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清閑 PERSONAL DIARY

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2016.11.30(水) 取材

20161130g百十数年の歴史を持つ生活啓蒙誌「婦人之友」の取材を10時より受ける。2017年2月号の特集「冬こそ、気もちいい朝を」の巻頭カラー6ページにて、ウチの朝食が取り上げられるという。僕は先方の要請により、今回は白菜とベーコンと長葱の味噌汁を作った。

ところでこの取材に先立ち、僕の過去の日記を精査した編集者が、予告に用いるため提供して欲しいと指定してきた画像はすべて、これは僕だけが知っていることだけれど、家内が不在にしている朝に、家内の作り置いた常備菜を並べ、好き勝手に作った味噌汁を真ん中に置いたもの、あるいは冷蔵庫にしなびた野菜を見つけ「しょうがねぇな、ぜんぶ使っちゃえ」と、それを雑駁に刻んで投入した味噌汁によるものだった。

時代はバブルの崩壊から長いデフレーションを経て”gorgeous”や”gimmick”の追求、「高い仕様」や「複雑な仕掛け」の誇示から「これでいいのだ」に変わってきているのではないか。多くの人たちは、これからしばらくは小市民的安寧の中で、それを慈しみつつ生きていくのではないか。

そして明日も僕は味噌汁を作るのだ。今朝のメシはホットドッグではあったが。


朝飯 ホットドッグ、ヨーグルト、コーヒー
昼飯 揚げ湯波と小松菜の淡味炊き、しもつかり、生のトマト、ひじきと揚げ湯波と人参の甘辛煮、「なめこのたまりだき」のふわとろたまご、大根と胡瓜のぬか漬け、メシ、白菜とベーコンと長葱の味噌汁
晩飯 トマトとレタスとモツァレラチーズのサラダパン其の一、パン其の二、パン其の三鶏肉のクリームソース“Chablis Billaud Simon 2014”

2016.11.29(火) 3つの工事

20161129k屋上および2階のスラブの10月から始まった防水工事は、屋上においては既にして終わっている。2階のスラブも、残るは清掃くらいのものだろう。足場は予定では24日に外されることになっていた。しかし当日の降雪に阻まれ、いまだそのままになっている

今年はじめの積雪期に、その雪が溶けるにつれ水漏れを起こした、店舗と工場を繋ぐ通路の防水工事は、既存の屋根の上に更に屋根を重ねる工法により本日、完了をした。この部分の漏水は、屋根に勾配を設けなかったこと、また店舗の大屋根に降った雨をこの平らな屋根に落とすという、過度に楽観的な設計に因る。

今回の工事では、屋上に屋を重ねることに加え、店舗の大屋根の雨樋を、これまでの狭い銅製から容量の大きな樹種製に換えた。またそれで受けた雨水は通路の屋根には落とさず、直径125ミリの太い、しかも2本の立て樋により地上に逃がすこととした

一方、今年はじめの夕刻「店、やってるのか、やってないのか分からないよ」とお客様に指摘をされたことについて、夜とおなじ暗さの中で店には明かりが点いているのだから「やってるのか、やってないのか分からない」とは大げさとは思ったけれど、店舗正面の明かりをこれまでの蛍光灯からLEDに換え、また銅製の金看板にはスポットライトを新設する工事を本日、行った

冬至まで3週間と迫った夕刻、既にして真っ暗な外へ出てみると、取り付けたばかりのスポットライトは看板をしっかりと照らしていた。これでなお「やってるのか、やってないのか分からない」と言われれば、そのときにはアバディーンの水上レストラン並みの電飾を、店全体に施すしかないかも知れない。


朝飯 たまり漬「刻みザクザクしょうが」を薬味にした納豆、小松菜と油揚げと人参のおひたし、牡蠣の煮びたし、トマトのスクランブルドエッグ、五目白和え、メシ、豆腐と揚げ湯波と三つ葉の味噌汁
昼飯 「麺屋ききょう」のねぎ塩ラーメン
晩飯 トマトとレタスのサラダマッシュドポテトとケチャップスパゲティとグリーンアスパラガスのソテーとたまり漬「青森県田子町産のにんにくです。」を添えたビーフステーキ2種のチーズ、”Santa Helena alpaca Cabernet Sauvignon,Merlot 2015″

