2025.6.17(火) 鳥の声
キキキキーキョロロ、キーキョロロ、キーキョロロと啼く鳥の名は何だろう。角部屋になる食堂の、南東と南西に開け放った窓からは、その鳥の声が今朝は際だって聞こえる。鳥は、雨の朝には啼かない。今日は日光でも、最高気温は30℃に達すると、スマートフォンの天気予報は伝えている。
鳥の啼く、特に夏の、晴れた朝の気分は良い。南の国へ出かけると、とにかく気温は日本の夏とおなじだから、空が晴れてくれさえすれば、いつでも気持ちの良い朝が迎えられる、というわけだ。
秋のタイ行きの日程が大体、決まった。普段は田舎に居続けて、首都には帰りに一泊をするのみだ。しかし今回は、首都に割く日程をいつもより長くしようと考えている。旅程の前半3分の2ほどを占める田舎をどこにするかは、いまだ決めていない。田舎も度が過ぎれば、2017年9月のチェンコーンで経験をしたように、夜に開いているメシ屋は皆無、ということになるから、よく考える必要がある。
楽しみは、昼はプールサイドでの本読み。夕刻から夜にかけては気楽な店で飲酒喫飯をしながらの本読みで、いつもと変わらない。タイのホテル代は、コロナ後に大きく値上がりをしている。安いところを選ぶと部屋の椅子に背もたれがなく、何時間もコンピュータに向かうと腰を痛める恐れがある。事実、昨年の秋には危うい一瞬があった。歳も歳であれば、少々の出費は惜しまない方が、これからは良いような気がしている。
朝飯 切り昆布の炒り煮、スクランブルドエッグ、菠薐草のおひたし、胡瓜と蕪のぬか漬け、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、ズッキーニの「日光味噌のたまり浅漬けの素・朝露」漬け、メシ、豆腐と若布と万能葱の味噌汁
昼飯 「食堂ニジコ」の冷やし中華
晩飯 “Dela”のいちごのカプレーゼ、ガーリックパン、トリッパと豆の煮込み、ピエモンテの高くない白ワイン
2025.6.16(月) 簡素かどうかは不明ながら
きのうは19時より町内の各部役員を横断した会議があった。日曜日の繁忙を乗り越え、1週間分の売上金をまとめて銀行へ預けるばかりにし、自宅へ戻って「さて、次は会議」では、いかにも悲しい。
4階の、天井からの冷風で涼しい食堂のテーブルにチーズを用意する。ウイスキーは、僕としては薄いお湯割りにした。会議へは、その組み合わせでひと息をついてから出かけた。
先ほどのチーズとお湯割りで腹は充分に満足していることを感じたのは、会議から家に歩いて戻る途中でのこと。よって夕食は摂らず、入浴をして20時すぎに寝室に入った。
子供のころは、年に何度かは高熱を伴う風邪をひいた。そうして何日かを経た朝に、光輝燦然とした爽快さと共に目を覚ますと、それが、快復の合図だった。その感覚はいつしか完全に失われたけれど、今朝はその何分の一かを得た。きのうの簡素な三食が、いわゆるデトックス効果を生んだのだろうか。
枕頭のiPhoneはいまだ早すぎる時刻を示していたものの、もはや睡眠は充分と、起きてしまう。屋上から眺める3時台の空には、美しい青があった。
朝飯 刻み野菜とマカロニサラダを添えた目玉焼き、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、ズッキーニの「日光味噌のたまり浅漬けの素・朝露」漬け、メシ、揚げ茄子の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 「コスモス」のトマトとモッツァレラチーズのサラダ、カツレツ、ドライマーティニ、TIO PEPE
2025.6.15(日) 湿熱
「こら大変ダー」というセリフと共に終わるアメリカ製のテレビアニメーションがあった。主人公は犬だったか猫だったか、とにかく動物だった。子供のころは、その番組を好んで観ていた。
