2025.5.17 (土) タイ日記(6日目)
目を覚ましたのは3時30分のころ。枕頭のiPhoneを引き寄せると、きのうの就寝前に枕元のUSBコネクタに電源コードを差し込んでおいたにもかかわらず、バッテリーの残量が10パーセントになっている。コネクタは経年劣化によるものか緩い。即、隣のACコネクタにコードを繋ぎ直す。
部屋にコンピュータを開く空間の余裕は無い。よって5時になったところでロビーへ降りる。そして、おとといの日記を完成させるべく、ソファに腰かけ、膝に載せたコンピュータの電源を入れる。wifiには、きのうの設定にて簡単に繋がる。ところが日記を書くためWordPressを開こうとすると、ブラウザには安全を確保できない旨の警告が出て、先へ進めない。
試みにメーラーを回すと、こちらはいつものように巡回する。facebookも開く。他の一般のウェブページも閲覧できる。パスワードを必要とするサイトにはアクセスができない、ということなのだろうか。仕方なくローカルのエディタを開き、きのうの日記はどこまで書いただろうかと記憶を辿りつつ、続きの部分を書いて保存する。
朝食は、週末の朝7時40分にもかかわらず有り難いことに営業を始めていたsoi23の食堂。ここで今回の訪タイでは初めてになるカオゲーンを注文する。ごはんに2種のおかずを載せて価格は60バーツ。ヤワラーの簡素な粥が70バーツだったことを考えれば、驚くほど安い。おかずに混じっていた、皮の下に豊富なゼラチン質を蓄えた魚は何だろう。
さて今日は第19回バンコクMGの初日にて、その場所を確かめるべく、一旦戻った部屋から外へ出る。facebookページの案内は紙に印刷して持っている。講師のタナカタカシさんから送られた、GoogleマップのURLも届いている。会場は、アソークの交差点の北東の角。つまりバンコクでもっとも便利な場所。言葉を換えればバンコクで1、2を争う地価の高いところだ。しかしそこに建つビルの中の、一体全体、どこに会場があるのかが分からない。よって朝はやくから迷惑とは思ったものの、そのことについてタナカさんにメッセンジャーで案内を請うておいた。
間もなく戻ったタナカさんからの返事に従って、空中歩道からInterchange21ビルに入る。そうして歩きまわった結果、ULという日本には無い階に会場となる”PERSONNEL CONSULTANT”をようやく見つける。すっかり安心してアソークの交差点に出ると、ちょうど向いからタナカさんと助手のシミズタカヒロさんが歩いてくるところだった。
第19回バンコクMGは、9時30分に始まった。参加者のうち、日本から来たのは僕とモロタカヒロさんの2名のみ。他はすべて現地からの参加で、中には日本語が片言のタイ人もいる。インドシナにMGを広めようとしているタナカさんは、ハノイでもMGを開催するようになった。それに伴って、バンコクMGは以前の年4回から2回に減った。そのためか、2日間で5期分の経営を盤上に展開するMGの、第1期を前にしての講義は通常より長いものになった。
ところで僕のMGは、1991年から始めて今年で34年目になるにもかかわらず、ゲーム運びは異常に下手だ。頭がおかしいのではないかとさえ考えている。よってゲームに臨んでは余裕など無い。「窮鼠」のように、いつも怯えている。そうして始まった第1期に2枚目の研究開発チップを買うと、右隣でゲームに参加しているシミズさんに「ウワサワさん、ガチですね」声をかけられる。「ガチ」もなにも、当方は「会社を倒産させないこと」しか頭にない「窮鼠」である。
その、事実上の「勝負開始」である第2期から僕は黒字、売上高は参加者中の第1位を記録した。珍しいこともあるものだ。一方、日本語は片言、漢字は読めない初参加のタイ人チェンさんは、皆に遅れつつもマトリックス決算書による決算を無事に完了させた。僕は自分が初心者だったころの決算のひどさを思い浮かべて、思わず拍手をする。その拍手はすぐに、会場全体に広がった。
第3期の市場の状態や経費の倍率を決めるサイコロ振りは、第2期の売上げトップ、つまり僕が振る。そしてその第3期においても僕の売上高は参加者中の第1位。「アソークの交差点でクルマに撥ねられて死んだりして」と、思わず冗談を洩らす。
その第3期の決算を全員が終わろうとするうち19時が近づく。ここで本日のカリキュラムは修了。Interchange21ビルの裏口から皆と出た僕は、ひとり離脱をしてホテルに戻る。そしてトートバッグのコンピュータをスーツケーへ納め、ペットボトルに小分けしたラオカーオを取り出す。スーツケースに鍵を掛けることは忘れない。そして賑わい始めたソイカウボーイを抜けてsoi23を北へ急ぐ。
交流会場”Wanakaam”の門の前には申し訳ないことに、シミズさんが僕を待っていてくれた。以降は次々と運ばれるタイ料理を肴にラオカーオのソーダ割りを飲みつつ皆と歓談を尽くす。そのかたわら明日のゲームにはどのような工夫を凝らそうかと考えても、妙案は浮かばない。そんなものが浮かべば、ハナから苦労は無いのだ。
朝食 “JOK RUAM JAY”の2種のおかずのカオゲーン
昼食 バンコクMG支給の弁当
夕食 “Wanakaam”のプーパッポンカリー、トードマンクン、ソムタムタイ、パットパックブンファイデーン、コームーヤーン、ヤムウンセンタレー、パッタイ、他あれこれ、ラオカーオ”BANGYIKHAN”(ソーダ割り)