2016.11.28(月) いちばん大切なのはメシ

20161128f「ウチは役付はほとんど、夜10時ちかくまで会社にいますからね」と胸を張った社長がいた。その瞬間、僕の口を突いて出た言葉は「腹、減んねぇすかね」だった。それは思考を伴うものではない。ほとんど反射神経による。「仕事はさっさと定時に上がって、あとは酒とメシだんびゃ」という考えが僕には抜きがたくある。

終業後、退社する社員たちに声をかけている最中に長男から仕事を振られた。それは自分のコンピュータと紙とペンさえあればできるものだった。それならなにも、蛍光灯の青白い光に満たされた事務室にいることはない。その事務室を閉め、4階に上がって食堂の、電球の暖かい明かりの下の木のテーブルにコンピュータを開く。

ドライシェリーを口に運びながらの仕事は長男が夕食を準備するうち、その9割を解決することができた。残りの1割は明日の未明に行うこととし、いそいそとワインの栓を抜く。


朝飯 5種のおむすび、大根のぬか漬け、トマトと揚げ湯波と三つ葉の味噌汁
昼飯 「大貫屋」の天丼
晩飯 トマトとレタスとチーズのサラダ長葱と鰯のスパゲティ“Chablis Billaud Simon 2014”

2016.11.27(日) 明かり取り

20161127gオフクロは、性格こそ明るかったけれど、生活のための空間においては、サンルームと台所を除いては光を避けるきらいがあった。

オフクロのその好みは玄関にもおよび、ここでは昼でも、灯りを点けなければ何も見えない。外から玄関に入るきには、外光を頼りに靴を脱ぐ。しかし油圧式のドアクローザーにより扉はすぐに閉まる。その瞬間、あたりは真っ暗になるから、数歩を歩いて壁のスイッチを手探りし、天井の明かりを点けるまでは何もできない。

外からお客様をご案内するときには、お客様を玄関の前でお待たせし、当方は裏玄関から玄関に遠回りして、やはり壁のスイッチを手探りしつつ天井の明かりを点けてのち、内側から扉を開く。そんなことを40年ものあいだ続けてきたのだ。

オフクロが亡くなって2年以上が経ってしまったけれど、その玄関の扉にようやく、明かり取りのガラスを嵌めることができた。そこからの光は遠目に見るぼんぼりのようなかそけさながら、これまでの暗黒を知る者にとっては、大きな道しるべのように頼りがいのある光になった。とても嬉しい。


朝飯 なめこの醤油煮、納豆、ほうれん草のソテー、ウィンナーソーセージとピーマンのソテー、昆布の沖縄風炒め、明太子、白菜漬け、メシ、昆布と揚げ湯波と大根葉の味噌汁
昼飯 朝飯のおかずを流用した弁当
晩飯 おでん大根と胡瓜と茄子のぬか漬け芋焼酎「八幡」(お湯割り)、シュークリーム、BEEFEATER GIN(生)

2016.11.26(土) 日光牡蠣まつり

20161126e道の駅「日光街道ニコニコ本陣」で今日から始まり、来月の19日まで続く「日光牡蠣まつり」の「海鮮味噌汁」には、ウチの「日光味噌・白だし」が使われている。それが近所での催しなら尚のこと、そこに顔を出し、その味を確かめなくてはならない。

11時30分に会場を訪ねる。入口には早くも人があふれ、大盛況の有様である。関係者然として行列の脇をすり抜けていく。ファミリーレストランや回転寿司屋でよく見かける、お客が自分でその名を記入する順番表が、上から下まで埋まっている。奥には焼肉屋のそれのように、真ん中に焼き台の仕組まれたテーブルで、殻ごとの牡蠣を楽しそうに焼く人たちがたくさんいた。

このような状況下、昼休みに海鮮味噌汁だけ飲んで帰るなどは到底、できない。また、折角なら焼き牡蠣も食べたい。来週の平日に捲土重来を期すこととして即、きびすを返す。

悩ましいのは18時のオーダーストップである。ウチの閉店は18時。つまりそれから来たのでは何にもありつけない、ということだ。上手い手があるかどうか、考えてみることにしよう。


朝飯 刺身湯波のあんかけ、トマトのスクランブルドエッグ、昆布の沖縄風炒め、明太子、納豆、胡瓜のぬか漬け、メシ、豆腐と昆布と万能葱の味噌汁
昼飯 「食堂ニジコ」のラーメン
晩飯 肉鍋その鍋で作るラーメン、芋焼酎「八幡」(お湯割り)

