2025.5.5(月) ラリグラス
きのうは17時30分の閉店時間が来ても、それから30分後の終業時間が来ても客足が途切れなかった。そのことにより、キャッシュレジスターを締める途中で予約したピザを受け取る時間が迫り、席を立たざるを得なかった。よってきのうの日記を完成させた5時に事務室へ降り、きのうの売上げの現金と登録金額を照合し、キャッシュレジスター3台分の釣銭を作る。
4階の自宅へ戻れば、今朝は運ぶものが多いから手伝って欲しいと「汁飯香の店 隠居うわさわ」に出かける家内に頼まれる。ソーダ水などを収めた手提げを隠居の厨房に入れたところで、ふと思いついて庭へと回ってみる。
土の上には野の花が目立っている。ツツジは満開。藤も満開。池泉への水が落ちる小さな滝のちかくのシャクナゲも満開だった。
2013年7月、自由学園男子部の後輩マハルジャン・プラニッシュさんの結婚式に列するためネパールへ行った。カトマンドゥのホテルでシャクナゲの写真を見せつつオネーサンにネパールでの呼び名を訊いたら「ラリグラス」と教えてくれた。その響きはいかにも美しかった。シャクナゲは、ネパールの国花である。
ネパールには1980年、1982年、1991年、2013年と4回も訪れたにもかかわらず、国民帽「トピ」を自分用として買うことはしなかった。シャクナゲの模様のトピがあればぜひ欲しいと今になって思っても、ネパールは、今の僕にはすこし遠い。
朝飯 なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、トマトと玉葱とウインナーソーセージと菜花の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 SMIRNOFF VODKAのトマトのすり流し割り、らっきょうのたまり漬、グリーンアスパラガスとベーコンのスパゲティ、Chablis Billaud Simon 2018、チョコレートのビスケット、Old Parr(生)
2025.5.4(日) クルマの色
昼食の際には日本経済新聞の朝刊を読む。目を通せるのは時間の関係から第1面と最後の文化面、あとは特に興味を惹かれた記事、くらいのところだ。今日の文化面には星野博美が随筆を書いていた。表題は「赤い車と青い車」。瞬時に「赤い車とはイタリア車だろうか、青い車はフランス車だろうか」と想像を巡らす。
サッカーの国際試合におけるブラジルのユニフォームは黄色、日本のそれは青、クロアチアは赤と白の格子模様。それと同じように、むかしは自動車の国際レースでも、イタリアは赤、フランスは青、イギリスは緑、ドイツは白または銀色と、車体の色が決められていたからだ。
星野博美の文章では、赤と青の車がそれぞれどこの国のものかは知らされない。青い車は「15年くらい経った古い車」が「ある日、心臓麻痺を起こしたように突然動かなくなった」ことにより「仕方なく」買ったもの。赤い車は、その15年を経た青い車に今春「史上最大の傷」を付けてしまったことにより注文をしたもの。とすれば、青い車も赤い車も、特にその名を記すようなものではなかったように思われる。
ところで時間の関係からすれば、先ずは「青い車」を買い、それと入れ替わりに「赤い車」を手に入れたにも拘わらず、文章の題名が「赤い車と青い車」となっているのはなぜだろう。
星野博美の「転がる香港に苔は生えない」は2001年6月11日の第5刷を長男にもらい、棚に保管はしているものの、いまだ読んでいない。それを開く日は、果たして来るだろうか。
朝飯 山椒煮、納豆、塩鮭、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、擂り胡麻のお茶漬け
昼飯 にゅうめん
晩飯 「ミラノピザ」のピザ其の一、ピザ其の二、Chablis Billaud Simon 2018、チョコレートのビスケット、Old Parr(生)
2025.5.3(土) 手抜き三兄弟
毎週土日月の3日間は、家内は上澤梅太郎商店が運営する朝食の専門店「汁飯香の店 隠居うわさわ」の厨房に入るため、早朝に母屋を出る。よってその日に限っては、僕は自分で朝食を用意する。料理は嫌いではないものの、手間はそれほどかけたくない。ごく最近になって、スティーブ・ジョブズの黒いセーターとジーンズではないけれど、定番化してしまえば楽、ということに気づいた。
子供の頃からの生活慣習により、朝食は和食でなければ気が済まない。更に、3日のあいだ、おなじものではつまらない。そして辿り着いたのが、3日のうち1日は納豆と生玉子と冷や奴による一汁三菜、1日は具だくさんの味噌汁による一汁ゼロ菜、1日はお茶漬け、という組み合わせである。なお、炊きたてのごはんが続くときには、お茶漬けはしない。
