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清閑 PERSONAL DIARY

  

2025.10.1(水) タイ日記(7日目)

きのう寝に就いたのは19時34分。夢の中で窮屈さを感じつつ目を覚ます。寝台の上でも窮屈な格好で寝ていた。時刻は22時48分だった。幸いすぐに二度寝に入れて、今朝は2時5分に目を覚ます。

先ずはシャワーを浴びて、きのうの夜に塗ったアロエジェルを流す。次は歯磨き。使い終えた歯ブラシはスーツケースにしまう関係上、真新しいフェイスタオルで水気を完全に拭き取っておく。荷作りは、3時にはあらかた終わった。いつまでコンピュータにかじりついている悪癖が僕にはあるため、5時30分のアラームをスマートフォンに設定する。

06:10 「まだ早いかな」と考えつつ部屋を出る。レセプションで要求された支払いは850バーツ。精算書をくれないので問うと、僕が署名をした4枚の複写式伝票を見せてくれた。二度の朝食は一食が295バーツ、プールサイドバーでの二杯のスカイジュースは一杯が130バーツで、計算は合っていた。「木賃宿でもあるまいし、精算書くらい出してくれよ」と思う。

ロビーのガラス壁の向こうから、こちらのサッカーティームのものだろうか、黄色いTシャツを着たオジサンがしきりに僕を呼ぶ仕草をする。タクシーは既にして来ているようだ。「やはり早すぎたか。しかし空港へ行く時間が早すぎて悪い理由はそれほどないな」と、スーツケースを曳いてガラスの重い扉を押す。

06:14 スーツケースは黄色いシャツのオジサンがトランクルームに載せてくれた。ベルボーイではないのでポケットに用意した20バーツのチップは渡さない。運転手は小さなオバサンだった。

06:24 来たときの空港タクシーが27分間を費やした道を、オバサンは10分間でこなしてウドンタニー国際空港に到着。「タイ航空か」と訊かれて「そう」と答えると、オバサンはターミナルAに車を横付けした

ホテルのリムジンではないため、料金は250バーツだった。空港から市内までのタクシー代は200バーツ、市内から空港までのタクシーは250バーツとはチェンライのそれと同じにて、なにか協定でもあるのだろうか。

ノックエアとタイ航空のチェックインカウンターには、既にして人が着いていた。紫色の制服を身につけたタイ航空のオネーサンにチェックインの始まる時間を訊く。オネーサンは”Six fourty”とひと言のみの返事ではあったものの、マスクの上の目は三日月のように微笑んでいた。

06:45 チェックインを完了。

ちかくのコーヒーショップのショーケースには、サンドイッチやクロワッサンやデニッシュのたぐいがショーケースに並べられている。サンドイッチの価格は99バーツ。今回ウドンタニーでチップに費やしたお金は1,261バーツ。それでも99バーツのサンドイッチには手が出ない。それが僕の経済観念である。

空港内をターミナルAからターミナルBまで歩いて外へ出る。左手には低い管制塔がある。それを左手に見ながら更に歩く。するとすぐ左には空港の職員が使いそうな食堂があって、奧ではオバサンが何かを炒めていた。そのオバサンに近づいて「汁麺は?」と訊いてみる。「汁麺も、まだダメ」とオバサンは笑って答えつつ、麺を湯がくためと出汁を温めておくための、仕切りのある鍋のフタを開けて見せてくれた。「残念」のひと言である

07:15 保安検査場を通過。
07:17 エスカレータで2階へ上がり、1番ゲートと2番ゲートを備えた待合室に入る。
08:08 気配を感じて振り向くと、搭乗券には搭乗ゲートが「1」と示されているにもかかわらず、2番ゲートから搭乗が始まっている。タイの地方空港では良くあることだ

08:11 空港の建物からは沖駐めの飛行機までは歩いて行く
08:35 Airbus A320-200(32X/3205)を機材とするTG003は、定刻より5分はやくウドンタニー国際空港を離陸。

