2020.4.24(金) 「一汁五菜弁当」の新聞折り込み広告
小学生のころ、元旦には友だちからの年賀状がはやく見たくて、雑煮を食べながらも気が急いた。今朝は、そのときとおなじような気持ちで外へ出て、事務室の外の新聞受けから新聞2紙を引き抜いた。それを手に4階へもどり、そのうちの下野新聞を食卓に開く。金曜日に折り込まれる広告は、週の前半のそれにくらべて多い。それらの中に「汁飯香の店 隠居うわさわ」の「一汁五菜弁当」のチラシを探す。
「汁飯香の店 隠居うわさわ」は、僅々9日間の営業日を以て、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、営業を自粛することとした。営業は自粛中でも、この店のことは、どうにかして皆様にお伝えをし続けたい。そうして考えたのが「一汁五菜弁当」であり、今朝の折り込み広告だった。
開店して間もなく「新聞で見た」と、メモを手に近所の方が、弁当の予約に来てくださった。即、事務室の壁に貼った予約票に、そのお客様の分を正の字で加える。「一汁五菜弁当」については、数日前よりこの日記やfacebookに書き、そちらをご覧になっての予約も入り続けている。
いただいたご予約が知らないあいだに限定数を超えないよう、また宅配においては、お客様が指定された時間を違えないよう、気を引き締めて、5月6日までの弁当業務に当たっていきたい。
朝飯 納豆、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、トマトのスクランブルドエッグ、炒り豆腐、牛肉と玉葱のすき焼き風、ごぼうのたまり漬、メシ、筍と若布と万能葱の味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 揚げ湯波の餡かけ、鶏もも肉の「日光味噌辛ひしお」炒め、菠薐草の胡麻和え、ごぼうのたまり漬、うずら豆、麦焼酎「むぎっちょ」(お湯割り)、“Chez Akabane”のフルーツケーキ、Old Parr(生)
2020.4.23(木) これからしばらく木曜日は
「経営者側も労力の一端を担いながら」と、きのうの日記に書いた。週7日のうち木曜日は販売係の出勤を停止し、代わりに僕や家内や長男が店に立つ、というのも、そのひとつだ。僕は、2ヶ月に1度ほどの定期通院が10時30分からある。そのため午前中のほとんどは、家内に店に立ってもらうことにした。
通院は、血圧と高脂血を監視するためのものだ。もちろん毎回、血圧を測られる。家でのそれより病院で測られる血圧の方が高くなる現象を「白衣高血圧」という。医師や看護師に面と向かうことの緊張が、血圧を高めるらしい。僕はそのまったく逆で、血圧は、家で自分で計るより病院で計られる方が、よほど低い。今日のそれは上が110台、下は60台だった。
家内が昼食を摂っている13時30分からの1時間は、長男と店に立つ。そのあいだにも、結構な数のお客様に恵まれる。接客中は、ゴム手袋をしている。しかし桐箱を小風呂敷で包む「たまてばこ」だけは、手袋を嵌めた手では、扱いが難しかった。
来週の木曜日は、社員に評判の良い、医療用の手袋に変えてみようと思う。
朝飯 炒り豆腐、納豆、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、牛肉と玉葱のすき焼き風、生のトマト、ごぼうのたまり漬、メシ、若布とズッキーニの味噌汁
昼飯 パクチー煮込みうどん
晩飯 トマトとベイジルのサラダ、コーンポタージュ、茹でたブロッコリーと焼いた椎茸を添えた鶏もも肉のソテートマトソース、San Pedro Castillo de Molina Chardonnay 2018、“Chez Akabane”のフルーツケーキ、Old Parr(生)
2020.4.22(水) 日光の産品を集めて
社内各部門の主任を集めた場長会議を、月に1度の頻度で開いている。しかし今月は、予定していた13日のそれ以外にも、7都府県に緊急事態宣言の発令された7日や、その宣言が全国に拡大された直後の17日、続いて今日も、臨時のそれを行った。