土曜日の今朝は、納豆と生玉子と冷や奴による一汁三菜を整える。味噌汁のだしはきのうの夜のうちに、300ccの水に少量の昆布と煮干し3尾を沈めておいた。顆粒状のだしを使わないのは、調理という行い、および風味における面白さに欠けるからだ。
はじめは冷や奴をおかずにして白飯を食べる。溶いた玉子を半分だけかけたごはんには「なめこのたまり炊」を落とし、食べる。なめこを食べ尽くしたところで残った玉子を追加し、そこにはよくかき混ぜて、たまり「朝露」を差した納豆を加える。合いの手に、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」と、ごぼうのたまり漬を咀嚼する。らっきょうのたまり漬には甘味があるから、デザートのようにして最後に口に入れる。
今朝はごはんが1杯では足りず、茶碗に3分の1ほどをお代わりした。納豆と生玉子と冷や奴は、僕にとっての手抜き三兄弟。手は抜いても朝食を抜くことはしない。ちなみに僕は、生玉子もまともに割れない不器用者である。
朝飯 生玉子、冷や奴、納豆、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、菠薐草と若布の味噌汁
昼飯 擂り胡麻と刻み葱のつゆの素麺
晩飯 「コスモス」のトマトとモッツァレラチーズのサラダ、カツレツ、ドライマーティニ、TIO PEPE
2025.5.2(金) 両替
明日からの四連休を控えて、早朝より釣銭つくりの準備をする。先ずは釣り銭用の金庫に溜まった古い紙幣を取り出し、その額を数える。次に金庫の中の新札や硬貨の在庫をざっと見て、本日、銀行で両替してもらうべき金種とその額を決める。こんなことは紙とボールペンと電子卓上計算機でもできるだろうけれど、僕はコンピュータに自作した専用の計算機を使う。
釣銭を作るなどは、下らない仕事には違いない。しかし釣銭が払底すれば、営業中に進退が窮まる。とすればそれは実は、大切な仕事と言えるのかも知れない。
12時40分に到って、どう考えても、いつものような昼食を摂る時間は確保できないことに気づく。13時からは社内の火災報知器に点検が入り、一部の階は僕が業者を案内する必要がある。13時30分からはリモート会議が予定されている。14時を過ぎれば、朝に種銭を預けた銀行へ、今度は両替された新札や硬貨を受け取りに行かなくてはならない。
リモート会議は長男と嫁のモモ君に任せて、取りあえずは目の前の仕事に従う。午前より降り始めた雨は、銀行から会社へ戻る途中にいきなり強くなった。そして会議には14時20分より合流をする。
スマートフォンの天気予報によれば、明日から5日までは晴れが続くという。店は、そして街は、どれほど賑わうだろう。今から楽しみでならない。
朝飯 生のトマト、ベーコンエッグ、大根おろしを薬味にした納豆、山椒煮、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、豆腐と若布と万能葱の味噌汁
昼飯 2種のパン、ホットミルク
晩飯 なめこおろし、めかぶの酢の物、豚薄切り肉と菠薐草の鍋、ピーナッツ餡の菓子、Old Parr(生)
2025.5.1(木) カディ
新聞に興味のある記事を見つけ、しかし読んでいるひまはない、そういうときには、それを取りあえず四折にして、食卓ちかくの棚の最下段に置く。その直近のものは先月27日の”The NIKKEI STYLE”の第9面から始まる「コットンの国からの贈り物」で、4日後の今日にようよう開いて読む。
1982年に公開された映画「ガンジー」は、1983年に香港で観た。この映画にたびたび象徴的に現れるのが糸を紡ぐ、という労働だった。
ガンジーが1920年に設立した大学「グジャラート・ヴィディヤピット」では、学生たちは祈りの後に各々の、持ち運び式の糸車で30分間ほども糸つまりカディを紡ぎ、多くは卒業前にそれを織って布にする。「インドにとって、カディは特別な存在だ」と、記事は続く。
上澤梅太郎商店は2023年9月から、それまでの味噌、醤油、たまり漬に加えて食や発酵に関する雑貨と本を扱い始めた。その中にはカディによるコットンクロスもある。小さなものは36cm×71cm、大きなものは58cm×105cm。僕はこの大きな方を買い、スカーフとして使っていた。税込3,190円という価格は何となく高く感じられるかも知れないけれど、糸は手紡ぎ、針による仕事は精緻、肌に触れたときの心地よさからすれば、むしろかなり安い。
