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清閑 PERSONAL DIARY

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2021.7.6(火) 勝負

知識と経験を以て老人が尊敬される時代は終わったという。知識、そして経験に裏打ちされた知見は、検索エンジンに答えを求めればすぐに知ることができるから、というのがその理由らしい。

線香は毎朝2本を仏壇に上げる。きのうは1本だけが線香立てに残った。よって今朝は例外的に、その1本のみを上げた。「きのうのうちに足しておけば良かったではないか」と問われれば、今朝までの線香は通常の倍ほども長い特殊なもので、次に控えているのは正方形の断面を持つ短いものだ、木に竹を接ぐわけにはいかない。

ところで今朝までの、まるで竹ひごのような長さの線香は、一体全体、どれくらいのあいだ使い続けたものだろうかと考えて、この日記に検索をかけてみた。使った語句は「線香 長さ」だ。すると果たしてその使い初めは昨年の5月7日と知れた。日に2本を使いながら1年と1ヶ月が保ったということは、1箱に800本ちかくが納められたいたことになる。

それではこの長い線香は、ひと箱に何把が納められていたか、それを知るために「線香 一把 本数」と検索エンジンに入れてみた。答えは「80~120本」と出た。

検索エンジンとはなるほど、何でも教えてくれる。これからの老人は知識や知見ではなく、人柄あるいは身についた技術で勝負をするしかないだろう。まさに、僕に欠けた部分である。


朝飯 菠薐草のおひたし、揚げ湯波の甘辛煮、ひじきの炒り煮、納豆、蓮根の梅肉和え、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、玉蜀黍の天ぷらと小松菜の味噌汁
昼飯 「十文字食堂」の地獄メン
晩飯 刺身湯波、胡瓜と茗荷の浅漬け、水茄子のぬか漬け、菠薐草のソテーを添えた鯛と帆立貝のバター焼き、茄子とパプリカの味噌炒り、「菊姫」の「山廃仕込吟醸」(冷や)


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2021.7.5(月) ロンさん

僕にモノを売ろうとする人は、僕にそれを売ることはできない。何やら禅問答めくけれど、美空ひばりの「柔」の歌詞を引用すれば分かりやすい。「売ると思うな、思えば負けよ」である。

僕を訪ねてきて、あれこれ勧めるでもなく、しかしそのおっとりした風情により「この人からは、何か買ってあげなくては」と強く感じさせたのは、香港出身のワイン商ロンさんだった。結局のところ僕は、1996年の”Les Forts De Latour”半ダースをロンさんから買った。21年前のことだ。

ふたり目も名前はロンさん。こちらはカンボジア人の観光ガイド。

2010年6月、栃木県味噌工業協同組合の親睦旅行でアンコールワットを訪ねた。超弩級の遺跡を2日間で見てまわるという、いかにも日本人の旅行にふさわしい無茶な日程の最終日に、僕は行きたいところがあった。インドシナが発展するにつれ消えつつある「カフェー」だ。カフェーとは、地元の歌手が舞台で歌い、客はそれを眺めつつ食事をする、ひとつの飲食形態である。

ロンさんは「カフェー」という未知の言葉をようやく理解して、それをシエムリアップでは「ビアガーデン」と呼ぶことを教えてくれた。同行を募るとふたりが手を挙げた。夜の案内は、ロンさんの仕事には含まれない。心付けはいくら払うべきかと訊く僕に「それは、これから行くところで使ってください」と答えたロンさんに、僕を含む3人は計30米ドルを手渡した。

「柔」の2番には「人は人なり、望みもあるが、捨てて立つ瀬を越えもする」の文句がある。「仕事に恵まれるのは週に半分」と語っていたロンさんは、欲を捨てて30米ドルを得た。更に、ロンさんの人柄に惚れた僕は彼の電話番号を手帳に走り書きした。その携帯電話を2013年の初夏に日本から鳴らして、今度は個人旅行の案内を頼んだ。そして5日と数時間の働きに対して630米ドルを支払った。

いかにしてモノを売るか、という本が書店には満ち、インターネット上には動画があふれている。しかしふたりのロンさんのような売り方は、習得しようとしてできるものではない。

