2023.6.22(木) 第3木曜日
今日は例外的に、きのうに引き続いて休みとした。きのうは店は休みでも、会社の中ではすべての部署が動いていた。今日もほぼすべての社員が出社をした。しかし今日は遊びと勉強を兼ねた研修の1日である。
段取りは数ヶ月前より長男が行ってきた。バスは8時30分に来た。出発は9時5分。
日光の二社一寺の中で特に有名なのは東照宮で、ここだけを観て帰ってしまう人も多いことと思う。一方、我々はお客様より種々のご質問をお受けすることがあり、地元についての知識を涵養することは必須である。そういう次第にて今日の見学は輪王寺より始めることとした。案内をしてくれるのは江戸時代からの歴史を誇る公式ガイド組合「殿堂案内組合」通称堂者引きのナカヤマさん。
そのナカヤマさんから発せられた一言一句を逐一ここに書いていけば日記はいつまでも終わらない。第一、そのすべてを覚えていられるわけもない。とにかく輪王寺の本堂は東日本最大の木造建築であり、そこに収められている右から千手観音、阿弥陀如来、馬頭観音の、金箔に覆われた巨大さには驚きを禁じ得ない。回廊から見る金谷ホテルの山には雲がかかっていた。
社員は地元に育った者ではあっても東照宮の、眠り猫の彫刻の下をくぐって200段を超える石段の先、奥社宝塔を見た者は少ない。今回は全員がそこまで登ることができて良かった。なお東照宮に用いられている石の多くが現在の日光市長畑で採集されたものとは、今日、ナカヤマさんに教えられて初めて知ったことだ。
東照宮から二荒山神社へ至る上新道には、1965年、東照宮三百五十年祭の際に上澤梅太郎が寄進した灯籠がある。僕でさえ目にするのは数十年ぶりになるこれを社員たちと確認してバスに戻る。
バスは雲の中のいろは坂をゆっくりと上っていく。その終点の左手には2020年夏に開業したザ・リッツ・カールトン日光がある。昼食は、その和食レストランでいただいた。窓の外には中善寺湖畔の緑。雨もまた良し、である。
食後は標高にして800メートルを一気に下って会社には16時着。解散後は製造の男子社員のみ蔵に入って明日の準備。今日の経験を、より良いもの作り、会社作りに生かしていきたい。
朝飯 ズッキーニのソテー、紅白なます、納豆、ミズの甘辛煮、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ湯波と茗荷の味噌汁
昼飯 「ザ・リッツ・カールトン日光」の昼食膳其の一、其の二、甘味、「小林酒造」の「鳳凰美田NIKKO純米吟醸」(燗)
晩飯 ブロッコリーとポテトのサラダ、茗荷の酢漬け、生のトマト、大根おろしを添えたハンバーグステーキ、「大納川」の「天花純米大吟醸」(燗)
2023.6.21(水) 第3水曜日
2000年5月22日より続けてきた「ほぼ年中無休」にひと区切りをつけ、今年の1月からは月に1度の休みを持つことにした。定休日は原則として第3水曜日と定めた。6月のその日つまり今日は店舗の、数十年ほども使い続けた空気調整器の交換が行われる。
店は休みでも社員はほぼ全員が出社をする。全社員が出てきて何をするかといえば、それは月により様々に変わる。今日は、販売係は午前は店の品物の棚卸し、午後は今後に向けた話し合い。事務係、製造係、包装係は通常の業務に当たる。
店が休みのに日には道の駅「日光街道ニコニコ本陣」の売場の商品が通常よりも多く売れる。そのため僕は朝のうちに、その売場と奥の冷蔵庫の在庫を充実させる。包装係は更に、普段より多くの商品を準備する。
開店前の道の駅から日光街道を遡上して春日町の交差点まで来ると、空気調整器にかかわる車両や人たちが駐車場に集まり始めていた。
あれこれの仕事により昼の自由時間は10分間しかなく、僕としては非常に珍しいことながら、昼食を抜く。「100が満たされなければゼロの方がマシ」という考えが僕にはある。そのような考えや行動は慎んだ方が良いことも、僕は知っている。「分かっちゃいるけど」である。