今朝の起床は3時。仏壇のことを済ませてからコンピュータを起動し、メールを取り込む。その最中に上記の「こら大変ダー」を思い出した。今日の「汁飯香の店 隠居うわさわ」に、3件の予約が入っていたからだ。「3件でなぜ大変なのか」と問われれば、この3件にて、すべての時間帯に於けるすべての席が埋まったからだ。ご予約をくださったすべてのお客様に返信をお送りしたところで、今度は長男に、そのことをメッセンジャーで知らせる。
今朝の道の駅「日光街道ニコニコ本陣」への最初と2回目の配達は、係のイザワコーイチさんに任せた。しかし3回目と4回目の配達には僕が行った。空は晴れて、しかし湿度はいかにも高い。
「湿熱は得意分野」と、きのうの日記に書いた。
僕は、アンコールワットのような超弩級を除いては、いわゆる観光はしない。アンコールワットは、2010年6月に業界の親睦旅行で訪ねた。しかし日本の団体旅行の日程はおしなべて短すぎる。よって2013年8月に裏を返し、シエムリアップには6日のあいだ留まった。
アンコールワットでは、気温35℃、湿度90パーセントの炎天下に、1日あたり15キロメートルほどを歩いた。そんなことをこなせた僕でさえ、先月のアソークの駅では、その温度と湿度に「とてもではないけれど、息もできない」という瞬間があった。それでもインドシナの湿熱は、大好物である。
朝飯 納豆、塩鮭、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、ごぼうのたまり漬、白胡麻のお茶漬け
昼飯 玉葱と白胡麻の熱いつゆで食べる素麺
晩飯 2種のチーズ、Old Parr(お湯割り)
2025.6.14(土) ジャングル
8時からの朝礼を済ませるとすぐに、あらかじめ台車に準備しておいた商品をホンダフィットに積み、道の駅「日光街道ニコニコ本陣」に本日最初の納品をする。そこからきびすを返して、しかし店の駐車場ではなく、蔵の裏手に乗りつける。そして降りて目と鼻の先にある隠居の柴折り戸を押す。
「汁飯香の店 隠居うわさわ」が開店する8時30分にご予約をくださっていた5名様は、先週日曜日の6名様とおなじく、ノレンを出すか出さないかのうちにいらっしゃった。庭の緑は夜来の雨に濡れて鮮やかだ。このような天気の続くあいだは、床の間の絵は今井アレクサンドルの「ガーベラ」でよろしかろうと思う。来週はおしなべて晴れるようではあるけれど、とにかく来月のなかばと予報されている梅雨明けの直前までは、絵の掛け替えはしないこととする。
配達係のイザワコーイチさんが出勤をするのは週のうち4日のみだから、それ以外の日には、僕がその任を担うことになる。今日は珍しく、そう遠くないゴルフ場へも配達をした。会社へ戻る道に、のしかかるようにして繁る木々の質量は圧倒的だ。
人口が減れば税収も減る。税収が減れば道路にはみ出す枝葉の剪定も、行政はしづらくなる。手入れが大変だからとその木を伐ろうとすれば、それはそれで反対をする人が出てくる。「相反する矛盾をできるだけ高い次元で妥協させる」とは、しばしば発生する仕事のひとつだ。しかしこと人口問題においては、その難易度はいかにも高い。
まるでジャングルの中の一本道、というようなその直線を往くうち雨が激しくなる。明日も雨ではあるけれど、気温は今日より大幅に上がるという。湿熱は得意分野、である。
朝飯 なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、焼きズッキーニの日光みそのたまり漬の元「朝露」漬け、メシ、蕪とキャベツと揚げ湯波とベーコンの味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 トマトとポテトとベビーリーフのサラダ、煮込みハンバーグ、メシ、CHATEAU PRIEURE D’APPELLES 2019、エクレア、Old Parr(生)
2025.6.13(金) どちらの説が正しいか
体温が平熱よりかなり高くなっている気がする。ベッドに横になったままそれを計ると37.7℃。時刻は3時32分だった。前回、風邪をひいたときに処方された、熱冷ましの薬があるにはある。しかし寝室から出て廊下の引き出しまで、それを取りに行くのは億劫だ。更に37.7℃であれば、頓服の必要まではないのではないか。そんなことを考えるうち、ふたたび眠りに落ちる。