1996年の”Les Forts De Latour”には、いまだ手を付けていない。アンコールワットやバライはピラミッドに匹敵する遺跡ではあるけれど、あまりに巨大、あまりに濃すぎるから「3回は、どうかな」と感じている。もっとも昼はプールサイドで本を読み、夜はロンさんとビアガーデンに行く、そういう手はあるかも知れない。


朝飯 生のトマト、生玉子、刻みキャベツと肉団子、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、蓮根の梅肉和え、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、小松菜の味噌汁
昼飯 「ふじや」のタンメンバター
晩飯 トマトとコールスローのサラダカレーライスらっきょうのたまり漬「浅太郎」、Old Parr(お湯割り)


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2021.7.4(日) 会所つくり

iPhoneにはきのうのうちから、今日の9時50分に警告音を設定をしておいた。その音に促されて事務机を離れ、町内の公民館へ向かう。役員は8人ほどが集まっていた。先日、酒屋に頼んでおいた御神酒は既に届いて、祭壇に並べてあった。外へ置く一双の提灯台は、3人がかりでまたたく間に組み立てた。竹と榊はこれから届くらしい。その飾りは他の役員に任せて会社に戻る。

「2021年 関東 梅雨明け」と検索エンジンに入れてみるも、予報はどこにも見あたらない。きのうは熱海の市街地で大きな土砂崩れが起きて、信じがたい数の行方不明者が出ている。世界最速のコンピュータ「富岳」を使っても、梅雨がいつ明けるかの予想はできないのだろうか。

この日記に「梅雨明け」で検索をかけてみる。

2018年は「2度目の梅雨明け」が7月9日、2019年は「これで梅雨明け」が7月29日、2020年は「本当の梅雨明け」が8月11日。つまり直近は2年つづきの長梅雨だった。

今年の梅雨は、いつ終わるのか。充分に降ったのだから、早く明ければいいと思う。


朝飯 厚揚げ豆腐と白菜漬けと水菜の味噌鍋、メシ、蓮根の梅肉和え、ごぼうのたまり漬、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」
昼飯 弁当
晩飯 トマトとレタスとアボカドのサラダグリーンアスパラガスの玉子とじ鮭のグラタンChablis Billaud Simon 2015ジンジャーケーキ、Old Parr(生)


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2021.7.3(土) コルカタでもダッカでも

忘れてならないことは、事務机左手のカレンダーに記入し、更にポストイットにも書いて、目に付きやすいところに貼る。今日の「19:00 公民館」も、そのひとつだ。

18時に店を閉め、明後日の釣り銭を準備する。それを終えても自宅へは戻らず、そのまま事務室にいる。そして18時55分がちかくなるころ通用口を出る。集まったのは町内の役員が15名ほど。報告や連絡や相談、そこに雑談を交えながら、帳面には以下を記した。

—–
7/04(日) 10:00 会所つくり
7/11(日) 9:00 渡御留守居役2名
7/11(日) 9:00~10:00 会所片づけ
7/12(月) 公民館フローリング工事
7/21(水) 小学校終業式
7/25(日)~7/31(土) 6:30 ラジオ体操(コンセント確認)
納涼祭は中止。
旅行は今秋または来春。
—–

「会所つくり」とは、八坂祭のための飾りつけを公民館の内外に施すこと。
「渡御留守居役」とは、八坂祭の当日、公民館の祭壇に祝詞を奏上する宮司を迎える役。
「公民館フローリング工事」は、先月22日の日記に書いた通り
「コンセント確認」の「コンセント」とは、夏休みの朝の体操の際にラジオを繋ぐための、上澤梅太郎商店の駐車場に設けた電源。
「納涼祭」は、毎年8月上旬に行ってきた、子供を集めてのお楽しみ会。
「旅行」は、「コロナ」により昨春、今春と中止された役員の親睦旅行のこと。

旅行は2度も中止をされて、毎月ごとの積立金は、貯まりに貯まっている。コルカタでもダッカでも行けるだろうけれど、まぁ、いつものバス旅行になるだろう。


朝飯 蓮根の梅肉和え、めかぶの酢の物、冷や奴、牛肉と舞茸のすき焼き風、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、つまみ菜と揚げ玉の味噌汁
昼飯 「ニジコ」の冷やし中華
晩飯 蛸と胡瓜と若布の酢の物、南瓜の煮付け、生のトマト、揚げ春巻き、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、胡麻焼酎「紅乙女」(お湯割り)