午後に試運転を始めた空気調整器は、恐ろしいほどの効き方をした。販売係と店にいた僕は、試運転が終わると同時に、工事の人に電源を落としてもらった。新しい機械は他の多くの家電製品と同じくむかしのものより性能は良く、手入れはしやすく、そして作りは華奢になっていた。
6月は例外的に、明日の第3木曜日も店は休む。天気の気になるところだが、こればかりは明日になってみなければ分からない。
朝飯 牛肉のすき焼き風、ほぐし塩鮭、納豆、ミズの甘辛煮、大根のなますの梅肉和え、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、若布とレタスの味噌汁
晩飯 「食堂ニジコ」の酒肴あれや、これや、他あれこれ、4種の日本酒(冷や)
2023.6.20(火) 人間ドック経験記
おなじ日光市でも、ちかごろ鬼怒川温泉の手前から森友地区に移転した獨協医科大学日光医療センターには、今月の6日に人間ドックの申込みをした。通常の日帰りコースの、バリウムによる胃部X線検査を胃内視鏡検査に変更し、そこに血液腫瘍マーカー検査を加えた料金は、基本のそれに12,900円を増した58,900円と知らされていた。
2018年秋に受けた白内障の手術は、花鳥風月をできるだけ長く肉眼で愛でるため。半年ごとの歯科検診は、美味いものをできるだけ長く自分の歯で味わうため。現在は月に1度の頻度で伊豆に通う膝の治療は、できるだけ長く健脚を維持するため。そして今回の人間ドックは、もしも自分に重病があった場合には、残された月日のあいだにできるだけ多く遊ぶため。つまり僕の努める健康維持はすべて、遊びのため、である。
健診部の扉は9時ちょうどに開いた。そこではじめて、その手前に置かれ、自由に取ることのできる番号札が検査の順番になることを知る。僕の番号札は11番。それは今日の受検者の最後尾でもあった。
共に検査を受けた11名のうち、胃内視鏡検査の場所へ進むべきは2名のみ。順番待ちには小一時間を要したものの、僕は日の差す真新しい待合室に新聞と本を持ち込んでいたから、どうということもない。この、いわゆる胃カメラの検査を終えて手渡された「経鼻内視鏡検査を受けた患者様へ」と題された紙には「貴方の飲水・食事開始時間は13時00分です」とあった。この紙と、ひとつひとつの検査を経るたび紙片の増えたバインダーを手に健診部の受付に戻る。
先ほどの待合室に弁当が届けられたのは13時ちょうどだった。そこにいる受検者はなぜか僕ひとり。弁当のフタを取りながら「いいねぇ」と、思わず声が漏れる。食べ始めると、ヤケに美味い。弁当の出来が良いことに加えて朝食を抜いていることが、その理由だろう。
弁当は13時25分に食べ終えた。健診部のオネーサンに確かめると、弁当は1階のレストランからの仕出しだという。そうして支払いを済ませて13時50分に帰社する。
昼飯 「獨協医科大学日光医療センター」の弁当
晩飯 カレーライス、刻みゆで玉子、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、Smilnoff Vodoca No.21(ソーダ割り)、パイナップル
2023.6.19(月) それが分かっていながら
平日より店の忙しくなることを理由として、週末の朝は、より張り切る気持ちが強くなると、きのうの日記に書いた。ところが今朝になってみれば、今朝は今朝で、何となく嬉しい。その嬉しさは、この1週間の売上金を自社の銀行口座に入れること、また釣銭のための千円札を種銭から両替することのふたつから発生している。
釣銭を作ることが、なぜ嬉しさの元になるかといえば、釣銭は売上金を得るための道具のひとつと、無意識のうちに認識しているからかも知れない。
午前に僕宛の荷物が届く。孫のシンとカコのための汁椀が、箱には丁寧に収められていた。初孫のリコに買ってやった朱塗りとおなじユニバーサルデザインだが、今回は吹き漆のものを選んだ。
