2018.1.15(月) 苦戦
2月14日から20日までの7日のあいだ、日本橋タカシマヤの地下1階に出店をする。そのことをお得様にお知らせするハガキの宛先を特定するため、9時より4階の食堂に籠もる。この仕事には大変な精密さが要求されるため、やたらに電話がかかったり、約束も無しに人の訪れる環境では到底、できないのだ。
10時に目鼻がついて、ひと息を入れかけたところで、9時からの作業に用いた検索条件式が、新宿タカシマヤのものだったことに気づく。よってコンピュータを持って事務室に降り、日本橋タカシマヤ用の検索条件式を印刷する。
事務室の裏には、道の駅「日光街道ニコニコ本陣」の売り場に納品すべき「らっきょうのたまり漬」が届いていた。それを、気分転換も兼ねて納品すべく、ホンダフィットに乗る。何ともいえない違和感と共に「ニコニコ本陣」の業者用駐車場にホンダフィットを駐め、ハッチを開けると果たして「らっきょうのたまり漬」は積まれていなかった。即、会社に折り返し、今度こそは「らっきょうのたまり漬」をトランクに載せて「ニコニコ本陣」に裏を返す。
先ほど日本橋タカシマヤ用の検索条件式を印刷をした紙とコンピュータの双方を手に4階に戻る。作業を完了すると、時刻は13時を過ぎていた。
昼食を済ませて事務室に降り、14時30分に面談の予定を入れていた取引先から商品の説明を受ける。その取引先が帰ったところで事務机に着き、ハガキの宛先を特定する、最後のところに取りかかる。
しかし不意の来客、電話、来客、電話と、またまた落ち着けない状態が続いて閉店の17時に至る。すべての社員を送り出して後、三たびコンピュータを手に4階に戻る。そして数十分を経てようやく、本日の仕事を完了する。
朝飯 生のトマト、スクランブルドエッグ、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、白菜漬け、田作り、たまり漬「おばあちゃんのホロホロふりかけ」、メシ、揚げ湯波と玉葱の味噌汁
昼飯 たまり漬「おばあちゃんのホロホロふりかけ」、すぐき、塩鮭、梅干しによるお茶漬け
晩飯 トマトとベビーリーフとモツァレラチーズのサラダ、ベーコンエッグ、2種のパンと林檎のジャム、“Petit Chablis Billaud Simon 2015”
2018.1.14(日) 春隣
「正月の飾りは15日の風に当てるな」とは、オフクロによく言われていたことで、頭にこびりついている。よって店や事務室の柱飾り、製造現場や家の注連縄は、14日に片付けるものとばかり考えていた。一方、鏡開きは11日で、社内や家の中の鏡餅はすべて、この日に片付けられた。
そのついでと言っては語弊があるかも知れないけれど、14日に手をつけるものとばかり考えていた正月飾りも、鏡餅と同時に綺麗さっぱり目の届くところから消えた。「拍子抜け」とは、このことである。
鏡餅や正月飾りと共に店舗正面右の季節の書も、おなじ11日に「賀正」から「春燐」に掛けかえられた。また店内の客だまりに活けられた正月の花は、僕が不在にしていたきのう、カワムラコーセン先生が来て、その一部を大ぶりの壺にまとめ、残りは処分するため持ち帰ったという。
こうして正月が、つまり新年は、足早に去って行くのだ。いまだ元日から2週間も経たないうちに。
朝飯 ほうれん草のソテー、温泉玉子、納豆、すぐき、たまり漬「おばあちゃんのホロホロふりかけ」、メシ、シジミと万能葱の味噌汁
昼飯 「大貫屋」の味噌ラーメン
晩飯 ベーコンと白菜のスープ、ポテトと人参のサラダを添えたハンバーグステーキ、“Hautes Cotes de Nuits Vicomte Bernard de Romanet 1988”、いちご
2018.1.13(土) 下のクラスの還暦祝い
空は晴れている。素肌に木綿のシャツ、そこに”HOFER”のチロリアンジャケットを重ねた2枚で寒さは感じない。午前に新橋から河田町へと向かう。そこで少々の用を足し、東新宿を経由して池袋に至る。
明日館の、震度7の地震にも耐えられる工事を完了したばかりの講堂に足を踏み入れる。我々男子部35回生は昨年、この新年総会で、しかし場所は自由学園の講堂で還暦を祝ってもらった。今年は36回生が壇上に並ぶ。お祝いの言葉は37回生のイノウエタダス君。本日ここに来ることのできた20名ひとりひとりに対して在学中の想い出を語った、そのスピーチが良かった。