僕はそれを、惜しいことに今年3月にチェンライで紛失した。自分の失くし癖をよく知る身としては、コインランドリーでも、洗濯機や乾燥機が止まったときには、その中をよく検分した。それにもかかわらずの行方不明である。
今月のタイ行きの前には、ふたたびこのコットンクロスを買うことにしよう。今日はまたインターネット上で、100カウントのカディと84番手コットンを織った、幅115cmの布を150cmだけ買った。届いたら両端にホツレ止めを施して、これまたスカーフにしようと思う。
朝飯 目玉焼き、菜花のソテー、納豆、トマトの甘煮、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、山椒の天ぷらと万能葱の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 たけのこ煮、めかぶの酢の物、大豆とうずら豆の炊き合わせ、独活のきんぴら、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、鰆の西京焼き、ノドグロの干物、豚薄切り肉のソテー、焼きおむすび、蜆の味噌汁、「会津酒造」の「凜・本醸造原酒一回火入れ」(燗)
2025.4.30(水) 勤続30年
身につけるものは、できるだけ少ない方が、気持ちが良い。現在の上半身はユナイテッドアスレのポロシャツにグッドオンの長袖Tシャツ。下半身は年中変わらず下着にユニクロのスリムフィットチノ。靴下は、日中は履くものの、朝のうちは裸足でいる。
ユナイテッドアスレの化繊のポロシャツは、全然、壊れない。いつ買ったものかと小遣い帳を「ポロ」で検索してみれば、面白いことに2012年2月14日に観たジャクソン・ポロック展の入場料が1,500円などという数字も出てきた。それはさておき当該のポロシャツは、2013年と2014年に購買の記録があった。毎年春から秋まで着続けて、12年間も保って、なお糸のほつれひとつ無く、ボタンが落ちることも無く、価格は1着がせいぜい千円台なのだから、実に偉大な商品である。
一方、押入の衣装箱の中には、目が欲しくて買って、しかし傷むことを恐れて一度も袖を通していないシャツが、一ケタ以上も眠ったままになっている。
「学ぶだけで使わない言語」というものがある。使わなくても、とにかくそこには「学び」が存在しているわけだから、その習得には意味がある。「買っただけで着ない服」には、どのような意味があるだろう。「市場の経済をすこし回した」という事実だけは、あるかもしれない。
18時30分より都合のつく社員が隠居に集まって、食事会を催す。それと共に、マキシマトモカズ君の勤続30年の表彰を行う。十代で入社してきたマキシマ君は、台風の日も大雪の日も遅れず休まず自転車で出勤をし続けた。正に光陰矢の如し。マキシマ君にはこのまま健康を保ち、勤続40年を目指していただきたい。
朝飯 三つ葉の玉子とじ、納豆、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、生のトマト、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、油揚げと若布と万能葱の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 にんにくのたまり漬としょうがのたまり漬を薬味にした鰹のたたき、菠薐草のおひたし、鶏手羽の煮込み、茹で豚、ねぎ坊主と山椒の天ぷら、おかずいろいろ、トマトの甘煮、ごはん、たけのこごはん、「仁井田酒造」の「にいだのごさん」(冷や)、「山本合名」の「天杉山廃純米」(燗)、パウンドケーキ、いちごのババロア
2025.4.29(火) こと日本においては
既にして完成している一昨日の日記を「公開」し、きのうの日記を完成させ、上澤梅太郎商店が運営する朝食の専門店「汁飯香の店 隠居うわさわ」へのインターネットを介してのご予約すべてに確認メールをお送りしても時刻は5時45分。空はきのうまでの曇りを脱して遂に晴れた。
午前、仕事の合間を見計らって4階へ戻る。そして牛すじ肉とトリッパを煮るよう、仕事が休みの次男に頼む。牛すじ肉の下ごしらえは、きのう次男が済ませていた。だから以降の調理には、それほどの時間はかからないだろう。
今日は「昭和の日」にて祝日ではあるものの、いわゆる「飛び石」によるものだろう、市中心部の渋滞は、道の駅「日光街道ニコニコ本陣」の入口にすこし見えるくらいのところだ。