さて明日は人間ドックにて、夜は酒を抜き、まるで朝食のような夕食を摂った。酒を断った人の経験を聞いたり読んだりするにつけ「よくできたものだ」と驚き、感心をする。しかし今夜の食事は酒を抜いても違和感は一向に無かった。豚の生姜焼きなどは確かに、酒より米飯に合う。それが分かっていながらそうしないのが、酒飲みというものなのである。
朝飯 紅白なます、ミズの甘辛煮、炒り豆腐、納豆、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん}、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布とズッキーニの味噌汁
昼飯 オレンジマーマレードのトースト、牛乳
晩飯 茄子とパプリカの素揚げ、豚の生姜焼き、菠薐草の胡麻和え、ミズの甘辛煮、胡瓜と蕪のぬか漬け、大根のなますの梅肉和え、メシ、揚げ湯波とズッキーニの味噌汁、サクランボ
2023.6.18(日) 忘備は必須
起きて食堂に来て南に面した窓を開ける。涼しく乾いた風が部屋の中を通り抜けていく。「気持ちいいなー、正に、夏の朝だ」と、思わず嘆声が漏れる。いくら蒸し暑くて不快でも、夏は好きだ。その夏にありながら冷涼さの感じられる朝は、なおのこと好きだ。そしてその爽快さを味わっているうち、緑のいよいよ濃くなってきた山の景色は撮り逃した。
週末の朝は、平日よりも張り切る気持ちが強い。それは、店がより忙しくなるからだ。もっとも今朝は、一連の仕事をこなすと流石に疲れて、4階の食堂で小休止をする。天気が良いこと、気温が高いこと、空気が乾いていることにより、氷水を何杯も飲む。
販売係のタカハシカナエさんには、11時30分から13時までは店にいて欲しいと頼まれた。人手の薄くなる昼時はまた、1日の中でお客様のもっとも多くなる時間帯でもある。そして結局は13時30分まで販売に当たる。
家にいる限り、昼食は、日本経済新聞の文化面を読みつつ摂る。その紙面に毎日載る「文化」と題されたコラムの、今日の文章はなぜか、自分には入って来づらかった。言葉の重複や句点で区切られる文の長さが、僕の持つリズムのようなものに同期しないのだ。逆に、数週間前の女の人のそれには「オレと同じじゃねぇか」と感じさせるものがあった。そしてその女の人の名は、残念ながら忘れた。
朝飯 ミズの甘辛煮、生玉子、牛肉のすき焼き風、炒り豆腐、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ湯波と菠薐草の味噌汁
昼飯 オレンジマーマレードのトースト、牛乳
晩飯 ゴルゴンゾーラチーズ、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ウォッカマーティニ、パン、スパゲティミートソース、Chablis Billaud Simon 2018
2023.6.17(土) 遅寝遅起き
目を覚ましたのは4時20分。週末であれば、釣銭を整える必要がある。なぜきのうまでにそれをしていなかったかといえば、このところの、1,000円札の異常な費消ぶりによる。
釣銭として出て行く紙幣や硬貨には、不思議なことに、時期により片寄りがある。昨年の秋ごろから、5円硬貨と50円硬貨はまったく出ていかず、溜まるばかりになった。5百円硬貨もそれほどは使わない。現在もっとも必要なのは1,000円札だ。
現在、銀行で両替できる1,000円札は新券のみだ。新券は、誤って複数枚をお手渡ししてしまう恐れがあるから、並券と交互に重ねておく必要がある。並券は、毎日、お客様がくださる中からきれいなものを確保する。その、並券と新券を交互に重ねたものの出て行く速度が現在は異常に高いため、準備が自転車操業状態になるのだ。
1,000円札を整え終えたら、次は「汁飯香の店 隠居うわさわ」への予約をインターネット経由でくださったお客様に返信をお送りする。席のみ確保されたお客様からの、追って料理をご指定くださったメールにも返信をお送りする。