35回生の新年会の場所は、同級生のノリマツヒサト君が予約をしてくれていた。明日館から北口まで数百メートルを歩き、ビルの階段を降りる。座敷に入ると、都合により総会には参加をしなかったニシタニサダアキ君が、ひとりで静かに待っていた。やがて次々に見知った顔が集まり、今年のクラス会について、その次期と方法について話し合う。
ウチは平日よりも週末の方がよほど忙しく、また東京には既にして1泊をしている。よって20時にひとり席を立ち、駅へと向かう。
池袋から山手線の外回りに乗る。読んでいた本から目を上げると田端だった。次に気づくと駅は日暮里だった。「よし、次の西日暮里で乗り換えだ」と、本をザックに仕舞う。しかし次の駅は、案に相違して鶯谷だった。日暮里と西日暮里の位置を勘違いしていたのだ。一度は西日暮里まで戻ることを考える。しかし「ここまで来てしまったなら」と、上野経由で浅草に行くことを決める。
そうして浅草21:00発の下り特急スペーシアに乗り、23時前に帰宅する。
朝飯 「大戸屋」の焼き魚定食
昼飯 「ドトール」のコーヒー
晩飯 「鞍」のあれや、これや、それや、「二階堂酒造」の麦焼酎「二階堂」(お湯割り)
2018.1.12(金) 冬の日
地下鉄千代田線を表参道で降りて地上に出る。時刻は12時40分。冬の日が照らし出す景色は、まるで夕刻のそれだった。今日の仕事は13時に始まる。昼食を摂るか否かについて、すこし迷う。そして結局は、それほど重くないものを途中の喫茶店で素早く腹に入れ、即、歩き出す。
デザイン事務所の、オートロックのスライドドアを通り抜けてふと振り向くと、長男、そして先月2日に下調べのためウチまで来てくれたフジムラさんの姿が見えた。よって閉まりかけたドアに手をかざして今いちど開け、彼らと共にエレベータで上階に上がる。
どこかからオルゴールが聞こえてきて、時刻が17時になったことを知る。空はいまだ、青さを留めている。しかし次に窓の外に目を遣ると、そこには完璧な夜があった。
表参道の駅から長男は千代田線、フジムラさんは半蔵門線、僕は銀座線と、それぞれ異なる方面への地下鉄に乗る。そして僕は新橋にて、その地下鉄を降りる。
金曜日の夜とはいえ、街に人はそれほど多くない。街が通常の賑やかさを取り戻すのは、東京では啓蟄、田舎では春分が、ひとつの区切りになるような気がする。
朝飯 納豆、小松菜のソテー、焼きトマトを添えた目玉焼き、田作り、すぐき、たまり漬「おばあちゃんのホロホロふりかけ」、メシ、豆腐と長葱の味噌汁
昼飯 「上島珈琲店」のクロックムッシュ、コーヒー
晩飯 “pero”のあれや、これや、それや、”Mantel Blanco Rueda Sauvignon 2016″
2018.1.11(木) 水神祭
ウチの蔵には、いつ建立されたとも知れない石碑により、水神が祀ってある。
1970年代の後半に日光宇都宮道路が開通し、その今市インターチェンジへは、街の中心からバイパスが延ばされた。そのバイパスの工事により、ウチの敷地は2ブロックに亘って南北に長く削られた。それに伴ってウチの、隠居を除くすべての建物は一新された。
水神の碑は、新しい蔵に、場所をすこし移してふたたび置かれた。毎年末、それは水で丁寧に洗われる。正月には鏡餅が飾られ、雑煮が饌えられる。また、1年を通じては水と榊が絶やさず饌えられて現在に至っている。
「みずのと」の今日は総鎮守・瀧尾神社からタナカノリフミ宮司を迎え、水神祭を催す。すべての食べ物は、先ずもって、清らかな水を必要とする。上澤梅太郎商店は今後も温故知新を旨とし、より一層の、優れた商品を作り続けていきたい。
朝飯 揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、納豆、スクランブルドエッグ、生のトマト、白菜漬け、すぐき、メシ、揚げ湯波と三つ葉の味噌汁
昼飯 サンドイッチ、コーヒー
晩飯 ニース風サラダ、2種のパン、鶏とマッシュルームのクリーム煮、“Petit Chablis Billaud Simon 2015”、いちご
