2025.8.12 (火) 虫の声
目を覚ましたのは3時51分。そのまましばらく休む手もあったものの、3時台の起床は「得した感」が強い。洗面所から廊下を伝って食堂の扉を押す。棚の電波時計は3時57分を差していた。
その食堂に風を通すべく、南東と南西に面した窓を開く。すると南東の側から虫の声が聞こえてきた。それははじめ、国道121号線を隔てた駐車場の、松の根元から発せられているように思われた。よって窓の、腰の高さほどの下枠にもたれて、その声の主のいそうなところを、いまだあたりは真っ暗ではあるものの、凝視する。盛んに鳴く一匹の虫は、どうやら松の木より数十メートルほども向こうで羽根を震わせているらしかった。
「断腸亭日常」が秋に近づくと、虫の声のことがしきりに出てくる。荷風は虫の声を「虫語」と書いた。まさか「むしがたり」ではないだろうから「ちゅうご」と読むのだろう。
タイには「何もしない」ということをするために行く。あるいは本を読むために行く。5月から携えているライオネル・バーバーの「権力者と愚か者」を読み終えたら次は岩波文庫の「断腸亭日常」全9巻、と行きたいところではある。しかしルビが振られていないため、手は出しづらい。百年以上も前の、しかも漢籍に通じた人の文章は、いくら流麗でも素では読みづらい。何とも切ないことである。しかしてまた、書店にて立ち読みをして、飛ばし飛ばしでも読めるようなら購うべしと、未練の心は、ある。
さて、きのうの日記には「お盆の繁忙は、今日で一旦は収束。昨年の記録によれば、次の山は15日に来そうではあるけれど」と書いた。しかし今日の売上金額は、きのうのそれを超えた。短期決戦の「読み」は何とも難しい。お盆やすみの終わる17日までは、品切れに注意を払いつつ、何とか乗り切っていきたい。
朝飯 刻みオクラの鰹節かけ、茄子とトマトのソテーを添えた目玉焼き、大根おろしを薬味にした納豆、隠元豆の胡麻和え、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ湯波と若布の味噌汁
昼飯 炒めた茄子のつゆで食べる素麺
晩飯 玉子焼き、菠薐草の胡麻和え、茄子の揚げびたし、甘唐辛子の炒り煮、キャベツのソテーを添えた豚の生姜焼き、夏太郎らっきょう、「山本合名」の山廃純米「天杉」(冷や)