2019.6.6(木) ナツノクモ
道の駅「日光街道ニコニコ本陣」に明朝一番で納品すべき品は、既に冷蔵庫に収まっているか、それを確かめるため、夕刻、製造現場へ行く。そしてそこから戻る途中、妙な音に気づく。サイレンのようではあるけれど、いやに間延びしてなかなか収まらない。その音は、事務室に近づくに連れ弱くなる。よってふたたび製造現場に引き返して耳を澄ます。音はやはり、火事を報せるサイレンだった。
消防団の一員である長男の姿は、既にして無かった。僕はそのまま事務机に着いて、今月の、明日以降のことについて考える。しばらくすると「いつ戻れるか分からないので…」と長男から電話が入り、今日の閉店後に彼がすべきだったことを僕が肩代わりすべく、あれこれ聞きつつそれを箇条書きにする。
店の駐車場に出ると、空の東から南のそこここに、夏の雲が沸き上がっていた。一斉に出動した民間の消防車は、早くも続々と街なかに戻りつつある。
社員たちが家路に就き、家内が金銭登録機の記録と現金をつき合わせているところに、普段着に着替えた長男が帰ってくる。火事は農家の納屋のボヤで、消防団が放水をするまでもなく、消防本部がそれを鎮火させてくれたという。納屋の火事の原因はほとんど、古くなった電線の不具合あるいはタバコの不始末によるものらしい。
朝飯 鰯の土佐煮、細切り人参の炒り煮、蕪の葉と油揚げの甘辛煮、大根おろしを添えた厚揚げ豆腐の網焼き、茄子とピーマンの「日光味噌梅太郎赤味噌」炒り、胡瓜と蕪のぬか漬け、たまり漬「おばあちゃんのふわふわ大根」、らっきょうのたまり漬、メシ、蕪と蕪の葉の味噌汁
昼飯 「食堂ニジコ」の冷やし中華(1.5玉)
晩飯 「大昌園」のあれや、これや、それや。麦焼酎「田苑シルバー」(ソーダ割り)
2019.6.5(水) 梅雨は雷に始まり雷に終わる
いま使っているレッツノートは、買ったときこそ高かったものの、歴代のコンピュータにくらべて3倍は長持ちをしているから、それを考えれば異常に安い。このレッツノートの左クリックボタンが今朝から、押すたび、これまでとは異なる音を発するようになった。
この部分の修理は、2014年3月7日と2017年9月21日に受けている。そのどちらにおいても秋葉原の「LUMIX & Let’s note修理工房」は、クリックボタン周りを交換する価格で、キーボードまで真新しくしてくれた。頑丈であること、また午前に実機を預ければ午後には修理の完了する工房が東京の真ん中にあることを考えれば、パナソニック製のコンピュータから離れることは考えられない。
「左クリックボタンは、いまだしばらくは使えるだろう。しかし大事を取って、早めに交換しておこう」と、修理工房のウェブページを開く。そして慣れた手順で申込みを進めていくも、今回に限っては何だかおかしい。入力の途中で振り出しに戻る、いわゆる「ループ」の状態に陥ってしまうのだ。
よって工房に電話を入れて調べてもらうと、その「ループ」は、僕の機械が修理の可能な期限を過ぎて、部品の供給も途絶えていることにより起きていることが分かった。残念ではあるものの、2011年8月4日に手に入れて以来、事務机と自宅のテーブルを毎日、行ったり来たりする以外にも、辺境も含めてインドシナや赤道直下に23回も運ばれたことを思えば、そろそろ潮時だろう。即、新しい機種の選定に入るよう、外注SEのシバタサトシさんにメッセンジャーでメールを送る。
ここで時刻は17時50分。閉店の準備にかかるべく席を立とうとしているところに、いきなり大きな雷鳴が轟く。それと同時に雨の音も聞こえてきた。店の中には買い物を終えた女性がおひとり。その、本日最後のお客様のお車は、店から7、8メートルほどのところに駐めれている。走ってもずぶ濡れになることは免れられない。お客様には「どうせ古い安物ですから」と、傘を差し上げた。