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2021.7.2(金) 柱

子供のころのある年、誕生日のプレゼントとして長男はあるゲームソフトを所望した。それを聞いて早速、僕は中古屋へ向かおうとした。しかし「誕生日に中古品を贈る者がどこにいるか」と家内に反対をされて、その足を止めざるを得なかった。「機能が同じなら、安い方が良いじゃねぇか」という考えが、僕には抜きがたくある。

個人で所有したクルマはのべ8台。そのうちの6台は中古で買った。この場合は「安いから」ではなく「それを新車で売っていたのは20年も30年も前」だから中古で買わざるを得なかった。

本はほとんど古書で買う。理由は「機能が同じなら安い方が良い」場合もあれば「いまや新品では買えない」場合もある。本日、孫のリコのためにメルカリで注文したマンガは「機能が同じなら安い方が良い」という理由によるもので、あまり威張れたことではない。

その孫が今日は保育園から帰るなり「隠居の柱に昇る」と言ってきかない。「泣く子と地頭には勝てない」とは、孫のためにあるような言葉だ。よってその小さな手を引き、雨に緑の洗われた隠居へ行く。孫は廊下の柱に5度、6度と昇ってようやく満足をした。マンガはいつ届くだろう。


朝飯 納豆、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、「なめこのたまり炊」のフワトロ玉子、生のトマト、蓮根の梅肉和え、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と長葱の味噌汁
昼飯 「栃木軒」の中華そば
晩飯 レタスのサラダ3種のパンブロッコリーとマッシュルームと鶏のソテートマトソースチーズTIO PEPEChablis Billaud Simon 2015


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2021.7.1(木) ひと手間

朝のお膳の納豆には、家内は不要と言うから自分の器にだけ自分で刻んだ長葱を添える。農業協同組合の直売所や道の駅では、長葱は束で売っている。しかし家でそれだけの量は消費できない。だから長葱は大抵、スーパーマーケットで1本だけ買う。

目黒の権之助坂を下り、目黒川に沿うようにして左手に折れると「仁平」という鮨屋がある。ここで秋刀魚を食べれば当然のことながら「目黒の秋刀魚」を思い出す。「目黒の秋刀魚」は、伯楽と名を改める前の金原亭桂太のそれが良かった。今ならもっと良いかも知れない。

いつか北千住の成城石井で買った長葱は良かった。それは「後生大事」というような感じで1本ずつ袋に収められていた。「ああいう長葱が、家のちかくでも買いたいよな」と思うけれど、地元ではとんと、そのようなものは見かけない。やはり葱は千住に限るのだろうか。

妊娠をすると、食べものに特殊な好みの出てくることがあると聞く。しかし男にも、そのようなことはある。

子供のころは、オフクロの実家に長く逗留することが楽しかった。ある年、僕がいた2週間か20日のあいだ、オフクロの父親は毎夜、湯豆腐を肴にした。オヤジの父親は、オフクロによれば半年ほども、毎日、蕎麦を食べ続けたことがあったという。

よそからいただいたときくらいしか口にしなかった蒲鉾を、このところは自分で買って、自分ひとりで食べることがたびたびある。何がどう関係して蒲鉾を欲しがるようになったかは自分でも分からない。蒲鉾には生山葵を添える。山葵は道の駅に置いてあり、その道の駅は目と鼻の先にあるから、ことは簡単だ。

長葱を添えた納豆や、生山葵を添えた蒲鉾を口にするたび、薬味の偉大さに思いを致さないわけにはいかない。「たったのひと手間」である。その「ひと手間」が、フェラーリのエンジンに取り付けられたIHI製の過給機のように効くのだ。使わない手は無いではないか。