2018.1.10(水) 検索と小計
昨年1月から12月までの小遣い帳に「ラーメン」という語句で検索をかけ、それを店名で小計して、店ごとの訪問回数を出してみた。
ざる担々麺の美味い「ユタの店」に1度しか行っていないのは不思議だ。ここに現れない分については、家内におごってもらったのかも知れない。「フジヤ」は仲間うちでの食事でも、2度ほど使った記憶がある。しかしその分は多分、ここには記帳されていない。「とりや」のラーメン3杯で1,200円とは、どこかに記帳ミスがあったのだろう。
意外だったのは、東京でのラーメンが1杯のみ、というところだ。狐につままれた気持ちもするけれど、この日記を昨年の1月まで遡って検証する気力は無い。ラーメンは大抵、昼に食べる。出先では食後にゆっくり休む場所が確保できないため、腹の膨れるラーメンは避ける傾向があるのかも知れない。夜の飲酒の後のラーメンは、体のことを考えれば、さすがに食べる気はしない。
さて、ここに家で食べたそれも加えれば、僕は年間にかなりのラーメンを食べている。太らない体質に感謝をするばかりだ。
朝飯 ほうれん草のソテー、納豆、トマトのソテーを添えた目玉焼き、すぐき、たまり漬「おばあちゃんのホロホロふりかけ」、メシ、豆腐と長葱の味噌汁
昼飯 「大貫屋」のチャーハン
晩飯 カレー南蛮鍋、すぐき、お多福豆、「軸屋酒造」の芋焼酎”Rin precious”(お湯割り)
2018.1.9(火) 冬時間
社員の労働時間を減じるため、2016年より、成人の日の翌日から春分の日の直前の金曜日までは、18時の閉店を17時に繰り上げることとした。
国道121号線を挟んで向かい側の駐車場には、暗くなると明かりの点く看板がある。その電源ボックスには、毎日、関東地方の日没から18時までのあいだに照明が点灯するよう、特殊なタイマーが仕組まれている。日没の時間は毎日、変わる。それをタイマーが、どのように制御しているかは知らない。とにかく今日からの営業時間の短縮に伴って、その照明の電源を元から切る。
国道121号線の手前、つまり店側の看板にも照明がほどこされている。こちらのタイマーは旧式の単純なもので、設定された時間内で、且つ周囲が暗くなると点灯する。こちらについては、きのうまでの16:15から18:00までの設定を、16:15から17:00までに変える。
18時の閉店が17時に繰り上げられただけで、とても大きな余裕が心に生じることを、2016年のこの時期に知った。そしてウチでは本日より、夕食の時間が30分だけ早められた。これにともなって入浴や就寝の時間も、僕に限っては早くする。
朝飯 納豆、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、白菜漬け、たまり漬「おばあちゃんのホロホロふりかけ」、メシ、豆腐と三つ葉の味噌汁
昼飯 「ふじや」の雷ラーメン
晩飯 2種のパン、生ハムのムース、マッシュドポテト、ほうれん草のピュレ、トマトのソテーを添えた鯛のバター焼き、“Petit Chablis Billaud Simon 2015”、イチゴと煮リンゴを添えたバームクーヘン、”Chabot XO”(生)
2018.1.8(月) 成人の日
むかし、成人の日は1月15日だった。今年は8日の今日がその日にあたる。いつから、どのような理由によりそうなったのかと、先ずはgoogleに「成人の日」と打ち込み、それにより現れたページを流し読みしたのち、次は同じくgoogleに「ハッピーマンデー制度」と打ち込んで、あらかたのところを理解する。
「むかし」と書けばいささか正確さを欠くものの、とにかくむかしは1月15日の成人の日までは街に正月の風情が残っていた。今はせいぜい年明けから1週間、あるいは1月の第2月曜日と改められた成人の日を過ぎると、世間は早くも日常に戻る。そして以降は延々、春分の日まで冬の日々が続くのだ。
その節目となる本日は終業後に社員と街の焼き肉屋に集まって、会社の新年会を開く。途中、酔った頭でホルモンを大量に注文してしまい、一時はどうなることかと心配になったものの、そのすべては参加者の胃袋に収まって、胸をなで下ろす。
