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清閑 PERSONAL DIARY

2021.12.2 (木) 着陸しない飛行機

2012年8月、バンコクのファランポーン駅から二等寝台列車でウボンラチャタニーを目指した。夜が明けると風は爽やかだった。朝日に向かって走る車両に右へ左へと激しく揺さぶられつつ「いつまでも着かなければいいのに」と思った

美味いスパゲティは「いつまでも無くならなければ良いのに」と、ひと口ごとに惜しまれる。面白い本は「いつまでも終わらなければ良いのに」と、残りのページの減るのが恨めしい。

何について調べていたときかは忘れた。とにかく一昨年の暮から昨年の正月にかけて、外神田の”gallery bauhaus”で小瀧達郎の写真展が開かれていたことを知った。そこからどうネット上を渡り歩いたかは覚えていない、田中長徳の「佃日記」に行き着いた。

その限定250部の豪華本は、amazonに古書で4,580円で出ていた。買おうか買うまいか数日のあいだ逡巡して、結局は「カートに入れる」ボタンをクリックした。

「古書であれば、失われている可能性もなくはない」と考えていたオリジナルプリントには141/250の通し番号が付いて、箱に収まっていた。付属の、田中長徳と島尾伸三による対談は面白い。本文は全509ページ。

田中長徳の、経験値の異様な高さによる筆の饒舌さは、たとえば彼の「日本名作写真59+1」あたりを開けば一目瞭然だ。しかしこの「佃日記」の文体は、日によってはむしろ偏奇館主人のそれに似る。

いつまでも着陸しない飛行機があれば、この枕のように分厚い本は、その中でこそ開きたい。


朝飯 酢蓮、納豆、菠薐草と榎茸のおひたし、牛肉のすき焼き風、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、「なすのたまり漬」のからし和え、メシ、ポタージュスープ
昼飯 ラーメン
晩飯 鮨あれこれだし巻き玉子、梅花はんぺん、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、「なすのたまり漬」のからし和え、「外池酒造店」の「燦爛夢ささら純米大吟醸」(燗)、わらび餅


美味しい朝食のウェブログ集は、こちら。

  

上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

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