2022.8.9(火) 奇貨として
2時26分の目覚め、2時30分の起床を奇貨としたい。仏壇を掃除する持ち時間は充分である。もっとも掃除は、外が明るくなってからの方がしやすい。よって先ずは既にして完成しているおとといの日記を公開する。続いてきのうの日記を書く。更には今日の日記のここまでを書く。
5時30分より仏壇の掃除に取りかかる。中のもの、すなわち位牌や線香立てや菓子のための高台、また数時間前に供えたお茶や水などすべてを外へ出す。がらんどうになった内側を、水を固く絞った布巾で拭く。外へ出したものは小さなアクリルのハタキで埃を払う。仏壇の前に置いた半畳の畳はこれを横へ避けて拭き、畳の下になっていた床も、また拭く。線香立ては網とボウルと共に玄関前まで運び、灰をふるいにかける。
6時15分に汗に気づいてシャツを脱ぐ。僕は暑さを好むものの、汗をかくことは好まない。空になった線香立ては水で洗い、広げた新聞紙に伏せる。時刻は6時22分。今朝の味噌汁の具は何にしようかと考える。
朝飯 揚げ湯波と蕪の葉の炒り煮を薬味にした納豆、茄子の揚げびたし、大根おろしを添えたアブ揚げ豆腐の網焼き、温泉玉子、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、胡瓜のぬか漬け、メシ、若布と大根の味噌汁
昼飯 「食堂ニジコ」の冷やし中華
晩飯 炒り豆腐、茄子の塩漬け、冷やしトマト、めかぶの酢の物、カツ煮、麦焼酎「こいむぎやわらか」(ソーダ割り)、桃のコンポートとアイスクリームの盛り合わせ、Old Parr(生)
2022.8.8(月) 盆ちかし
「あのー、食事どころの駐車場はー」と、開店早々にご来店のお客様が、背後の駐車場を振り向きながらおっしゃる。「ご予約のお客様でいらっしゃいますか」とうかがうと、予約はなさっていらっしゃらないとのことだった。きのうは朝からオーダーストップの時間まで満席だった。今朝のお客様は幸運でいらっしゃる。「汁飯香の店 隠居うわさわ」の駐車場は別にあるものの、朝のうちは店も空いているため、お車は今のままで大丈夫と、お伝えをする。
「汁飯香の店 隠居うわさわ」は、築推定150年の伝統家屋に、わずか5客のテーブルを置いた朝食専門店だ。ご来店をご希望のお客様は、からなず事前に上澤梅太郎商店まで電話(0288-21-0002)でご連絡ください。ぐるなびからも、ご予約は可能です。
何かの用事で席を外し、事務室に戻ると日光市小百の八木澤ファームからお米「ゆうだい21」が2袋つまり60キロ届いていた。よってこれを台車に乗せ、1袋は冷蔵庫へ格納、もう1袋は隠居の厨房に届ける。「汁飯香の店 隠居うわさわ」は土日月の週に3日の営業だが、お盆のあいだは11日の木曜日から15日の月曜日まで通しで開く。ただしメニュはカレーライス一択。とはいえその内容は「隠居ならでは」のものだから、お客様には楽しみにしていただきたい。
お盆にはまた、たまり漬や肉や野菜を使ったインドシナ風のホットドッグを、1日100本限定でお売りする。「忙しくなってくるなー」である。僕はせいぜい、各部署の助けをしようと思う。
朝飯 焼き鮭、ピーマンの網焼き、納豆、蛍烏賊の沖漬け、胡瓜のぬか漬け、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と茗荷の味噌汁
昼飯 素麺
晩飯 鶏笹身肉とトマトとレタスのサラダ、刺身湯波、茄子の揚げびたし、蕪と胡瓜のぬか漬け、薩摩芋のレモン煮、「山本酒造店」の「アイスブルー純米大吟醸」(冷や)、桃のコンポートとアイスクリームの盛り合わせ
2022.8.7(日) 午前、午後
昨秋に亡くなった叔父の、今日は初盆が執り行われる。それに先だって、朝、そのお墓を掃除する。仕事の合間を縫っての掃除にて、隅から隅まで、とはいかなかった。僕は物忘れが激しい。よってiPhoneには9時45分にアラームを設定した。そしてその音の鳴ったところで席を立ち、如来寺へ向かう。