起きて食堂に来て、ふたたび体温を計る。今度は37.0℃。時刻は5時47分だった。
8時の朝礼では自分の体調について皆に話し、9時より耳鼻咽喉科のセキネクリニックへ行く。ひととおり診察をしたセキネケーイチ先生は「大したことはないから葛根湯を出しておきます」と言った。一瞬で効く強い薬の欲しいところではあったけれど、本職には従うたちである。
会社に戻るなり資料、コンピュータ、10キー、ボールペンを手提げ袋に入れて4階の食堂へ上がる。そしてきのうの日記にも書いた「案内のハガキを会場に持参し忘れた」というリピータ様、また「次の機会から案内のハガキが欲しい」という新規のお客様をデータベース化する。これにて今回の、新宿高島屋での催しに関する名簿はすべて整った。その旨をメモにして事務室へ降り、長男の机に置く。
「ステーキは食べられるか」と、今日は昼のうちに家内に訊かれていた。「弱っているときに重いものを食べると、却ってからだに負担がかかる」という説もあれば「体調の悪いときに粥などすすっていては、体力の余計に落ちるばかりだ」という説もある。僕は強気に出て「食べられる」と答えた。ただし酒は、ウイスキーのお湯割りでからだを温めることとした。しかし社員の去った会社から4階へ戻るときに気が変わり、結局は、フランスの安いワインの栓を抜く。
朝飯 揚げ茄子、スペイン風目玉焼き、切り昆布の炒り煮、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ湯波と若布の味噌汁
昼飯 玉葱と白胡麻の熱いつゆで食べる素麺
晩飯 グリーンアスパラガスとエリンギのソテーを添えたビーフステーキ、メシ、CHATEAU PRIEURE D’APPELLES 2019
2025.6.12(木) コツコツ
おとといの水曜日から、気管支の狭まったような、軽い息苦しさを感じるようになった。「気圧の低いせいだろうか」と考えるうち、今朝は発熱の予感がした。
幸いにも今日は事務室、店舗とも社員は揃っている。事務室の大机には、新宿高島屋への1週間の出張からきのう戻った長男が持ち帰った、お得意様が会場までお持ちくださったダイレクトメールが袋に入れられている。よってそのハガキの束とコンピュータと10キーを持って静かな4階へ上がり、食堂のテーブルにて、それらのリピータ様をデータベースに登録する。そしてその数の多さに改めて、感謝の念が湧く。
「ハガキを持参し忘れた」というリピータ様、また「次の機会から案内のハガキが欲しい」という新規のお客様については、明日にその入力をすることとしよう。コツコツと努力を積み重ねることの苦手な僕ではあるけれど、このような仕事は嫌いではない。その勢いを駆って、直近の土日月に「汁飯香の店 隠居うわさわ」で感想カードを書いてくださったお客様も、またデータベースに加える。
夜はひとりにて、台所にあったものを肴にして、気楽に過ごす。
朝飯 菠薐草とハムのソテーを添えたスクランブルドエッグ、納豆、切り昆布の炒り煮、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、蕪とズッキーニの味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 トマトサラダ、刻みキャベツを添えたコロッケ、焼きおむすび、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、TIO PEPE
2025.6.11(水) 在来種と外来種
おとといの日記の最上部にその画像を置き、きのうの日記の最後の段落に「隠居の池泉に咲く花がショウブなのか、はたまたカキツバタなのかが、僕にはあやふやなままだ」と書いた花のことを朝、facebookに上げる。すると間もなく「最近困ったちゃんと言われる外来種の黄菖蒲でしょうかね?」というコメントが返された。「道理で」と、僕は得心をした。