関東の一都六県の中では、我が栃木県の感染者数は、いまだ少ない。それをできるだけ維持するための努力、協力は、県民として怠るわけにはいかない。飲食事業の「汁飯香の店 隠居うわさわ」は、緊急事態宣言の期限である5月6日までの営業を自粛した。本店は製造と販売と出荷を続けつつ、出勤者数は半分にすることを、会議では改めて確認し合った。
我々の仕事は味噌と醤油と漬物を作って売ることだ。この業態においては、自宅と会社をコンピュータで繋いでウンヌン、ということは、ほぼ不可能だ。そのような中で出勤者数を半分にするのは、楽なことではない。18日の日記にも書いた、日光の産品を集めた商品が、お陰様でご好評をいただいている。あるいは、平時より忙しい卸先様もある。
せいぜい工夫をしながら、経営者側も労力の一端を担いながら、日々を乗り越えていきたい。
朝飯 揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、若竹煮、大根おろしを添えた油揚げの網焼き、納豆、炒り豆腐、鮭の焼き漬け、ごぼうのたまり漬、メシ、大根と若布の味噌汁
昼飯 「コスモス」のデミグラハンバーグ弁当
晩飯 茹でたグリーンアスパラガス、苺とベビーリーフのサラダ、ユミテマサミさんのトマトやオグラカスミさんのズッキーニなどによるスパゲティ、San Pedro Castillo de Molina Sauvignon Blanc 2018
2020.4.21(火) 「隠居うわさわ」の一汁五菜弁当
先月28日に開店した「汁飯香の店 隠居うわさわ」は、土日月の週に3日の営業。それを2週こなしたところで、東京をはじめとする7つの都府県に緊急事態宣言が出された。そして3週目を乗り越えた3日後の16日夜には、それが全国に拡大をされた。これを受けて「隠居うわさわ」は、この宣言のとりあえずの期限である5月6日までの営業を自粛することとした。
営業は自粛をしても、始まったばかりの店のことは、どうにかして皆様にお伝えをし続けたい。そう考えて今週末からの、弁当の宅配を決めた。「汁飯香の店 隠居うわさわ」の目玉は一汁五菜膳。それを、2寸8分と4寸8部の矩形の中に凝縮するのだ。味噌汁は、日光味噌と日光湯波によるフリーズドライ味噌汁をお付けする。
お届け日は、今月25日(土)から29日(水)までの5日間、および5月2日(土)から6日(水)までの5日間。お届けの範囲は、上澤梅太郎商店から半径1キロ以内。お届け時間は10時30分から12時および12時30分から14時30分の2部制。価格は税込み1,000円で、ふたつ目からは800円。店頭でのお受け取りも800円。前日の15時までに上澤梅太郎商店まで電話0288-21-0002(朝8時30分~)でご予約をいただければ、1日に30食の限定で、ご依頼にお応えをする。
なお、現在の厳しい環境下で医療に従事される方からのご注文、かつ病院様までお届けをする場合には、代金は無料とさせていただきます。
朝飯 飛竜頭と大根の炊き合わせ、菠薐草の胡麻和え、納豆、牛蒡と人参のきんぴら、若竹煮、ごぼうのたまり漬、胡瓜のぬか漬け、メシ、筍と若布と万能葱の味噌汁
昼飯 「やぶ定」の割子
晩飯 牛肉と玉葱のすき焼き風、じゃがいもと胡瓜のサラダ、炒り豆腐、鮭の焼き漬け、らっきょうのたまり漬、「大七酒造」の「皆伝純米吟醸」(冷や)
2020.4.20(月) 精密な手順
鳥の啼く声に気づいて食器棚の時計を見る。時刻は4時25分。きのうは4時27分だった。
鳥は、雨の朝には啼かない。鳥の生態に詳しい人がいれば、いちどそのあたりについて訊いてみたい。もっとも「詳しい人」というのは得てして、自分の専門分野について訊かれると得々として微に入り細を穿ち、いつまでも話が終わらない。よって当方の疑問は晴れないばかりか、しまいには辟易することも珍しくない。教えることの上手な人とは、ことによると省略の上手な人かも知れない。
