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お買い物かご

清閑 PERSONAL DIARY

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2019.11.26(火) 増産

上澤梅太郎商店でもっとも多く買っていただける商品は、らっきょうのたまり漬だ。それに対して、僕が子供のころから今に至るまで、もっとも好んで口にしてきたのは、なめこのたまり炊である。

あるとき、この原材料を更に安定したものにすべく、調達先を変えた。その結果、品質は向上しながら仕入れ値は下がった。これに伴って商品の価格も、1,500円から1,000円に下げた。品質が上がって値段が下がれば当然、販売数量は徐々に上がる。現在は、以前にくらべて数倍の量をお作りしている。

そのなめこのたまり炊について「このままいくと、年が明けていくらもしないうちに売り切れる」と、午後、長男が資料を手渡しつつ告げた。年末は当然のことながら忙しい。年明けも同じく忙しい。だったらいつ、それを作ろうか。明日にも製造顧問のフクダナオちゃんと製造部長のマキシマトモカズ君に、相談を持ちかけなければならない。

ところで事務机の左手に提げたカレンダーの、今月分をめくって来月分をチラリと見てみれば、その3日のところに「鮭の麹漬け、松前漬け、湯波の炊いたの、なめこおろしがあれば、おせちは要らない」と書いてある。元旦から仕事を始める関係上、おせち料理などは食べていられないのだ。


朝飯 納豆、ほうれん草のおひたし、厚揚げ豆腐の網焼き、紅白なます、白菜漬け、胡瓜のぬか漬け、しいたけのたまり炊、メシ、大根と大根の葉の味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 だし巻き玉子、紫花豆の甘煮、胡瓜のぬか漬け、しいたけのたまり炊、豆乳と刺身湯波の鍋、メシ


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2019.11.25(月) あたらしい煮干し

歴史の陶太を経た方法論、あるいはその世界における常識というものに沿う気持ちが子供のころから薄かった。僕がそれに忠実に従おうとするのは、クルマの操縦と調理においてのみ、という気がする。

味噌汁の出汁として煮干しを使う場合、その量は重量にして水の5パーセント、という、ひとつの基準がある。先日から使い始めた長崎県産の魚体の小さなものも、はじめはそれを忠実になぞった。ところがその味噌汁を口にした家内は「だしが濃すぎる」という。それを受けて次の日は煮干しの量を半分にした。それでも家内は「まだ濃い」という。そういう次第にて、今朝はとうとう初日の4分の1まで煮干しの量を減らした。

その出来たてを吸い込んでみれば、まぁ、悪くはない。

この、築地の仲卸が時期になると報せてくる、売り出せばすぐに売り切れてしまう煮干しの価格は、業務用の4倍ほどはする。しかし通常の4分の1の量でこと足りることを考えれば、実際には業務用と同じ価格、ということになる。「なにも鵜の目、鷹の目で安いものを見つけなくてもいいじゃんか」ということだ。

ところで煮干しには「頭とはらわたは除いて使うべし」という常識がある。これに僕は従わない。「海原雄山じゃあるめぇし」ということが第一の理由。更に大きな理由としては、一般の脂肪分の多い煮干しにくらべれば、長崎県産のそれは、しごく淡泊だからだ。


朝飯 紅白なます、納豆、ほうれん草のおひたし、茹でたブロッコリーを添えた目玉焼き、しいたけのたまり炊、メシ、揚げ湯波とキャベツの味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 マカロニサラダロールキャベツ、メシ、孫の作ったスイートポテト


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2019.11.24(日) 陥穽

「普段は買わないようなものを、つい買ってしまった。心が弱っているせいだろうか」という投稿が、facebookに上げられている。そういえばすこし前に「災害による倒産の危機を必死で乗り越える前までは、高級車やブランド物への興味が尋常でないほど高かった」と、これまたfacebookに書いた人がいた。

買い物とは、必須のモノを手に入れるだけの行為ではない。人はしばしば要らないモノを買う。あるいは時により、必須のモノよりも、そうでないモノの方に多くのお金を投じる。

要らないモノを買うことが下らない行いかといえば、それは断じてない。なぜなら冒頭に書いたように、モノを買う、他の言い方をすれば、貨幣と何ものかを交換する行為には、心を癒やし、慰め、潤す側面もあるからだ。