これらの仕事をこなしてから、既に完成させてあった一昨日の日記を公開する。きのうの日記はきのうのうちに文章のみを書き上げていた。それに画像を加えて保存し、次いで今日の日記のここまでを書く。そして改めて、自分の生活は遅寝遅起きでは成り立たないことを知る。
朝飯 紅白なます、ミズの甘辛煮、納豆、豆もやしのナムル風、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ湯波とズッキーニの味噌汁
昼飯 オレンジマーマレードのトースト、牛乳
晩飯 ゴルゴンゾーラチーズ、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、ウォッカマーティニ、トマトとポテトとアボカドのサラダ、パン、ブロッコリーのソテーを添えたハムエッグ、Chablis Billaud Simon 2018
2023.6.16(金) はやりやまい
子供のころは、風邪の発熱から脱した朝にはいつも、光輝燦然とした爽快さを感じた。今朝、ちょっとした夢と共に目を覚ますと、それを思い出させるような感覚があった。新型コロナワクチンの副反応から抜け出したのだ。時刻は3時ちょうどだった。それほど間を置かないまま起床して食堂に出る。3時台の起床は久しぶりのような気がする。
副反応の強い新型コロナウイルスのワクチン接種については、今や「こりごり」という気分になっている。よって「コロナ ワクチン いつまで」と検索エンジンに入れてみる。するとどうやら、65歳以上の人、基礎疾患のある人、医療従事者、高齢者施設や障害者施設で働く人は、今年度中にもう一度その機会つまり7回目があって、以降は有料になるらしいことが分かった。副反応により寝込むようなことのないインフルエンザのワクチンはともかくとして、新型コロナウイルス感染症のそれについては、8回目以降は、僕は打たないような気がする。
それにしても、緊急事態宣言の最中でさえ大混雑の日比谷線や千代田線にたびたび乗りながら、あるいはマスクをすることなく国際線の飛行機に乗りながら、僕は「コロナ」にはかからない。一方、いかにも人のまばらな農村部に住む人が罹ったりする。どうにもわけの分からない流行病である。
朝飯 紅白なます、玉子焼き、筑前煮、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、豆腐と若布と三つ葉の味噌汁
昼飯 オレンジマーマレードのトースト、牛乳
晩飯 マカロニサラダと茹でたブロッコリー、たまり漬によるソースを添えた豆腐ステーキ、Chablis Billaud Simon 2018
2023.6.15(木) 6回目の副反応
目を覚ますと発熱による気分の悪さがあった。体温は37.4℃だった。この程度では、いまだ解熱剤を飲むほどのことではない。時刻は2時29分。眠れたのか眠れなかったのか判然としない状態で朝を迎える。
6時30分の体温は38.0℃。子供のころは、熱があると食欲が極端に落ちた。食欲の無さは、食べない方が無難という身体からの信号、という説を、後に聞いたことがある。しかしどうやら僕は、食べなければ余計に体力が落ちると、発熱の際にも食べる訓練を、中学生の頃よりしはじめた気がする。今朝のお粥は2杯を食べた。
食後にカロナール500mgを1錠だけ服用して寝室に戻る。体温は解熱剤により37/4℃まで落ちた。しかし平熱には決して戻らない。午後は、枕元に携帯用の読書灯を点けて本を読む。
18時の体温は38.1℃。iPhoneでカロナール500mgについて調べると、1回の最大摂取量は2錠と出た。処方箋には1回に1錠とあったが、いっそのこと2錠を飲んでしまおうかとも考えた。しかし残りは1錠だから、それは叶わない。
夕食の席から長男の家族の去ったことを家内が知らせに来る。そこでようよう起き出して食堂へ行く。おかずは僕ごのみのものではあったけれど、到底、ワインを飲む気にはならない。そうしてふたたび寝室へと戻る。
朝飯 白粥、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、菠薐草のおひたし、鯛の塩焼きのほぐし