昼食を摂るため4階へ戻ると、なにやらインドシナを思わせる香りが応接間から廊下の方まで漂っていた。既にして完成している牛すじ肉とトリッパのトマト煮を、すこしつまみ食いする。トリッパはいまだ固い。それを奥歯で噛みながら、いよいよ圧力鍋を買うことを決める。
夕刻にご来店のお客様より、このあたりに泊まれるところはないかと訊かれ、即、上澤梅太郎商店から半径1.5キロメートル以内を網羅した地図を取り出す。そして小倉町に点在する3軒のホテルや旅館を赤いフェルトペンで丸く囲み、空室の有無はご自分で確かめていただくよう言葉を添えて、その地図を差し上げる。
バックパッカーをしていた頃のことを振り返ってみれば、たとえばインドなら駅前に蝟集する人力車の運転手に頼んで空いていそうなホテルに連れて行ってもらう、ということができる。しかし日本は香港とおなじく、需要に対してホテルの数が足りているとは到底、思えない。地方においては特に、その傾向が強くなる。
宿を確保されないままとにかく家を出てきてしまう、という方は結構、いらっしゃる。しかしこと日本においては、そういう「行き当たりばったり」は避けた方が肉体も神経も楽だと思う。と思うけれども「行き当たりばったり」の人は決して無くならない。まぁ、そういう性分でいらっしゃるのだろう。
朝飯 油揚げの網焼き、納豆、菜花のからし和え、炒り豆腐、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、豆腐と若布と万能葱の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 レタスとベビーリーフとトマトサラダ、マッシュルームとグリーンアスパラガスとベーコンのソテー目玉焼きのせパルミジャーノレッジャーノかけ、パン、牛すじ肉とトリッパのトマト煮込み、TIO PEPE、WORLD DESCOVERY Cabernet Sauvignon J.LEBEGUE、「久埜」の柏餅
2025.4.28(月) 「解説」で選ぶ本
「当たり前ぇじゃねぇか」と言われればそれまでだが、インターネットは、いま見ているサイトから思いもよらないサイトへと繋がっていくところが面白い。先日は、どのようなアルゴリズムによるものかは不明ながら、山口瞳の「酒食生活」という文庫本に行き当たった。
作家の、過去の複数の本から編集者の意図によって選り抜かれた文章を1冊にまとめた本、つまりアンソロジーを、僕は好まない。読めば後悔をすることが多い。そしてしばしば「こういう本を作っちゃいけねぇよなぁ」と感じる。
「酒食生活」も、またアンソロジーに他ならない。しかしまぁ、山口瞳の文章には違いないからそのサイトをすぐに離れることはせず、画面を下へとスクロールしていく。するとこの新装版の解説は白央篤司の書いていることが分かった。
「酒食生活」に集められた文章は、僕は初出ですべて読んでいる。それらの本は、探せば僕の本棚にいまだあるだろう。しかし白央篤司による解説は読みたい。そういう次第にて遂に、僕はこの本を「買い物カゴ」に入れた。そしてそれは今日、届いた。
真っ先に開いたのは「新装版解説」の208ページ。そして読みながら「なるほどー」と大いに感じ入り、膝を打ちたくなった。続いて開いたのは嵐山光三郎による「解説 山口さんと飲んだ日々」の203ページ。これがまた、すこぶる、良い。
山口瞳という人は、良い解説を書かせる名人だったのではないか。そういう考えが頭に浮かんだのは、この本を閉じた瞬間だった。本文は、どこかの飲み屋で読もうと思う。
朝飯 なめこのたまり炊、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、ごぼうのたまり漬、擂り胡麻、明太子によるお茶漬け
昼飯 にゅうめん
晩飯 らっきょうのたまり漬、SMIRNOFF VODKAの赤ワイン割り、「ミラノピザ」のハーブグリルチキン、ピザ其の一、ピザ其の二、WORLD DESCOVERY Cabernet Sauvignon J.LEBEGUE
2025.4.27(日) 記憶に残る最高の席
未明のTikTokに、飛行機の座席表の動画が流れてきた。前方から後方へと移動していくそれを眺めるうち、最後尾の赤く塗りつぶされた横並びに「すごくハズレな席」とキャプションが出た。飛行機に乗るときには、僕はしばしば右列最後尾の通路側を選ぶ。僕が好き好んで選ぶ席が「すごくハズレな席」とは、どういうことだろう。
その動画はまた”SEAT GURU”というサイトへ行けば、自分の乗る飛行機の「すこしハズレな席」と「すごくハズレな席」が分かると紹介をしていた。よって即、検索エンジンを頼ってそのページを開いてみる。
