2025.10.4 (土) タイ日記(10日目)
体調に優れないことは、きのうコモトリ君の家に着いて、心づくしの夕食に箸を伸ばしたときに気づいた。きのうそれまでに摂った食事は朝の汁麺のみ。旅の最中にはそれほど空腹を覚えず、昼は抜くことの多い僕だが、夜になっても食欲が湧かないとは普通ではない。結局のところ、夕食は小鳥の食べるほどの量をラオカーオの肴にして、19時の舟に乗った。
BTSを乗り継いでホテルに戻ったのは19時47分。シャワーを浴び、パジャマを着、部屋の明かりを落として寝台に横になった。大事を取って、天井の空気調整器は動かさなかった。
目覚めて朝が近かろうと思っても、しばらくは枕頭のiPhoneで時間を確かめることはしなかった。ようよう手に取ったそれはいまだ、0時27分を指していた。からだは汗ばんでいるものの、空気調整器はなお、動かさない。そうして闇の中に、ただ横たわっている。
次にiPhoneを手に取ると、4時49分になっていた。眠れた感じは無かったものの、4時間ものあいだ、じっとしていられるわけはない。すこしは眠れたものと思われる。
雨の激しく降る音が聞こえる。やがてカーテンの隙間が明るみを帯びてくる。普段であれば、目が覚めればさっさと起きて、きのうの日記に取りかかる。その気力が今朝はまったく湧かない。そのまま7時まで、つまりきのうの夜から11時間も横になり続けている。一体全体、僕のからだは、どうなってしまったのか。喉に痛みはなく、熱も平熱であることが、ただ有り難い。
「腹が減ったら食べろ」と、コモトリ君がきのう持たせてくれたアップルパイと、日本から持参のコンソメスープを朝食とする。雨はますます激しい。
結局のところ、部屋には13時ちかくまでいた。腹が減っていない、ということもない。ホテルの、表通りに面した食堂にてオープンサンドと白ワインを昼食とする。
それにしても寒い。体調の悪さによる寒さではない。半袖のシャツ1枚で耐えがたいところから推せば、気温は恐らく20℃を下まわっているのではないか。そのうち自由民主党の裁選が高市早苗に決まったことを、ウェブニュースが伝えてくる。そのiPhoneをセブンイレブンのエコバッグに入れて部屋へ戻る。
寝台に仰向けになって、その総裁選の結果をiPhoneでふたたび見る。ふと気づくと、早朝からひどく降り続いた雨はいつの間にか上がって、窓の外に林立するビルは午後の陽に照らされていた。次に部屋を出たのは実に18時5分。ほぼなにもしない一日ではないか。
実は数日前に、最終日のレイトチェックアウトをホテルに打診していた。そのときのレセプションのオネーサンは「これからの予約で満室になることもありますので、その日が近づいてから、もういちどいらっしゃってみてください」と言われた経緯があった。
「まさか、あしたまた来てください、なんて言われたりして」と恐れつつ、今日はメガネをかけたオバチャンにおなじことを問えば、コンピュータのディスプレイを見て即、それが可能なことを教えてくれた。追加の料金は1,000バーツ。精算書を要求すると、オバチャンは動かないプリンターを叩いて「しばらくお待ちください」と僕に笑顔を向けた。
さて外へ出られるほどに体調は回復したものの、食欲はまったく無い。飲食店の密集するsoi8に宿を定めながら、情けない限りだ。胃が受けつけそうなのは液体のみ。そういう次第にて、小さなオープンバーでビール、それを干したら調子が良くなって、ウォッカのソーダ割りもこなす。
部屋には19時前に戻った。シャワーを浴びたら今日の数少ない画像をコンピュータに取り込み、そのうちのひとつをfacebookに上げる。そして諸々を整えてから寝に就く。
朝飯 コモトリケー君からもらったアップルパイ、コンソメスープ
昼飯 “Stable Lodge”のレストランの”Tomato w Chopped Onions & Egg Yolk Open Sandwich”、白のハウスワイン
晩飯 “Street Bar”のシンハビール、“SMIRNOFF VODKA”(ソーダ割り)