朝の、社員との報告や連絡や相談が一段落したところで4階に上がる。そして持参したコンピュータを食堂の丸テーブルに開く。季節のご挨拶をお送りするお客様を顧客名簿から特定する仕事には、精密な手順が必要だ。人が来たり電話のかかる事務室では到底、できない。今日は静かな環境にいても途中でひっかかり、最初からし直してようやく、事務係に手渡せる形になった。
挨拶文の9割は僕が書いた。あとは長男が仕上げてくれるだろう。いまだ寒い日が続き、僕はダウンベストが手放せない。
朝飯 菠薐草のおひたし、納豆、飛竜頭と大根の炊き合わせ、牛蒡と人参のきんぴら、生玉子、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ湯波とズッキーニの味噌汁
昼飯 「大貫屋」の味噌ラーメン
晩飯 筍の若竹煮、ズッキーニのオリーブオイル焼き、厚焼き玉子、鶏の唐揚げ、ごぼうのたまり漬、麦焼酎「むぎっちょ」(ソーダ割り)
2020.4.19(日) 「八重のシダレ」は真っ盛り
昨年の10月には、外食による昼食が18回に及んだ。これを反省し、11月18日の「大貫屋」のチャーハンを最後として、出張、会合、会食、市外への通院など、やむを得ない場合を除いて昼の外食は止めた。新型コロナウイルスの感染拡大により「不要不急の外出は避けよ」と国や県からうながされる以前から、僕の「家ごもり」や「会社ごもり」は始まっていた。しかし人と会わなければ「生の情報」は得づらい。
そう考えて今日の昼は、ウチから徒歩で数分の蕎麦屋「やぶ定」へ出かけた。そして店主のワガツマカズヨシさんと、10分ほど立ち話をした。顔も、また知識の範囲も広いワガツマさんの話は面白く、刺激的だ。
夜はフランス料理の”Finbec Naoto”に出かけた。平時とは異なって、メニュは絞られていた。しかしここでは何を食べても美味いから、痛痒はいささかも感じない。
“Finbec Naoto”では、希望をすれば料理の終盤に、口直しのカレーライスを追加料金なしで出してくれる。その上出来のルーを、今なら冷凍で持ち帰ることができる。僕もまたそれを包んでもらったことは、言うまでもない。
朝飯 きのうのキムチ鍋の残りのぶっかけ飯、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬
昼飯 「やぶ定」のカレー南蛮蕎麦
晩飯 “Finbec Naoto”の其の一、其の二、其の三、其の四、其の五、其の六、其の七、ブルゴーニュのそれほど高くない赤ワイン
2020.4.18(土) 旅をした気分
開店の時間は8時30分でも、それより前にお客様の姿が見えれば、即、声をおかけし、店に入っていただく。今朝もそのようなお客様に、朝一番でらっきょうのたまり漬を8袋、お買い上げいただいた。とても有り難い。
東京をはじめとする7都府県に新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言が発令されたのは、今月7日のことだ。店はこの日を境として、一段とお客様の数が減った。9日後の16日、その宣言は政府により全国に拡大をされた。これにより客足は、更に落ちた。「不要不急の外出は避けよ」との国や県からの達しであれば、それも当然のことだ。
このような事態を受けて「お客様が宅急便で取り寄せられる、家飲みセットのようなものが用意できないか」と、販売主任のハセガワタツヤ君から提案があった。その案に長男が手を加えて3つの商品を作った。日光に行きたくても行けないお客様に地域の産品をご紹介し、ご自宅にいらっしゃりながら、日光や鬼怒川を旅した気分を味わっていただくものである。
「おうちで日光旅行セット」は、4種のらっきょうをはじめとするたまり漬に、鬼怒川温泉の旅館「一心舘」の温泉の元、お菓子の「日昇堂」の温泉饅頭、「片山酒造」の日本酒「日光路」、そして大門勇人さんの苺「とちおとめ」の組み合わせ。
「おうち料理応援! 味噌汁セット」は、4種の日光味噌に、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」と「らっきょうのたまり漬」、僕の朝食には欠かせない「日光味噌のたまり浅漬けの素・朝露」、八木澤裕史さんの棚田米「ゆうだい21」、「松葉屋」の揚げ湯波、そして地元の直売所に並ぶ朝どれ野菜の組み合わせ。