2016.11.25(金) 秋季小祭

20161125g総鎮守瀧尾神社の秋季小祭とはすなわち新嘗祭のことである。朝、あれこれの仕事に時を忘れるうち、この秋季小祭が本日に行われることを思い出す。しかしてまた、その始まる時刻はことによると9時ではなかったかと、一瞬、背筋が寒くなる。履いていた靴をもどかしく脱いで事務室に上がり、自分の机の左に掛けたカレンダーを確かめると、そこには「神社 9:45」の覚え書きがあったから、胸をなで下ろす。

「雪のあしたの裸の洗濯」という言葉があると、長野県諏訪地方出身の人にむかし聞いたことがある。雪の降る朝の気温はそれほど低くない、ということだ。今朝は見事に晴れ上がったけれど、それほど寒くもない。よって素肌に木綿のシャツを着、ネクタイを締め、そこにウールの一重のジャケットを重ねたのみで、日影はいまだ凍っている歩道に気を配りつつ神社へと向かう

春季大祭とは異なって、秋季小祭はいたって簡素だ。拝殿でかしこまっている時間も長くはないそうしてこの神社の責任役員として社務所での直会に連なり、11時前に帰社する。


朝飯 昆布の沖縄風炒め、アスパラ菜の振り分け味噌炒め、トマトのソテー、ベーコンエッグ、納豆、メシ、揚げ湯波と若布と万能葱の味噌汁
昼飯 朝飯のおかずを流用した弁当
晩飯 “TIO PEPE”レタスとジャガイモと人参のサラダ、豚の心臓と肝臓と2種のキノコのスパゲティ、“Chablis Billaud Simon 2014”クレームブリュレ

2016.11.24(木) 雪の予報

20161124f目覚めて枕の下のiPhoneを取り出し見ると、時刻は2時34分だった。この時間の起床はいかにも早すぎる。よって布団の中で静かにしているものの、眠気はいつまでも訪れない。

関東地方には今未明から雪が降ると、きのうの天気予報は伝えていた。11月の初雪は、東京では1962年から数えて54年ぶりのことだという。「だったらその雪の降り始めを見てやろうじゃないか」と起き出し、食堂へ行く。雪は結局のところ、八王子など東京の西部に遅れて6時前から降り始めた。

暗い朝はいつもそうしているように、今日も早くから店の灯りすべてを点ける。そうしてすこしでもあたりを明るくするようにする。

午前、店の駐車場に積もった雪を長男がかく。しかし雪は止む気配を見せない。雪は昼から雨に変わるとの予報だった。しかし昼が過ぎても雪は止まない。そうしてその勢いがようやく弱まった14時すぎから、今度は僕が雪かきを始める。すると販売係のオバタタキコさんとサイトーミホコさんも出てきて、計3名で雪をかく。

本日の積雪は大したこともなく、駐車場は、数十分の後には綺麗になった。明日、空が晴れれば、あたりには美しい景色が浮かび上がるだろう。


朝飯 昆布の沖縄風炒め、白菜漬け、納豆、生のトマト、豆腐の卵とじ、大根おろしを添えたなめこの醤油煮、メシ、若布と揚げ湯波と三つ葉の味噌汁
昼飯 鍋焼きうどん
晩飯 「魚登久」のあれやこれやそれや。6種の日本酒(冷や)

2016.11.23(水) 調理手順

20161123eお客様にお配りする新規のチラシを作っている。そこに含まれる情報のうち「なめこのたまりだきのフワトロたまご」の画像は、きのうの朝から撮り始めた。

地震さわぎに撮影の邪魔をされたわけではないけれど、きのうの画像にはいまひとつ得心がいかなかった。よって今朝もまた食堂兼台所に三脚を立て、そこに”NIKON D610″を固定する。「なめこのたまりだきのフワトロたまご」を作るのは家内、それを撮るのは長男。僕はおなじ場所にいて彼らの様子を眺めているだけ、である。

2度目ともなれば画角も決まり、今朝は遂に使える画像を得ることができた。

長男は午後、その画像を、あらかじめ編集してあった型枠に納め、全体を整えた。僕は紙に出力されたその表裏を子細に眺め、また読み、いくつかの場所に朱を入れる。長男はそれを元のデータに反映させ、セイブンシャ印刷に送る。