如来寺は道の駅「日光街道ニコニコ本陣」の至近にある。道の駅では花も線香も売っている。それを知っていれば、地元に住む以外の人も、ほぼ手ぶらで墓参りができる。従姉妹とその子供が供えた花は、秋を感じさせる地味な色合いながら、丈の高い立派なものだった。
法事は20分ほどで完了した。僕はお寺にはクルマで行った。そのホンダフィットに3人を乗せて店に戻る。そこから「汁飯香の店 隠居うわさわ」に案内をする。池水に架かった石の橋を見て「そうそう、これ」と従姉妹は喜んだ。子供のころに東京から来ると、我々は隠居の庭で散々、遊んだものだ。
午後はこの秋にお客様へお届けするご案内の、お送り先を特定する。
朝飯 トマトサラダ、焼き鮭、冷や奴、納豆、胡瓜のぬか漬け、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布とパプリカの味噌汁
昼飯 納豆のつゆの素麺
晩飯 めかぶの酢の物、ジーマミー豆腐、冷やしトマト、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、空心菜炒め、蒸し焼売、焼き餃子、麦焼酎「こいむぎやわらか」(ソーダ割り)、葛餅
2022.8.6(土) 2度目の麺つゆ
先月25日の早朝に作った麺つゆは、まるで東京の藪系蕎麦屋のそれのように塩辛かった。それがようよう底を突いた。よって次の1リットルには新たな製法、新たな調合比を用いるべく、きのうメモに残した。
早朝、そのメモを調理台に置く。干し椎茸によるだしは昨夜から準備をしておいた。かえしには砂糖が含まれているものの、今朝は更に、15ccのスプーンに2杯のそれを足した。同量の酒も足した。かえしは前回から50ccを減らした。
「味見をしながらあれこれの調味料を微量ずつ加えていく。そうすれば理想の味が実現する」と家内は言う。しかし「微量ずつ加えていく」では、明確なレシピは残せない。もうひとつ、僕は一発勝負を好む。そうしてできあがった2回目の1リットルは、冷ましてから冷蔵庫に格納した。
昼、そのつゆで素麺を食べてみた。いまだ塩辛い。甘さも足りない。この1リットルは、せいぜい素麺を食べ、できるだけ早く使い切り、次の1リットルを作ることにしよう。
ところでここ数日は涼しい日が続いている。明日は立秋である。素麺に似合いの暑さが戻ってくれることを、僕は祈って止まない。秋は好きでないのだ。
朝飯 納豆、生玉子、めかぶの酢の物、唐辛子の炒りつけ、胡瓜のぬか漬け、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ湯波とパプリカの味噌汁
昼飯 茄子と乳茸のつゆによる素麺
晩飯 「京都蒸留所」の「季の美」(ソーダ割り)、ベビーリーフを添えたベーコンエッグ、ニンニクと唐辛子のスパゲティ、2種のパン、Chablis Billaud Simon 2015
2022.8.5(金) 造反有理…ではなくて
目を覚まして枕の下からiPhoneを取りだし、ローマ字の”d”あるいは八分音符に似たTikTokのアイコンをタップする。「梅太郎」のアカウントへアクセスすると、いわゆる「アンチ」のコメントが真っ先に目についた。そのことにより「今回の動画はイケたな」と確信する。
「アンチ」とは「けなし」や「嘲笑」をSNS上に送りつけてくる人を指す。「アンチ」の来訪は、動画の再生数が異常に上がっていることを示している。むかしの桂三枝、今の文枝ではないけれど「いらっしゃーい」である。
「梅太郎」のTikTokは、普段は朝食を食べるだけのものだ。それに加えて先月の17日からは、おかずを準備して味噌汁を作り、それを食べるまでを「10分で準備できる頑張らなくても美味しい朝食」と題して週に1度ずつ上げてきた。今回のそれは、ウェブ上に上げてから数時間で再生数が15万回を越えている。ここ数ヶ月間の「梅太郎」では滅多にない数字である。