09:15 「バンコクまで15分」の機長によるアナウンスが流れて「え、そんなに早く?」と驚く。
09:22 車輪の降ろされる音がする。
09:23 TG003は定刻より27分も早くスワンナプーム空港に着陸。
09:42 タラップを降りてバスに乗る。
09:50 バスを降りて空港の建物に入る。
10:04 早くも回転台からスーツケースが出てくる。

10:12 到着階の三階から地下までは、エレベータで降りる。この空港のエレベータは待ち時間が長いため、急ぐときにはエスカレータを使うに限る。
10:15 空港と街をつなぐARLの車両がスワンナプーム空港を発
10:43 その車両がパヤタイに着。
10:50 BTSスクムビット線の車両がパヤタイを発。
10:58 その車両がナナに着。

11:05 スクムビットsoi8を徒歩で南に下ってホテルに着。四泊分の宿泊料10,200バーツはクレジットカードで払う。

小さなエレベータを5階まで使って部屋に入る。ベランダ付きのデラックスルームではあるものの、部屋の広さや年季の入った様子からすれば、せいぜい1,000バーツクラスの部屋だ。その2.5倍の実料金は、場所の良さや需要によるものだろう。そして僕はこのような、街の真ん中にある古くて小さなホテルが嫌いではない

12:10 部屋を出る。

スクムビットの大通りは、ナナの駅を跨線橋のように使って渡る。そしてsoi11に入ってすぐの左側に待機するモタサイの運転手に「ナナヌア、舟、センセーブ運河」と伝える。オートバイを発進させた運転手が僕を振り向いて何ごとか言う。何を言っているかは想像がつく。「舟に乗るなら、もっと近い船着場があるぞ」だ。僕はそれを知りながら、英語では”NANA CHARD”と表記されるその船着場のタイ語による発音が分からなかったから、そのひとつ西寄りの「ナナヌア」を指定したのだ。舟に乗れればどの船着場でも構わない。僕は「チャイ」と返事をした。soi11から”NANA CHARD”までの代金は50バーツだった。

東から上ってきた舟は、乗客で満杯だった。料金の徴収係に「プラトゥーナム」と告げる。乗船料は14バーツだった。いくつ目かの船着場でちかくの男が周囲に”Change boat”と促す。「ここで乗り換え?」と不思議に感じながら舟を下りる。多くの乗客は船着場から階段を上がって頭上の橋を目指している。雨が降り始めている。

乗り換えた舟でふたたび西へ向かい、いくつかの船着場を過ぎたところで「乗り過ごしじゃねぇか」と気づく。チェストポーチからiPhoneを取り出しGoogleマップを見ると、僕が降りるべきプラトゥーナムは、先ほど舟を乗り換えた船着場だったことに気づく。

そのまま為す術もなく終点のパンファーリーラードまで行く。強さを増した雨は船着場のベンチを後ろ側から襲い、遂には僕も席を立つ。頭上には「タバコを吸ったら5,000バーツの罰金」の看板が提げられているものの、タバコの強い香りがする。周りを見まわすと、僕のすぐ脇にいる白人の指に吸いさしのタバコが挟まれていた。看板が目に入らないのだろうか、あるいは「どうせ何も言われはしない」と、高を括っているのだろうか。

折り返しの舟に、人はいくらも乗っていない。近づいて来た料金徴収係に「駄目で元々」と、来るときに買った14バーツの切符を見せつつ「プラトゥーナム」と伝てみる。「あぁ」と彼は答えて、そのまま舟の後方へと去った

さてプラトゥーナムの船着場は、驟雨沛然どころではない。屋根の下にいても、強風に煽られた雨が吹き込んで、服が次第に湿っていく。雷光が光り、雷鳴も聞こえる。

プラトゥーナムに来たのは、このちかくにあるマッサージ屋の足の角質けずりが丁寧とウェブ上で知ったこと、もうひとつはスーパーリッチの本店で日本円をタイバーツに換えようとしたからだ。しかしとてもでなないけれど、傘を欠いたまま外へ出られる状況ではない。