僕には、いま欲しいものが4つほどある。よくよく考えてみれば、すべて、必要のないものばかりだ。それらを手に入れても、使う機会はせいぜい、年に数回ほどのものだろう。

モノは、買うときにはもちろんお金がかかる。そしてこのことに気づいている人がどれだけいるかは知らないけれど、捨てるときにも、またお金がかかる。であれば「欲しいもの4つ」にかかるお金は方向を変えて、消えて無くなるものに使ってしまおうか、とも考える。すなわち喜捨、飲酒喫飯、旅のたぐいである。

来月は忙しくて、お金を使うことはおろか、外へ出る機会も、ほとんど無いかも知れない。まぁ、僕の場合、師走から正月にかけては、それくらいでちょうど良いのだ。陥穽は、いつどこにいても買い物のできるウェブショッピング、だろう。


朝飯 鶏卵雑炊、胡瓜と大根のぬか漬け、しいたけのたまり炊、じゃこ、昆布の佃煮
昼飯 ラーメン
晩飯 「板門店」のあれやこれやそれや、他あれこれ。眞露(オンザロックス)


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2019.11.23(土) 蔵見学は隠居から

今週、立て続けに3回の立ち寄りを予約してくださった団体様の、最後の組が9時にいらっしゃる。それを前にして、会社中のビニール傘を、店の傘立てに準備する。この団体様は、朝一番の予定が上澤梅太郎商店の蔵見学のため、途中で遅れることはない。今日も大型バスは、9時ちょうどに国道121号線を隔てた駐車場に駐まった。それを販売係のササキユータ君が、店側の駐車場に誘導する。

隠居の、辰巳に面した門は、既に開かれていた。玄関には、石油ストーブが点けられていた。奥の座敷には、ホットカーペットが温められていた。先ずはそちらにご一行をご案内して「たまり漬」というもののご説明に入る。

蔵見学には、そのご一行の中に女性がいらっしゃると、賑やかになる。男性なら、様々な方面に興味のある方がいらっしゃると、より盛り上がる。本日の団体様の中には、そのような女性や男性が複数いらっしゃって、ご案内をする方としては、より楽な気持ちで仕事をさせていただけた。

それにしても、忌むべきは雨である。雨は皮肉なことに、ことし最後の連休を過ぎた、月曜日に上がるらしい。


朝飯 ハムエッグ、トマトとほうれん草のソテー、胡瓜と大根のぬか漬け、しいたけのたまり炊、メシ、若布とキャベツの味噌汁
昼飯 朝のおかずを流用した弁当
晩飯 「コスモス」のトマトとモッツァレラチーズのサラダ白身魚と帆立貝のアメリケーヌソースドライマーティニ、TIO PEPE、家に帰ってからの「黒船」のクッキー、Old Parr(生)


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2019.11.22(金) 隠居の紅葉

4階の食堂から見える隠居の広葉樹のうち、山桜、染井吉野、枝垂れ桜の葉はおおむね落ちた。今は、モミジが佳境を過ぎつつあって、最後の紅色を誇っているように見える。今は日が差していても、テレビの天気予報は、午後からの雨を伝えている。その雨が上がれば、霜の降りる朝も、そう遠くはないはずだ。

オヤジの祥月命日を前に墓前に供えた花を、朝のうちに見に行く。白い菊は4日を経ても、活けたときと変わらない姿でいた。花立ての水を換え、線香立てを水で洗う。

閼伽桶を水場に返し、砂利を踏んで会社へ戻ろうとしてるところに、お墓の手入れをする業者と運良く出くわす。僕はきびすを返してその人と共にお墓へ戻り、今年中に綺麗にしてもらいたいところについて、すこし詳しく伝える。

午後、家内と長男は、事務室ではなく隠居を選んで商談をした。その商談を終え、去ろうとしている取引先の手には、隠居の、今まさに赤みの頂点に達したモミジのひと枝が握られていた。先方の玄関にでも飾ってもらえれば、モミジも本望だろう。


朝飯 キャベツとベーコンのソテー、納豆、大根と生姜の千枚漬け風、胡瓜のぬか漬け、しいたけのたまり炊、メシ、若布と南瓜の味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 だし巻き玉子、ブロッコリーの胡麻和え、大根と生姜の千枚漬け風、しいたけのたまり炊、豚肉団子と白菜の鍋、「老松酒造」の麦焼酎「むぎっちょ」(お湯割り)、自由学園のクッキー、Old Parr(生)