ところで、実店舗やウェブショップで商品が売れに売れている思われる人の動画が、このところTikTokに目立ちはじめた。商売同様、かなりの再生数やフォロワーを集めていると思いきや、意外や苦戦をしている。中には凝りに凝って作り込んでいる動画もあるものの、立ち止まる人の少なさや反応の薄さの原因は何だろう。それを詳しい人に訊ねると、以下の答えが戻った。
1.発信者が急増してからの参入では、再生数やフォロワーの積み上げは難しい。
2.従来型のお役立ち情報や商品紹介は、今やバズりにくい。
一方「梅太郎」については、以下のように分析してくれた。
1.先行有利。
2.右脳に訴える簡潔さ。
3.公開頻度の時間的規則性。
4.継続による動画の蓄積。
僕は何が何やら分からないが、現在の状況が好調なのであれば、このまま続けて行こう。もうひとつ、それを維持しながら様々な様式を試していくことも肝要である。
今回の「10分で準備できる頑張らなくても美味しい朝食」の再生数は、夕刻には30万回に迫ろうとしている。2週間前は35,900だったフォロワーが、今日は37,800に達した。多いに有り難い。
朝飯 茄子の揚げびたし、トマトとキウイのサラダ、菠薐草と海苔のナムル風、納豆、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、メシ、揚げ湯波と万能葱の味噌汁
昼飯 「ふじや」の雷ラーメン
晩飯 「京都蒸留所」の「季の美」(ソーダ割り)、トマトとレタスとモッツァレラチーズのサラダ、2種のパン、ズッキーニとパプリカのソテーを添えたポークソテーバターレモンソース、Chablis Billaud Simon 2015
2022.8.4(木) 雨の目安
同級生が教師に叱られた話だから、個人の名は出さずにおく。気象の係をしていたその友人があるとき、前日の雨量を理科の教師に訊ねられた。「200ミリです」と答えたところ、教師は激高にちかい怒りを顕わにした。「そんなに降ったら街が流されちまう」と、教師は口角に泡を溜めた。傍観していた僕は、ひとつ利口になった。「1日に200ミリの雨は、街を流すほどの量」という知識を得たのだ。
夕刻のニュースによれば、新潟県岩船郡関川村のアメダスは、1時間で149ミリ、12時間で500ミリちかくの雨量を記録したという。山形県でも石川県でも、気象庁の職員が驚くほどの雨が降っている。「街が流されちまう」どころの騒ぎではない。50年に1度、100年に1度、観測史上最多、という量の雨が、ここ数年は常態化してしまった。
らっきょうの出来は、栃木県産は平年並み。宮崎県産は歴史的不作。昨月の日記にも書いたことだが、茗荷は収穫期に大雨が降れば、一瞬で不作になり価格は高騰する。生姜は雨を好むと言われているものの、過ぎたるは及ばざるが如しだ。
夜、冷蔵庫の片隅にあった、使いかけの生姜をすり下ろす。長雨や豪雨に見舞われなかった畑の生姜である。それを他の夏野菜と共に、素麺の薬味とする。
朝飯 菠薐草のソテーを添えたベーコンエッグ、茄子の揚げびたし、納豆、甘唐辛子の炒りつけ、胡瓜のぬか漬け、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ湯波と大根とズッキーニの味噌汁
昼飯 鶏そぼろのつゆの冷や素麺
晩飯 「京都蒸留所」の「季の美」(ソーダ割り)、柴漬け、茄子と獅子唐の素揚げ、薬味たっぷりの冷や素麺、麦焼酎「こいむぎやわらか」(ソーダ割り)
2022.8.3(水) 美味さを邪魔するもの
今朝、艶やかな茄子を予期せず大量にいただいた。僕は野菜を好む。野菜の中では特に、夏のものが好きだ。味や香りはもちろんのこと、そこに夏の気のようなものが充満している印象も、また「特に好き」に関係しているかも知れない。