雨は20分の後に嘘のように上がった。西の空からは日さえ差しはじめている。40年ほども前に読んだ吉行淳之介の「驟雨」は、甘木庵から長男が自分の部屋に移したはずだ。「久しぶりに読んでみようか」と考える。
朝飯 鰯の土佐煮、茄子とピーマンの「日光味噌梅太郎赤味噌」炒り、大根おろしを添えた厚揚げ豆腐の網焼き、蕪の葉と油揚げの甘辛煮、納豆、胡瓜のぬか漬け、たまり漬「おばあちゃんのホロホロふりかけ」、らっきょうのたまり漬、メシ、蕪と蕪の葉の味噌汁
昼飯 サンドイッチ、コーヒー
晩飯 いただいた新玉葱による冷たいポタージュ、業務用スーパーの小麦粉をこねて焼いたパン、「小間切れか挽き肉にしかならない」と肉屋の店主が言う部位の牛肉の赤ワイン煮、グリーンアスパラガスのソテー、マッシュドポテト、”Bricco Manzoni Barolo Silvio Grasso 2013″、底が焦げ焦げのプリン、”Old Parr”(生)
2019.6.4(火) なまけ者
おとといの日記を整えて「公開」ボタンをクリックし、更にきのうの日記を完成させても時刻はいまだ4時52分。なにか、とても余裕のある時間の感覚だ。早寝早起きだからこそ感じられるこの余裕は、しかし僕のナマケ癖による。勤勉な経営者であれば、夜は寝技足技のロビー活動に専心するだろう。朝は道の草むしりくらいするだろう。
それはさておき、この日記を制御するワードプレスの編集画面に、今朝は「公開済み」として1,005の数字があった。「とすれば…」と、この日記をドリームウィーバからワードプレスに乗り換えて1,000日目の日記を目で追うと、それは先月28日の「遅い昼食」と知れた。
先おととい、きのう、今日と、amazonから古書が届く。きのう封を切った、2013年4月26日発行の岩波文庫は帯付きで新品同様だった。今日の昼に郵便で配達されたそれは、ページを繰ると、予想外に素晴らしい内容だった。この2冊を僕は、今月の下旬におもむくバンコクへ持参するかも知れない。
4時53分から5時45分までは、先おとといに届いた本を拾い読みして過ごす。それからおもむろに、今朝の味噌汁の準備に取りかかる。
朝飯 きのうの夜に残した鯛のかぶと煮、納豆、茄子とピーマンの「日光味噌梅太郎赤味噌」炒り、牛蒡と人参のきんぴら、蕪の葉と油揚げの甘辛煮、胡瓜のぬか漬け、たまり漬「おばあちゃんのふわふわ大根」、らっきょうのたまり漬「やさしあげ小つぶちゃん」、メシ、揚げ湯波とピーマンの味噌汁
昼飯 「食堂ニジコ」の冷やし中華(1.5玉)
晩飯 ジャガイモと缶詰の鯖とらっきょうのたまり漬のサラダ、スパゲティナポリタン、“Petit Chablis Billaud Simon 2016”
2019.6.3(月) 今さらそんなことに気づいたのか
「酒は3合まで」と決められている焼鳥屋にむかし、人に連れて行ってもらったことがある。「しかし2合も飲めば充分だ」と、その人は言った。僕も同感である。
夜は、僕としては珍しく、燗をつけた日本酒の飲みたい気分になった。ウチの冷蔵庫の野菜室は、製造会社が意図したことだろう、酒の四合瓶やワインの750ccのボトルが立てて置ける。そこから飲みさしの日本酒を引き抜く。残りは2合と5勺ほどだろうか。
その酒を、溢れさせないよう慎重に徳利に注いでいくと、2合ほどでちょうど良いところまで来た。徳利はミルクパンの水に胸のあたりまで沈め、コンロに置く。
2合ほどと思われるその徳利の中身は予想外に早く干された。瓶に残された5勺は、燗を付けるにはいかにも少ない。よってそれについては冷やで飲むこととして、瓶から直に猪口に注ぐ。
「2合も飲めば充分だ」という意見には同感するも、日本のおかずは日本の酒を隨分と進捗させる。「今さらそんなことに気づいたのか」と嗤われれば頭をかくしかない。そして入浴をして21時が来る前に寝室に入る。