朝飯 牛肉と舞茸のすき焼き風、ひじきとパプリカの炒り煮、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、生の胡瓜、蓮根の梅肉和え、ごぼうのたまり漬、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、ブロッコリーとグリーンアスパラガスの味噌汁、桜桃
昼飯 「やぶ定」のカレー南蛮蕎麦、ライス
晩飯 トマトのすり流し、めかぶの酢の物、胡瓜のぬか漬け、蒲鉾生のトマトと刻みキャベツとマカロニサラダ薄切り肉の豚カツ、「菊姫」の「山廃仕込吟醸」(冷や)、マンゴー


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2021.6.30(水) 弁当

年に何度、そのお店の品物をいただくか分からない和菓子屋がある。「仏様に」と持ってきてくださることもあれば、季節のものとしていただくこともあり、方便かも知れないけれど「作りすぎた」といただくこともある。いただくばかりでは申し訳ないから、あるとき何かのついでにお酒は嗜むかと、長男に訊いてもらった。「酒の名のつくものなら何でも」と、店主は相好を崩したという。以降、そのお店には毎年暮れに「酒と名のつくもの」を届けさせていただいている。

「弁当と名のつくもの」ならほとんど何でも、僕は好きかも知れない。思い出に残っているのは台湾の阿里山鉄道のどこかの駅で買った弁当だ。それは、主婦が家の台所で作って自分で売りに来た、という風情のものだった。中国系の人は、弁当でさえ冷えたものは好まないと聞いていた。その、ごはんの上に目玉焼きと青菜炒めと焼いた中華ハムの載った弁当も、もちろん作りたてらしく温かかった。そして美味かった。

京都の「志る幸」の利久辨當も好きなら、タイの駅で売っている20バーツのガパオ弁当も好きだ。残りものの総菜をメシの上に並べただけの自作の弁当も、また例外ではない。

上澤梅太郎商店が運営する朝ごはんの店「汁飯香の店 隠居うわさわ」は、月ごとに新しい弁当をお出ししている。その7月の弁当を今日は家内が試作し、長男が写真を撮った。

日光湯波の即席味噌汁が付いて税込1,000円のその弁当は、7月3日の土曜日から毎週土、日、月に販売の予定です。ご予約は前日の15時までに、電話番号0288-21-0002まで、お願い申し上げます。


朝飯 温泉玉子、納豆、牛肉と舞茸のすき焼き風、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と小松菜の味噌汁、桜桃
昼飯 「ふじや」の雷バターラーメン
晩飯 生の胡瓜、茹でたグリーンアスパラガスとブロッコリートマトと玉葱とベーコンのスパゲティChablis Billaud Simon 2015


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2021.6.29(火) 保養

「チチチチチッ」と鳥の啼く声がする。それが、いかにも夏の朝を感じさせる。通るクルマもないにもかかわらず、外にスクラッチノイズのような音がある。カーテンを巻き上げると、雨が降っていた。鳥は、夜が明けると共に啼く。雨の朝には、なぜか大きな鳥は啼かない。

製造現場へ降りるまでに、いささかの時間がある。しかしそれは、数十分とまとまったものではない。嵐山光三郎の「文人悪妻」を本棚から取りだし、そのうちの「泉鏡花の妻 泉すず」を読む。きのう包装係のヤマダカオリさんに言われたことに従って、製造現場へはいつもより1時間はやく降りた。

先週24日の木曜日、日本テレビ系列「ヒルナンデス!」にて上澤梅太郎商店が紹介をされた。小倉ヒラクさんの「世界の発酵食品3,000種類を食べ比べた発酵マニアがおすすめするお取り寄せ発酵食品ベスト3」において、上澤梅太郎商店の「らっきょうのたまり漬」が1位に選ばれたのだ。

また2日後の26日には、BS朝日「バトンタッチ!」にて、上澤梅太郎商店の持続可能社会への取り組みが紹介をされた。

特に前者による反響はすさまじいもので、社内各部は対応に追われている。折しも、夏の贈答時期の入りばなである。普段、地方発送は、ご注文をいただいた翌日には出荷をされる。その納期が今は10日ほどに延びている。それをお知らせするメールマガジを、16時に配信する。