トマト、胡瓜、茄子、ピーマン、茗荷などは、僕が子供のころは夏にしか食べられなかった。オクラは、1960年代の中ごろにはいまだ珍しく、どこにでもある、というものではなかった。
とにかく大量の茄子である。そして冷蔵庫には獅子唐もたっぷりある。よって今夜のおかずは茄子と獅子唐の素揚げあたりではないかと予想をしていた。ところが家内からは、今夜のおかずはステーキと伝えられた。意外に感じたけれど、とにかく午前のうちに知れて良かった。
僕の持つ赤ワインは古色蒼然としたものばかりだ。寝かせた瓶の下側には澱が溜まっている。その澱を、瓶を立てて底に沈めないと、飲むことができない。今日の持ち時間は充分である。
終業後、ワイン蔵の外に立てておいたその瓶を静かに持って食堂に入る。そしてその栓を抜いてから、シャワーを浴びるべく風呂場へ行く。
夏の夕食は、半裸体で食べると、余計に美味い。嘘と思うなら、とりあえず腕時計や指輪だけでも外してみてはどうか。僕の言うことの半分は理解できるに違いない。
朝飯 唐辛子の炒りつけ、ウインナーソーセージと小松菜のソテー、茄子の揚げびたし、トマトとキウイのサラダ、胡瓜のぬか漬け、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、トマトと若布と揚げ湯波の味噌汁
昼飯 茄子と乳茸と納豆のつゆによる素麺
晩飯 トマトとレタスとチーズのサラダ、TIO PEPE、ズッキーニと茄子のソテーを添えたビーフステーキ、CHATEAU BARATEAU 1993、桃
2022.8.2(火) 星降る夜に
きうのの写真スタジオは「浅草の寺院群の中に、よくもまぁ、こんなクールな場所があったものだ」と僕を驚かせた。小さなビルにもかかわらず、入口はオートロックだった。2階で停まったエレベータの扉が開くと、そこはもう、コンクリートを打ち放したスタジオだった。
その矩形の空間には、仕事の邪魔にならないほどの音量で音楽が流れていた。内容は日本の歌モノだった。「有線ですか」とのデザイナーの問いに「私が集めたものです」とカメラマンは答えた。僕の、音楽に対する知識は極端に乏しい。日本のバンドでいえば、ビーズもザードもグレイもグローブも何が何やら分からない。
ミックスナッツとドライフルーツのたまり漬に、カメラマンは7、8客の器から、僕が持参した宋胡録のカケラと朝鮮の小皿を選んだ。商品の撮影は、順調に進みつつあった。
部屋のどこにあるのか分からないスピーカーから、いきなり、がなり立てるような声が放たれはじめた。ヤケのヤンパチのような、ぶっきらぼうな歌いよう。リズムはスカ。
「これ、誰ですか」
「コーモトヒロトです」
「バックはスカパラですか」
「そうです」
小さなガラスのピアスを耳たぶに通し、ツバの真っ平らなキャップをかぶったデザイナーは、このあたりの歌には詳しくているらしかった。
滅茶苦茶なのにカッコイイとは、ずるいではないか。シド・ヴィシャスのマイ・ウェイとおなじ種類の、それはかっこよさだった。
一夜が明けて今朝、否、いまだ夜は明けていない、とにかく「甲本ヒロト スカパラ」と検索エンジンに入れてみた。youtubeに現れたのは「星降る夜は」という曲だった。「滅茶苦茶なのにカッコイイとは、ずるいではないか」と、また思った。
「それにしても」と一旦、立ち止まる。「星の降る夜なんて、経験したこと、ねぇな。雨の降る夜のことは、いくつも覚えているけど」と、ふたたび頭を動かし始める。PCから流れ出る音は、朝にふさわしくなく、とても、大きい。
朝飯 スクランブルドエッグ、菠薐草と海苔のナムル風、茄子の揚げびたし、納豆、胡瓜のぬか漬け、ごぼうのたまり漬、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、メシ、若布とパプリカの味噌汁