「おうち料理応援! ごはんのお供セット」は、「らっきょうのたまり漬」に、おむすびの具にしやすい「ひしお」と2種のたまり漬、僕が子供のころから愛して止まない「なめこのたまり炊」、「松葉屋」の揚げ湯波と国産ホウレンソウによるフリーズドライ味噌汁、八木澤裕史さんの棚田米「ゆうだい21」、そこに「荒牧農園」の林檎ジュースの組み合わせ。
本体価格はすべて5,525円(ゴーゴー日光)で、送料無料。ここに他の商品を同梱しても、もちろん送料無料。そしてこれらの発売をお知らするメールマガジンは、きのうの20時に配信をされた。
今の時期ならではの商品に、たくさんのご支持が戴ければ、とても嬉しい。
朝飯 牛蒡と人参のきんぴら、飛竜頭と大根の炊き合わせ、納豆、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と菠薐草の味噌汁
昼飯 きのうの夜の海老フライと孫が食べ残したヒレカツによる弁当
晩飯 キムチ鍋、大根のぬか漬け、ごぼうのたまり漬、麦焼酎「むぎっちょ」(お湯割り)、苺、TIO PEPE
2020.4.17(金) 温存
上澤梅太郎商店では、新型コロナウイルスによる感染を予防するための措置として、以下を実行している。
・会社備蓄マスクの全社員への配布
・毎朝の検温(37.5度以下であることを確認)と記録
・出勤人数の制限
・手洗いおよび手指消毒の、平時より高い水準での徹底
・店舗での試食の提供の中止
・店舗のお客様お休み所の閉鎖
・店舗のショーケースとキャッシュレジスターのあいだにビニール幕を設置
・店舗の自動ドアを入口と出口に分けることによるお客様の動線分け
・接客の際のゴム手袋の着用
・店舗と製造現場の常時換気
・事務室の1時間ごとの換気
上記の対策は、新型コロナウイルスによる感染が収束へ向かえば、段階的に緩めていくことになるだろう。しかしそれがいつになるかは、いまだ誰にも見えてはいない。
ところで僕は2007年6月、敦煌の鳴沙山でラクダに乗った。そのとき誰かからマスクを手渡された。砂漠でラクダに乗れば砂埃が立つだろうと考えた、親切な人がいたのだろう。しかしそのマスクを僕はそのままポケットにしまった。布を介して呼吸をするなどは、とてもではないけれど、煩わしくてできない。
それから13年のあいだ温存したマスクを、3月のはじめに遂に下ろした。外出用としては、販売係のタカハシカナエさんがウチの手拭いで作ってくれたものを、もっぱら大切に使っている。
朝飯 胡麻豆腐、納豆、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、ホウレンソウのソテーを添えたベーコンエッグ、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ湯波とサラダ菜の味噌汁、苺
昼飯 バターと杏と無花果のジャムとらっきょうのたまり漬のトースト、ホットミルク
晩飯 牛蒡と人参のきんぴら、飛竜頭と大根の炊き合わせ、スパゲティサラダ、大根と胡瓜のぬか漬け、「とんかつあづま」から持ち帰りのヒレカツとキャベツの千切り、Old Parr(ソーダ割り)
2020.4.16(木) おうちたまてばこ
昨年の10月31日に、人気のたまり漬6種類を詰め合わせた「おうちたまてばこ」が、関西テレビの人気番組「よ~いドン!」で紹介された。推薦してくださったのは、関西美食界の重鎮である門上武司さんだ。注文が殺到したことは言うまでも無い。
この「おうちたまてばこ」はその後、12月24日の総集編でも採り上げられた。この日もまた反響はすさまじかった。包装資材は枯渇し、僕は東京の日本橋までホンダフィットを走らせることとなった。
つい先日、関西テレビの担当者から電話があった。昨年「よ~いドン!」で放映された「ご飯の友」の中で、この商品にもっとも問合せが多かったことから、またまた採り上げたいとのことだった。感謝と共に快諾をしたことは言うまでもない。