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2019.11.21(木) 執着

おとといの日記にあるソーマ歯科室の待合室には、大げさに言えば、すこし高級なイタリア料理屋のウェイティングバーのような雰囲気がある。隅に隠された手洗い鉢には、ブランドもののハンドタオルが折りたたんで重ねられている。僕はそこで口をゆすぎつつ「まったくオヤヂってのはしょうがねぇな」と言われても仕方のないことながら、そのタオルを濡らして固く絞り、汗をかいた顔や首筋を拭った。

きのうの朝、荷物をまとめようとして、いつも持ち歩いている洗口液の瓶の無いことに気づいた。記憶を辿ってみれば、置き忘れたのはソーマ歯科室の手洗いに違いない。上野公園のスターバックスコーヒーからソーマ歯科室に電話を入れる。幸いその小さな瓶は、捨てずに取り置いてもらっていた。僕はそれをウチまで送ってくれるよう、受付の人に頼んだ。中身を捨てれば封筒でも送れるだろうと考えてのことだ。

2010年の秋に、バンコクでメリディアンホテルに泊まった。洗口液は、部屋のアメニティとしてあったものだ。洗口液を持ち運ぶに理想的なコンパクトさと丈夫さを備えた瓶は、どこにでもあるというものではない。以来、9年のあいだ愛用をしてきた。放念するにはあまりに惜しい。

その瓶は、こともあろうに赤い、つまり高い方のレターパックに入れられて、早くも今朝、届けられた。ソーマ歯科室には、他人にとっては何の価値も無いものに、520円も使わせてしまった。即、郵便局へ行って、青い、つまり安い方のレターパックを買って戻る。そこに礼状と日光味噌のフリーズドライ味噌汁”with LOVE”を平たく詰める。それをふたたび郵便局へ持ち込んで投函する。

「一体全体、なにやってんだ」である。余談ながら、バンコクのメリディアンホテルの朝飯は、とても美味い。


朝飯 ほうれん草のおひたし、納豆、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、紅白なます、胡瓜のぬか漬け、しいたけのたまり炊、メシ、大根と水菜とベーコンの味噌汁
昼飯 きのうの残りの炊き込みごはん、同じくラタトゥイユと鶏肉のコーンフレーク炒め、朝とおなじ具で新しく誂えた味噌汁たまり漬の盛り合わせ
晩飯 柿と生ハムとチーズペンネと牛挽き肉のグラタンPetit Chablis Billaud Simon 2016自由学園のクッキー、Old Parr(生)


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2019.11.20(水) 陽だまり

JR上野駅の不忍口を出て、むかし聚楽のあった側に道を渡る。そこから指呼の間にある公園口を目指そうとして、工事現場のガードマンに止められる。仕方なく広小路方面にすこし戻って京成上野駅脇の階段を昇り、西郷さんの銅像を右に見ながら北へ歩く。

そのあたりにはコワモテの石原慎太郎が都知事の時代にも、付近の電柱から電線まで引き込んだ、段ボールとブルーシートによる小屋がたくさん建っていた。ふと気づくと、いまやそれらはどこにも見あたらない。一掃をしたのは、あるいは徐々に減らしていったのは、誰が都知事のときだったのだろう。あるいはそれは、台東区の仕事だったのだろうか。

結局のところ、上野駅から1キロちかくを歩いてようやく、上野公園内のスターバックスコーヒーが見えてくる。外の席は陽だまりになっている。そこに、きのうの夜も一緒にいたふたりおよび長男が集まる。そしてきのうの夜よりすこし具体的な話を数時間ほどもする。

浅草13:30発の下り特急スペーシアは、それほど混んでいなかった。日光方面への紅葉狩りは、ようやく峠を越えたらしい。夜は4階の応接間に社員たちと集まって、年末の繁忙を前にしての食事会をする。


朝飯 「スターバックスコーヒー」のハム&マリボーチーズ石窯フィローネ、豆乳ラテ
昼飯 「まぐろ人雷門出張所」の鮨あれやこれやそれや、浅蜊の味噌汁
晩飯 ラタトゥイユ南瓜と薩摩芋のサワークリームがけレタスとベビーリーフのサラダ鶏のコーンフレーク揚げ炊き込みごはんペンネと牛挽き肉のグラタン牛カツピッツァ其の一ピッツァ其の二ピッツァ其の三ピッツァ其の四退職したアオキマチコさん差し入れの鶏の唐揚げ、Petit Chablis Billaud Simon 2016