昼飯 ホットドッグ、コーヒー
晩飯 生のトマトと茹でたブロッコリーとグリーンアスパラガスを添えたシェパードパイ、クロワッサン
2023.6.14(水) お食いぞめ
新型コロナウイルスのワクチンは、初回から5回目までは、かかりつけのセキネクリニックで受けてきた。先月25日に6回目を予約するためコンピュータに向かうと、セキネクリニックの接種日は僕の予定と合わなかった。このところ何やら忙しく、6月の予定は混み合っている。よって今回は、はじめてモリ病院で接種を受けることとした。
モリ病院は会社からもっとも近い接種場所にて、14時20分に自転車に乗り、2、3分でその玄関前に着く。14時30分に予約を入れていた人は、僕の他にはひとりきりだった。接種後15分を待つ部屋には演歌が流れていた。八代亜紀の「舟歌」、森進一の「冬のリヴィエラ」、その他は何だっただろう。
新型コロナワクチンの副反応は、僕の場合、接種して半日やそこらでは現れない。そのため孫のカコのお食い初めには平時の状態で臨むことができた。
カコは、お食い初めの直前まで食卓の脇のベッドで眠っていて、抱き起こされ、口に箸を当てらるとニコニコと笑い、ベッドに戻されると、すぐにまた眠ってしまった。この赤ん坊が、来春には歩けるようになるのだ。驚くほかはない。
朝飯 菠薐草の胡麻和え、炒り豆腐、茄子とパプリカの揚げびたし、納豆、胡瓜と蕪のぬか漬け、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、揚げ湯波とズッキーニの味噌汁
昼飯 カレーライス、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」
晩飯 紅白なます、菠薐草のおひたし、豆腐とお麩と三つ葉の吸い物、鯛の塩焼き、筑前煮、赤飯、「仁井田本家」の「しぜんしゅ生酛なつゆき生」(冷や)、「みしまや」の人形焼き、Old Parr(生)
2023.6.13(火) 気がつくのはいつも翌日
きのうの黒霧島は馬鹿に美味く感じた。酒を普段以上に美味く感じたり、干天の砂地が慈雨を吸い込むように、いくらでも飲めるときは要注意だ。もっとも飲んでいる最中にその「要注意」を思い出すことはない。気がつくのはいつも、翌日になってから。つまり今朝は二日酔い、である。
所用にて羽田空港の第一ターミナルへ行く。僕は、国内線の飛行機には、ほぼ乗らない。昨年の6月は例外的に石垣島へ行った。国内線についてはほとんど何も知らないため、そのときは家内の後を着いていった。
本日、2階の出発ロビーに上がってみれば、昨年の記憶はまったく無く、初めて来た場所のように思われた。そこに「あさごはん」というノレンを提げた店を見つけ、二日酔いでも食べられるだろうかとしばし逡巡してからそこに入る。お粥にたくさんのおかずを添えた定食は、案ずるより産むがやすしで、すんなり腹に収まった。それから所用を済ませて、ふたたびモノレールに乗る。
残す用事は神田の皮膚科での治療で、こちらは先生に患部を見てもらい、軟膏の塗り方を指導されただけで終わった。次は2週間後に来るよう言われたものの、そのあたりは日程が混んでいる。次は来られたとしても7月になるだろう。
神田から日本橋へ地下鉄で移動し、あちらこちらであれこれしてからアーティゾン美術館まで歩く。曇りと雨の予報は見事に外れ、頭上には青空。気温も湿度も高い。そうして同美術館で開催中の”ABSTRACTION”を観る。中学生のころ、家庭教師だったニダイラユキオ先生に連れてきていただいたのは、この美術館の前身ブリジストン美術館だっただろうか、それとも出光美術館だっただろうか。
下りの特急を下今市で降りると、こちらには傘を差さなくても済むくらいの雨が降っていた。晴れていた東京よりも、湿度は感じなかった。
朝飯 “Hitoshinaya”のだし、白粥膳
昼飯 “DEAN & DELUCA”のサーモンメルトパイ、コーヒー