朝飯 人参と蓮根のきんぴら、鮭の昆布巻き、茄子とピーマンの「日光味噌梅太郎赤味噌」炒り、油揚げと蕪の葉の甘辛煮、納豆、胡瓜のぬか漬け、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、キャベツの味噌汁
昼飯 「ふじや」の冷やし味噌ラーメン
晩飯 人参と蓮根のきんぴら、もずくの酢の物、蕪と胡瓜と生姜の浅漬け、塩らっきょう、煮穴子のだし巻き玉子、鯛のかぶと煮、「笑四季酒造」の「赤い糸・吟吹雪」(燗)、同(冷や)、メロン
2019.6.2(日) クリーン大作戦
日光市今市で没した二宮尊徳にちなんで、むかしは「二宮デー」と呼ばれていた勤労奉仕の日が、いつの間にかクリーン大作戦と名を変えたのだろうか、とにかく今日は、朝7時から町内の掃除をすることになっている。しかし1979年1月の、マドリッドからトレドに至る街道とは異なって、ゴミはそうそう落ちていない。僕は小さな鎌とホウキ、それに特大のチリトリを持って日光街道と会津西街道の交わる春日町の交差点に入り、車道と歩道のあいだに生えた雑草を根元から掘り出す。
特大のチリトリとはいえ草の量は多く、一度には収まらない。よって最初のそれは会社の敷地内にある、日の当たる一角に置く。そうしておけば、数日後には水気を失って小さくなるだろう。そしてふたたび交差点に戻り、次に掘り出した雑草は、チリトリに載せたまま町内の公民館へと向かう。
ゴミの集積場になっている公民館の外には、先月「アルペンルート横断!! 雪の大谷ウォークと金沢兼六園」の旅行を共にした役員の面々が揃っていて、奉仕に参加をした人たちにペットボトルのお茶を配っていた。そこで僕もお茶をもらい、しばらくの立ち話の後に会社へ戻って開店の準備に取りかかる。
朝飯 鮭の昆布巻き、冷や奴、生のトマト、ベーコンエッグ、納豆、たまり漬「おばあちゃんのふわふわ大根」、らっきょうのたまり漬、メシ、大根の葉と若布の味噌汁
昼飯 「大貫屋」の醤油チャンポン
晩飯 冷や奴の「日光味噌のたまり浅漬けの素・朝露」がけ、冷やしトマト、ほうれん草の胡麻和え、茄子と大根と蕪の葉のぬか漬け、油淋鶏、”GILBEY’S VODKA”(ソーダ割り)、エクレア、”Old Parr”(生)
2019.6.1(土) やさしあげ小つぶちゃん
東の空に細い月が出ている。旧暦4月28日の月だ。時刻は3時59分。夏至は3週間の後に迫っている。日本気象協会のウェブページによれば、昨年、関東甲信地方は6月6日に梅雨入りをし、6月29日に梅雨明けをしたという。梅雨には極端な大雨の降ることなく、また雨は、できれば夜に降って明け方には止んでいただきたい。
「らっきょうの生育はまずまず」などという記事が業界紙に載った後で、その大生産地、つまり九州南部に大雨の降ることが珍しくない。「50年に1度」とか「観測史上初」というような天気に関する報道が、ここ4、5年は毎年のように繰り返されている。らっきょうのたまり漬の原価は、この10年で200パーセントの上がりようである。
それはさておき先日、栃木県産のらっきょうから小玉のみを選び、日光味噌のたまりに漬けた試作品を味見して大いに驚いた。そして「オレの経験上、もっとも美味い、らっきょうのたまり漬だよ」と、思わずことばを洩らした。その「やさしあげ小つぶちゃん」が、今日から店の冷蔵ショーケースに加わった。お客様には、どれほど買っていただけるだろうか。
朝飯 雑炊、野沢菜漬け、塩鮭、塩昆布、焼き鱈子、じゃこ、たまり漬「おばあちゃんのふわふわ大根」、同「ホロホロふりかけ」
昼飯 ラーメン
晩飯 大豆とこんにゃくの「日光味噌のたまり浅漬けの素・朝露」ひたし、”TIO PEPE”、鯛のイタリア風刺身、トマトと浅蜊のスパゲティ、“Petit Chablis Billaud Simon 2016”、2種のアイスクリーム、”Old Parr”(生)
2019.5.31(金) お茶くみ