朝飯 温泉玉子、納豆、汲み上げ湯波、トマトのサラダ、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、ごぼうのたまり漬、白菜漬け、メシ、揚げ湯波と長葱の味噌汁
昼飯 焼き餅(溶かしバター、たまり漬「おばあちゃんのホロホロふりかけ」、「日光味噌のたまり浅漬けの素・朝露」)
晩飯 「板門店」のあれや、これや、それや、他あれこれ、焼酎「眞露」(オンザロックス)
2018.1.7(日) 町内の新年会
正月の賑わいが感じられるのは、この週末が最後になるだろう。よって普段は身につけない半纏を着て店に立つ。半纏は、大正期のそれを元に町内の岩本染張店で十数年前に復刻をしたもので、木綿とはいえ分厚い生地を奢っているため、普段の服に重ねると、隨分と暖かい。
閉店40分前の17時20分に日光街道を徒歩でさかのぼり、春日町1丁目の公民館へ行く。そして集まった役員たちと長机を並べ、座布団を敷き、新年会の場を調える。
この新年会には、地区委員長から回覧板を受け取り、それを向こう三軒両隣に回したり、あるいは地区委員長や自治会長と連絡を交わす組長の、1年の労をねぎらう意味が強い。しかしここ数年は、その組長の出席率が極端に落ちた。
「夜の開催では寒いだろうから、昼に開いてみよう」とか「気分が日常に戻る前の、年明けからいくらも経たない日に開いてみよう」などと考え、試行を重ねてきたものの、出席率は元に戻らない。本日、17名の組長うち、出席をしたのは4名のみだった。
事ここに至れば、町内の予算を節約するためにも、この新年会は止めてしまうのも一案かも知れない。
朝飯 納豆、スクランブルドエッグ、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、トマトのサラダ、肉味噌、ごぼうのたまり漬、白菜漬け、メシ、揚げ湯波と三つ葉の味噌汁
昼飯 うどん
晩飯 スーパーマーケット「かましん」の刺身、同オードブル、同鮨、お祭に上がった日本酒(燗)
2018.1.6(土) 天国
本日、朝一番で店に入ってきたのは、若い白人の男性だった。地方発送を申し込むためのカウンターでパンフレットを眺めているため「どちらかにお送りですか」と訊くと「はい」と答える。店から事務室の裏を経て蔵へ延びる通路に折良く長男の姿が見えたため、呼んで後を任せる。
しばらくして事務室からガラス越しに店を見ると、その男性の姿は消えていた。長男によれば、男性はウチを食堂と勘違いしていたとのことだった。
そのまま店にいると、先ほどの男性が、今度はコカコーラの、飲みさしのボトルを握ってふたたび入ってきた。そこでまた声をかける。
「朝食の場所を探していたんですってね」
「えぇ」
「大きな街ではないので、ファミリーレストランくらいしか開いてないかなぁ」
「それは、どのあたりですか」
「近くないですよ」
と、ここまで会話を続けると、またまた長男が近くを通りかかったので、またまた長男に後を任せる。
男性は道の駅「日光街道ニコニコ本陣」ちかくの玉藻小路にある「いまいちやど」の宿泊客だった。そうであれば、ウチまで来るあいだに当然、セブンイレブンは目についただろう。「モスバーガーなら営業しているかも知れない」と長男が教えると、コンビニエンスストアでもなく、またハンバーガーショップでもなく、どうやら普通の食堂で日本風の食事がしたいらしい。とすれば、朝の8時台から営業をしている店は、このあたりには皆無だ。
ウチはキッチハイクを通じてひと月に1度、朝食の会を催している。しかしそれは完全予約制で、今月は28日の開催である。
白人男性は、これからどちらへ向かおうとしているのだろう。たまたま駅前食堂のある街に降り立ったなら、そこが彼にとっての天国になるかも知れない。
朝飯 揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、納豆、ベーコンエッグ、白菜漬け、ごぼうのたまり漬、メシ、三つ葉の味噌汁
昼飯 うどん
晩飯 汲み上げ湯波、キスとサヨリの酢締め、黒豆、ちらし鮨、「梅乃宿酒造」の「奈良流五段仕込露葉風純米吟醸」(冷や)








