朝の3時、4時に起きて窓を開け、鳥の声を聞く。それが現在の僕の「保養」である。


朝飯 南瓜の煮付け、納豆、菠薐草と榎茸のおひたし、ひじきとパプリカの炊き物、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、胡瓜のぬか漬け、メシ、油揚げと茄子とパプリカの味噌汁
昼飯 焼き鮭、揚げ湯波の炒り煮、昆布の佃煮、ごぼうのたまり漬、梅干のお茶漬け
晩飯 生の胡瓜、牛肉と榎茸のすき焼き風、ひじきとパプリカの炒り煮、玉子焼き、ホウレンソウの胡麻和え、鮪の「日光味噌のたまり浅漬けの素・朝露」漬け、肉団子、蒲鉾、刺身湯波、胡麻焼酎「紅乙女」(生)、梅干と塩鰹のふりかけのお茶漬け


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2021.6.28(月) カタツムリ

毎週木曜日には「汁飯香の店 隠居うわさわ」の弁当の宣伝をSNSに上げる。金曜日にはおなじく隠居の朝ごはんの宣伝をSNSに上げる。弁当は月替わりだから、画像はひと月にひとつあれば足りる。朝ごはんの宣伝に用いる画像もそれにあわせてひと月にひとつとすると、これは見る人が飽きそうだ。そういう次第にて、隠居へはたびたび新しい写真を撮りに出かける。出かけるのは大抵、晴れた日だ。

と、ここまで書いて、子供のときのことを思い出す。小さなころには、なにもかもが大きく見える。隠居の庭も、子供には隨分と広く見えた。雨の上がったある日、その庭に、お手伝いさんとカタツムリを探しに行った。なかなか見つけられない僕に「デンデンムシムシの歌を歌いながら探すと、すぐに見つかるんだよ」と、お手伝いさんは言った。

お手伝いさんは、結婚が決まると引退をした。そうして僕が子供のときだけでも、お手伝いさんは何人も替わった。カタツムリを一緒に探したお手伝いさんが誰だったかは、今となっては思い出せない。

梅雨どきではあるけれど、今、隠居にカタツムリはとんと見かけない。見つからなくても構わないから、歌を歌うことはしない。


朝飯 鶏の幽庵焼き、ズッキーニと竹輪の天ぷら、納豆、茄子とパプリカの素揚げ、ホウレンソウの胡麻和え、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、油揚げと長葱の味噌汁、桜桃
昼飯 「大貫屋」の冷やし中華
晩飯 レタスとプチトマトのサラダカレーライス、胡瓜のピクルス、らっきょうのたまり漬「浅太郎」Old Parr(ソーダ割り)マンゴー


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2021.6.27(日) 食べくらべ

きのう土曜日の売上金額は、年初来4番目の高さだった。そして今日のそれは、きのうより3割以上も落ちた。コロナ以前は、金曜日、土曜日、日曜日と、加速度的に増えていくのが売上げの相場だった。しかしコロナが世に蔓延して以降は、この常識の覆される週末が増えた。「台風の予報が出ていたからじゃないですか」と販売係のササキユータ君は推した。しかし天気に関係なくこの傾向の現れる週末もある。いずれにしても、現状に沿って、粛々と商売をさせていただこう。

夜は2種の素麺を食べくらべる。ひとつは国産の小麦によるもの、もうひとつはオーストラリア産の小麦粉によるものだ。結果は風味、歯ごたえ、舌ざわりとも、その場にいるおとな全員が一致して後者を「美味い」とした。もちろん、すべての用途において国産の小麦がオーストラリア産のそれに負ける、ということではない。

生姜について「長くたまりに漬ける場合、国産とタイ産とでは、諸々の点において、タイ産の方が圧倒的に優れる」と、製造顧問のフクダナオブミさんはかつて主張した。「そんなこと言っても、日本人は国産偏重だからなぁ」と、僕は答えた。現在、上澤梅太郎商店では、生姜は国産とタイ産の双方にて、ご用意をしています。


朝飯 昆布の佃煮、納豆、鶏の幽庵焼き、なめこのたまり炊、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、油揚げと胡瓜の味噌汁
昼飯 うどん
晩飯 生のトマトと白菜漬け大葉と薩摩芋の天ぷらピーマンと茄子の肉詰め焼き国産の小麦粉による素麺オーストラリア産の小麦粉による素麺、胡麻焼酎「紅乙女」(生)


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上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

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