目を覚まし、しばらくしてから枕の下のiPhoneを取り出し見ると、時刻は1時50分だった。きのう寝に就いた時刻が20時台だったことを考えれば、これだけ早い目覚めも不思議ではない。横になっていてもふたたび眠気の訪れないことは何となく分かる。よってすぐに服を着て起きてしまう。
深夜の2時10分に花と水とお茶と線香を供えられてホトケが喜ぶか否かは知らない。しかし兎に角、家にあっては、仏壇にお茶を上げないことには自分がお茶を飲むことができない。そういう次第にて、いまだ真っ暗な応接間に線香の香りの漂うことになる。
それはさておき自分は美味いお茶を淹れることがなかなかできない。たまさかの僥倖に恵まれない限り、自分で淹れたお茶の美味いことはない。美味くなくても少しは美味いから飲むようなものだ。
「AIに奪われない仕事のひとつがお茶くみだ」と聞いたことがある。理由は忘れた。
ところでAIといえば、むかし炭鉱の中にいて、仕事をするわけではない、軽口を叩いて周囲を笑わせたり、あるいは「昼飯の時間はまだか」と親方のところに訊きに行ったりするだけの人がいて、しかしこの人がいるとなぜか採炭の能率が上がった、という話がある。これまた、AIにはできない仕事だと思う。
朝飯 昆布巻き、納豆、目玉焼き、鶏つくね団子、野沢菜漬けと胡瓜のぬか漬け、生のトマト、たまり漬「おばあちゃんのふわふわ大根」、メシ、キャベツと若布の味噌汁
昼飯 「ふじや」の雷バターラーメン
晩飯 ウォッカマーティニ、らっきょうのたまり漬「小粒ちゃん」、春雨サラダ、餃子の中身による肉団子、水餃子、”GILBEY’S VODKA”(ソーダ割り)、わらび餅
2019.5.30(木) いささかの後悔
今月7日の日記に書いた、店舗犬走りの軒下に巣を作ろうとしている鳩については、数十年来の頼みつけも含めてふたつの業者に状況を説明し、見積もりを取った。その結果、付き合いの長い方を選んで施工を依頼した。伝えられた工事日は本日。来社の時刻は7時から7時30分のあいだとのことだった。
普段よりも10分だけ早い7時10分に事務室のシャッターを上げると、既にして3名が梁のほこりを刷毛で落としていた。そして小一時間ほどもすると、犬走りとベンチには大量のホコリが積もり、それは、仕事の予定をすこし変更して、長男が水で洗い流した。
背中の痛みの再発を防ぐため、今は2週間に1度の割で通っている宇都宮のカイロプラクティックから正午すぎに戻る。業者の姿が見えないところからすると、工程表には15時までとあった作業は、早くも完了したらしい。
早速に、工事の結果を確かめる。すると、庇の裏の木組みや照明器具の格子には、ネジ止めされたステンレス製の支持棒、またそこから次々と張り渡されたテグスによる、非常に美しくない様子が見えた。
ひと組のつがいの鳩がいきなり飛来し、犬走りに糞を落とし始めたから、それを防ぐため、当方は対策を講じた。その結果が、景観の毀傷と数十万円の出費である。「テグスではなく、忌避剤の設置を選ぶべきだっただろうか」と、今はいささか後悔をしている。
朝飯 昆布巻き、納豆、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、筑前煮、パパイヤと胡瓜のぬか漬け、たまり漬「おばあちゃんのふわふわ大根」、メシ、豆腐と若布と茗荷の味噌汁
昼飯 「食堂ニジコ」の冷やし中華
晩飯 カプレーゼ、エリンギと赤ピーマンのソテーを添えたビーフステーキ、にんにくライス、“Bricco Manzoni Barolo Silvio Grasso 2013”
2019.5.29(水) 遠ざかった理由
日記を書くときには、先ず、その日の日記に用いる画像を選んで加工する。きのうの日記を書こうとする、その最中に「オレがビールを飲まなくなってから、どれほどが経つだろう」と考えても分からない。
