尾根を登り降りしたのは高等科3年のときのことだ。
終業後は週に1度のミーティングを開く。胸突き八丁を越えても登り降りは続く。粛々と、歩を進めるのみである。
朝飯 ひじきと梅肉のふりかけを薬味にした冷や奴、生玉子、生のトマト、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、たけのこごはん、コンビーフと小松菜の味噌汁
昼飯 2種のサンドイッチとレーズンパン、コーヒー
晩飯 めかぶの酢の物、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、手巻き鮨のたね其の一、其の二、「齋彌酒造店」の「雪の茅舎秘伝山廃純米吟醸」(燗)、西瓜