ショウブなのか、はたまたカキツバタなのか不明だった花は、以前はすべて紫色だった。それにいつの間にか黄色が混じり、今は黄色のみになっている。ウィキペディアによれば「既に野生化している湖沼等があり、在来種との競合・駆逐等のおそれがある場所については、積極的な防除または分布拡大の抑制策の検討が望まれる」と、環境省が注意を喚起しているという。「在来種との競合・駆逐」は正に、隠居の庭にも発生していたのだ。
店舗駐車場の一角には、秋になると百合が盛んに咲く。それは調べたところによれば高砂百合だから、これまた外来種、である。
いくらでも繁殖する、更には在来種を駆逐する種となれば、有難味は限りなく減る。しかし黄菖蒲も高砂百合も、見た目は悪くない。当面は、成り行きに任せることになるだろう。
朝飯 目玉焼き、菠薐草の胡麻和え、納豆、胡瓜と蕪のぬか漬け、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ湯波とズッキーニの味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 生のトマトと刻みキャベツを添えたコロッケ、2種のチーズ、Moet et Chandon Brut Imperial、Chablis Billaud Simon 2018、和三盆の砂糖菓子、Old Parr(生)
2025.6.10(火) 勉強
4階の窓のすぐ下には3階の窓のひさしがあって、それは4階の食堂のテーブルに着いていても、視覚の範囲内にある。そのコンクリート製のひさしの上を、ツバメよりすこし小さな鳥が歩いている。腹は黄色みを帯び、背中と羽根は炭色に見える。そしてその鳥の名を僕は知らない。
知らないことがあると悔しさのあまり、それについて一から十まで知ろうとする人がいる。「名も無い草花などと無責任なことが言えるか」と、世に存在するすべての植物の名を覚えようとした人もいた。恐るべき情熱、恐るべき無鉄砲さ、である。
シリアの首都はダマスカス、ベネズエラの首都はカラカスと、そういうことなら僕も知っている。この知識は地理を学んで得たものではない。遠い記憶を辿ってみれば、神保町の岩波ビルの上の方にあった英会話学校の、授業ではなく、英語を教えながら旅をしていた英国人との、雑談の中で覚えたような気がする。
地理の勉強は苦手だ。自由学園男子部高等科の国語教師だったヤマグチヒカル先生は勉強を「勉め強いるもの」と、おっしゃった。みずから勉める気力は無い。他者から強いられることには耐えられない。「シリアの首都はダマスカス、ベネズエラの首都はカラカス」は、それを覚えることが勉強でなかったからこそ一瞬で頭に刻まれたのだ。
そういえば、きのうの日記の最上部に置いた、隠居の池泉に咲く花がショウブなのか、はたまたカキツバタなのかが、僕にはあやふやなままだ。今度、専門家に訊いてみようと思う。
朝飯 切り昆布の炒り煮、揚げ湯波の甘辛煮、塩鮭、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」のお茶漬け
昼飯 にゅうめん
晩飯 鮨あれや、これや、焼き鳥あれこれ、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、麦焼酎「こいむぎやわらか」(お湯割り)
2025.6.9(月) 便利と簡素の関係
「パスポートはここに入れることに決めてるんですよー」と、左の内ポケットのあたりを軽く手で叩いてみせた人と海外へ行ったことがある。
目的の国に着いて入国審査場の列に並んだところでその人は左の内ポケットに手を差し入れ「アレッ」と小さな声を上げた。続いて上着のあちらこちらのポケットを次々と探りつつ「アレッ」「アレッ」を連発した。仕舞う場所が複数あると、どこへ仕舞ったか分からなくなる。よくあることだ。
T-TECHの、外側にも内側にも収納のための場所が複数あるバックパックを機内持込用としたことがある。業界の親睦旅行だったから、席は、普段は使わないANAのビジネスクラスだった。席の周囲には持ち物の置き場所が複数あった。そして僕はそこでメガネを失くした。