昼飯 茄子と乳茸のつゆによる素麺
晩飯 「京都蒸留所」の「季の美」(ソーダ割り)、トマトとレタスのサラダ、2種のパン、ポテトとマッシュルームとソーセージのソテー、2種のチーズ、ババロアのブルーベリーソース、Chablis Billaud Simon 2015
2022.8.1(月) 夕刻までは
四季の中でもっとも好きな季節は夏だ。理由を数え上げればキリが無い。身軽に動ける、ということも、そのひとつだ。今日の仕事は服装を問題としない。よって履き物はゴム草履にした。
指定されたスタジオには9時20分に着いた。商品撮影の立ち会い、という仕事が僕は好きだ。デザイナーやカメラマンは、いろいろなことを考えている。しかし僕はほとんど、撮影される商品を注視するのみだ。するとスタジオの広さにかかわらず、そのうち僕は、小さな箱に閉じ込められた気分になってくる。閉所でひとつのことに集中している、という状態が、僕はことのほか好きだ。江戸川乱歩の小説で、幻灯機の中に閉じ込められてしまった男の話がなかったか。
商品撮影は大抵、香盤の通りには進まない。つまりいつ終わるかが正確には分からない。だからその後の予定も立てづらい。今日の撮影は、意外や12時05分に完了した。いまいる場所は上野と浅草のあいだに広がる寺院群の中。夕刻までは何をして過ごすべきかと、しばし考える。
朝飯 焼き鮭、煮卵、納豆、唐辛子の炒りつけ、柴漬け、ごぼうのたまり漬、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、キャベツと若布の味噌汁
昼飯 「ドトールコーヒーショップ」のトースト、アイスロイヤルミルクティー
晩飯 「尾張屋」の2種のお通し、穴子の煮こごり、鯨ベーコン、おでんあれこれ、「立山酒造」の本醸造酒(冷や)、燗酒
2022.7.31(日) いささかの寂寥
きのうは20時すぎに就寝した。目を覚まして時刻を確かめると、いまだ日の改まらない23時38分だった。輾転反側して2時間あまり。眠気は遂に訪れない。仕方なく起床して仏壇に花と水と線香を供え、日記に取りかかる。
日記は現在、5日分の在庫がある。そのうちの、既に完成しているおとといの日記を公開する。次に、文章のみ書けているきのうの日記に画像を加えて完成させる。本日、仕事上でし忘れては困ることをメモに残す。きのう隠居で撮った、SNSに使えそうな画像を専用のフォルダに移す。未知の人によるふたつのウェブログを巡回すると時刻は3時20分。かすかに、ではあるものの、眠気を感じたことを幸いとして寝室へ戻る。
気づくと外が明るくなっている。時刻は5時38分。これで今日も、充分な睡眠を以て仕事ができる。
昼食は前日に続いて、茄子と乳茸のつゆによる素麺。
笠の裏や軸から白い粘液をしたたらせることにより「乳茸」と呼ばれるキノコは、全国的には食べらていないと思う。食感の悪さから、関東北部でも、むかしは山で蹴飛ばされていたというはなしは本当だろうか。
乳茸はもっぱら、茄子と炒りつけたり、麺類のだしに使ったりする。夏の味である。もっとも夏も、中盤に差しかからなければ出ない。つまりこれを味わうころには、夏も峠を越えようとしている、ということだ。いささかの寂寥を覚えないわけにはいかない。
朝飯 トマトのサラダ、納豆、冷や奴、唐辛子の炒りつけ、柴漬け、ごぼうのたまり漬、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、炒め茄子の味噌汁
昼飯 茄子と乳茸のつゆによる素麺
晩飯 Moët & Chandon Brut Impérial、パン其の一とトマトとオリーブのサラダ、パン其の二、「東京ぱすた日和」の「上澤梅太郎商店のなめことしその実の和風ソース」に納豆を加えたスパゲティ、桃、Chablis Billaud Simon 2015