この現物はいつ、納品をされるだろう。今からその完成が楽しみである。


朝飯 ほうれん草のソテー、ウインナーソーセージのソテー、白菜漬け、鮭の親子漬け、「なめこのたまりだき」のフワトロたまご、メシ、なめこと貝割れ菜の味噌汁
昼飯 朝飯の中身を流用した弁当
晩飯 鮭の親子漬け鶏肉団子鍋、「松瀬酒造」の「松の司生酛純米」(冷や)

2016.11.22(火) 地震

20161122f携帯電話は、大昔のことを別とすれば、”MOTOROLA M1000″から”NOKIA NM706i”を経て”iPhone 3G”へと持ち替えてきた。そのせいかどうかは知らないけれど、地震の発生を報せる例の音を、自分の携帯電話から聞いたことはこれまでなかった。

“iPhone 6s Plus”が「ギュイッ、ギュイッ、ギュイッ」という不気味な音を発したときには、だから今にも来るだろう地震に身構えるより「オーッ」という驚きの方が強かった。

テレビのスイッチを入れるとニュースは既にして地震のこと一色で、しばらくすると、列島の地図の栃木県北部には、震源に最もちかいとされる場所とおなじ「震度5-」が示された。しかし幸い、普通の家より大きく揺れるウチの4階も、本棚から数冊の本が落ちるくらいで今朝は収まった。いまこの瞬間の揺れがどこまで強くなるかの予想がつかない、というところに地震の怖さはある。

夕刻、いわき市小名浜から新規の注文が入る。「大丈夫でいらっしゃいましたか」とお訊きすると「この時間になっても大変だよ」と、お客様は快活にお答えになった。「どうぞお気をつけください」と僕は受話器を耳に当てたまま、深くお辞儀をする。


朝飯 納豆、ピーマンと茄子のソテー、「なめこのたまりだき」のフワトロたまご、たまり漬「おばあちゃんのホロホロふりかけ」、メシ、けんちん汁にだしと味噌を足した味噌汁
昼飯 「美彩たむら」の焼きおむすび、フリーズドライ味噌汁(他社製。三つ葉は後から追加)
晩飯 鮪の煮付け、茄子のぬか漬け、鶏肉と白菜のクリーム煮焼き餅の「なめこのたまりだき」クリームソース、「松瀬酒造」の「松の司特別純米」(冷や)

2016.11.21(月) だるまや食堂の米飯は美味い

20161121d下今市駅で10:35発の特急スペーシアの切符を買う。間もなく来たその「きぬ116号」に乗り込み、特急券に示された3号車の333番席を探すと、そこは車両最前部の壁に面した、東京に着くころには脚の退化してしまいそうな「ダルマ席」だった。

車掌が通りかかるのを待って、他に席があれば移りたい旨を伝える。車掌は端末にスタイラスペンを走らせ、1号車の120番席を用意してくれた。混み合った3号車から1号車に行くと、全44席に7名の乗客しかいなかった。東武鉄道の発券システムは、一体全体、どのようなアルゴリズムに支配されているのだろう。

「山手線が池袋をすぎ、上野に着くまでのあいだは、何となく寂しい気分になる」というようなことを、むかし山口瞳がどこかに書いていた。その気持ちは僕も重々わかる。しかし今の巣鴨や田端の駅に、昔日の面影はほとんど無い。

そんな田端の、”TUTAYA”も”STARBUCKS COFFEE”もある駅の北口から外へ出る。背にはコンピュータの入ったザック、そして手には外付けハードディスクの入った袋を提げている。手に荷物を持つことを嫌う僕がこのような仕儀になったのは、データを小さな記憶媒体に移す時間を、今朝は長男が持てなかったからだ。

田端の住宅街にて仕事を終えた後は、そのまま北千住にへ戻る経路が合理的ながら、湯島に逆行して飲酒活動に従う


朝飯 昆布の沖縄風炒め、大根と人参のなます、ほうれん草のソテー、鮪の煮付け、胡瓜のぬか漬け、たまり漬「おばあちゃんのホロホロふりかけ」、メシ、けんちん汁にだしと味噌を足した味噌汁
昼飯 「だるまや食堂」のハムエッグ、ライス
晩飯 「シンスケ」のあれこれ、タルヒヤ

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上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

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