10時30分を過ぎたころに、いきなり電話が重複して鳴る。事務係のマスブチサヤカさんとツブクユキさんの応対を聞くと、求められている商品はいずれも「おうちたまてばこ」だった。「木曜日か金曜日」と伝えられていた放送は、今しがただったらしい。
10月や12月とは異なって今回は、包装資材の在庫は充分だ。製造に当たる者、荷造りに当たる者との打合せは、きのうまでに済んでいる。後は丁重に、ご注文を承るのみだ。
ウェブショップの状況を見ると、こちらにも瀧に水の落ちるような速度で注文が入ってきている。マスブチサヤカさんは普段の席からウェブショップ受注用のそちらへ移り、受話器は僕が代わりに取ることになった。
夕刻にかかる電話は「午前から全然、通じなかった」とおっしゃるお客様からのものがほとんどだった。ツブクユキさんは1時間の残業をし、それでも処理し切れなかった伝票は専用の箱にまとめた。後は明日に出勤するカワタユキさんが仕上げてくれるだろう。
ご注文を下さったお客様、門上武司さん、また関西テレビさんには、厚く御礼を申し上げます。
朝飯 揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、油揚げと蕪の葉の炒り煮を薬味にした納豆、大根おろしを添えた厚揚げ豆腐の網焼き、炒り豆腐、生のトマト、ごぼうのたまり漬、メシ、豆腐と長葱の味噌汁
昼飯 稲荷寿司、ごぼうのたまり漬
晩飯 豚三枚肉と菠薐草の鍋、その鍋で煮る長寿麺、ごぼうのたまり漬、麦焼酎「むぎっちょ」(お湯割り)
2020.4.15(水) 他にもある
日本経済新聞の土曜版には「NIKKEI プラス1」というおまけが付いてくる。先週のこれの「何でもランキング」は紀行文を採り上げていた。その1位は開高健の「オーパ」、2位は沢木耕太郎の「深夜特急」、3位は宮本常一の「忘れられた日本人」。第2面に行くと、4位は宮脇俊三の「時刻表2万キロ」だった。
今回のように、何年、何十年も前に出た本がふたたび日を浴びたとき、それをamazonで検索すると、当該の古書は大抵において、既に高騰している。宮脇俊三の「時刻表2万キロ」もしかり。しかしおなじ著者による僕にとっての一番は、東南アジアを巡った「椰子が笑う汽車は行く」で、その気持ちは今も変わらない。
5位の池澤夏樹「ハワイイ紀行」、6位の武田百合子「犬が星見たロシア旅行」、7位の星野道夫「長い旅の途上」、8位の北杜夫「どくとるマンボウ航海記」、9位の金子光晴「ねむれ巴里」、おなじく9位の幸田文「崩れ」まで、amazonではおしなべて新品は品切れで、古書は高くなっている。
このような際に、どうしても読みたい本があったなら、覚え書きをしておくことだ。市場に商品のある限り、値は数年で落ちつく。
もうひとつ、北杜夫なら「白きたおやかな峰」という傑作がある。こちらの古書は本日現在で130円、小田実の「何でも見てやろう」は140円、森枝卓士と石毛直道の「考える胃袋 食文化探検紀行」は172円、小泉武夫の「奇食珍食」は1円、増井和子と丸山洋平の「パリの味」も1円と、すこし視線を移しただけで、安値で買える、しかも上出来の紀行文、あるいはそう呼んで差し支えのない本は、いくらでもある。
高いときには買わなければ良いだけのことだ。二度と市場に出てこない可能性も、また否めないけれど。
朝飯 納豆、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、大根おろしを添えた油揚げの網焼き、油揚げと蕪の葉の炒り煮、炒り豆腐、ごぼうのたまり漬、メシ、若布とサラダ菜の味噌汁
昼飯 食パンのエッグベネディクト風、レタスと鶏肉とらっきょうのたまり漬のサラダ、コーヒー
晩飯 4種の茸のソテー、焼きトマト、じゃがいものグラタン、鶏肉のローズマリー焼き、トースト、San Pedro Castillo de Molina Sauvignon Blanc 2018、プリン、Old Parr(生)