案内に従ってAirlines >THAI >Planes & Seat Maps >Airbus A350-900 (359)と進む。5月12日00時20分に羽田を発つTG661便の、僕が押さえた63Hの席は、やはり赤かった。そこにカーソルを重ねると、英文がポップアップした。その、Google翻訳による日本文は以下。
……
この航空機の最後列にある標準的なエコノミークラスの座席で、リクライニングが制限されています。化粧室とギャレーに近いため、不快に感じる場合があります。頭上の収納棚は乗務員と航空機の備品に使用されているため、この座席には頭上の収納スペースがないことが報告されています。
……
さて最後尾の座席は頭上の収納棚が使えない、というようなことがあっただろうかと考えても、僕は手荷物は前の席の下に入れるから、特に問題は無かったことを思い出す。リクライニングが制限されていたかどうかについても、よく覚えていない。僕が飛行機で最後尾を選ぶのは、そこが飛行機の中の「辺境」であるからだ。言葉を換えれば「構ってもらいたくない」から、わざとそこを選んでいるのだ。
ところで僕の記憶に残る最高の席は、ノースウエスト航空サイパン便のビジネスクラスだ。僕がその席を得られたのは、同行の人が自分のビジネスクラスのそれと僕のエコノミークラスのそれを交換してくれたことによる。背もたれをデッキチェアのように倒しても、僕の靴の先にはなお、前席まで30センチメートルの余裕があった。機内食は紙に包まれたハンバーガーだった。客室乗務員は僕に毛布を手渡すと、以降は一切、接触をしてこなかった。お陰で高度12,000メートルの明るい光の中で、ゆっくりと本が読めた。良い思い出、である。
朝飯 炒り豆腐、納豆、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、たけこのと若布の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 カプレーゼ、ガーリックパン、マッシュドポテトとグリーンアスパラガスのソテーとたまり漬によるステーキソースを添えたラムモモ肉のステーキ、WORLD DESCOVERY Merlot J.LEBEGUE、WORLD DESCOVERY Cabernet Sauvignon J.LEBEGUE
2025.4.26(土) ひとやまを越える。
快晴というわけではないものの、空が何やらセザンヌの絵を思わせたため、屋上へ上がる。
お彼岸のころはまでは、ユニクロの超極暖タートルネックTにパタゴニアのR1クルーを重ね、その上にモンベルのスペリオダウンラウンドネックベスト、更に「安いんだから買わなきゃ損だよ」と、オフクロが生前に買った巨大なダウンコートを羽織って屋上への階段を上がった。それからひと月と少々しか経ていないにもかかわらず、今朝はユナイテッドアスレの半袖ポロシャツにグッドオンの長袖Tシャツ、足元は何と裸足で寒さは感じない。有り難いことこの上無い。
事務机の左に提げたカレンダーには、何ヶ月も前にご予約をいただいた蔵見学について「12:30 20名様」と書かれている。午前、そのお客様から電話があって、来店時間はすこし遅れて13時15分、人数は28名と知らされる。28名様とは恐れ入谷の鬼子母神。しかも全員が男性でいらっしゃるという。
上澤梅太郎商店の蔵見学では、女性と小学生の反応は非常に良好。それに対して特に中高年男性の団体様は「そんなことより夜の宴会が気にかかる」といった風情で、良く言えば”silent audience”、悪く言えば暖簾に腕押し、糠に釘、といった雰囲気が強い。しかし今日の御一行様はその例に反し、一連のご案内が完了したときには拍手まで戴いた。
夜は春日町1丁目の総会にて、僕は会計係として前年度の決算報告および今年度の予算につき説明をする。予算案は幸いにも参加者の皆さんからの賛同を得られた。とはいえ収入は世情により漸減傾向、支出は主に電気料金の高騰があるため、緊縮には引き続き、努めなくてはならない。
公民館からの帰宅は20時20分。家族の夕食は終わっていたため、ひとりでスパゲティを煮て、これを肴に白ワインを飲む。
朝飯 たけのこごはん、生玉子、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、たけのこと若布と万能葱の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 スパゲティアラブッロ、Chablis Billaud Simon 2018、レモンケーキ、TIO PEPE