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清閑 PERSONAL DIARY

2026.3.10 (火) タイ日記(9日目)

目を覚ましたのは1時32分。次は5時12分。起床は5時58分。6時15分より夜が明けてくる。

「ホーイッ、ホーイッ」と啼くタイの鳥はオニカッコウという種類らしい。この鳥は夜中にも啼く。しかし雀などの小さな鳥は、日本と同じく、夜明けと共に啼き始める。チェンライの良さは、街なかに緑の多いこと。鳥が賑やかに啼くことも、また朝のひとときを良い気分にしてくれる。

13時20分にようよう前日の日記を書き終えた、きのうの轍は踏みたくない。上はパジャマ用のTシャツ、下はバスタオルを巻き付けた姿から、ユニクロのTシャツと、これまたユニクロのゆるいズボンという普段着に着替えてロビーへ降りる。そして今日の食券を受け取って食堂へ行く。

いまだ肌寒い朝のプールに泳ぐ人の姿がある。もちろん白人である。昼どきになっても空腹を覚えない、これまたきのうの轍は踏みたくない。今朝は紅茶とお粥を摂るのみにて、食堂を去る。

8時37分にロビーに降りて、きのうとおなじ場所できのうの日記を書く。水の落ちる音に気づいて外へ出てみる。雨が降っている。玄関のマットを敷き直している女の子に「雨だね」と、声をかけてみる。「はい、雨です」と、女の子は驚いたように、しかし笑顔を向けてくれた。

コンピュータを開いたテーブルに戻って”CHIANG RAI WEATHER 24H”と検索エンジンに入れてみる。雨は正午には上がるとそこにはあったから、ひと安心をする。雨が降っては、僕が南の国で楽しみにしているほとんどは、封殺をされるからだ。

きのうの日記は9時55分に書き終えた。雨であれば、今日の日記のここまでも、また書いてしまう。時刻は10時15分。きのうにくらべれば、大余裕の時間運びである。

朝食を調整したこともあって、今日は昼を前にして腹が空いてきた。雨も幸い上がった。よって正午過ぎに、街へ自転車をこぎ出す。気温は、半袖のTシャツ1枚では涼しすぎるほどに低い。

これまで数え切れないほど通った汁麺屋は、驚くことに、向かって左半分がマッサージ屋になっていた。汁麺のメニュは、トッピングを選べるカオソイ、それにナムニャオのみになっていた。カオソイもナムニャオもタイの北部を代表する麺で、チェンライには名店の誉れ高い店もあるけれど、僕にはこの店のそれで充分だ。汁麺の代金は50バーツだった。

帰りがけに隣のマッサージ屋がドアに貼った料金表を見てみれば、足マッサージが30分間で180バーツ、頭と背中と肩のマッサージが30分間で200バーツとあった。この法外ともいえる料金に、果たして入る客はいるだろうか。

ウドンタニーではいつまでも見つけられないでいる貸し自転車が、この街にはいくらでもある。だから機動力を得ることができる。ジェットヨット通りから金色の時計台の前に出て、そこから北へ延びる道に入る。しばらく進んだ右手に、目指す酒屋は、ある。

ところで僕は先週水曜日の日記に「タイの、タバコや酒に関する規制は日本のそれよりよほど厳しい。日中に酒を買うことのできる時間帯は、11時から14時に限られる」と書いた。しかしこれは誤りにて、タイではしばらく前よりその規制が緩み、酒を買うことのできる時間は11時から深夜0時までとなった。しかし「タイの法律など、いずれすぐに変わるに違いない」と高を括って、記憶に留めることをしなかったのだ。

僕の最も好むラーカーオは”BANGYIKHAN”。料金は、おなじ店で昨年の2月に買った1本185バーツよりなぜか安い180バーツだった

ところで東京の古い飲食店は、僕が三十代のころまでは焼酎を置かないところが多かった。「あんなものは車夫馬丁の飲むもの」との差別感からである。タイの伝統的な米焼酎「ラオカーオ」も、同じ地位にある。しかしタイも酒についての文化が向上すれば、ラオカーオはかならず、正当な評価を得るに到るだろう。

部屋には意外や早く、12時55分に戻った。「一寸の光陰、軽んずべからず」とばかりに、日本から持ち来た1枚、それに数日前に買った2枚の計3枚の絵はがきに、ボールペンで文を書く。開け放った窓の外には、大した眺めでもないけれど、熱帯の大木の緑、そして鳥の声がある

そうしてまたまた外へ出て自転車を漕ぎ、昨年の2月に見つけた郵便局へ行く。”LANNA POST OFFICE”とは、洒落た名前である。日本までのエアメールの代金は、昨年その価格の高騰ぶりに驚いた1枚あたり60バーツ。3枚なら180バーツでラオカーオ1本とおなじ値段なのだから、日本の常識に照らしても、あるいはタイの物価に照らせば相当に高い

13時55分にホテルに戻って以降は、プールサイドで本を読む。朝の雨のせいで涼しければ、泳ぐことはしなかった。そして16時より目と鼻の先のマッサージ屋”PAI”へ出かけ、1時間の足マッサージを受ける。代金は200バーツ。オバサンには50バーツのチップ。

足マッサージの利点は、それを受けながら本の読めるところだ。マッサージの後は、乗りつけた自転車を夕刻の街に走らせて、今日はどこにしようかと迷いつつ、結局は慣れた店へ行く。

席に着くやいなや「ソーダですか」と、オニーチャンが訊いてきたのには参った。メニュも見ずに豚挽き肉の玉子焼きを注文する。しかし席に運ばれたそれは、鹹玉子と豚の挽き肉を炒めたものだった。これでは酒の肴にしても、いかにも塩辛すぎる。結局は先日に引き続き、お椀に2杯のメシを平らげることになった。

さて旅の残りの日も少なくなれば、社員に土産を買う必要がある。よってナイトバザールのちかくに自転車を駐める。おととしまとまった買い物をしたところ、予期せずおまけをしてくれたオジサンが今年も店を出していることは、きのうのうちに確かめておいた。そして今回も、そのオジサンからあれやこれやを買う。オジサンはおととしよりも多い、2割5分ほどの値引きをしてくれた。おなじ品が首都の空港では”SPECIAL PRICE”などと、いかにも安そうな値札を付けて、その実、このオジサンの店の三倍ほどで売っているのだから、断腸亭の言葉を借りれば「笑ふべし」である。

部屋には18時25分に戻った。そしてSNSに画像と説明を上げ、また返信を付けるなどする。夜の空を飛んでいくのは、18:55発のバンコク行きタイ航空機だろうか。そして19時30分に寝に就く。


朝飯 “BLUE LAGOON HOTEL”の朝のブッフェの紅茶お粥
昼飯 「カオソイポーチャイ」のバミーナムニャオ
晩飯 「ジャルーンチャイ」のカイジャオムーサップカオスアイラオカーオ”BANGYIKHAN”(ソーダ割り)


美味しいおうちごはんのウェブログ集はこちら。

  

上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

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