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2019.11.19(火) 夏には平気でも

喉の痛みは消えて無くなった。

午前、大井町の駅から日影を選びつつ歩いてソーマ歯科室に至る。素肌に薄い木綿のセーターを着て、毛のアンコンジャケットを重ねている。その2枚しか身につけていないにもかかわらず、暑いのだ。ソーマ歯科室の診察は丁寧で、およそ55分を要した。

午後は夕刻までに2度もシャワーを浴びる。インドシナを旅しているときと変わらない頻度の水浴びである。気温は20℃に達しようとしているのではないか。

ハンガーに掛けて室内に干した木綿のセーターは、小一時間を経ても汗のしみが乾かない。明日のための、おなじ木綿のセーターをザックから取り出し、それに袖を通す。ジャケットは着ない。代わりにポシャギのような薄いスカーフを首に巻いて外へ出る。夏の汗は平気でも、冬のそれはなぜか不快で我慢がならない。

17時30分に、六本木の交差点ちかくで長男と待ち合わす。それから1時間数十分ほども、あれこれについて話す。19時すこし前に、指定された店へ行く。今度は総勢6名にて、上澤梅太郎商店が今後すべきことの摺り合わせをする。


朝飯 「カフェーパウリスタ」のモーニングセット其の一其の二
昼飯 「菊三八」のあこう鯛定食
晩飯 「和韻」のあれやこれや、他あれこれ、ドイツのリースリング、アメリカのピノノワール


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2019.11.18(月) 季節外れの

オヤジの祥月命日である明後日、僕は東京にいる。

昼すぎにようやく時間ができて花を買う。今月10日の日記に書いた、色とりどりの可憐な菊は、いまだ変わらずお墓の花立てにあった。それを忍びがたく感じつつ外して花立てを洗う。そこに白い菊を差し入れる。線香は一対の線香立てに3本ずつ。献仏不假香多、である。

このところ、どこへ行っても咳の途切れない人が必ずいる。鬱陶しいからマスクはしない。出かけるころになって喉の右奥が痛み始める。何とかしなくてはならない。旅へ出るたびに持参し、いつも使われないまま持ち帰る、龍角散のもっとも小さな缶を小物入れに納めて会社を出る。

下今市16:05発の上り特急スペーシアの中で、龍角散の缶のフィルムを剥がす。そして浅草に着くまでに2度、これを服用する。喉が痛ければ龍角散、腹をこわせば正露丸、熱が出ればアスピリン、すべて僕の”default”である。

銀座には季節外れの生暖かい風が強く吹いていた。酒はもちろん冷酒、である。


朝飯 ほうれん草のおひたし、納豆、鰤の煮つけ、紅白なます、ふきのたまり漬、メシ、けんちん汁の具を流用した味噌汁
昼飯 「大貫屋」のチャーハン
晩飯 「鮨よしき」の肴あれやこれやそれや鮨あれやこれやそれや酒あれやこれやそれや


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2019.11.17(日) それもまた真実

あるときある人に味噌汁のだしについて訊かれた。「水100ccに対して煮干し1尾です」と断言した。「えっ、そんなに少なくていいんですか」と、その人は目を丸くした。

味噌汁は自分で作る。それは面白く、楽しい行いだからだ。

先日、煮干しを変えた。ここ数年ほどは長崎産の大きなものを使っていた。それをおなじ長崎産ながら小さなものに変えた。僕の味噌汁づくりは変わらない美味さを持続させることではなく、あれこれ試すことが目的だからだ。

煮干しは水に対して重量比で5パーセントを使うべし、という定石に従って新しい煮干しをタニタのキッチン計りで計る。今度のそれは「1尾、2尾」と数えられる数ではない。ここで僕は「えっ、そんなに少なくていいんですか」と声を上げた人のことを思い出した。

「水100ccに対して煮干し1尾」とは、まったく客観性に欠けていた。もっとも長男は「味噌が美味けりゃダシなんて要らない、ダシは具からも出るし」と言う。それもまた、真実といえば真実である。


朝飯 紅白なます、ほうれん草のおひたし、鰤の煮つけ、納豆。ふきのたまり漬、メシ、けんちん汁の具を流用した味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 町内の役員会に出かける前の薄切りベーコン、Old Parr(お湯割り)、町内の役員会より戻ってからの油淋鶏、鯛飯、大根の千枚漬け風、麦焼酎「ひゅうが晴」(お湯割り)


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上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

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