先月のタイ行きの初日には、現地に着いた早朝からチェックインの14時までホテルの部屋に入れないことが想定された。とすればそのあいだは貴重品を持ち歩く必要がある。いつも使っているsolo-touristのパスポートポーチは華奢な作りで、首から提げて街を歩くには適していない。よってデザインに無駄が見られるため100パーセントは気に入っていないtomocのチェストポーチを今回は選び、パスポート、現金、クレジットカード、iPhoneはこれにて管理をすることとした。
貴重品を一個所に集めることは危険とする意見がある。おっしゃる通りではあるけれど、あちらこちらに分散をさせると得てして冒頭の「アレッ」「アレッ」から更には紛失に到ることもあるのだ。
ところで外側と内側にたくさんのポケットを備えた旅行用の上着がある。最近、僕の物欲をいかにもそそるそれをウェブ上に見つけた。安くはない。しかし買えない値段でもない。しかしてそれを手に入れても使わないことは明白である。それでも欲しい。こういう物欲は、何とかなだめて霧消させるしかない。
物欲は、しばらく放っておけば綺麗さっぱり無くなる。そのことも、僕はよく知っている。よほど気をつけないと、モノは増えるばかりになって始末に困る。そして結局のところ、道具は簡素なものがいちばん使いやすい。たくさんのポケットは不要である。
朝飯 肉じゃが、生玉子、切り昆布の炒り煮、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と菠薐草の味噌汁
昼飯 玉葱と擂り胡麻の熱いつゆで食べる素麺
晩飯 「食堂ニジコ」のキュウリのからし和え、ピータン、油淋鶏、塩焼きそば、餡かけチャーハン、麦焼酎「二階堂」(お湯割り)、「ニルバーナ」のチーズケーキ、Old Parr(生)
2025.6.8(日) フラリでサッ
上澤梅太郎商店が運営する朝食の専門店「汁飯香の店 隠居うわさわ」の開店は8時30分。その15分前にノレンを出そうとしているところに8時30分にご予約をいただいている6名様がいらっしゃった。よって取りあえずはノレンをいつもの位置に落ち着かせてから玄関までご案内をする。
そこから庭の飛び石を辿って門へ戻り、遅ればせながら水を打つ。すると今度は男性の3名様がいらっしゃり「ご予約にて満席」の張り紙をご覧になって「満席なんですね」とおっしゃる。僕は水を撒く手を休めてお詫びを述べる。
100メートルほど離れた上澤梅太郎商店に戻ると間もなく「朝ごはんのお店の駐車場はどちらですか」と女性のお客様に声をかけられた。ご予約の有無を確かめると、特にされていないとのことだった。よって隠居のショップカードをお渡しし、朝食をご希望の際には、できるだけ早くご予約をお入れくださるよう、お願いをする。
男性の3名様および、何名様かは不明ながら女性は開店の8時30分を目指して「汁飯香の店 隠居うわさわ」にいらっしゃった。しかし満席に阻まれてお入りになることはできなかった。この時間にちかくで食事ができるところといえば、コンビニエンスストアのイートインスペースくらいではないか。誠に申し訳ない限りである。
朝食の店であれば、フラリといらっしゃってサッとお召し上がりになれる、それが理想とは僕も思う。しかし「汁飯香の店 隠居うわさわ」はいつの間にか、予約なしでは席の確保しづらい店になってしまった。隠居は明日も、満席をいただいている。
朝飯 塩鮭、切り昆布の炒り煮、揚げ玉、なめこのたまり炊、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」によるお茶漬け
昼飯 玉葱と擂り胡麻の熱いつゆで食べる素麺
晩飯 茄子とトマトのスパゲティ、Chablis Billaud Simon 2018、Ca’ Berti Lambrusco Grasparossa di Castelvetro Leone d’Oro、シュークリーム、Old Parr(生)