しばらく考えて、プラトゥーナムでしようとしていたことは潔く諦める。バンコクではいずれ、帰るまでにすることはほとんど皆無なのだ。

プラトゥーナムから東へ引き返す舟の、料金徴収のオバサンには「アソーク」と伝える。舟の屋根からは雨が漏って、木の床を濡らしている。舟の周囲には雨やしぶきを避けるための厚いビニールが張り巡らされ、それが雨に濡れ、あるいは湿気で曇り、船着場の表示は一切、見えない

iPhoneのGoogleマップによりアソークが近いことを知って席を立とうとする。その僕を「危ないから」と、先ほどのオバサンが手で制する。アソークで舟を下りると、雨は弱くなっていた。そのまま100メートルほどを早足で歩いて地下鉄MRTのペッブリーに逃げ込む。そこからスクムビットまではひと駅。地下を歩けば高架鉄道BTSのアソーク。雨は上がって、人たちはアソークの大きな交差点を、なにごともなく渡っている。「ダッフンダ」である

そこからスクムビット線をナナへは戻らず、逆のプロンポンを目指す。そのプロンポンからトンローまでひと駅を乗り過ごしてプロンポンに戻る。駅構内の両替所スーパーリッチの円とタイバーツの交換比率は1万円が2,150バーツ。駅から降りてsoi24を南へ歩き、すこし行った右側の、まるで掘っ立て小屋のような両替所KFエクスチェンジでは1万円が2,190バーツ。よってここで10万円を21,900バーツに換える。

この両替に関して少しく葛藤があったのは、先月19日に「タイ中銀、バーツ変動抑制へ介入」のロイターによるウェブニュースを読んでいたからだ。

その本文には「タイ中央銀行のチャヤワディー総裁補は19日、バーツ相場の変動を抑制するため、介入を実施したと明らかにした。」とあった。この「変動を抑制」は、正しくは「バーツ高の抑制」に他ならない。中央銀行のこの「介入」は、果たしていつごろ効いてくるか。初日に続いて今日も10万円をバーツに換えれば、そのほとんどは今回の旅では余る。バーツ高が是正されれば円とバーツの交換率は今日より良くなる。しかし為替の動向は神のみぞ知る領域にある。悩みながらの両替だった。

14:50 今や日の差すsoi8を歩いてホテルに戻る。道の両側はタイ料理屋はもちろんのこと、白人相手の洋食屋に屋台も加わって、こと食べることに関してはまったく困らない場所である

それにしても、部屋を出た12時10分から部屋に戻る14時50分までの、2時間40分は何だったか。しかしナナからプラトゥーナムへの、新しい経路を開拓できたことは良かった。そして夕刻まではなにもしないで過ごすことを決める。

15:40 ふたたび部屋を出る。外からはときどき鳥の、僕の好きなホーイッ、ホーイッという声が聞こえている。

ナナからクルントンブリーまではBTSシーロム線で一本。そこでスカイトレインゴールドラインに乗り換えて、次のチャルンナコーンで降りる。ショッピングモール「アイコンサイアム」のグランドフロアにあるスックサイアムは、いわゆる「デパ地下」の遊園地だ。距離と時間を考えれば夢の夢ではあるものの、もしも社員旅行でタイへ来られたら、ここは訪問必至の場所である。

同級生コモトリケー君の住むコンドミニアムは、アイコンサイアムから見えている。「歩いて来いよ」とコモトリ君はLINE電話で伝えて来たものの、歩く気はしない。スックサイアムをしばらく逍遥して後はふたたびゴールドラインに乗り、ひと駅先の、終点でもあるクローンサーンを目指す。

コモトリ君の部屋からは、バンコクの街の広がりを、チャオプラヤ川を隔てて望むことができる。ここでしばしの休憩の後、コモトリ君のクルマでこの3月にも来たことのある小さな中華料理屋へ行く。

スクムビットsoi8のホテルまでは、コモトリ君の運転手が送ってくれた。時刻については、よく覚えていない。


朝飯 TG003の機内で配られたミルクティー味のあんこの大福、コーヒー
晩飯 “ROD TIEW”の蒸し鶏オースワンクラゲの四川風家鴨のほぐし肉の北京ダック風麻婆豆腐クンオップバミー、サントリージン翠(ソーダ割り)


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上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

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