2025.6.9 (月) 便利と簡素の関係
「パスポートはここに入れることに決めてるんですよー」と、左の内ポケットのあたりを軽く手で叩いてみせた人と海外へ行ったことがある。
目的の国に着いて入国審査場の列に並んだところでその人は左の内ポケットに手を差し入れ「アレッ」と小さな声を上げた。続いて上着のあちらこちらのポケットを次々と探りつつ「アレッ」「アレッ」を連発した。仕舞う場所が複数あると、どこへ仕舞ったか分からなくなる。よくあることだ。
T-TECHの、外側にも内側にも収納のための場所が複数あるバックパックを機内持込用としたことがある。業界の親睦旅行だったから、席は、普段は使わないANAのビジネスクラスだった。席の周囲には持ち物の置き場所が複数あった。そして僕はそこでメガネを失くした。
先月のタイ行きの初日には、現地に着いた早朝からチェックインの14時までホテルの部屋に入れないことが想定された。とすればそのあいだは貴重品を持ち歩く必要がある。いつも使っているsolo-touristのパスポートポーチは華奢な作りで、首から提げて街を歩くには適していない。よってデザインに無駄が見られるため100パーセントは気に入っていないtomocのチェストポーチを今回は選び、パスポート、現金、クレジットカード、iPhoneはこれにて管理をすることとした。
貴重品を一個所に集めることは危険とする意見がある。おっしゃる通りではあるけれど、あちらこちらに分散をさせると得てして冒頭の「アレッ」「アレッ」から更には紛失に到ることもあるのだ。
ところで外側と内側にたくさんのポケットを備えた旅行用の上着がある。最近、僕の物欲をいかにもそそるそれをウェブ上に見つけた。安くはない。しかし買えない値段でもない。しかしてそれを手に入れても使わないことは明白である。それでも欲しい。こういう物欲は、何とかなだめて霧消させるしかない。
物欲は、しばらく放っておけば綺麗さっぱり無くなる。そのことも、僕はよく知っている。よほど気をつけないと、モノは増えるばかりになって始末に困る。そして結局のところ、道具は簡素なものがいちばん使いやすい。たくさんのポケットは不要である。
朝飯 肉じゃが、生玉子、切り昆布の炒り煮、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と菠薐草の味噌汁
昼飯 玉葱と擂り胡麻の熱いつゆで食べる素麺
晩飯 「食堂ニジコ」のキュウリのからし和え、ピータン、油淋鶏、塩焼きそば、餡かけチャーハン、麦焼酎「二階堂」(お湯割り)、「ニルバーナ」のチーズケーキ、Old Parr(生)