この日記の先頭である2000年9月から調べてみると、食事については、2001年の3月より、すこしずつその様子が書き始められていた。そのころから、飲んでいるのは、ほとんど日本酒かワインか焼酎だった。20代の前半まで付けていた小遣い帳を再開したのは2006年6月。ここに「ビール」で検索をかけてみたところ、それらのほとんどは、海外で買ったり飲んだりしたものだった。これは、そのときの自分に許容できる酒がビールしか無かったからに他ならない。
これは僕に限ったことかも知れないけれど、ビールは舌を鈍らせる。また、アルコール度数が低いため、グラスを重ねるうち、すぐに腹が膨れる。僕にとって、ビールは食べ物を美味くする酒ではない。それが、僕が知らず知らずビールから遠ざかった理由だと思う。
朝飯 納豆、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、大根おろしを添えた厚揚げ豆腐の網焼き、昆布巻き、筑前煮、じゃこ、胡瓜のぬか漬け、たまり漬「おばあちゃんのふわふわ大根」、メシ、若布と揚げ湯波と茗荷の味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 鯖の「日光味噌梅太郎赤味噌」煮、筑前煮、冷や奴、塩らっきょう、野沢菜漬け、孫にすべての浅蜊を譲った浅蜊と三つ葉の味噌汁、芋焼酎「白金乃露」(お湯割り)
2019.5.28(火) 遅い昼食
僕は、自身がクルマを運転しての行楽、いわゆるドライブというものをしない。なぜしないか、それは面倒だからだ。あるいは興味が無いからだ。
サーキット以外では、クルマは人に運転をしてもらった方が気が楽だ。あるいは移動は電車やバスなどの公共交通機関でする方が好き、ということもある。その僕が、今日は日光市の中だけで、距離にして130キロ、時間にして5時間もホンダフィットを走らせていた。いろは坂の上は、今が新緑の盛りである。
14時を過ぎたころには鬼怒川温泉にいた。急な下り坂にハンドルをすこし切ってホンダフィットを駐め、外へ出て、しかし用を思いついて車内に戻ると”P”に入れたギアレバーが動かない。鍵穴に差し込んだイグニッションキーも回らない。ブレーキペダルの踏み心地も、いつもとは異なって硬い。
グローブボックスから使用説明書を取り出し、車載の工具を使って、どうにかギヤレバーだけは動くようにした。しかしキーは回らないままだ。
助けに来てもらうときの位置を正確に説明できるよう、急坂と階段を昇って国道121号線に出る。そしてEBエンジニアリングのタシロジュンイチさんに電話を入れる。「ハンドルをガチャガチャ回しても、鍵は動きませんか」と言われて「そうか」と気づく。
クルマに戻り、ギヤレバーを”N”に入れ、サイドブレーキを外す。ブレーキを踏む足をすこし緩めると、ホンダフィットはゆっくりと坂を下り始めた。その機会を逃さずハンドルを真っ直ぐに戻すと「ガチャリ」と、クルマのあちらこちらで何かの解放される音がした。それですべては復旧した。使用説明書の「万一の場合には」のところにハンドルロックのことも書いておいてくれれば、僕も慌てずに済んだのだ。タシロジュンイチさんには大いに感謝をしたい。
そうして無事に会社に戻って遅い昼食にありつく。
朝飯 昆布巻き、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、納豆、厚焼き玉子、2種のピーマンのソテー、胡瓜のぬか漬け、たまり漬「おばあちゃんのホロホロふりかけ」、メシ、エノキダケとピーマンの味噌汁
昼飯 3種のおむすび、焼き海苔、日光味噌のフリーズドライ味噌汁”with LOVE”(薬味の三つ葉のみ追加)
晩飯 刻みキャベツを添えた2種のコロッケ、じゃこ、うずら豆、”TIO PEPE”(ソーダ割り)、なめことエノキダケと三つ葉の味噌汁、蓮根菓子「西湖」